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2013年06月17日

【誰のための白書?】

一体、白書というのは誰のためにあるのでしょうか?

『政府は十四日、二〇一二年度版のエネルギー白書を閣議決定した。昨年十二月の自公政権誕生後、初めての白書となったが、最大の課題である東京電力福島第一原発事故をめぐる記述が二番手に「格下げ」されたほか、昨年夏の民主党政権時代のエネルギー政策をめぐる国民的議論で国民の多数が「原発ゼロ」を選択した結果なども記載しなかった。
 今回は、昨年八月から今年三月末までの国内外のエネルギー政策の動向などについてまとめた。冒頭の第一章では自公政権が進める「新しいエネルギー政策の構築の参考にする」として、新型天然ガス「シェールガス」などの海外事例の分析を記載。一〇~一一年度版で冒頭にあった福島原発事故の対応は第二章に追いやられた。

 原発政策をめぐっては「前政権の戦略はゼロベースで見直す」と強調。昨年夏の国民的議論に関しては経緯が淡々と書かれただけで、市民が熟議する討論型世論調査や意見公募、意見聴取会などで多くの国民が原発ゼロを望んだことには全く触れなかった。民意を踏まえ民主党政権が決定した「原発ゼロ目標」も載せなかった。

 白書をまとめた経済産業省の担当者は「字数に限りがあり、すべては記載できない」と答えた。政権交代後に国民的議論の情報が載った政府のホームページが閲覧できなくなるなど、脱原発の民意を排除するかのような動きも出ている。』(6月14日付東京新聞)


【露骨な隠ぺいと欺瞞】

政権が変われば政策も変わるし、白書の内容も政権の意向に沿って変わるのは当たり前だと経産省の官僚たちはいいたいのでしょう。昨年夏の多くの国民の脱原発を求める意思もデータもすべてなかったことにして、それらを掲載しなかったことについて「字数に限りがあり、すべては記載できない」だそうです。国民をなめきっているとしかいいようがないような言い分です。こんな連中がエリートと自認してツィッターで「知能が低い市民」と豪語するのでしょう。官僚というのは、公務員です。公務員は国民に仕える公僕のはずですが。

それにしても酷い。この国の制度疲労というのがどれほど進んでいるかはプロ野球のコミッショナーや柔道連盟のトップとかの開き直りだけでなく、自分たちの都合の悪いことは掲載さえもしようとしないエネルギー白書の姿勢だけみても明らかです。これでは間違いなくニッポンは福島第一原発事故という人類史上未曾有の原子力災害から学び取ることも出来ず次の巨大原子力災害に向かって一直線でしょう。

まったくヘドが出るような思いです。一体どこからどう手をつけて、この原子力を巡る絶望的な状況を改善していけるのか。呆然としてしまいます。今はただ、このエネルギー白書を原発のない社会を望む市民に対する挑戦状と考えて、戦いの決意を新たにしたいと思います。
  



2013年06月13日

【15年秋には「40年廃炉」期限】

いったいいつまで「臭いものに蓋」をするような経営を続けていくのでしょうか。

『九州電力玄海原発1号機(佐賀県玄海町)が発電しないのに、2号機と共に修繕費に年間約100億円がかかることが判明した。かといって、九電は早期再稼働にも踏み込めないでいる。改正原子炉等規制法で定める「40年廃炉ルール」の期限が2015年10月に迫り、経営上の「お荷物」のようにも見える1号機に廃炉の選択肢はないのか。九電は原発の経済的な優位性を唱えて存続に望みを託すが、識者からは疑問の声が出ている。【関谷俊介】

【修繕費だけで年間計約100億円】玄海原発:1、2号機維持するには

 「全く考えていない」。九電の複数の幹部は1号機の廃炉についてそう主張する。原発の運転を原則40年とする「40年廃炉ルール」はあるものの、原子力規制委員会から例外規定の20年延長を認められれば、火力に比べ「原発は引き続き競争力のある電源」との見方が根強いためだ。

 九電によると、火力発電の単価は1キロワット時当たり11円以上。原発は7円台半ばで、新規制基準の安全対策費を講じても1円程度の上乗せにとどまり、なお優位だと説明する。

 廃炉費用の問題もある。電気事業法に基づき費用を積み立てているが、1号機廃炉には358億円が必要と見積もり、15年度末時点で36億円不足する。瓜生道明社長は「廃炉にしろという声もあるが、財務の手当てがないと難しい」と強調する。

 一方で、九電は13~15年度の運転計画で1、2号機の再稼働を想定していない。なぜ速やかな再稼働を目指さないのか。川内原発(鹿児島県薩摩川内市)や玄海3、4号機の再稼働を優先しており、「玄海1、2号機を検討する余裕がない」(幹部)と説明する。

 半面、古い設計の玄海1号機を再稼働させるには、他の原発より新規制基準のハードルが高い。膨大になるとみられる安全対策費を投じたところで、2年4カ月後に迫る40年廃炉ルールが適用されれば無駄となる。規制委が例外規定を認めるかや、安全対策を講じて採算が取れるか見極めるまで、修繕費をつぎ込んででも再稼働か廃炉かの判断を先送りし、運転停止のまま延命させたいとの思いも見え隠れする。

 しかし、九電の今年3月期連結決算は最終(当期)損益が3324億7000万円の過去最大の赤字額となった。本来、発電もせず年間約100億円を投じる余裕はない。立命館大の大島堅一教授(環境経済学)は「動いていない施設に巨費を投じられるのは、原価として認められれば電気料金から徴収できる仕組みになっているからだ」と指摘する。

 原発が経済的に優位だとする九電の主張についても「現時点で1号機にどの程度の安全対策をすれば20年延長できるという確証はなく、コストの試算はできないはず。事故が起きた場合を想定し、賠償費用や事故収束費用も加えれば優位とはいえない」と疑問視する。

 1号機は原子炉圧力容器の想定以上の老朽化が判明し問題となった。昨年、規制委の前身の原子力安全・保安院は「2033年までは十分健全」としたが、老朽化の原因は不明のままで、中立的な研究機関で解析すべきだという専門家の意見も根強い。再稼働を強く求める玄海町の岸本英雄町長でさえ、「20年の運転延長は不安」と漏らしている。』(6月11日付毎日新聞)

【現実を直視すべき】

安倍自民党政権は、福島第一原発事故で噴出した数々の原子力に関する自民党政権と民主党政権の失敗に頬かむりしたまま、放射性廃棄物の最終処分にしても、核燃料サイクル政策の破たんにしても、福島第一原発の収束にしても、15万人にものぼる福島の方々の生活再建にしても、何の問題解決の手立ても打つことなく、ただただ原発の再稼働だけを呪文のように唱えるだけです。

そんな中で、安倍自民党政権の原発推進姿勢にすがるように電力会社は目先の燃料費高騰、経常赤字の増大という経営問題を乗り切るためだけに、本気の安全対策はないがしろにしたまま原発の再稼働にまっしぐらに突き進んでいます。そんなことで多くの国民の原発に対する不安や電力会社に対する不信が3/11以前のように時がたてば消えていくと思ったら大間違いです。

3/11で人々の意識は大きく変わりました。九電は、玄海原発の老朽化問題に対しても世間の目は厳しいと考えるべきであるし、それ以上に自らの中長期的な経営を立て直すためにも老朽化原発の廃炉という選択をすべきだと思います。いったん巨大事故が起これば佐賀だけではない、九州だけでもない、日本国全体の存在さえ揺るがしかねないということを肝に銘じるべきではないでしょうか。もうフクイチ以降は、原発の巨大事故は杞憂でもなんでもない、現実に起こりうることが実証されたわけですから。
  



2013年06月10日

【日仏協力】

政権が変わったと言うだけで、一体なぜこういう重大なことが次々と堰を切ったように進められていくのでしょうか。

『安倍晋三首相は7日、首相官邸でフランスのオランド大統領と会談し、包括的な原子力協力で合意した。新興国での受注を目指している日仏企業の原子力発電所の輸出を支援し、核燃料サイクルや高速増殖炉(高速炉)の研究開発、廃炉や除染で連携を深める。安全保障に関する外務・防衛担当閣僚級協議(2プラス2)開催でも一致。共同声明を発表した。

日仏が包括的な原子力協力で合意した。安倍首相「世界最高のパートナーだ」(7日)

 首相は冒頭「日仏の特別なパートナーシップを強化したい」と呼びかけ、大統領は「関係を新たな局面に高めたい」と応じた。会談後の共同記者会見で、首相は「世界的な安全水準を高める観点から、日本の原子力技術への期待に応えていく」と述べた。

 原発輸出では、ヨルダンなど第三国で受注を目指す三菱重工業・仏アレバ連合を、両国が官民を挙げて後押しする。5月にトルコでの受注が事実上決まった同連合の加圧水型軽水炉「アトメア1」への支援をはじめ、第三国での協力推進を共同声明に盛り込んだ。

 原子力の安全強化に向けて原子力規制当局同士の協力拡大も決めた。日仏が連携を強める核燃料サイクルは、原発から出る使用済み核燃料から、まだ使えるプルトニウムやウランを取り出して加工、原発の燃料に再利用するもの。民主党政権は抜本的な見直しを検討したが、安倍首相は「継続して進めていく」との立場を示してきた。

 共同声明では特に青森県六ケ所村の再処理工場に触れ「安全かつ安定的な操業の開始」を明記した。当初1997年完成予定だった日本原燃の再処理工場は技術的な問題で操業が遅れている。日本原燃とアレバは核燃料サイクルの早期安全運転のため覚書を交わした。

 米国、オーストラリア、ロシアに続き4カ国目となる2プラス2の早期開催に向けた調整も急ぐ。武器に転用可能な民生品の輸出管理、防衛装備品の共同開発などを巡って政府間対話が進む見通しだ。仏企業がヘリコプターの着艦装置に使える部品を中国に売却していたことから、中国の軍備増強を防ぐ狙いがある。

 共同声明は「新たな大国の台頭で生じる新たな課題に対応する」として「自由、民主主義、人権や法の支配の尊重」を打ち出した。海洋進出を強める中国を念頭に「航行の自由の維持」などの表現も盛り込んだ。大統領は共同記者会見で「国際法を大事にしなければならない」と強調した。

 両首脳は日本と欧州連合(EU)で交渉中の経済連携協定(EPA)の早期締結を目指す方針を確認。北朝鮮に核、ミサイル計画の放棄に向けて具体的な行動をとるよう求めていくことで足並みをそろえた。大統領は国連安全保障理事会改革の一環として日本の常任理事国入りを支持した。

 共同声明を実現するための今後5年間の行動計画や、文化に関する共同声明も発表した。オランド大統領は対日重視を鮮明にしており、今回の来日にあたり日本は対仏関係を強化するため仏大統領を国賓として17年ぶりに招いた。』(6月7日付日経新聞)


【原子力マフィアが跋扈する国】

もう「原子力ムラ」などと言った柔らかい言葉で呼ぶにはあまりにも手ぬるいと感じるようになってきました。安倍首相が昨年後半に民主党政権から政権を奪取してからというもの、選挙で信任を得たら何でもやっていいといわんばかりの原子力推進政策を強引に進めています。国民の不安などどこ吹く風で、原発再稼働から原発輸出、そして今度はフランスとの原子力協力への合意です。安倍自民党政権は、まさに原子力産業界の強力な後押しを受けて、福島第一原発の収束は東電に丸投げしたまま、将来的なエネルギー政策の道筋などどこかに放り投げて、放射性廃棄物や核燃料サイクルの破たんなどの国家にとって重大な問題をまたしても先送りして、ただただ原発再稼働を呪文のようにとなえて突っ走っているのです。

一体だれがこの国を動かしているのか、一体だれの利益のために国家があるのか。そしてこんな市民の心配を黙殺できるように表現の自由さえも制限すべく憲法の改悪まで手をつけようとしているのです。これはまるで太平洋戦争に突き進んだかつての大日本帝国と同じではないでしょうか?いったん動き始めたら止めることは容易ではありません。ひとりでも多くの市民が決してあきらめずにこの原子力マフィアの連中に「NO」を言い続けていかなくてはならないと思います。

景気回復の幻想を振りまこうとしている「アベノミクス」は、既得権益に媚びへつらう自民党政権では到底実効性のある第三の矢「成長戦略」は打ち出せないと思っていたら、案の定、掛け声だけのあいまいな政策が出てきて市場の反撃を食らっています。それでも国民に幻想をふりまこうとするだけ「アベノミクス」はまだましなのかもしれません。臭いものにフタをしようとする安倍政権の原子力政策は、このままいけば間違いなく次なる大事故で国家の破たんを招くでしょう。そうならないためには、ひとりひとりが声を上げ続けることしかありません。

  



2013年06月03日

【会計規則見直し着手】

経産省が原発の廃炉費用に関する会計規則の見直しに着手しはじめたようです。

『経済産業省は原子力発電所を廃炉した場合に生じる電力会社の経営負担を減らすために、廃炉による損失を複数年に分けて計上し、電気料金で回収できるよう会計規則を見直す方針を固めた。

原発の新たな規制基準が7月に施行されれば、廃炉を迫られる原発が出る可能性があるため、電力会社が会計規則上の問題で廃炉を決断できなくなる事態を避ける狙いがある。

現在、電力会社は、廃炉に備えた引当金を運転実績に応じて積み立てている。前倒しで廃炉を決めると、引当金の不足分や、原発設備などの資産価値がゼロになった分を一度に損失として計上しなければならず、財務内容は大幅に悪化する。

そこで、経産省は6月中にも、会計士などの専門家らによる有識者会議を設け、廃炉による損失を複数年にわたって分割して計上できるように規則の改正を検討する。今秋にも新たな内容を固める方針で、分割期間は10年程度とする案が浮上している。』(6月1日付読売新聞)


【一歩前進、しかし】

福島第一原発事故から2年以上が過ぎた。原子力規制委員会という新しい監督組織は出来たが、フクイチで国家が崩壊する寸前までいった危機的状況が再度訪れたときにアメリカ並みの危機管理が出来る国家として、社会としての体制作りが進んでいるかというと、正直言って3/11前と何も変わらないどころかもっと悪化していると僕は思っている。安倍政権は原発復権に向けて、国民の不安など黙殺し続けているし、経産省は原子力産業界の声を利用して安倍政権の後押しに躍起だ。

電力会社は原発を再稼働したくてウズウズしている。なぜなら、原発代替の火力発電の燃料費はかさむし、原発を廃炉にすれは債務超過に陥る可能性が高いからだ。短期的な経営問題としてとらえれば確かにそうだろう。しかし、いったん事故が起きれば国家崩壊さえ招きかねない原子力問題は、フクイチを経た今では単なる電力会社の経営問題の範疇を超えているのは明らかだ。

その電力会社の経営問題の解決の一助として原発廃炉に向けた会計規則の見直しはそれなりに評価できる動きだと思う。しかし、会計規則の見直しをするなら以下の問題点を同時に解決すべきだろう。

1. 会計規則の変更はいいが、廃炉費用を電気料金で賄うというのは筋が違う。国策で進めてきた原子力発電の方向転換、あるいは安全性が担保できないというきっちりとした理由を国民に説明したうえで、税金での廃炉をやるべきだ。たとえ巨額の税金投入が必要でも原発がもたらす不利益や危険がそれで取り除けるならば国民の理解は得られるはずだ。原子力政策は今まで通り推進しながら、一部の原発の廃炉費用だけは電気料金の中でごまかせばいいという態度では政府、電力会社への国民の信頼は永久に得られないだろう。

2. そしてもうひとつ、やはり電気料金であろうが、国民の税金であろうが、今までの原子力政策の失敗、福島第一原発事故の責任問題をはっきり国民に示さずには原発の廃炉も推進もあり得ない。東電や政府関係者などの責任を追及する裁判は各地で起こされているが、司法の動きは今一つはっきりしない。東京地検も東電に強制捜査に入る様子もない。こんなことでは僕たち国民は一円たりとも税金も電気料金も払いたくないし、払うべきではないだろう。

みなさんはどう思われますか?  




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海や山、自然が好きな九州男児です。あらゆる機会をとらえて、時代の変化をいつも感じていたいと思っています。
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