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2010年05月07日

【スト、暴徒化】

ギリシャの経済情勢が社会不安にまで広がりを見せている。

『ギリシャ政府が導入を決めた新たな緊縮政策に抗議するゼネストが5日、ギリシャ全土であり、首都アテネの銀行がデモ隊に放火され銀行員3人が死亡し、市民・警官計44人が負傷した。ギリシャでのデモでの死者は91年以来。政府は平静を呼びかけているが、情勢悪化に便乗した過激勢力の破壊行動は続きそうだ。

 現場は市中心部スタディウ通りのマルフィン・エグナティア銀行(3階建て)。警察当局によると、数万人が参加したデモ行進が始まった直後の午後2時半(日本時間午後8時半)ごろ、デモ隊の一部が銀行の入り口を壊し行内に火炎瓶を投げ込んだという。

 ストに参加せず3階で働いていた32歳と36歳の女性、35歳の男性が煙に巻かれて死亡した。女性の一人は妊娠4カ月だったという。他に4人が行内にいたが、窓やベランダから逃げ出し無事だった。

 現場近くに住む観光業のガリスさん(72)によると、この日のデモは過去40年で最も激しいもので、経済省管轄の8階建てビルなど数件の建物と少なくとも5台の車が炎上した。また商店のガラスが割られ略奪もあった。

 通常、警官隊は黒覆面のアナキストら過激派を刺激しないため、ゴム弾の発砲を控える傾向にあるが、この日は各所で激しい衝突があり市民15人と警官29人が負傷した。

 政府の粉飾決算に端を発した財政危機で、ギリシャは3月初めまでに、増税、公務員給与削減など2度の緊縮策を導入したが大きな混乱はなかった。だが財政は好転せず、ギリシャは1100億ユーロ規模の融資をユーロ圏諸国と国際通貨基金(IMF)から受けるため、3度目の緊縮策を今月2日に発表した。

 新たな策は3月に2%上げた付加価値税をさらに2%上げ23%にし、年金受給開始年齢を引き上げ、公務員給与を再び削減する厳しいものだ。デモの激化は、ギリシャ庶民の不満が煮詰まった結果と言える。』(5月6日付毎日新聞)


【どこかで見た風景】

ギリシャのデモが暴徒化する様子は、いつかどこかで見た光景のような気がするのは僕だけでしょうか?例えばタイ。都市と農村の貧富の格差が政治的対立を先鋭化させ、未だに両派が首都バンコクでにらみ合ったままデモの暴徒化が日常化している。タイは東南アジアの中では経済優等生だったにもかかわらず、今では社会情勢が不安定化しているのだ。

貧富の格差によるデモの暴徒化が問題になるのは以前は累積債務問題に悩んでいたアジアや南米の国々が舞台だった。しかし、今はそれがかつては経済的に恵まれていた国々にその舞台の場を移している。EUの一角を占めるギリシャもそのひとつなのだ。

【急変する世界】

ギリシャの混乱を見るにつけ、世界が急変していることを感じる。かつて一等国だった国々がいつのまにか転落し、一夜にして社会不安が増大する。大量かつ急激な情報の流通が、富める者への妬みを増幅させる。政治の力で情報を抑え込む中国などと違って、民主主義国家は政府による強権はかえって危機を増大させる。ギリシャはまさにそういう状況にあるような気がする。

そして、ニッポン。実は2010年度予算における財政赤字の名目GDP比はギリシャ9.1%に対して、わがニッポン国は9.3%とほぼ同じ水準なのだ。一般政府債務の名目GDP比でいくと、ギリシャ130%に対し日本は204%ともっと深刻なのだ。

ギリシャの危機は対岸の火事ではない。危機は今そこにあると心しておかなければならないのは僕らである。
  




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