見直された南海トラフ地震の規模
1年前の3月31日に内閣府の有識者検討会が発表した東南海地震の規模推計は驚愕すべきものでしたが、今年3月にその追加の検討結果が発表され、それによれば被害想定は最大で死者32万3千人、倒壊家屋238万6千棟という身の毛もよだつ推定結果でした。原発被害はなぜか想定に含まれていませんが、原発震災が同時に起こるのは間違いなく「日本壊滅」は免れないと思います。以下は昨年4月1日の僕のブログ記事です。
【最大34メートル】
なんと、最大で34メールの津波の恐れがあるということです。
『内閣府の有識者検討会は31日、西日本の太平洋沖にある海底の溝「南海トラフ」で巨大地震が発生した場合の震度分布と津波高に関する推計結果を公表した。東日本大震災と同等のマグニチュード(M)9.0規模の地震が発生した場合、10県153市町村で震度7を記録すると予想。また、高知県黒潮町の34.4メートルを最大に、6都県23市町村で満潮時に20メートル以上の津波が起こると推計するなど、関東から四国、九州地方にかけての極めて広い範囲が大きな揺れと津波に見舞われる恐れがあるとしている。
原子力発電所関連では、静岡県御前崎市の浜岡原発付近で、最大21.0メートルの津波が発生すると推計した。
南海トラフの巨大地震は、近い将来発生する可能性が高いと指摘されており、政府の中央防災会議は2003年、M8.6だった宝永地震(1707年)をモデルに震度や津波を予想した。しかし、東日本大震災で想定を超える災害が発生した反省を踏まえ、検討会が昨年8月から見直し作業を進めていた。』(4月1日付時事通信)
【これでも原発を動かすのか?】
内閣府の有識者検討会といえば、まさに政府からお墨付きを得ている検討会ですから、原発を推進している経済産業省と同じ「政府」そのものです。そこが南海トラフ地震の可能性について昨年の東日本大震災の結果を踏まえて再検討したのが今回の予測です。
これは一体何を意味するのか?
対象となった地域の防災対策の見直しを早急にすることが必要なのは言うまでもありません。
その中でも特に、対象となった地域の中にある浜岡原発と伊方原発は即刻廃炉にすべきでしょう。もう防潮堤を作るといった対応では原発の安全性が保てないのは明らかです。したがって、現在十数メートルの防潮堤を突貫工事で作っている中部電力は即刻工事を中断して地元の市町村と静岡県知事と再度協議して、浜岡原発の廃炉に向けた動きを始めるべきです。
四国電力は、これほどの大津波と巨大地震に伊方原発は耐えられないことを素直に認めて伊方原発の廃炉に向けて地元と話し合うべきです。
これらは一刻の猶予も許されないと思います。南海トラフ地震はいつ来てもおかしくないと言われているわけですから、
原発の廃炉だけでなく、廃炉後の使用済み核燃料の厳重保管に早急に取り組むべきでしょう。津波や地震によってフクイチの4号機のように使用済み燃料プールが崩壊寸前になれば稼働原発よりも悲惨な状況になるからです。
今回の予測のように超巨大な地震や津波のリスクがとてつもなく大きい日本では、原発の立地というのはあり得ないということが改めて日本人ひとりひとりに突きつけられたということです。これは、ある意味日本人にとって生き残るための最後のチャンスかもしれません。
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