2008年06月10日
カンボジアと言えば皆さんは何を連想されますか?世界遺産のアンコールワット、遺跡の町シェムリアップ?

しかし、カンボジアもグローバリゼーションの大波の中で大きな変化を遂げようとしています。6月9日号のタイム誌の記事「果たして楽園になれるのか」("Improbable Paradise")で、過去40年にわたって未開発のまま残されていた美しい海浜地区(Kep,Shianoukville, Kampot ,Koh Ronといった町)が海外からの投資ブームで一大リゾート地への脱皮を進めていると紹介されています。
The postcard-perfect beaches of Cambodia's scores of islands and 270 miles(435 km) of southern shore have gone largely unnoticed by developers for the past 40 years.
【開発ラッシュ】

しかし、カンボジアは周辺のタイやベトナムの経済発展に押される形で大きな発展を遂げようとしています。2006年のGDP成長率は10.4%と東南アジアでは最高となりましたし、海外からの投資は前年比4倍の40億ドルにも達したのです。
当然、大量のマネーはカンボジアの発展の原動力のひとつ、観光資源に向かいます。それが沿岸のリゾート開発なのです。今まで手つかずで素晴らしい自然が残されているKoh Rongの島々やKepの町には次々と高級リゾートホテルなどの建設・計画が進んでいるのです。アンコールワットに続く一大観光地が出現するのも近いでしょう。
Cambodia is starting to register as a must-see destination, and it's not all about Angkor Wat.
【経済と環境-突きつけられる難題】

カンボジアの海浜地区でもすでに、廃棄物の不法投棄、マングローブ林の破壊、漁業資源の乱獲、森林の不法伐採などが次々と起きており、環境保護よりも経済優先で進まざるを得ないカンボジア政府にとっても経済と環境の両立は難題なのです。
問題の根本は、増えすぎた人間にあります。世界人口は1分で140人、1日で20万人、1年で8千万人というとてつもないスピードで増加しており、今現在66億8千万人もの人間がこの地球上にひしめいているのです。最近、まるで坂を転げ落ちるように顕在化してきた地球温暖化も、石油資源の高騰も、食糧危機も、増えすぎた人間がいかに、生きるための経済発展と生物環境の両立を図れるかにかかっているのです。とてつもない難題ですが、どこかに均衡点を見つけなければ僕ら人間だけでなく、地球上の生命すべてを巻き添えにしていかざるを得ないでしょう。みなさんはどうお考えですか?
おお、カンボジアの記事!
今年3月にプノンペンに行って来ましたが、物凄く活気がありました。これまでのアセアン諸国からの投資に加え、ここ数年は韓国と中国からの投資がとても高いです(韓国系銀行など、少なくとも2つあって活発に営業してます)。
私もカンボジア人の友人たちとのコラボで、カンボジアへの投資コンサルタントとして活動するプランがあり、すでにいくつかのビジネス案件がありますが、日本の企業や投資家たちはあまり乗ってきません。カンボジアについてはアジアの中で日本だけが、プレセンスを後退させている感じです。
開発の負の側面として、環境破壊ということはありますね。途上国では環境破壊=民衆の生活基盤・生計手段の破壊を意味することが多いです。それで、カンボジアの場合、外資(FDI)導入による国富の増加と、NGO・NPOによる基本的ニーズの充足・セーフティネットの整備という2本立て路線が必要だと思います。
Posted by アジア人mikionz at 2008年06月11日 13:19
実際にカンボジアの人たちと投資プロジェクトについて動いておられるmikionzさんの話は重たいですね。コメントありがとうございます。NPOだけでなく、日本の投資家も少しでもカンボジアに眼を向けて欲しいですね。
Posted by luckymentai at 2008年06月11日 22:14