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2011年12月31日

【今年の10大ニュース】

いよいよ今年も今日で終わり。年の最後に2012年を振り返るべく、読売新聞の読者が選んだ10大ニュースを見てみましょう。先ずは「日本編」。

1.東日本大震災、死者・不明者約2万人

2.サッカー「なでしこジャパン」世界一

3.福島第一原発事故で深刻な被害

4.大相撲で八百長発覚、春場所中止に

5.新首相に野田佳彦氏

6.スカイツリー「世界一」634メートルに到達

7.大型台風上陸相次ぎ記録的被害

8.大阪ダブル選、「都構想」で共闘の橋下氏が大阪市長、松井氏が府知事に初当選

9.テレビ放送が地デジに移行

10.節電の夏、37年ぶり電力使用制限令

今年のニッポンは、とてつもない災害に見舞われた年となりました。3月11日に起こった東日本大震災、巨大津波、そして福島第一原発事故。この日を境にして、ニッポンという国の形が実際に地図の上でも動いただけでなく、あらゆる意味で「この国のカタチ」が変わった、そして変わらなければならなくなりました。この大災害に比べれば他のどのニュースもあまりにも小さく見えるのは僕だけでしょうか。

【国際編10大ニュース】

では同じく読売新聞から国際編の10大ニュースをどうぞ。

1.タイで洪水被害、日系企業も大打撃

2.ウサマ・ビンラーディン殺害

3.チュニジアで長期独裁政権が崩壊、エジプト、リビアにも「アラブの春」

4.ニュージーランド地震で日本人28人を含む180人以上死亡

5.ユーロ危機深刻化、欧州各国に波及

6.中国高速鉄道で追突事故、40人死亡

7.米アップル社のスティーブ・ジョブズ会長が死去

8.世界人口が70億人突破

9.中国が日本を抜き世界第2の経済大国に

10.英ウィリアム王子が結婚

今年の海外の10大ニュースの上位にも、タイの大洪水やニュージーランドの大地震が入りました。大規模な自然災害が世界でも頻発し、地球全体でも気候変動や地殻変動が人々の暮らしを脅かしていることがわかります。そして自然の変化は人間の在り方にも大きな影響を及ぼしますが、その典型的な動きがチュニジアに端を発した中東の民主化のうねりだったのではないでしょうか。世界が音を立てて変わりつつあるという予感がした1年でした。

【僕のブログの10大ニュース】

そして最後に独断と偏見で選んだ僕のブログの10大ニュースを発表します。

1.「メルトダウンの恐怖-福島第一原発」・・・3月13日記事

2.「破局回避を天に祈る―福島第一原発」・・・・3月15日記事

3.「運転員不在―福島第一原発」・・・・・・・3月16日記事

4.「福島第一原発の惨禍に想う」・・・・・・・・・3月17日記事

5.「原発事故に想う―福島第一原発」・・・・・・・3月19日記事

6.「空気から食品へ―放射能の脅威 」・・・・・・3月20日記事

7.「原発事故に想う―福島第一原発その2」・・・・3月21日記事

8.「安堵と不安の連鎖続く―福島第一原発 」・・・・3月22日記事

9.「急速に進む「恐れていた事態」―食品・水・土壌の放射能」・・3月24日記事

10.「原発事故後に見えてきたもの―福島第一原発」・・3月27日記事

今年は僕にとっての最大のニュースは、何といっても福島第一原発の核惨事です。したがって異例ですが、10大ニュースすべてを原発事故が起こって数週間の記事だけにしました。1986年4月26日のチェルノブイリ原発の事故以来、日本で起こってほしくないと思っていたことが現実に福島で起こった。これは本当に恐怖でした。3月11日の事故発生以来の数日間は夜も眠れないくらいの恐怖を味わいました。もしかしたらあの数日間で日本が壊滅していたかもしれないと思うと今でもその当時書いた記事を読みなおすとその当時の恐怖がよみがえります。今も数十万人の方々が家も土地も職も家族も失い、故郷を失ったまま漂流を余儀なくされていると思うと胸が痛みます。これほどの大事故を起こした政府、東電、そして原子力ムラの住民と言われる関係者は厳罰に処せられるべきだと思いますし、これから重い十字架を背負って被災された方々の償いを一生にわたってしてもらいたいと思います。年が明けてもこの事故については追及し、監視し続けたいと思っています。

《参考》

・「今年の締めくくり10大ニュース」・・・・2010年12月31日の僕のブログ記事
  


2011年12月30日

【火力発電所のトラブル】

火力発電所のトラブルが続いています。

『九州電力は28日、新大分火力発電所(大分市)でトラブルが発生したため11万5000キロワットの発電が停止したと発表した。29日未明に復旧する見込みという。九電は電力需給の逼迫(ひっぱく)で26日に管内の顧客に5%以上の節電を要請したが、節電初日に相浦火力発電所(長崎県佐世保市、出力50万キロワット)でボイラーの蒸気漏れが見つかり、点検のため運転を停止。発電所のトラブルが続いている。
 九電によると、新大分1号系列の計6基のうちの1基が、ガスタービンの燃焼器の温度上昇で27日午後7時22分に自動停止。燃焼器の一部が溶けていたことが分かり、新品に交換する作業を進めている。この運転停止による停電は起こっていないという。』(12月29日付時事通信)


【原発との違い】

原発が稼働しているときには、原発が万が一停止を余儀なくされた時のためにという名目で多くの火力発電所が休止していましたが、九電のようにすべての保有原発が定期点検のためとはいえすべて停止した状態になった今、それらの休止していた火力発電所をフル稼働せざるを得ない状況になり、トラブルが続出しているのではなかろうかと推測されます。しかし、電力会社はどんな状況が起ころうとも公益企業としての電力供給義務を果たすことが必要です。すでに福島原発の核惨事から9カ月以上が経過し、全原発の停止という状況も想定できたわけですからそれに対する備えも着々と進めていくのが公益企業としての責任なのです。当たり前のことを当たり前にやることが今求められているだけです。

そしてもうひとつ、私たち市民が忘れてはいけないのは、火力発電所と原発のトラブル時の違いです。原発はいったん事故が起これば、それがどんなに小さな事象であっても原因の特定には慎重に慎重な対応が求められます。しかも、原発は一旦止めれば再度稼働するためには、コストもかかるし、安全性を確認するまでに通常の発電所よりも時間と労力がはるかにかかるのです。

火力発電所であれば今回の大分のように数日で復旧するのもそれほど珍しいことではありません。全原発停止という事態が私たちに教えてくれた貴重な教訓です。それでも電力会社が原発に固執する理由が何なのか、一般市民である僕たちは常に監視を怠らないようにしなければなりません。  



2011年12月29日

【3/11を境に】

2011年は大変な年でした。言うまでもなく、それは3月11日の東日本大震災、大津波、それに伴う福島第一原発の核惨事を意味します。あの日の前と後では日本、そして世界が一変したのではないでしょうか?少なくとも僕の中では、福島の原発事故によって1986年4月26日に起こったチェルノブイリ原発事故以来、常に忘れることがなかった原発への恐怖がよみがえりました。

そしてこのブログの記事も3月11日以降のほとんどを福島第一原発を軸とした原発に関する内容で埋め尽くしました。なぜそうしたか?それは、あれほどの事故を経験してもなお反省のかけらもない政府や東電、御用学者や原子力関係事業者や一部大手メディアなどの「原子力ムラ」と呼ばれる人たちへの言いようのない怒りと、何も変えることのできない一市民の無力感から来ています。

【先ず怒ること】

なぜ、あれほどの事故を起こしていながら、東電の経営陣や経産省原子力安全・保安院や原子力関係の人間たちは犯罪者として裁かれないのか?なぜ、あれほどの事故を経験し、とてつもない放射性物質が大地や空気や水を汚染しても、子供たちなどを真の意味で救うべく迅速な対応が取られないのか?

政府の事故調査委員会の中間報告が発表されてから、NHKや民放でいろいろな福島原発事故の経過を巡るドキュメントが放送されていますが、それらを見るたびに事故当時のことを思い起こし、未だに無責任な発言を繰り返す役人や政治家、学者や東電の経営陣などを見ていると、再び心の底から怒りがこみ上げてきます。

先日、野田首相は福島原発事故の収束宣言をしましたがとんでもないことです。事故は収束するどころか、役所の縦割り主義と無責任体制のもと、さまざまな放射性物質の規制値がまたしても場当たり的に決められ、福島周辺だけでなくこれから日本全国に、もっと広範囲に深く、長く放射能汚染が広がっていかざるを得ない状況になりつつあります。

原発に無関心だった方には是非、原発とこれからどう向き合っていくか真剣に考えてほしいと思います。特に福島から遠く離れていると思っている福岡や九州のひとたちはなおさらです。原発事故は距離を選びませんし、同じような事故は九州の原発でも起きます。

ひとりの市民として、本当にひとりひとりが真剣に怒り、原子力ムラの無法と無責任と戦っていかなければ、僕たちの大地も水も空気も、そして大事な子供たちや家族も命の危険にさらされ続けていくことになるでしょう。それほど深刻な問題だということを肝に銘じておかなければなりません。ひとりでも多くそれを知ってもらうためにも来年も僕はブログで原発について書き続けようと思っています。  



2011年12月28日

【電力改革始動?】

政府が発送電分離も含めた電力制度改革を始めるとの報道がありました。

『政府は電力制度の改革に向けて本格的な検討を始める。

 電力会社が発電と送配電を一体運用している現在の体制を見直す。

 新規事業者の参入を促し、企業や家庭が電気の調達先や料金を柔軟に選択できる体制作りも検討する。経済産業省が年明けから本格的な検討に入り、2013年度に電気事業法の改正を目指す。

 枝野経済産業相が27日に開く関係閣僚会議で制度改革に向けた論点整理を示す。

 政府は東日本大震災の発生による電力の供給不足に対し、計画停電や電力使用制限による需要の抑制に頼らざるを得なかった。このため、政府は供給面の改革が欠かせないと判断。電力会社間の連携を強化するほか、新規参入を促す手法を検討する。

 電力会社が発電と送配電部門を一体運用している現行制度を巡っては、送配電部門を電力会社から完全に切り離す「所有分離」のほか、電力会社内で送配電部門の会計処理を分離して独立性を高めるなど4案を軸に検討を進める方向だ。』(12月26日付読売新聞)


【市民の監視が重要】

こういう大手メディアの観測記事には注意が必要です。なぜなら、こういう記事は往々にして官僚側から世論の動向を見るために書かれていることが多いからです。経産省や電力会社などからなる原子力ムラが、そう簡単には原子力推進から撤退することはないと考えれば、彼らが電力会社の地域独占を崩し、原発の後退につながるような電力改革を真正面から本気でやるのかどうか常に疑ってかかる必要があります。

この記事が出る前の23日、時事通信は、『菅直人前首相が22日、民主党のエネルギー・プロジェクトチーム(PT、大畠章宏座長)の会合に出席し、再生エネルギー促進のため、東京電力など主要9社による電力供給体制を抜本的に改め、発送電分離を進めるべきだとの考えを示し、「9電力は全部『お山の大将』で、居心地がいい」と批判し、「地域独占かつ発電・送電・配電一体型は根本から変えるべきだ。スペインとドイツは何年か前に完全に踏み切ったが、失敗したとは聞かない」と強調した。』と伝えていました。菅氏が言うとおり、電力の地域独占を解体し、発送電分離を進めなければ、市民にとっては危険でも電力会社にとっては儲かって仕方がない原発への依存体制は改まらないでしょう。

これから政府内部の議論がまともに行われるようにするために、私たち市民がしっかり監視することが必要です。  



2011年12月27日

【ドイツの努力】

ドイツは国民の声を反映して、着実に脱原発へ舵を切っています。

『東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて、将来的に国内すべての原発を廃止することを決めたドイツで、総発電量に占める風力や太陽光など、再生可能エネルギーの割合がことしおよそ20%に達し、初めて原発の発電量を上回る見通しとなりました。

これは、ドイツの電力会社などが加盟するエネルギー・水道事業連盟が、16日に発表したもので、ことし1年間のドイツ国内の総発電量を試算したところ、▽石炭やガスによる火力発電がおよそ57%で最も多く、▽2番目に多かったのが風力や太陽光などの再生可能エネルギーで、去年より3.5ポイント増えて19.9%でした。一方、▽原子力発電は、福島第一原発の事故後、国内17基の原発のうち、8基が運転をやめたことから、去年の22.4%から17.7%に低下し、再生可能エネルギーが初めて原発を上回りました。再生可能エネルギーの内訳は、▽風力発電が7.6%、次いで▽バイオマス発電が5.2%、▽太陽光発電が3.2%などとなっています。ドイツは、福島第一原発の事故を受けて、2022年までに国内すべての原発を廃止する方針を決めています。今回の結果について、エネルギー・水道事業連盟は、「再生可能エネルギーの割合が増えたことは喜ばしいが、天候に大きく左右されるなど安定性に欠ける面もあり、中心的な電力源になるまでには時間がかかる」と分析しています。』(12月18日付NHK)


【日本もビジョンさえあれば出来る】

折しも12月25日に佐賀県の玄海原発4号機が定期検査のため停止、九州にある6基の原発が稼働を停止、全国では54基のうち48基、割合で言うと9割の原発が止まりました。そして再稼働の見通しは立っていません。
この状態は、あくまでも定期検査のための原発停止であることと、福島第一原発の核惨事により国民の信頼を完全に失った政府や電力会社などの原子力ムラが自ら陥ったものです。

したがって、国民の意志で政治が動き、しっかりと計画を立てて脱原発の道を進んでいるドイツとは全く違います。しかしながら、日本においても現象としては図らずも全国の9割もの原発が止まっても、少なくとも即停電するなどの事態には至っていないのです。これをフクシマを経験したことによるひとつの大きなチャンスととらえて、原発のない社会に向けた新しいエネルギーの枠組み作りに挑戦していくべきではないでしょうか。国民の同意もなしに原発を推進し、国家を破たんの淵に追い込み続けるよりも、国民の納得を得て、原発を廃止し、コンバインド・ガスタービンなどを過渡的エネルギーとして活用し、計画的に自然エネルギーを増やしていく努力をしていくべきです。次のフクシマ、あるいはそれ以上の惨事を招かないためにも。  



2011年12月26日

【恐るべきシナリオ】

あのとき、原子力推進の中心人物である近藤駿介氏が最悪のシナリオを作成していました。

『東京電力福島第1原発事故から2週間後の3月25日、菅直人前首相の指示で、近藤駿介内閣府原子力委員長が「最悪シナリオ」を作成し、菅氏に提出していたことが複数の関係者への取材で分かった。さらなる水素爆発や使用済み核燃料プールの燃料溶融が起きた場合、原発から半径170キロ圏内が旧ソ連チェルノブイリ原発事故(1986年)の強制移住地域の汚染レベルになると試算していた。

【あの日】津波に襲われる福島第1原発

 近藤氏が作成したのはA4判約20ページ。第1原発は、全電源喪失で冷却機能が失われ、1、3、4号機で相次いで水素爆発が起き、2号機も炉心溶融で放射性物質が放出されていた。当時、冷却作業は外部からの注水に頼り、特に懸念されたのが1535本(原子炉2基分相当)の燃料を保管する4号機の使用済み核燃料プールだった。

 最悪シナリオは、1~3号機のいずれかでさらに水素爆発が起き原発内の放射線量が上昇。余震も続いて冷却作業が長期間できなくなり、4号機プールの核燃料が全て溶融したと仮定した。原発から半径170キロ圏内で、土壌中の放射性セシウムが1平方メートルあたり148万ベクレル以上というチェルノブイリ事故の強制移住基準に達すると試算。東京都のほぼ全域や横浜市まで含めた同250キロの範囲が、避難が必要な程度に汚染されると推定した。

 近藤氏は「最悪事態を想定したことで、冷却機能の多重化などの対策につながったと聞いている」と話した。菅氏は9月、毎日新聞の取材に「放射性物質が放出される事態に手をこまねいていれば、(原発から)100キロ、200キロ、300キロの範囲から全部(住民が)出なければならなくなる」と述べており、近藤氏のシナリオも根拠となったとみられる。』(12月24日付毎日新聞)

【現実になっていたら】

もしもこの原子力推進派の中心人物のひとりである近藤駿介氏のシナリオ通りになっていたら、まさにあのとき菅首相(当時)が恐れていたとおり東日本が壊滅し、国家の機能が停止してしまうような事態になっていたでしょう。もしもそうなっていたら原子力を推進していた人たちと反対していた人たちの区別なんて意味もなさないような、多くの人が直接の被爆で亡くなり、日本全体が世界から見捨てられるようなすさまじい放射能汚染を自らまき散らす国家となり果てていたのです。

もちろん、そこまでは福島第一原発の現場の方々や、警察・消防・自衛隊などの方々の決死の努力でかろうじて至りませんでしたが、それでも世界最悪の核惨事となり、その放射能汚染は日々福島周辺から東日本全体までにわたる広大な地域に広がって子供たちや身体的に弱い立場の方々を中心に深刻な被爆の影響をもたらし続けているのです。

何度でも言いますが、今一度、あのときの状況を思い起こして、原発を今後も続けていくことがどういうことなのか、ひとりひとりがしっかりと考えて政府や電力会社や御用学者などの人間たちを断罪し、一刻もは早く一旦事故が起これば国家を壊滅させるようなリスクのある原発をやめさせなければならないと思います。  



2011年12月25日

【サンタの位置】

『米Googleは23日(現地時間)、ノーラッドと協力してサンタクロースの現在位置をモバイルGoogleマップから追跡できるようにしたことを発表した。

【動画】NORAD Tracks Santa in 2010

 ノーラッドはアメリカとカナダの共同軍事施設で、両国の航空、宇宙及び海上の防衛を担当している。1955年、ある会社がサンタクロースと話ができる電話番号を広告に掲載したが、誤植によりそれはノーラッドの最高司令官へのホットラインだった。子供からの電話でサンタクロースのことを聞かれた司令官は部下にレーダーでサンタクロースの現在位置を確認させ、子供に伝えた。

 これ以来、ノーラッドでは職員のボランティアによって、毎年サンタクロースの現在位置を問い合わせる電話やメールに対応している。そして、今年はGoogleが協力し、モバイルGoogleマップでサンタクロースの現在位置を追跡できるようになった。追跡はノーラッド本部のあるコロラド州の時間で24日午前0時から行われる。モバイルGoogleマップで「サンタ」を検索することで現在位置を確認できる。』
(12月24日付RBB TODAY)


【グーグルの粋なはからい】

こんな粋なサービスが行われているなんて今初めて知りました。サンタクロースは今、ロンドンからダブリン上空を飛んでいるそうです。

http://www.noradsanta.org/ja/index.html?!2d
みなさんもご覧になってはいかがですか?クリスマス気分が盛り上がりますよ。

Merry Christmas!  



2011年12月22日

【ネイチャーに論文】

鳩山氏らが福島原発の国有化に関する論評を発表しました。

『鳩山由紀元首相と衆院科学技術・イノベーション推進特別委員会委員の平智之議員(両氏とも民主党)は連名で、東京電力福島第一原発事故の真相を究明するには福島第一原発を国有化しなければならないとする論評を、15日付の英科学誌ネイチャーに寄稿した。同論評は英文だが、平議員が編集した訳文が同誌の日本語版サイトに掲載されている。

論評では、事故について再臨界の可能性」「核爆発の可能性」「メルトダウンの可能性」を検討。その中で、3月14日に起きた同原発3号機の爆発は、ウランより重い元素が周辺から検出され、しかも建屋の鉄骨が高温で溶けてねじ曲がったと観察されることを踏まえて「核爆発がもっともらしいと思われる」と指摘する。

その上で同論評は、事故に関する情報を東京電力から収集するには福島第一原発の国有化が不可避であり、事故の収束には「原子力産業界の技術者の一部にみられる致命的な楽観論を打ち破る」ための特別な科学評議会が必要だとしている。』(12月15日付オルタナ)

【東電の許されない犯罪】

たとえ最悪の事故を起こしたことが東電の言う「想定外」だったことを仮に認めて事故の責任のすべてが東電ではないとしても、事故後も続く情報隠しや責任逃れの体質、さらには被害を受けた方々への補償よりも自分たちの保身ばかりに拘泥し、国に責任を転嫁する態度を見ていると、福島第一原発の事故原因の究明は東電の都合のいいように曲解されて、事故の教訓は生かされない可能性が高いと僕も思います。

だから国有化がいいとは言いませんが、少なくとも東電から福島第一原発を分離して徹底的な情報公開を行わなければ本当の事故原因の究明は出来ないでしょう。そういう意味で鳩山氏の主張は筋の通ったものだと思われます。ただし、鳩山氏は海外で論文を発表するだけでなく、与党民主党の首相経験者としてしっかりと自論の実現のために動いてほしいと思います。論文発表だけで終わるならば、他の無責任政治家たちと同罪です。  



2011年12月21日

【経産省の傲慢】

またしても、あれだけの事故を起こしてもまったく無反省の体質が露呈しました。

『福島第一原発事故で、何度も放射性物質を含む汚染水が海に漏出したが、経済産業省原子力安全・保安院は「緊急事態」を理由に、法的には流出量は「ゼロ」と扱ってきたことが本紙の取材で分かった。今後、漏出や意図的な放出があってもゼロ扱いするという。政府は十六日に「冷温停止状態」を宣言する予定だが、重要な条件である放射性物質の放出抑制をないがしろにするような姿勢は疑念を持たれる。

 原子炉等規制法により、電力事業者は、原発ごとに海に出る放射性物質の上限量を定めるよう決められている(総量規制)。福島第一の場合、セシウムなどは年間二二〇〇億ベクレルで、年度が変わるとゼロから計算される。

 しかし、四月二日に2号機取水口近くで高濃度汚染水が漏出しているのが見つかり、同四日には汚染水の保管場所を確保するため、東京電力は建屋内のタンクに入っていた低濃度汚染水を意図的に海洋に放出した。

 これら二件の漏出と放出だけで、原発外に出た放射性物質の総量は四七〇〇兆ベクレル(東電の試算)に達し、既に上限値の二万倍を超える。

 試算に対しては、国内外の研究機関から「過小評価」との異論も出ている。

 今月四日には、処理済みの汚染水を蒸発濃縮させる装置から、二六〇億ベクレルの放射性ストロンチウムを含む水が海に漏れ出した。

 さらには、敷地内に設置した処理水タンクが来年前半にも満杯になる見込み。この水にもストロンチウムが含まれている。東電はできるだけ浄化して海洋放出することを検討している。漁業団体の抗議を受け、当面は放出を見送る方針だ。

 保安院は本紙の取材に対し、事故への対応が最優先で、福島第一は損傷で漏出を止められる状態にない「緊急事態」だった点を強調し、総量規制を適用せず、四七〇〇兆ベクレルの漏出をゼロ扱いする理由を説明した。

 「緊急事態」に伴う特例扱いは「事故収束まで」続くとも説明したが、具体的な期間は「これからの議論」とあいまい。

 今後、仮に放射性物質を含んだ処理水を放出したとしても、ゼロ扱いを続けるという。』(12月16日付東京新聞)


【鬼畜並みの組織】

経産省原子力安全・保安院がどんな役所か、今回の記事を見るだけでも背筋が凍るような恐怖を覚えます。この人たちは自分たちの責任を回避するためなら放射能汚染がどれだけ広まろうが、それによってどれだけの人間が被害を被ろうが何とも思っていないのでしょう。もう国家機関という組織の名を借りた「鬼畜」そのものではなかろうかと思えるほどです。

こんな人たちが「原子力は絶対安全です」と国民に喧伝していたわけですから、今回の福島第一原発の核惨事はまさに必然的に起こったと言ってもいいのではないでしょうか。

実際のところ、今回海に放出された放射性物質の量は加害者である東電の試算ですら四七〇〇兆ベクレルと天文学的な数値なのです。そしてその生態系への影響はこれから長期にわたって出てくるのは間違いないのです。さらには、福島原発周辺の沿岸地域の漁業者は放射能汚染の風評被害のために鮮魚市場に魚介類を出荷することさえできなくなっているのです。まさに漁業者にとっては海の放射能汚染は死活問題そのものなのです。

それを「汚染はゼロ」と強弁し、これからも放射能汚染水を垂れ流し続けると公言する経産省原子力安全・保安院。市民ひとりひとりが「ノー」の声をあげなければ次に殺されるのは魚だけではないでしょう。まさに水俣病やイタイイタイ病のときのような悪夢が繰り返されようとしています。
  



2011年12月19日

【突然の訃報】

昼ごろに友人のFacebookのリンクで知りました。

『北朝鮮の朝鮮中央テレビと朝鮮中央放送、平壌放送は19日正午からの「特別放送」で、最高指導者の金正日総書記が死去した、と伝えた。69歳だった。葬儀の日程などは不明。

 北朝鮮は昨年から金総書記の三男で朝鮮労働党中央軍事委員会副委員長を務める金正恩氏を中心とする三代世襲態勢への移行を推進していた。金総書記の死去が今後の北の核活動を含む対外政策にどのように影響するか、米韓など各国は不測の事態に備え情報の収集と分析に全力を挙げる。

 ラヂオプレス(RP)によると、朝鮮中央テレビは同日午前10時、正午からの特別放送を予告。その際、アナウンサーが悲しい表情をしていたうえ、背景音楽が「将軍」を称える主旨の曲調だったことから死亡したとの見方が有力だった。

 北朝鮮では2010年9月、朝鮮労働党代表者会を44年ぶりに開催し、正恩氏を後継者に選出。健康に不安を抱える金総書記の死後の“金王朝”の安泰をアピールし、国内の安定を図ってきた。

 北朝鮮は核開発に力を入れ、06年10月と09年5月に核実験を実施。既に数発の核爆弾を保有しているとみられている。また10年には米国の核専門家に対してウラン濃縮施設を公開するなど、核を恫喝(どうかつ)外交の手段としてきた。

 金総書記は73年、31歳で党、軍の人事を握る朝鮮労働党組織指導部長、思想担当兼宣伝扇動部長に就任。翌年、労働党中央委員会で政治局員に選出され、金日成主席(94年死去)の後継者となった。08年8月に脳卒中で倒れたとされ、健康が不安視されていた。

 故金日成主席の生誕100年に当たり、自身も70歳を迎える12年を「強盛大国の大門を開く年」と位置付け、軍事強国を目指し、正恩氏の後継体制確立を推進してきた。』(12月19日付産経新聞)

【急変するアジア】

政権交代による混乱、東日本大震災に続く巨大津波と世界最悪の放射能汚染となった福島第一原発の核惨事への対応など国家的な危機ともいえる状況にあるニッポンにとって、またひとつ頭の痛い問題が突如北朝鮮で起こったのです。

故金日成主席の死去の際には、北朝鮮は3年間国家として喪に服したそうですが、今回も相当の期間、喪に服することになるでしょう。したがって少なくともその期間、表向きは軍部の暴走が今すぐ起きるようなことはないかもしれません。しかし、絶対権力者が突然いなくなった意味は大きいでしょう。それもその権力者が指名したのは、金総書記の三男である若干28歳の金正恩氏。今まで何の実績もないため、側近が付いて当面集団指導体制を敷くようですが、水面下では激しい権力闘争が繰り広げられることになるのではないかと思います。

金正恩氏が権力基盤固めに失敗すれば、飢餓と貧困に喘ぐ北朝鮮の多くの国民は中国や韓国に大量に脱出していくことになるでしょう。それは中国にとっても韓国にとってもある意味、悪夢のようなシナリオだと思います。

自国民にさえ愛想を尽かされているニッポン政府では、この緊急事態に対処できないのではないかと危惧するばかりです。
  



2011年12月17日

【冷温停止状態】

野田首相が原発事故収束のステップ2が完了したと宣言しました。

『東京電力福島第1原発事故で、政府は16日、原子力災害対策本部(本部長・野田佳彦首相)の会議を首相官邸で開いた。原子炉の冷却が安定して放射性物質の放出が大幅に抑えられた「冷温停止状態」が実現し、事故収束に向けた工程表「ステップ2」が完了したとする政府・東電統合対策室の判断を了承。野田首相は「冷温停止状態に達し、事故収束に至ったと判断した」と宣言した。
 同原発では3基の原子炉が炉心溶融(メルトダウン)を起こし、溶けた核燃料の状況が確認できない上、放射性物質の外部への放出も完全に止まっていない。避難した周辺住民の帰還のめども立っておらず、反発を呼びそうだ。
 宣言を受け、政府は同原発から半径20キロ圏内の警戒区域と、年間放射線量が20ミリシーベルトを超える計画的避難区域を、新たに3区域に再編する検討に入った。近い将来の帰宅が可能な「解除準備区域」(年間線量20ミリシーベルト未満)、数年間居住が難しい「居住制限区域」(同20ミリシーベルト以上~50ミリシーベルト未満)、数十年間帰宅できない可能性がある「帰還困難区域」(同50ミリシーベルト以上)とする方向で調整している。』(12月16日付時事通信)

【大本営発表変わらず】

正直言って、今回の事故収束宣言は野田首相がいかに福島原発事故問題に本気で取り組んでいないかを内外に示しただけです。本当の意味での事故の収束は何も進んでいないのは誰の目にも明らかです。そもそもメルトダウンした原子炉内の状況も明確に把握すらできないのに、通常専門家が使う「冷温停止」という言葉を「冷温停止状態」などとあいまいに表現して事故の収束が完了したなどと発表するのは、まさに戦前の大本営発表並みの大ウソではないでしょうか。

野田首相は本気で福島原発の核惨事を収束させるどころか、こんな事態に至っても未だに首相の指導力を発揮して経産省主導の原発維持体制を脱原発に方向転換する意志などまったくないということがますますはっきりしてきました。菅前首相が本気で経産省と対峙し国民の声に向き合ったのとは正反対です。

おそらく年内にステップ2完了を宣言するのを急いだのは、日本の原発の安全性を海外にアピールしたいからでしょうが、福島県を中心に故郷にも帰れなくなった住民の方々のことを考えれば、もっとやるべきことは山積しているのではないでしょうか。例えば鳩山元首相が言っているように相変わらず情報を隠し続ける東電から福島原発を分離して国有化して、本気で事故原因を調査するとかもそのひとつです。

残念ながら、事故後の対応を今まで見ていると日本政府には真に国民の安全を考えて原発という危険な技術を維持管理する能力はないと断言せざるを得ないと思います。これだけの核惨事を招いても大本営発表をする政府。深い怒りと失望を覚えます。  



2011年12月15日

【集団訴訟へ】

いよいよ東電に対する集団訴訟が起こされようとしています。

『福島県内と首都圏の弁護士グループでつくる「福島原発被害弁護団」は13日、東京都内で記者会見し、原発事故の被害者を数百人規模で集め、来春にも東京電力に完全な損害賠償を求めて集団交渉を申し入れる方針を明らかにした。

 弁護団は10月、原発被害者から損害賠償請求に関する相談・依頼を受ける目的で、同県いわき市と東京の2カ所を拠点に設立。約50人で相談に応じてきたが、国が指針で示した賠償額への不満が多く、東電に対する集団交渉に向け準備を進めることにした。

 弁護団は警戒区域などから避難し最も深刻な被害を受けた人の損害基準として、避難生活を続けている人については避難費用と生活費の増額分、休業損害や逸失利益に加え、慰謝料の基本額を1人当たり月額50万円と想定。結果的に帰還が困難となる人には失った財産の時価、減収分などに加え、慰謝料の基本額を1人当たり2000万円と設定した。

 集団交渉には既に100人を超える被害者が加わる見通しといい、弁護団の小野寺利孝・共同代表は会見で「個別の直接請求やADR(原子力損害賠償紛争解決センターによる裁判外の手続き)の利用にも限界があり、1人で裁判を起こすのも不可能に近い」と発言。「公開の場で東電側に統一要求を行い、合意できなければ司法手続きに移る」と、最終的には損害賠償を求め集団訴訟を起こすことも示唆した。』(12月13日付毎日新聞)


【史上最悪の犯罪】

今、僕の手元に作家の広瀬隆氏、弁護士の保田行雄氏、ルポライターの明石昇二郎氏の編著『福島原発事故の「犯罪」を裁く』(宝島社、12月1日第一刷)という本があります。この本は人類史上最悪の放射能汚染である福島の核惨事を引き起こした東電、政府、御用学者を中心とする原子力ムラの面々を東京地検に刑事告発し、その刑事告発の方法を市民にわかりやすく解説したものです。

以前にも書きましたが、東電は今回の核惨事の責任を政府になすりつけ、出来るだけ放射能汚染に苦しむ被害者の補償の範囲を狭めたりしようとしています。先般の事故の中間報告でもそのような姿勢がありありでした。東電は住民の「被爆」を起こしたことなどまったく認めようとしていないのです。

こんなことを許したら、福島原発事故で放射能汚染の被害にあった方々だけでなく、これから日本のどこかで確実に起こるであろう第二、第三のフクシマの核惨事では、さらなる原子力ムラの無責任のもとでもっと多くの市民が苦しむことになるでしょう。それだけでない、もしかしたら、第二のフクシマで日本は壊滅するかもしれないリスクを背負っているのです。

それを防ぐには、今回の事故について東電をはじめとする原子力ムラの責任を徹底的に市民が市民の手で執拗に追及していくしかありません。その有力な手立てのひとつが刑事告発であり、今回の記事のような損害賠償を求める集団訴訟なのです。そうすれば、橋下氏のような改革派の政治家がもっと出てきて、原発にまみれた政治家を駆逐していくことにもつながっていくと思います。

もう原発利権に目の眩んだ政治家や電力会社、御用学者などの原子力ムラの欺瞞には我慢できないという意志をひとりひとりの市民がどんな形でもいいから示す時が来ていると思います。子供たちを守れない国は滅びます。彼らは子供たちを守るどころか死の淵に追いやって平然としているのですから、言語道断でしょう。  



2011年12月14日

【今年の漢字】

今年の漢字は何に決まったのでしょうか?

『漢字1文字で一年の世相を表す毎年恒例の「今年の漢字」が12日、「絆」に決まった。東日本大震災をはじめ台風やタイの大洪水など災害が相次ぎ、人と人の絆の大切さが見直されたことや、サッカー女子ワールドカップ(W杯)で初優勝した「なでしこジャパン」のチームワークなどが反映された。
 発表会場となった京都市東山区の清水寺では、森清範貫主が大きな「熊野筆」で「絆」と揮毫(きごう)した。13日午前10時から31日正午まで同寺本堂で一般公開される。
 森貫主は記者会見で、絆が選ばれることを予想していたとし、「この絆をもって皆さんが一つの心になり、日本をこれから力づけていただきたいという思いを込めた」と語った。その上で「来年はこの絆を受けて、力の出るような一字になればありがたいと思っている」と話した。』(12月12日付時事通信)


【大災害の1年】

東日本大震災、巨大津波、福島第一原発の核惨事という未曾有の災害に見舞われた2011年もあと3週間あまりとなりました。今年を漢字一文字で表すとしたらどういう文字が一番ふさわしいか、毎年恒例となった「今年の漢字」。「絆」に決まったと聞いて多くの人が納得感を持たれたのではないでしょうか。

人々の絆がこれほど重みを持ったことは最近ではなかったのではないか、特に東日本大震災の被災地の方々にとっては言葉では言い尽くせないような苦難の日々の中での救いがともに助け合った家族や知人、友人、その場に居合わせた人、そして救いの手を差し伸べてくれた全国の方々、世界中の支援の輪、それらすべてが「絆」という一言に集約されているような気がします。

2位は「災」という漢字だったそうですが、明日への希望を託す意味では「災」よりも「絆」のほうがふさわしいと思います。

しかし、人々が「絆」を求めているときに、福島の原発事故だけは国と東京電力、そしてメディアも含めた原子力ムラがその絆をズタズタにしてしまった罪と責任を永遠に追及していくべきでしょう。

≪参考≫

・「「新」から「暑」へ―今年の漢字」・・・2010年12月13日の僕のブログ記事  



2011年12月13日

【冷却水漏れ】

玄海原発が冷却水漏れを起こしたとの報道がありました。

『九州電力は9日深夜、定期検査中の玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)3号機で、原子炉補助建屋内にある1次冷却水の浄化やホウ素濃度調整をするポンプから1次冷却水1・8トンが漏れたことを明らかにした。九電は当初ポンプの温度上昇のみを同日午後3時半以降に佐賀、長崎両県や報道各社に伝えたが、1次冷却水漏れは公表しなかった。

 九電によると、9日午前10時48分、3号機の充てんポンプ3台のうち稼働中だった1台で、通常は30~40度の温度が80度以上に上昇して警報が鳴った。このため、休止していた他のポンプに切り替えた。1次冷却水はコバルトなどの放射性物質を含んだ汚染水で、原子炉補助建屋内のピットと呼ばれる回収ますに出たが、回収。外部への影響はないという。

 3号機は昨年12月11日に定期検査入り。原子炉内には燃料が装着されており、冷温停止状態を保つために冷却水を循環させていた。九電は高温になった原因は、冷却水不足や1次冷却水の不良などの可能性があるとみて調べている。

 九電は、温度上昇の警報が鳴った約4時間半後の9日午後3時半以降に佐賀、長崎両県、同6時ごろに報道各社にポンプの異常のみを知らせた。汚染水漏れについては、報道機関の問い合わせに、事実関係を認めていた。九電によると、汚染水漏れが設備内にとどまっているケースでは法規上、公表する必要はないという。九電は「1次冷却水の漏れは原子炉補助建屋内にとどまっており、広報する必要はないと判断した」と説明した。

 経済産業省原子力安全・保安院も、今回のポンプの異常や冷却水漏れは、法令による報告義務の対象にあたらないとしている。ただし、九電からは、警報が鳴ってすぐにポンプを停止し、冷却水が外部に漏れていないことや、モニタリングデータに問題がないとの報告があり、原因を調査することを確認したという。』(12月10日付毎日新聞)

【疑わしきは公開】

3/11の福島原発の核惨事以降、これほど地域住民や国民が疑いの目を向けて見ているときに、なぜここまで官僚的な対応ができるのか到底理解できないのは僕だけでしょうか?九電が意図的にそうしているのなら、もっと罪深いことだと思います。なぜならそうすることで国民の信頼をさらに失うことになるだけでなく、いづれそのような何でも隠す体質が福島第一原発の核惨事以上の事態を招くことになる可能性があるからです。

科学技術がどんなに発達しようとも、巨大で複雑な技術や構築物を動かすのは人間です。最後の砦は人間の判断力なのですが、人間はかならずといっていいほど過ちを犯す。だからこそ航空機などでもフェイルセーフの思想が徹底的に事故防止のために実践されているのではないでしょうか。

原発のように一旦事故を起こしたら取り返しのつかない甚大な放射能被害をもたらす巨大技術を制御し、事故の確率を減らすためには専門家たちが自らの「思い込み」や「常識」を常に疑い、どんな小さなミスでも市民に公開して議論することが最も重要ではないでしょうか。

九電は早く自らの姿勢を糾し、たとえ法律で公開の範囲が決まっていてもそれ以上の情報の公開を行って、より安全なシステムを作っていくための努力を市民とともにやっていくとともに、市民に誠意を見せることが必要だと思いますが、みなさんはどう思われますか?  



2011年12月12日

【筆頭株主の威力】

橋下次期市長の脱原発に向けた動きが始まります。

『大阪市の橋下徹次期市長は9日、市が筆頭株主となっている関西電力の株主総会で、原発依存度を下げるため「発送電分離」で他の民間業者の参入を促す株主提案権を行使する方針を改めて表明。市の担当部局にも準備を指示した。

 市は関電株の約9%を保有する筆頭株主。

 橋下氏は報道陣の取材に対し、東京都と大阪市で原発の是非を問う住民投票を目指す市民グループの活動に触れ、「市民グループの活動は否定しないが、自分としては株主提案権を行使する方にエネルギーを振り向けたい」と発言。

 さらに「株主提案権を行使して株主の賛同を集めれば、関電の経営陣は実施しなければならない」と実効性を強調。株主提案権行使の際には、発送電分離の提案を盛りこむ方針を明らかにした。

 橋下氏は、東京電力福島第1原発事故を受けた今夏の節電騒動をめぐり、現職の平松邦夫市長の対応を「市は関電の筆頭株主であるにもかかわらず、何の結果も出ていない」と批判。平松氏と直接対決した大阪市長選でも、発送電分離のほか、原発依存度を下げるエネルギー政策の実現などを訴えていた。』(12月9日付産経新聞)

【既得権益との壮絶な戦い】

福島第一原発の核惨事を経て、わずかずつではありますが日本も変わりつつあることを実感するような現象が起こっています。そのひとつが橋下氏の動きです。財界には経団連の米倉会長の親原発路線に真っ向から対峙している孫正義氏の存在がひときわ目立ちますが、政界では今まで既存の政治家でここまでハッキリと脱原発の姿勢を明確にした人はいなかったのではないでしょうか?自民党の中でも原発に厳しい見方をしている河野太郎氏でさえ、自分は脱原発ではなく核燃料サイクルに反対なのだと言っていたのを聞いたことがあります。河野氏でさえそうですから、他の議員は推して知るべしでしょう。既得権益にまみれて原子力ムラに正面から対峙する気などさらさらない議員ばかりです。

このまま原発という既得権益のためなら国家が滅びても構わないと言わんばかりの原子力ムラの人たちをのさばらしていたら、本当にニッポンという国家は近い将来、第二の福島の事故を起こして一瞬にして崩壊するでしょう。それを止めることができるとしたら、やはり政治しかない。その一筋の光明が橋下氏ではないかと僕は期待しています。関西電力は東電に次ぐ電力界のドンです。こことの戦いは熾烈を極めるのではないかと思いますが、是非、橋下氏に頑張ってもらいたいです。  



2011年12月09日

【あれから70年】

70年の歳月と言えば、現代の人間の1世代に相当する時代が過ぎ去ろうとしているということです。

『日米開戦のきっかけとなった真珠湾攻撃から70年を迎えた7日(日本時間8日)、米ハワイの真珠湾で戦没者をしのぶ追悼式典が開かれた。約120人の生存者を含む5000人が参加した。

【写真】攻撃を受けた直後の真珠湾(1941年)

生存者の1人で、真珠湾攻撃当日は軍艦サンフランシスコで勤務していたマル・ミドルスウォースさん(88)は、「あの日、命を落とした全ての人に最大の敬意を表する」とあいさつした。ミドルスウォースさんはかつて「真珠湾生存者協会」の会長を務めており、「今享受している自由が無償で得られたものではないことを、米国の若者に理解してもらいたい」と続けた。

一方、現在94歳のエドワード・ウェンツラフさんは、日本軍からの機銃掃射と魚雷攻撃に挟まれる米艦を目撃したと話し、「人の焼ける臭いは吐き気を覚えるほどで、いつまでも鼻に付いた」と当時を振り返った。

日本軍によるこの攻撃で、米側の死者は約2400人、負傷者は1178人に上った。10艇以上の米軍艦が沈没または大破したほか、航空機323機が破壊された。中でも戦艦アリゾナは魚雷攻撃を受け、1177人の乗組員が死亡した。』(12月8日付ロイター通信)

【トラ・トラ・トラ】

真珠湾攻撃で思い出すのは、1970年に公開された日米共同制作の映画「トラ・トラ・トラ」です。「トラ・トラ・トラ」とは、「ワレ奇襲二成功セリ」という意味で当時の日本軍が真珠湾攻撃の成功を伝えた電文です。

その原義は、聖徳太子が信貴山にて物部守屋討伐の戦勝祈願をした際に、寅の年、寅の日、寅の刻に毘沙門天が聖徳太子の前に現れ、その加護によって物部氏に勝利したという伝説にちなみ、日本の勝利を願って電文を「トラトラトラ」としたとされています。ハリウッド映画を見た当時はそんな原義などまったく知らなかったのですが、先日鹿児島のある住職さんから聞かされてそういう縁起のいい言葉だったということを知りました。

しかし、現実には真珠湾攻撃の圧倒的な勝利の後、その奇襲の故に強大な軍事大国であったアメリカの怒りを買って、時間の経過とともに各地で敗退し、沖縄戦での敗北と広島・長崎の原爆投下で決定的なダメージを受けたのちに敗戦を迎えることになったのです。

日本人だけでも戦闘員・非戦闘員数百万人の犠牲者を出した太平洋戦争。今となっては「トラ・トラ・トラ」に象徴されるような神がかりの国ニッポンの自国に対する過剰なほどの自信が、自らの破滅を導いたとのではないかと悔やまれるばかりです。

あれから70年。この貴重な歴史の体験者が80代以上となり世代交代が進んでいく今、若い世代が「トラトラトラ」の意味するところを真剣に受け止めなければ、ニッポンは再び同じ過ちを繰り返すことになりかねません。東日本大震災や福島原発事故を経験した2011年。国家の破局を招くのは戦争だけではありません。すべての日本人は、もう一度12月8日を振り返ることが求められています。  



2011年12月08日

【異議申し立て】

福島周辺の多くの被災者の方々が放射能汚染にさらされ、住むところも何もかも奪われて路頭に迷っている最中にもこんな理不尽なことが画策されているのです。

『再生可能エネルギー固定価格買い取り法(再生エネ法)に基づき、電力の買い取り価格を検討する「調達価格等算定委員会」の政府人事案について、与野党の有志議員が5日、東京都内で会見し、人事案の差し替えを求めた。経済産業省は、今国会中の人事案への同意を目指している。

 再生エネ法では、買い取り価格や期間の設定を中立な第三者機関が担うとしている。人事案は民主、自民、公明の3党合意に基づき、3党の推薦をもとに決められたという。

 だが、候補者5人のうち3人が再生エネ法に反対か慎重派で、さらにその1人は大量に電力を購入する立場の進藤孝生・新日鉄副社長という顔ぶれになっている。

 このため、出席した民主、自民、社民、みんなの各党の議員から「バランスが欠けている」と白紙撤回などを求める声が相次いだ。民主党の山田正彦前農相は「反対多数になるのでは心配だ」と語り、自民党の柴山昌彦衆院議員も「人選のプロセスに問題がある」と訴えた。』(12月6日付毎日新聞)

【許せない骨抜き】

これが官僚主導国家ニッポンの現実です。日本人の死亡者だけでも推定2百万人を超えるといわれる太平洋戦争を推し進めていったのも軍部を中心とした官僚組織でした。あの戦争による国家破たんの二の舞いになるくらいの大規模災害を引き起こす可能性を垣間見せた福島第一原発の核惨事。あれは日本と世界が経験した過去最悪の原発事故ではありましたが、決して史上最悪の原発事故ではありません。地震国家ニッポンではこれ以上の大規模な原発事故が起こる可能性はまだまだあるのです。

にもかかわらず、そんなリスクにはほおかむりして未だ原発推進に固執しようとする経産省官僚を軸とする原子力ムラの連中が、再生エネ法の骨抜きを画策しているのは間違いないでしょう。自分たちの権益を守るためには国家さえも滅ぼすことも厭わないのが彼らの手口なのです。

河野太郎ら有志の国会議員たちが問題視しているのは、再生エネ法を審議する第三者委員会の5人のメンバーのうちの3人、進藤孝生、山内弘隆、山地憲治。特に問題なのは、再生エネ法の国会審議のときに、買い取り制度について「日本経済の空洞化を助長する」と難色を示した進藤氏です。国民の声などどこ吹く風で委員の人事などの姑息な手段でこんな露骨な再生エネ法つぶしをやるのですから、油断も隙もありません。

今回河野氏のような国会議員が、この人事案に異議を唱えなければすんなりと通って再生エネ法が骨抜きになるのは時間の問題だったでしょう。とにかく、国会議員には頑張ってもらわなければなりませんが、国民ひとりひとりが原子力ムラとみなされる官僚や政治家、電力会社、原子力メーカー、御用学者、そして大手メディアに常に目を光らせ、どんな小さなことでも「ノー」という声を上げていくことが重要です。

こんな理不尽な動きは絶対に許せないし、国民はこんなことで原発のない安全な社会づくりを決してあきらめてはいけないと思います。  



2011年12月07日

【粉ミルクにセシウム】

これは氷山の一角かもしれません。

『食品大手の明治(東京都江東区)は6日、粉ミルク「明治ステップ」850グラム缶の一部から1キロあたり最大30.8ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。厚生労働省によると、粉ミルクからのセシウム検出は初めて。乳製品の暫定規制値(1キロあたり200ベクレル)未満で、毎日飲んでも健康に影響ないレベルとされているが、同社は「安心して使っていただくことを最優先する」として、検出された製品と近い時期に製造した同銘柄の約40万缶を無償で交換する。

 セシウムが検出されたのは、同社埼玉工場(埼玉県春日部市)で3月14~20日に製造した粉ミルクを使ったものの一部。11月28日、「ステップで放射性物質が出たと聞いた」と報道機関から問い合わせがあり、在庫分などを調べたところ、21.5~30.8ベクレル検出された。前後の期間に製造した粉ミルクを使った商品は、いずれも検出限界値(1キロあたり5ベクレル)未満だった。

 原料の粉乳は大部分が豪州など外国産で一部は北海道産だが、いずれも東日本大震災以前に製造された。同社は、粉乳を水などと混ぜ合わせて霧状に噴霧したものを熱風で乾燥させて粉ミルクを作っており、「乾燥の過程で取り込んだ外気に含まれるセシウムが影響した」とみている。

 同社は4月末から毎月1回程度、放射性物質の定期検査を行っている。3月製造分については関東地方で大気中の放射線量が高かった3月21日のものを調べたが、検出限界値未満だったという。

 厚労省は「暫定規制値を下回れば健康への影響は考えられない」とする。一方、子どもは大人より放射性物質の影響を受ける可能性があるとして、乳児用食品の区分を新設し、現行より厳しい規制値を設定する方針だ。

 無償交換の対象は、賞味期限が来年10月3~6日、同21~24日の製品で全国に流通。問い合わせは同社お客様センター(0120・077・369)。』(12月6日付毎日新聞)


【これから広がる放射能汚染】

起こってほしくないことが次々と起こってきています。推定77京(77X10の16乗)ベクレルという天文学的な放射性物質が福島第一原発から風に乗って日本全国、いや世界中にまき散らされたのですから、福島周辺だけでなく関東や東北を中心にいたるところにホットスポットを生じさせ、ありとあらゆる自然の恵みの中に付着したのですから食品の中に発見されないほうが不思議なのです。

時折大手メディアが報道する放射能汚染の実態はほんの氷山の一角にすぎません。海洋の汚染は陸地よりもさらに複雑で甚大な影響をこれから長きにわたって人間だけでなく生物すべてに降りかかってくるでしょう。

そんな中で出てきた大手粉ミルクメーカーの粉ミルクに見つかった放射性セシウム。乳児に飲ませるものですから、「健康にはただちに影響ない」などとアナウンスする暇があったら放射能の専門家と呼ばれる人たちは真剣にその対応策について粉ミルクメーカーや生産者と直接話し合っていくべきでしょう。これは国家の存立に関わる重大問題だという認識を持つべきです。そして粉ミルクメーカーはすべからくこの賠償責任を先ず東電に、そして国に求めるべきです。今回の放射能汚染による被害に関しては、どんなことでも東電そして原子力ムラの責任を追及していってこそ、次の原発事故を防ぐことにつながっていくということを僕たちひとりひとりが肝に銘じるべきでしょう。事態は極めて深刻だと考えます。

≪参考≫

・「急速に進む「恐れていた事態」―食品・水・土壌の放射能」・・・2011年3月24日付の僕のブログ記事
  



2011年12月06日

【ラストスパート】

公務員ランナーで有名な川内優輝さんが日本選手最高の走りを見せてくれました。

『ロンドン五輪代表選考会を兼ねた福岡国際マラソンは4日、福岡市の平和台陸上競技場を発着点とする42.195キロで行われ、川内優輝(埼玉県庁)が2時間9分57秒で日本選手最高の3位に入り、代表候補となった。
 ケニア出身で初マラソンのジョセファト・ダビリ(小森コーポレーション)が2時間7分36秒で優勝し、2位はジェームス・ムワンギ(NTN)。今井正人(トヨタ自動車九州)が4位だった。
 25キロすぎにダビリとムワンギがスパート。その後日本勢のトップを今井と前田和浩(九電工)が争い、大きく後退していた川内が36キロすぎで2人に追い付き、終盤に今井との一騎打ちを制した。
 24歳の川内は定時制高校の職員。フルタイムで勤務しながら独自に練習を積む「公務員ランナー」として知られ、今夏の世界選手権に出場するなど急成長している。(スタート時の気象=晴れ、気温13.7度、湿度49%、西の風2.4メートル)。』(12月4日付時事通信)

【公務員ランナー】

日曜日の川内さんの走りっぷりはテレビでご覧になった方も多いと思いますが、後半にラストスパートをかけてグングンと前に出て、日本勢トップを追い抜いてそのままゴールに突っ込んでいきました。その勢いたるや凄いものでした。

きっと公務員の仕事とマラソンランナーの「二束のわらじ」の難しさなどものともせずにロンドンオリンピックを目指してひたすら頑張ってきた成果が出たのでしょう。あっぱれというほかありません。

公務員に対する世間の視線が冷たい昨今ですが、こんな素晴らしい「公務員」もいるのだと身をもって示した川内さん、来年は是非ロンドンという大舞台で大輪の花を咲かせてもらいたいものです。がんばれ、公務員ランナー!!!  



2011年12月05日

【中間報告】

事故後8カ月近く経ってようやく当事者である東電が中間報告なるものを公表しました。

『東京電力福島第1原発事故で、東電は2日、社内調査委員会(委員長・山崎雅男副社長)の中間報告書を公表した。事故原因を「津波の浸水による長時間の電源喪失と除熱機能の喪失」と分析し、地震の揺れによる損壊を改めて否定。津波対策について「その時々の最新知見を反映していたが、敷地の高さに十分余裕があると考え、多重故障を起こす要因とは考えなかった」とした。来年6月ごろをめどに最終報告をまとめる。
 中間報告は同原発を襲った津波の高さを再現計算から約13メートルと推定した。
 津波対策で東電は、2002年に土木学会の評価手法を反映し、想定高さを最大5.7メートル(後に6.1メートル)に引き上げ、主に明治三陸沖地震(1896年)と貞観津波(869年)の二つを検討。08年には最大10.2メートルと試算したが、実際の対策には反映しなかった。
 中間報告は、津波評価に必要な波源モデルが未確定だったことから、「試算は根拠のない仮定」と判断したと説明。「取り組みはしてきたが、想定を大きく超えた津波で、被害を防げなかった」と結論付けた。
 津波到達後、運転員が一時停止させた1号機の非常用復水器(IC)については、現場の対策本部が作動状況を把握していなかったと指摘。ただ、短時間で炉心損傷に至ったため「仮に運転を続けても損傷は避けられなかった」として、操作に問題はなかったとした。
 また、3月12日の菅直人首相(当時)の現場視察について、原子炉内の圧力を下げるため蒸気を放出する「ベント」作業への影響はなかったとした。東電が同15日、首相官邸に「全員撤退」の意向を伝えたとされる点も否定。山崎副社長は記者会見で、「全員撤退という社内の記録は残っていない」と述べた。』(12月2日付時事通信)

【事故当時の説明と変わらず】

今回の東電の中間報告は東電のホームページ上に公表されていますので、概要版だけでも一読することをお勧めします。先ず自分の目で見て読んでみて確かめること、それが大事なことです。読みもしないで新聞報道などのメディアの情報だけに頼るのは危険です。技術的な用語が多く、その中身も一般の僕たち素人にはわかりにくい内容であることは間違いありません。勘ぐれば出来るだけ普通の人にはわかりにくくすることで、事故の原因究明などについては自分たち専門家しかわからないのだと言いたいのかもしれません。

ひとりの市民として概要版と新聞報道を併せて読んで抱く印象は、東電が事故直後から時折メディアを通じて流していた自己弁護が一貫して語られているということです。「津波は想定外であったし、地震の影響もない、自分たちはやるべきことをやっただけ、想定してしなかったから事故が起こったのは仕方がない。」何度読んでもこういう結論を出したいとしか読めません。

複数の専門家が福島原発1号機や2号機は地震による損傷が炉心溶融を招く原因のひとつという疑念にも真摯に答えているとは思えません。

僕は今回公表された中間報告に対してあらゆるレベルの外部の専門家がしっかりとした反論や疑問を徹底的に東電にぶつけてほしいと思います。このまま放っておくと東電の言うことを承知したことになってしまいかねません。

本来ならば経営陣は牢獄行きになり、会社としては破たんさせるべきほどの大事故を起こしてしまったのですから、こんな自己弁護だらけの事故調査で逃げられては膨大な放射能汚染を受け続けている福島周辺の方々は泣いても泣ききれないでしょう。今回の福島の核惨事はこんな自分たちの都合だけの報告書で済むような事故ではないということを無反省の東電に思い知らせるべきだと思います。

≪参考≫

・「福島原子力発電所 中間報告書の公表について」・・・2011年12月2日 東京電力
  




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