2007年10月01日

【海の温度】

今年の暑さは例年になく異常だが、海の世界も様変わりしているようだ。

大阪湾の異変『海水温の恒常的な上昇の影響で、大阪湾に「異変」が起きている。特に猛暑だった今年は、湾内の海水温が例年に比べ約1・5度も高い状態が続いており、沖縄近海など亜熱帯付近の海に生息する大型のアジや、通常の倍以上の大きさに育ったイシダイなどが確認されている。水産関係者は「このままでは湾内の環境や魚の分布図が大きく変わってしまう可能性がある」と危惧(きぐ)している。

 大阪府水産技術センター(岬町)によると、岬町沖の大阪湾で今年8~9月、主に沖縄近海の暖かい海に多く生息し、成魚は1メートル80センチにもなるアジ科のロウニンアジや、リュウキュウヨロイアジを確認。さらに、これまで紀伊半島沖などの湾外でしか確認されていなかったサザナミフグや、オオバウチワエビが湾内で初めて見つかった。

 このほか兵庫県尼崎市沖で通常の倍以上の体長約37センチものイシダイが釣れるなど、魚の生育状況にも異変がみられ、紀伊水道など湾外に多いハモが、数年前から大量に水揚げされている。』(9月29日付産経新聞)


【深刻な事態】

温暖化の影響は九州の近海でも広がっていて、先日も熱帯や亜熱帯の広い海に生息する「ナルトビエイ」というエイが大量に見られるようになり、豊前海のバカガイや有明海のタイラギなど二枚貝が食べられる被害が広がっているという報道がテレビであっていた。

報道によると、『今年は冬も海水温が例年(平均約9度)より約1・5度高く、夏も8月上旬こそ気温が上がらなかったが、下旬以降は上昇。例年、水温が下がり始める9月下旬でも例年より1・5度ほど高いという。』 魚は海水温に敏感なので南方の亜熱帯の魚が海水温の上昇に乗って北に上がってきているのだろう。もう人間の見えないところでは後戻りできないくらい生態系が激変していると見られる。

【打つ手なし】

地球規模の変化には漁業関係者も打つ手はなく、頭を抱えているようだ。これほどの異変が人間の目にも見えるようになっているということは、地球温暖化は後戻りできないくらいの地点(ポイント・オブ・ノーリターン)に来ているのだろう。

少なくとも海に関しては、僕らは生態系の激変を受け止めて、その中で生きていくしかないのだ。ごく近い将来、僕の釣る魚もアジやキスから熱帯魚に変わっているのかも知れない。本当にショッキングだ。

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