2013年01月17日
【度重なる事故】
最新鋭旅客機に一体何が起こっているのでしょうか?
『全日本空輸692便の最新鋭旅客機ボーイング787型機(乗客乗員137人)が高松空港に緊急着陸したトラブルで、機体前方の電気室にあるバッテリーが黒く変色して壊れていたことが16日、全日空への取材で分かった。
このバッテリーは、米ボストン・ローガン国際空港で出火し、ぼやとなった日本航空機と同じ製品だったことも判明。運輸安全委員会や国土交通省は16日、高松空港に航空事故調査官や専門職員を派遣し、詳しい状況を調べている。
787型機の運航再開は、全日空や日航が国交省と相談し、調査状況などを踏まえ判断する。
全日空や国交省によると、同機は16日午前8時11分、山口宇部空港を離陸。同26分、高松空港付近を飛行中に「前方電気室から煙が出た」と表示されたため、パイロットが機体のチェックを行うと、発電機に故障があった際にバックアップなどで使われる「メーンバッテリー」関係の異常が多数表示された。
同47分に高松空港に緊急着陸したが、地上走行中に管制官から「前輪付近から煙が出ている」との指摘を受け、乗客乗員全員を脱出用スロープで機外に避難させた。この際、乗客の女性2人が右手の甲にそれぞれ擦り傷を負った。
その後の調査で、前方電気室のメーンバッテリーの一部が縦8センチ、横9センチにわたって黒色に変色、中の溶液が漏れていたことが確認された。』(1月16日付時事通信)
【電気系統の不具合?】
それにしても16日の高松空港での全日空787型機のトラブルには、乗っていた方々も生きた心地がしなかったのではないでしょうか。昨年12月にユナイテッド航空や日航機で同じようなトラブルがあったとも報道されていたので、インタビューを受けた一部の乗客が「あわや、墜落」と思ったと言うのも頷けます。
政府も重大事故という認識で早速調査官を派遣して事故原因の徹底的な調査をするとのことですが、現時点ではトラブルには電気系統の不具合が関係しているとの報道が多く見られます。一刻も早く原因を究明してほしいものです。
この航空機の開発過程を調べてみると、燃料効率を従来型機よりも20%も改善させるために機体に軽量の炭素繊維を使ったり、エンジンは推進力強化に特化され、その他の機器の動力は電気でまかなうといった改良がおこなわれているため、従来機よりも電気系統がより複雑になっているとある航空評論家は語っていました。
「より早く」という時代の要求に加えて、「より効率的に」、「より便利に、快適に」という要請に応えるために、電気や電子化に依存度を高める現代社会。ボーイング787もその要請に完璧に応えた飛行機として人々の夢を叶えるものとして「ドリームライナー」という理想的な名前を冠してデビューしました。しかし、そこにある意味現代社会に潜む「死角」や「油断」があったのではないか。
電気や電子化に過度に依存すればするほど、そういう「死角」や「油断」は大きくなっていく可能性があるということを僕らはしっかりと認識しておく必要がありそうです。
最新鋭旅客機に一体何が起こっているのでしょうか?

このバッテリーは、米ボストン・ローガン国際空港で出火し、ぼやとなった日本航空機と同じ製品だったことも判明。運輸安全委員会や国土交通省は16日、高松空港に航空事故調査官や専門職員を派遣し、詳しい状況を調べている。
787型機の運航再開は、全日空や日航が国交省と相談し、調査状況などを踏まえ判断する。
全日空や国交省によると、同機は16日午前8時11分、山口宇部空港を離陸。同26分、高松空港付近を飛行中に「前方電気室から煙が出た」と表示されたため、パイロットが機体のチェックを行うと、発電機に故障があった際にバックアップなどで使われる「メーンバッテリー」関係の異常が多数表示された。
同47分に高松空港に緊急着陸したが、地上走行中に管制官から「前輪付近から煙が出ている」との指摘を受け、乗客乗員全員を脱出用スロープで機外に避難させた。この際、乗客の女性2人が右手の甲にそれぞれ擦り傷を負った。
その後の調査で、前方電気室のメーンバッテリーの一部が縦8センチ、横9センチにわたって黒色に変色、中の溶液が漏れていたことが確認された。』(1月16日付時事通信)
【電気系統の不具合?】
それにしても16日の高松空港での全日空787型機のトラブルには、乗っていた方々も生きた心地がしなかったのではないでしょうか。昨年12月にユナイテッド航空や日航機で同じようなトラブルがあったとも報道されていたので、インタビューを受けた一部の乗客が「あわや、墜落」と思ったと言うのも頷けます。
政府も重大事故という認識で早速調査官を派遣して事故原因の徹底的な調査をするとのことですが、現時点ではトラブルには電気系統の不具合が関係しているとの報道が多く見られます。一刻も早く原因を究明してほしいものです。
この航空機の開発過程を調べてみると、燃料効率を従来型機よりも20%も改善させるために機体に軽量の炭素繊維を使ったり、エンジンは推進力強化に特化され、その他の機器の動力は電気でまかなうといった改良がおこなわれているため、従来機よりも電気系統がより複雑になっているとある航空評論家は語っていました。
「より早く」という時代の要求に加えて、「より効率的に」、「より便利に、快適に」という要請に応えるために、電気や電子化に依存度を高める現代社会。ボーイング787もその要請に完璧に応えた飛行機として人々の夢を叶えるものとして「ドリームライナー」という理想的な名前を冠してデビューしました。しかし、そこにある意味現代社会に潜む「死角」や「油断」があったのではないか。
電気や電子化に過度に依存すればするほど、そういう「死角」や「油断」は大きくなっていく可能性があるということを僕らはしっかりと認識しておく必要がありそうです。
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