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2008年05月01日

【中国が世界一】

中国のネット人口がついに世界一になったとの報が目に付きました。

『中国国営新華社通信は24日、情報産業省の統計として、今年2月時点で同国のインターネット人口が2億2100万人となり、米国を抜いて世界一になったと報じた。北京に拠点を置く調査会社BDAチャイナも先月、中国のネット人口が米国を抜いたとし、年末には2億8000万人になる見通しだと公表していた。
 ただ新華社は、ネット人口は急増したものの、全人口に占めるネット利用者の割合は昨年末現在で16%と世界平均(19.1%)より低いとしている。
 メディアへの規制が強い中国では、ネット人口急増に伴いインターネットが平均的市民の自由な意見表明の場となった。中国政府はこれが社会不安を引き起こすことを懸念しており、胡錦濤国家主席は昨年、ネットの「浄化」を呼び掛けた。』(4月24日付時事通信)


【歪んだ言論のカタチ】

中国と言えば、最近では北京五輪を前にチベット暴動に端を発する世界各地での聖火リレー妨害デモが話題を呼んでいます。中国国内では自由な発言が許されていない人たちが中国以外の場所でチベット問題に対する中国政府の姿勢を批判すべくデモンストレーションしているのです。

反対に、中国国内では聖火リレーに対する妨害活動や中国政府の言論弾圧に対して批判的なフランスへの抗議行動が各地で起こっています。

そもそも言論の自由が政府によって規制されている中国では、中国政府に対する直接的な批判はたとえネット上であっても許されていません。もしそんなことをしたら政府当局に捕まって投獄されてしまうでしょう。

したがって、中国ではネット上では匿名で自由に発言できるといっても、ネット利用者が自らの意見を表明したり、抗議行動を組織化したりするのはあくまでも中国政府に対してではなく、中国政府を批判する勢力や国に向けられてしまうという「歪んだ」形を取らざるを得ないと推測されます。ここ数週間、中国各地で先週行われたチベット問題や北京五輪をめぐる反仏抗議行動は、まさにその一例なのです。

【諸刃の剣】

そういう中での中国のインターネット普及世界一という事実は、中国にとっても世界にとっても諸刃の剣とも言えると思います。なぜなら、インターネットが中国全土に普及すればするほど、どんなに規制を強めても中国当局は政府を批判する勢力を完全に把握することは難しくなるからです。世界、特に言論の自由あってのインターネットという認識が強いアメリカや日本など西側の国家にとっては、逆に中国のインターネット人口の爆発的な増加は世界のネット上での言論の自由への大きな脅威になるとの懸念があるからです。

その最初の端的な例がグーグルの中国進出の際に、中国政府からの申し入れによってグーグルが中国政府にとって都合の悪い情報を「自主規制」する措置でした。

果たして、中国のインターネット人口世界一という事実はこれからのネット社会にどんな影響を与えていくのか、気になるところです。みなさんはどうお考えですか?

  




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