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2009年04月09日

【ブラックリスト公表】

タックスヘイブン(租税回避地)やオフショアセンターとしてグローバリゼーションの恩恵を受けていた地域に今世界の厳しい目が向けられている。

『経済協力開発機構(OECD)は、コスタリカとマレーシア、フィリピン、ウルグアイを非協力的なタックスヘイブン(租税回避地)のブラックリストに載せた。20カ国・地域(G20)首脳会合(金融サミット)で合意した租税回避の取り締まり強化に向けた措置の一環。
 これとは別に、透明性強化に合意したものの、必要な国際協定に署名していない国・地域を特定した「グレーリスト」には、ルクセンブルク、スイス、オーストリア、ベルギー、シンガポール、チリ、ケイマン諸島、リヒテンシュタイン、モナコなどが載せられた。
 中国は、国際的な租税基準をおおむね採用した国・地域を示す「ホワイトリスト」に含まれたが、OECDは同国の特別行政区である香港とマカオについて、今のところ「採用にコミット」するにとどまっていると指摘した。
 G20首脳会合はこの日、OECDの情報をベースに、タックスヘイブンなど非協力的な国・地域に対し、制裁も含む処置を取ることで合意した。』(4月3日付ロイター)


【終わりの始まり】

実は、ロンドンのG20首脳会合での合意の前には相当の紆余曲折があったようだ。というのは、会議直前の4月6日号のアジア版タイム誌に「隠れるところなし」("Nowhere To Hide", page 24-25, TIME dated on April 6, 2009)という見出しでシンガポールやスイスがオフショア資金に関する一部情報開示に合意したとの記事が掲載されていたのだ。

Nowhere To Hide - The financial crisis has hit growth, shredded jobs and slammed stock prices. Now comes an upside: offshore centers from Singapore to Switzerland have finally agreed to share more information

主催国イギリスのブラウン首相が「スイスが情報開示」という一報をファックスで受け取ったとき、「これはタックスヘイブンの終わりの始まりだ」と述べた。

"This" he said, marks "the beginning of the end of tax hevens".

スイスの決断は、それほど革命的と呼べるほどの出来事なのだ。無理もない。これほどの経済危機が世界を席巻し、世界の納税者の怒りの矛先がタックスヘイブンの国々に向かなければ、スイスやシンガポールからこれほどの譲歩は引き出せなかっただろう。今までは世界中の金持ちはタックスヘイブンに資金を動かせば、その地域の銀行の守秘義務に守られて租税回避どころか、脱税まがいの行為さえ見逃されてきたのだ。

香港やマカオを持つ中国の反対にもかかわらず、フランスなどの強硬姿勢もあってOECDは今回のタックスヘイブンリスト公表にこぎつけたのだ。

【長い道のり】

しかし、これからの道のりは長く険しい。米国だけ見ても、オフショアに逃げていると見られる納税されるべき資金の額は1千億ドル、世界貿易の60パーセントがタックスヘイブン経由で行われているほか、個人資産額で11.5兆ドル(1100兆円)ものお金がタックスヘイブンにあるのだ。また、ケイマンのように、租税回避の性質を利用して数え切れないほどのSPC(特別目的会社)が設立され、それを使ったデリバティブ商品が作られて、今回の金融危機の温床にもなったと言われているのだ。

また、これらのタックスヘイブンの中には、パナマやジブラルタルのようにOECDの基準などどこ吹く風のところもあれば、もっと大きな問題としてそもそもタックスヘイブンの本拠地は英国、というよりもロンドンであり、ロンドンの役割に何らかの規制を加えなければ、本当の意味の規制はできないと見る向きもあるのだ。

未曾有の金融危機から世界的な大不況に立ち至っている現在、経済だけでなく政治的にも、長い間見過ごされてきたこのタックスヘイブンをどうするのかは世界の金融システムの抜本的な改革の一里塚になることは間違いないようだ。

みなさんはどうご覧になりますか。

  




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