オバマの苦悩―頂点からの凋落
【世論の評価】
米国民の心にどんな変化が生まれているのだろうか。
『米世論調査会社ゾグビーは10日、世論調査の結果として、オバマ大統領の外交・経済などすべての主要問題で、否定的評価が肯定的評価を上回ったと発表した。調査は4~9日行われ、成人2074人から回答を得た。11月に中間選挙を控えたオバマ大統領にとって厳しい評価となった。
調査は13の主要問題を対象に、大統領への評価を尋ねた。外交政策では、「優れている」あるいは「良い」とした肯定的評価が40%に対し、「あまり良くない」あるいは「悪い」とする「否定的評価」が59%。経済は肯定的評価が34%で、否定的評価は66%だった。
肯定的評価が最も低かったのは移民政策の23%。否定的評価は74%にも上り、不法移民問題への不満が高まっていることが改めて浮き彫りになった。』(8月11日付時事通信)
【カリスマの消滅?】
2009年1月20日のあのワシントンでの大統領就任演説に集まった人たちは200万人。前代未聞の熱狂がそこにはあった。あれから1年半あまり。
あの熱狂は一体何だったのだろうかと思わせるような米国民のオバマ大統領への冷めた視線。
のぼり詰めるのが早ければ早いほど、高ければ高いほど、その反動は大きいのかもしれない。それまでのブッシュ大統領の政治にあきあきしていた米国民のオバマへの熱狂的支持が、今は反作用を起こしているのだ。
日本から見ていても2009年1月までの米国民のオバマ氏への熱狂ぶりは少し行きすぎだと感じていた方も多いだろう。自分もあのときそう思った。
大統領就任までは何も実績がなく、ただ演説で人を引き付けるのが極めて優れていたオバマ氏には、カリスマ性があったのだ。もちろん演説の裏にはしっかりした政策の裏付けと明快なロジックと正統性のようなものが感じられたのも事実だ。
しかし、未曾有の財政資金を投じた経済対策の行き詰まりや国論を二分した医療保険改革を始め、実際に大統領としての政策実行の過程に入ってからは演説で語った理想とのギャップが次第に広がって、そのカリスマ性も色あせてきたのだろう。
果たして、オバマ大統領はこれほどの国民の不支持、不満を解消して、再びカリスマ性を持った大統領として復活できるのだろうか?今の情勢では非常に道のりは険しいのかもしれない。
そう考えれば、菅首相など最初から叩かれて発足した日本の首相はまだやりやすいのかもしれない。
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