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2008年10月02日

【氷融解、加速】

今年の夏も北極の異変は続いていた。

『今年の8月、北極の氷の融解速度はこれまでで最速だった。その結果、氷の面積は最小を記録した2007年よりわずかに大きい程度しか残らなかったという。氷は既に今週から冬に向けて凍結を始めたが、8月の急速な消失は、長期的には年間の氷量が大幅に減少することを示唆している。

 メリーランド州グリーンベルトにあるNASAゴダード宇宙飛行センターのジョセフィーノ・コミソ氏は、「今年の年間氷量は2005年や2006年と同程度になると予測していたが、8月に融解速度が急激に速くなったので、2007年と同じ程度まで減少した」と話している。昨年の夏の終わり頃に氷は平均より38%減少し、それ以前の最小の年間氷量よりさらに27%少なくなっていた。

 地球温暖化の影響で気温が上昇すると北極の氷が薄くなり、特に海水温度が上昇すると氷は融解しやすくなる。』(10月1日付ナショナル・ジオグラフィック)


【戦慄の映像】

今年5月に放映されたNHKスペシャル「北極大変動 第1集 氷が消え悲劇が始まった」に出てきた北極海と北極熊の映像の映像を見たとき、これは何かの間違いだと思いたくなるような気持ちにさせられたのを思い出した。

そう、昨年の夏の北極海は、例年以上に海氷の消失が進み、1980年と比べると北極全体の4割の氷が消失してしまったのだ。今年の夏には薄くなった北極の氷はほとんど消失してしまうという予測もあった。幸いにして今年は昨年と同じくらいの氷の消失で終わりつつあるものの、それほど変化は急激なのだ。

氷がなければアザラシなどの餌にありつけないホッキョクグマの母子が薄い氷の上をさまよい歩く。そして目印としてその母熊につけていた信号が、昨年12月にはついに動かなくなった。

【科学者の予測を超えて進む温暖化】

気候変動、地球温暖化はIPCCの報告書や科学者の予想をはるかに超えて進行している。北極海の現場で、その急激な異変を毎日目の当たりにしている科学者たちは、僕らが映像で見るよりもその恐怖を感じているだろう。

予想を上回るスピードで氷解する北極の現実は、すでに地球温暖化がさらなる温暖化を加速する「正のフィードバック現象」が始まり、もう後戻りできないところまで来ている(ポイント・オブ・ノーリターン)ことを示しているのだ。

従来の気候変動が起こるサイクルというのは、100年とか数千年とか数万年という単位で、人間が生きている間にその変化が目の当たりに出来るような変化とは全く次元を異にしていた。それが根底から変わりつつあるのだ。地球が温暖化しているのかどうかは議論をひとまず置いたとしても、これほど短期間での気候変動が地球上の生物にあたえる影響は計り知れないものがあるだろう。

北極の氷の融解の早さは、まさに引き返せないところまで来ているということを改めて考えさせられる変化のひとつだろう。みなさんはどう思われますか?

《参考》・・・過去のブログ記事

・「北極から氷が消える日」・・・2008年5月26日付の僕のブログ記事


  



2008年10月01日

【世界に激震】

政治が経済をパニックに陥れようとしている。

『米下院は29日、本会議を開き、米政府が金融機関からの不良資産を買い取ることを柱とした緊急経済安定化法案を賛成205、反対228で否決した。

 金融危機拡大を食い止める狙いの法案が否決されたことで米ニューヨーク株式市場にはろうばい売りが殺到、ダウ平均株価(30種)の終値は前週末比777・68ドル安の1万365・45ドルと過去最大の下げ幅を記録した。東京などアジアの株式市場も株価は急落し、世界の金融市場は大きく動揺している。

 同法案を巡っては、米政府と議会幹部が合意し、上下両院の可決がほぼ確実視されていた。しかし、税金による金融機関の救済への国民の反発は強く、11月の選挙を控え、世論に敏感になっている議員の「造反」が相次いだ。ブッシュ大統領は記者団に「議会の否決には失望した」と述べ、ポールソン財務長官や米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長らと対応を協議した。』(9月30日付読売新聞)


【恐慌前夜】

ここ数週間の金融市場の動きは身の毛もよだつようだ。誰もかつて経験したことのないような事態が目の前で進行しているのだ。自然現象に例えると、まるでハリケーン・カトリーナがニューオーリンズを呑み込んだときのような恐るべき事態だ。

大恐慌というのは、こういう風にして起こるのかもしれない。誰もが次の展開を予測できず、次々と新しい事態が起こり、危機対応がどんどん後手に回っていくのだ。

まさにグリーンスパン前FRB議長が言うように「100年に1度の金融危機」なのだ。そういう認識を持って、超党派で合意したはずの米金融安定化法案が下院で否決された。米政府と議会のトップは危機の認識を共有しているのに、選挙民の方ばかり向いている下院議員にはそこまでの危機意識が共有されていなかったのだ。

【市場は待ってくれない】

大恐慌が再来するとまで言われている危機的状況の中で、これから米議会では何とか法案を通すべく、超党派の修正協議が進み、上院で可決されれば、再び上下両院での再協議となるだろう。

しかし、政治家たちのそんな悠長な議論を市場は待ってくれない可能性が高い。しかも事態はアメリカだけの問題ではないのだ。世界の金融マーケットが連鎖的に危機に陥っていく可能性が極めて高い中、恐怖の時間が刻一刻と過ぎていく。

とにかく、出来るだけ早く米国の政治家たちが世界恐慌の再来との認識をもって早急に金融安定化法案の再可決に全力で取り組んでくれることを祈りたい。

  




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