2009年12月10日

【新指針発表】

米で大論争ー乳がん検診の是非11月に発表された米国政府組織の予防医学特別作業班(USPSTF)による乳癌(がん)検診に関する新ガイドライン(指針)がワシントンで思わぬ波紋を広げているというタイムの記事が目に留まりました。

The Mammogram Melee - Why the furor over new guidlines in the U.S. could be a sign of things to come (Page.38-39, Health Care, TIME magazine issued on Dec.7,2009)

乳房検査大論争-なぜ米国の新指針が次の展開を示す兆しになるのか?

いったい、ワシントンで何が問題になっているのでしょうか。

【リスクと利点】

論争になっている指針の部分とは、「今まで40歳以上の女性に推奨されてきた毎年1回マンモグラフィ(乳房X線検査)は、40歳~49歳の女性は今後は医師との相談の上で受診すればよい」というものです。

その理由は、乳がん検診のリスクと利点のバランスにあるようです。日本の集団検診でもそうですが、1人のがん患者を発見するためにすべての人に放射線を当てると言った検診を長年行えば、がんではない人も検診によるリスクに晒されるわけです。(40代の女性の中では、1904人に1人が乳がんの可能性あり) その検診を受けるリスクと利点を再度比較検討したところ、40代の女性については必ずしも定期検査を受けなくてもいいとの指針になったとのこと。もちろん、受けるか受けないかは個人の判断で、医師との相談の上で決定してほしいとも言っています。

【論争へ発展】

この問題は、集団検診につきまとうリスクと利点という以前からある論争なのですが、時あたかもワシントンでは医療改革法案が審議されている最中だったので大問題になったようです。なぜなら、オバマ大統領の医療改革法案では医療費の増大を防ぐために、定期健診の見直しなども含まれており、今後は乳がん検診だけでなく、子宮がん検診や前立腺がん検診なども対象となっていくとみられていて、コスト削減と命とどっちが大切かといった大反発が共和党議員から起こっているのです。

政治家たちの言い分以外にもタイムの記事には面白い部分がありました。それは、定期健診を患者に受けさせることで、医者が真剣に患者と乳がんの可能性についての議論を避けてきたという側面も見逃せないという点でした。

Busy physicians often prescribe routine screening as a substitute for in-depth discussions with patients about their individual risk of developing cancer and the relat benefit a yearly mammography would offer.

いづれにしても、40代の女性に限らず、自分の健康は他人任せにしないで自分で守るしかないと思わされた記事でした。


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