不都合な真実を隠蔽しつづける関電-大飯の活断層

luckymentai

2012年07月04日 08:48

【専門家会議】

保安院と専門家による原発敷地内の断層に関する会議が行われました。

『原発敷地内の断層の活動性について、経済産業省原子力安全・保安院は3日、専門家による会合を開き、全国の原発の再点検を始めた。このうち関西電力美浜、高浜原発と日本原子力研究開発機構の高速増殖原型炉もんじゅ(いずれも福井県)の3施設については「活断層ではない」とする事業者の主張を根拠不足として再検討を求めた。

 この問題をめぐっては、日本原子力発電敦賀原発の原子炉建屋直下の断層「破砕帯」を調査した専門家らが「活断層の可能性がある」と指摘し注目されている。

 関電と同機構は従来、3施設の破砕帯は12万~13万年前より後に動いた活断層ではないと主張してきた。破砕帯の構造が水平方向にずれる「正断層型」で、12万~13万年前以降では活動がほとんど観測されていないことを根拠としていた。

 しかし東日本大震災後には正断層型の地震が実際に起きており、保安院は「正断層型だから古い断層という説明だけでは、活動性を否定するのは難しい」と根拠不足を指摘。さらに、美浜原発ともんじゅは約1キロ以内に活断層があり、破砕帯が連動する可能性も再検討するよう求めた。今後、追加調査が必要と判断すれば指示する。

 3施設のほか、敦賀原発と東北電力東通(ひがしどおり)原発には既に追加調査を指示しているが、その他の原発については情報収集に努めるよう求めた。

 政府が再稼働を決めた関西電力大飯原発についてもこの日、過去の資料を再点検する予定だったが、関電に求めていた資料がそろわず、今月中旬の次回会合で議論することになった。【岡田英】』(7月3日付毎日新聞)

【今、最も重要な大飯を後回し】

昨晩放送されていた報道ステーションでは、この記事の最後に書かれている大飯原発の過去の資料について、「関電が資料が見つからないと言って未だ出してこないので資料がそろい次第議論する」と保安院の室長が語っている映像が映されていた。この保安院の室長は「関電には再度探すように厳しく言っている」ともっともらしく言っていたが、関電も保安院も言っていることが本当かどうか極めて怪しい。

そもそも活断層に関するそんな重要な資料を簡単に紛失してしまうなんて一体どういう管理をしているのか。さらに活断層の再調査を求めている渡辺教授は6年も前から関電や保安院に言い続けていたと言うのに、再稼働が決まってもなお資料が出てこないなどというのは結局再稼働を優先して安全を後回しにしたということであり言語道断である。

関電も保安院もようするに専門家をナメているのであり、活断層が動くなんて起こらないとタカをくくっているということだと言わざるを得ないのではないか。それって言い換えれば、大津波など起こらないとして専門家の意見を無視し続けて何の対策もとらずにフクイチの大惨事を引き起こした東電と政府の大失態と何も変わっていないということではないか。

ということは、この連中は3/11以降も自分たちに不都合な真実を隠ぺいし続けようとしている疑いが濃厚で、このままいけば本当に活断層が動けばフクイチ以上の核災害が今度は大飯で起こると言うことなのだ。

こんなデタラメを放っていたら、大飯で大事故がまた起こるのは必然であり、それ以外の原発でも同じようなことが繰り返されるだろう。一体、僕らはどうしたらこの狂気の沙汰の連中を止められるのか、本当に途方に暮れてしまう。

≪参考記事≫・・・『大飯原発断層 「掘削調査は可能」-東洋大・渡辺教授が確認』

『東洋大学の渡辺満久教授(変動地形学)は28日、27日に関西電力大飯原発(福井県おおい町)で行った破砕帯(断層)の現況確認結果を発表した。この中で原発敷地内を南北に横断する「F6」と呼ばれる断層について渡辺教授は「掘削調査は不可能ではない」と結論付けた。

F6断層は原子炉の直下を通ってはいないが、重要構造物の一つである非常用取水路がF6断層を横切っており、渡辺教授は「F6破砕帯(断層)が活断層と認定された場合、3・4号炉の使用は不可能となる」と指摘している。

断層の掘削調査の可能性を判断するため、渡辺教授は原発敷地内の5地点を視察。地下に埋設物がある地点などを除き、掘削調査は可能であるとの見方を示した。(オルタナ編集部=斉藤円華)』(6月29日付オルタナ)

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