2008年11月18日

【エチゼンクラゲがいない?】

自然界で起こる現象は、人知をはるかに超えているようだ。

エチゼンクラゲの謎『毎年のように深刻な漁業被害を与える大型のエチゼンクラゲが、今シーズンは日本海上でほとんど目撃されていない。水産庁は「極めて珍しい。姿を現さない理由も見当がつかない」と首をかしげている。

 エチゼンクラゲは中国沿岸で発生し、最大で傘の直径が2メートル、重さ150キロにもなる。主に対馬海流に乗って8月から翌年2月ごろ日本海沿岸を漂流し、出現のピークは10、11月。1回の定置網漁で3000匹以上がかかる場合もある。網を破ったり、網の中で魚を圧迫して鮮度を落とすなどの被害を与え、漁師を悩ませている。

 ところが今年は、今月に入って漁船が1、2匹目撃した以外は、東シナ海に出漁した船から「クラゲを見た」という報告が漁業情報サービスセンター(東京都中央区)に数件入っている程度。だが過去の苦い経験があるだけに、水産庁漁場資源課は「(漂流がなくても)安全宣言を出すつもりはない」と警戒を緩めていない。』(11月7日付毎日新聞)


【原因不明】

エチゼンクラゲの謎エチゼンクラゲは、食用クラゲの一種で体長が2メートル近くある大きなものもあり、主に中国の黄海および渤海で繁殖するものと考えられている。近年、日本沿岸で大発生を繰り返しており、巨大な群が漁網に充満するなど、底曵き網や定置網といった、クラゲ漁を目的としない漁業を著しく妨害することから日本でもより知られるようになった。

昨年までは、よくニュースでも取り上げられ出漁した漁船の網に大量にエチゼンクラゲがかかり、漁業者が困惑している様子が伝えられていた。しかし、今年に入ってからはそういうニュースをあまり見かけないと思っていたら、やはり今年はエチゼンクラゲがほとんど目撃されていないというのだ。そもそもエチゼンクラゲの生態自体があまり知られていないため、今年なぜ目撃されないのかについても全くわからないというのが事実なのだろう。

【海洋異変の不気味】

それにしてもエチゼンクラゲに限らず、最近海洋に関する異変が世界各地で報告されており、不気味だ。エチゼンクラゲの大量発生の原因としては、産卵地である黄海沿岸の開発進行による富栄養化、地球温暖化による海水温上昇、日本近海の沿岸開発による自然海岸の喪失でクラゲに適した環境になったなどの説があるとのことだが、本当のところはわかっていない。

海洋異変に関しては、ここ20年ほど近くの海で釣りを楽しんでいる自分も肌で感じていることがたくさんある。昨年から今年にかけては、海水温の異常な高さが気になる。先月も二度ほど釣りに出かけたが、玄界灘に浮かぶ相島という島の海水温がまるでぬるま湯のように暖かく、10月としては異常な感じがした。

果たして、広大な海の中でなにが起こっているのか、北極海の異常な解氷、さんご礁の白化現象など、不気味な兆候は今後も続くのだろう。自然界が人間に対してなんらかの警告のシグナルを発しているのだろうか。




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