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2010年05月17日

【連立政権誕生】

英国の政治に新しい風が吹いています。

『英総選挙で第1党となった保守党のキャメロン党首(43)が11日夜(日本時間12日未明)、首相に就任した。保守党は第3党の自由民主党と連立内閣発足で合意。自民党のクレッグ党首は副首相に指名された。1997年以来3期連続で続いた労働党政権は幕を閉じ、13年ぶりの政権交代が実現した。
 保守、労働両党の二大政党による政権交代を伝統とする英国では第2次世界大戦後、連立政権の例がなく、日本がさまざまな面で手本とする英国の政党政治は新たな転機を迎えた。
 キャメロン氏は11日、エリザベス女王の招きでバッキンガム宮殿を訪れ、首相就任の要請を受諾。その足で首相官邸に赴き、「保守、自民両党が立場の違いを乗り越え共に働くことが強く、安定した政府をつくるための正しい道だ」と表明した。同氏は現在43歳7カ月で、44歳になる直前に首相に就いたブレア元首相を抜き、過去約200年間で最も若い首相となる。
 6日投票の総選挙では、どの政党も過半数を取れないハング・パーラメント(中ぶらりん議会)となり、各党は激しい政治駆け引きを展開。労働党は自民党との連立による政権維持を模索したが、交渉は失敗。保守党と自民党も7日以降、連立を目指して断続的に協議を続けていた。』(5月12日付時事通信)


【日本との違い】

保守党の若きリーダー・キャメロン氏が13年ぶりに労働党から政権を奪取したことは、英国の国民の間にも長く続いた与党労働党の政治に不満が鬱積していたからなのでしょう。政権与党としての期間ははるかに長い日本の自民党も昨年民主党に取って代わり、鳩山政権が発足した日本の周回遅れでの大転換です。

しかし、その中身は日本の政治風景とは大いに異なっているようです。先ずは首相となったキャメロン氏の若さ。43歳というのは、歴代首相がほとんど60歳以上という日本ではあまり考えられないのかもしれません。47歳のオバマ大統領にせよ、45歳のロシアのメドベージェフ大統領にせよ、最近の大国のリーダーの年齢は大胆な世代交代の波を感じさせます。年功よりも実力に重きを置いているのかもしれません。

もうひとつの日本の違いは、二大政党から連立政権への流れです。日本は民主党・国民新党・社民党の連立を組む鳩山政権もそうですが、1993年の細川政権発足以来連立政権が続いているのに対して、イギリスでは今回初めて二大政党から連立政権となったということです。民主主義の先進各国ではインターネットの急速な普及などにより膨大な情報が国民に共有され、国民の政治へのニーズが多様化していく中で、単独の党ではそのニーズに応えきれなくなっているというのが大きな流れなのでしょうか。選挙制度改革で二大政党を目指した日本では、政権交代が実現するや野党となった自民党が皮肉にも予想以上に弱体化し、二大政党どころか少数政党乱立という政治状況が以前にもまして現出しようとしています。

果たしてキャメロン首相率いる連立政権はイギリスの国民の期待に応える政治を実現してくれるのでしょうか。これから日本が目指している二大政党政治は本家本元ではどうなっていくのでしょうか。マニフェストの呪縛に翻弄され、選挙対策ばかりに奔走する鳩山連立政権の体たらくを見るにつけ、政治のお手本であるイギリスの動きはこれからしっかりと見ておきたいものです。

  




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