橋本知事の挑戦―脱原発
【橋下知事の呼びかけ】
橋下大阪府知事が脱原発に向けた構想を発表したのは4月27日の記者会見でした。
『大阪府の橋下徹知事は27日の定例会見で、東日本大震災に伴う福島第1原発事故を踏まえ「新規の原発と(更新時期を迎えた)原発の延長を止めにかかる」と述べ、事実上の「脱原発」を目指す考えを明らかにした。現存する原発について橋下知事に権限はないが、関西各府県や関西電力などに原発に頼らない将来構想づくりを呼びかける。
停止を求めるのは、関西に電力を供給する原発で、日本原電が計画中の敦賀3、4号機(福井県敦賀市)など、関電や日本原電が運転・計画中の原発が対象とみられる。新設も更新も認めないことで、最終的に脱原発社会の可能性を探る。
橋下知事は28日に開かれる広域行政組織「関西広域連合」の会合で、参加知事に賛同を求める。広域連合にオブザーバー参加する福井県にも、同様の働きかけを行う方針。』(4月27日付毎日新聞)
【一歩踏み出す勇気】
現職の知事ではっきりと脱原発を打ち出したのは、今回の橋下大阪府知事が初めてではないだろうか。しかも原発が14基もある福井県から相当の電力供給を受けている大阪の府知事の発言である。これは福島原発と柏崎刈羽原発から相当の電力を受けていた東京都と似ている。石原都知事がこれほどの核惨事が東京から200キロしか離れていない福島で起きても原発維持の考えを明らかにしているのとは大きく異なる。
政治には、時には多くの反対を押し切ってでも世の中の方向を転回することが求められることがある。僕はそれが今だと思う。今すぐに原発をすべて止めることは出来なくとも、ひとつずつでも確実に止めて行くための道筋をつけようとする橋下知事の決断。評価したい。
いろいろと「原発が必要だ」と主張している政治家をはじめとする方々に、橋下知事にように原発の将来ビジョンを示すか、あるいは今すぐ示せなければ自らの身を投げ出して福島の人たちを救う勇気はあるだろうか。自分だけ安全なところにいて高見の見物をしているだけなら、即刻福島原発に行って現地で頑張っている人たちを励ましにくらい行くべきではないか?
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