2007年11月18日

【温暖化で活況】

温暖化はチャンス?-グリーンランドの現実と人類の未来地球温暖化と言えば、未来への不安ばかりが強調されるがグリーンランド国民にとってはチャンスでもあるようだ。そのチャンスとは、ひとつは鉱物資源、もうひとつは漁業だ。

『島全体の8割が万年雪と分厚い氷床に覆われているグリーンランド(デンマーク領)の資源に熱い視線が注がれている。地球温暖化の影響で氷が解け始め、作業可能な期間が長くなったためだ。新興国の台頭やハイテク製品の普及でレアメタル(希少金属)や石油の価格が高騰。これが逆に高コストのために敬遠されてきたグリーンランドの開発を見直すきっかけになっているという。』(11月17日付産経新聞)

『地球環境問題が深刻化し、温暖化の被害が世界中で報告されている。だが、グリーンランドの住民に限っては、むしろ、この現象を歓迎しているようである。
というのも、海水の温度が上昇したおかげで、漁業が大好況だからだ。魚介類加工工場は、今、昼夜を問わず稼動している。温暖化のおかげで、名産のカラスガレイが増えたほか、20年前に姿を消したタラも、最近、姿を現すようになったという。
また、海が凍らなくなったので、一年中漁業に従事できるようになった。一方で、氷の上を走る“犬ぞり用”の犬たちは、ひまそうに吠えている。』(11月1日付 COURRiER Japon + hitomedia)


【進む温暖化と経済浮揚】

グリーンランドは、北極海と北大西洋に挟まれ、氷床と万年雪に閉ざされた世界最大の島であるが、人口はわずか5万人あまり。デンマーク領の自治政府が統治している。

しかし、近年の急激な温暖化で永久凍土が猛烈なスピードで融解しており、それが上記のような鉱物資源採掘の可能性を拡大させ、漁業の活況をもたらし始めているのだ。

当然のことながら雪に閉ざされていた住民たち、そして自治政府にとっては朗報だろう。それらの資源の活用次第ではデンマークからの独立だって夢ではなくなるかもしれないからだ。

【深刻な現実】

しかし、それはあくまでも5万人足らずのグリーンランド住民に限っての話だということを忘れてはいけない。

それよりも僕らが驚かされるのは、グリーンランドでの地球温暖化が予想以上のスピードで進んでいることだ。それは日本や他の国々で語られているような20年先~30年先の脅威ではなく、現実に住民の目の前で日々起こっているのだ。

目先の経済的利益によって人間は動くことが多い。しかし、そのことが将来の自分達の生存さえ脅かしていることをグリーンランドの現実は世界に警告しているのだと思わなければならない。

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