2008年09月11日

【深刻な世界のトイレ事情】

「これほどまでにひどいとは」と思わずため息が出るような数字が発表されました。

25億人の不足-世界のトイレ『世界で25億人が衛生的なトイレを使えず、うち12億人は野外で用を足しているとする世界の衛生設備の現状に関する報告書を、世界保健機関(WHO)と国連児童基金(ユニセフ)がまとめたことが30日、分かった。

 報告書は「発展途上国では、不十分な衛生設備を原因とする感染症により、多くの子供の命が奪われている」と指摘。「このままでは『2015年までに、安全な衛生施設を継続的に利用できない人々の割合を半減する』との国連のミレニアム開発目標(MDGs)の達成は望めない」と警告し、途上国支援の拡大など対策の強化を求めている。

 報告書によると、2006年に衛生的なトイレを継続的に利用できている人は世界全体の62%。利用できない人の数は減少傾向にあるものの、全人口の18%に当たる12億人は野外で用を足すことを迫られているという。

 インドやパキスタンなど南アジアでは特に状況が深刻で、全人口の半数近い48%が野外で用を足しているとされた。ほかにもサハラ砂漠以南のアフリカなどの途上国を中心に普及が進んでおらず、現状でこの分野のMDGsを達成するには、7億人分のトイレが不足とみられる。

 WHOによると、衛生分野の目標達成によって得られる利益は医療費の削減や労働生産性の向上などで年間844億ドルと巨額に達する一方、「実現に必要な費用はこの8分の1程度でしかない」という。』(8月30日付産経新聞)


【人口急増】

25億人の不足-世界のトイレ2008年現在の世界人口は、約67億人。2020年には76億人、そして今から27年後の2035年には85億人になるだろうと推測されています。18世紀には世界人口が二倍になるには百年以上の歳月を要していたのに、1950年代以降はほぼ10年から15年毎に10億人ずつ増加しています。

ヨーロッパ各国や日本などの先進国で急速に進む人口の高齢化に続き、中国やロシアでも高齢化が進展する中、アフリカやアジアの貧しく国々では爆発的な人口増加が続いているのです。

今回の報道にあるトイレに関して、67億人の人口のうちの25億人と言えば、37パーセント。12億人と言えば、18パーセントです。それほど多くの人たちがトイレさえ満足に出来ない状態に置かれているのです。おそらく最貧国を多く抱えるアフリカ諸国やアジア各地の貧しい人たちが、その中の相当数を占めるのでしょう。トイレの問題はまさに地球の人口問題の深刻さを象徴していると言えるのではないでしょうか。

【過剰人口がもたらす地球の未来】

25億人の不足-世界のトイレここ数年で顕在化してきた石油をはじめとする資源の高騰、食糧危機、地球温暖化の進展、富める国と貧しい国の格差問題、水不足、中国やインド等新興経済国の環境汚染などの根本的な原因は、まさに地球上にあまりにも増えすぎた人口にあります。

これらの問題は人間の過剰人口を根本原因として、それぞれが相互に密接に絡み合っているために、ひとつだけを解決しようとしてもどうにもならない段階にまで来ているのです。

限られた地球という惑星の中で、どこまで人間だけの横暴が許されるのか、今、地球の自然がハリケーン・グスタフのごとく、制御できなくなりつつある巨大な気候変動という形で人間に最大の試練を与えようとしているのかもしれません。


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