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2012年10月19日

【規制委の評価】

原子力規制委員会への厳しい評価について、毎日新聞がインタビュー記事を載せています。

『先月発足した原子力規制委員会は、安全規制の刷新に大きな期待がかかる一方、人選や透明性などについて批判の声も上がる。日本科学者会議福井支部代表幹事の山本富士夫・福井大名誉教授(72)に、規制委の評価を聞いた。【佐藤慶】
 −−規制委をどう見ていますか?

 防災、避難など災害の専門家がいない。災害が発生した場合にどのように避難するのか、災害をできるだけ小さくするためにはどうすればよいのか、どうやって住民、国民を守るのか、という観点で専門的に議論できる立場の人が入っていない。

 現在の委員が議論できるのは、設計ミスに関わる過酷事故時の対応など限られた範囲。それでは国民の安全は守れない。非常に力量不足の委員会だ。また、消費者を代表する委員がいないことも不公平に感じる。

 −−規制委は「原子力ムラ」と決別できますか?

 旧原子力安全・保安院が電力業界からプレッシャーを受けて規制がなし崩しになったのは、国会の事故調査委員会が「規制当局が事業者の虜(とりこ)になっていた」と書いた通りだ。日本原子力学会も、原発推進で固まり、批判する人を排除してきたが、福島第1原発事故後も自分たちの科学者としての見識、社会的責任に対する自覚がない。規制委の田中俊一委員長は、日本原子力研究開発機構出身で日本原子力学会会長も務めており、「原子力ムラ」の最たる人。変化は期待できない。

 −−規制委は40年廃炉ルールの妥当性も検討します。

 科学者なら誰でも気づくと思うが、40年という数値の根拠はあまりない。なんとなく、出てきた数値に過ぎないと思う。老朽化のファクターをきちんと評価できない限り、原発の寿命は分からない。

 −−「30年代に原発稼働ゼロを可能とする」との目標を盛り込んだ「革新的エネルギー・環境戦略」をどう評価しますか?

 原発に依存して、核のごみの最終処分も決まらないまま延々と原発推進でやっていけるはずはない。だから政府が原発ゼロを盛り込んだことは間違っていないと思うが、可能というあやふやな言葉を使うなど信用できない。

 (原発ゼロに向けては)再生可能エネルギーだけではとても持たないので、再生可能エネルギーにシフトする段階ではやはり化石燃料を使わざるを得ない。二酸化炭素排出量が増えても、食料や水、住む場所を絶たれてしまうような原子力災害に比べればましだ。電気料金の上昇も国民が受け入れないといけないだろう。』(10月18日付毎日新聞)

【国民の命を守れない国】

本当にこの国の為政者たちには呆れはててしまいます。この記事にあります原子力規制委員会もそのひとつ。フクイチの事故を受けてようやく発足した原子力規制委員会は、まさに原子力に対する国民の失われた信頼を取り戻すために作られた組織のはずです。しかし、発足からすでに正規の手続きさえ踏まずに、人選と言えば田中委員長をはじめ、この国を破滅の淵に立たせた原子力ムラの人間たちばかり。山本富士夫さんという名誉教授が指摘するとおり、防災の専門家もいなければ、消費者や脱原発の専門家もいない。さらには事務局と言えば市民を取り締まる元警視総監がトップの旧経産相の保安院の職員ばかり。一体何なのでしょうか?次の破局を準備するような組織です。

おそらく、これから数カ月後に自民党が政権を取って再びゾンビのように蘇る原子力ムラの勢力に強力にバックアップを受けて全国の原発の再稼働が粛々と行われていくでしょう。それも強大な権力となった規制委の太鼓判を得ての再稼働ですから誰も文句は言えないし、市民のデモも元警視総監の組織に蹴散らされる日が待っているでしょう。こんな暗黒帝国のような国になりさがった日本は次の破局的な原子力事故の発生で国ごと世界から見捨てられる日が来るのは間違いありません。

それを阻止できるのは市民である僕たちだけ。どんな小さな穴でも見つけてそこから原子力ムラに対抗する手立てを考え抜いていくしかありません。

それにしてもあれほど連日報道されていた原子力関連のニュースはまるで何事もなかったかのように、ほとんど大手メディアの紙面や画面から消滅してしまいました。経団連は自民党にすり寄り、大方の国民は自民党の安倍総裁に原子力帝国の復活を任せようとしています。それでも良識ある人たちはいます。希望を捨てずに頑張りましょう。
  




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海や山、自然が好きな九州男児です。あらゆる機会をとらえて、時代の変化をいつも感じていたいと思っています。
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