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2011年09月30日

【驚異的な成長】

フェイスブックが日本でも急成長しています。

『ネットレイティングスは、ニールセン・ネットレイティングスのインターネット利用動向調査の8月データをまとめた。それによると、フェイスブックのPCによる利用者数が1083万人に達しており、前年同月の利用者数の193万人と比較すると5.6倍の増加となった。また、リーチ(インターネット利用人口を母数とした利用者の割合)では17.1%となる。  ネットレイティングスは、ニールセン・ネットレイティングスのインターネット利用動向調査の8月データをまとめた。それによると、フェイスブックのPCによる利用者数が1083万人に達しており、前年同月の利用者数の193万人と比較すると5.6倍の増加となった。また、リーチ(インターネット利用人口を母数とした利用者の割合)では17.1%となる。  利用者数が200万人から1000万人に達するまでの経過月数は12か月で。過去に急速な利用者数の増加がみられたツイッターと、ほぼ同程度の増加速度となった。』(9月29日付MarkeZine)

【日本も世界標準へ】

実はこのニュースの前段として、『米Facebookは9月22日(現地時間)、サンフランシスコで開催した開発者向けカンファレンス「f8」で、同社のソーシャルメディアサービスの会員数が8億人を超えたことを明らかにした。』というニュースがすでに配信されており、その世界的な急成長ぶりが明確になりました。出遅れていた日本もようやく1千万人台の利用者になったということは、フェイスブックの世界戦略にも少なからず影響を与えるのではないでしょうか。

もともと日本はMixiなどのソーシャルネットワーキングの発達の過程で本人のプライバシーを明らかにしないで匿名で交流する慣習が出来上がりつつあったのですが、ここにきてフェイスブックという世界標準のソーシャルネットワーキングの隆盛に追随する形で実名での交流がもうひとつの流れとして定着しはじめました。実名での交流は個人攻撃などにされられるリスクもありますが、相手を素性をある程度わかって交流することでリアルの世界に近い交流が出来るメリットもあります。

そういう意味でフェイスブックの利用者数が日本で1千万人を超えたというのはある意味日本のソーシャルネットワーキングの発展にとってエポックメーキングなことだと思います。ここ1年で自分のフェイスブックの友達も160人近くになりましたし、外国人だけでなく日本人でもフェイスブックを始める人が増えたなあと感じていたところでした。みなさんはもうフェイスブックの友達になりましたか?  



2011年09月29日

【福岡から大関誕生】

ひさしぶりに日本の大関、それも我が故郷・福岡からの大関の誕生です。

『日本相撲協会は28日午前、東京・国技館で九州場所(11月13日初日、福岡国際センター)の番付編成会議と臨時理事会を開き、東関脇琴奨菊(27)=本名菊次(きくつぎ)一弘、福岡県出身、佐渡ケ嶽部屋=の大関昇進を決めた。日本人大関の誕生は琴光喜以来、4年ぶり。

 理事会の終了後、協会から二所ノ関理事(元関脇金剛)と峰崎親方(元幕内三杉磯)が、千葉県松戸市の佐渡ケ嶽部屋を訪れ、昇進を伝えた。琴奨菊は「謹んでお受けいたします。大関の地位を汚さぬよう、万理一空(ばんりいっくう)の境地を求めて日々努力、精進いたします」と口上を述べた。

 「万理一空」は、剣豪宮本武蔵の兵法書から引用した。「すべての理(ことわり)は一つの空につながっていく。どんな努力も目指す先は一つ。努力の先に光がある」と、迷いなく進む思いを込めた。』(9月28日付朝日新聞)

【楽しみな九州場所】

琴奨菊の地元・柳川では大盛り上がりですが、僕らも11月の九州場所での新大関の活躍が本当に楽しみです。柳川市は「祝 大関昇進 琴奨菊関」と書かれた縦約15メートル、幅約1メートルの垂れ幕を午前11時すぎに市民会館の壁に設置、市職員約30人が万歳三唱で昇進を祝ったという報道にもあるように、もう柳川では市民を挙げての祝賀ムードのようですね。

そしてもうひとつ僕にとっては九州場所を心待ちにする理由があります。それは僕が事務局を仰せつかっている鳴戸部屋の力士・稀勢の里関の活躍です。秋場所でも稀勢の里関は白鵬を倒し、殊勲賞を獲得しています。残念ながら直近3場所の勝ち星が足りないなどの理由で大関昇進は見送りとなりましたが、名古屋場所の10勝を加え、2場所で22勝をマークしているので、九州場所で11勝を挙げれば大関昇進の目安となる33勝に到達するのです。

秋場所での稀勢の里関の顔は以前にもまして引き締まって勝負師の風格が漂っていました。もう大関昇進は目の前です。

稀勢の里関が九州場所で大関に昇進できれば、日本人大関が2人になります。これは客離れが激しい相撲界にとっても朗報でしょう。ぜひ稀勢の里関に頑張ってほしいと思います。  



2011年09月28日

【地震が壊した?】

津波よりも地震が先に格納容器を壊した疑いが強くなりました。

『東日本大震災直後に、東京電力福島第一原子力発電所2号機の格納容器が損傷、直径約7・6センチ相当の穴が開いた可能性のあることが、日本原子力研究開発機構の柴本泰照研究員の模擬実験で分かった。

 格納容器の損傷度を示す具体的な数値が推定されたのは初めて。北九州市で開かれている日本原子力学会で21日、発表された。

 柴本さんは、交流電源が喪失した後に、蒸気で注水を継続する非常用冷却装置「原子炉隔離時冷却系」(RCIC)の動作状況、圧力の推移など東電が発表したデータを活用。RCICへの水の供給源は、震災14時間後に、枯渇した復水貯蔵タンクから格納容器の底部の「圧力抑制室」に切り替わった。

 この場合、熱が外部に逃げないため、圧力は、震災後、2日程度で設計圧力(約5気圧)の2倍まで急上昇する。しかし、実際は、圧力の上昇は緩やかで、7気圧に達するまで3日以上経過していた。』(9月22日付読売新聞)

【重大な事実】

津波よりも前に地震によって圧力容器が損傷していたというのは極めて重大な事実です。福島第一原発の核惨事にそういう可能性があったことだけでも地震が多発する日本の原発の安全性を今後も担保していくためには、しっかりとした議論と検証が求められなければなりません。

しかし、政府や電力会社からは今のところ福島第一原発の核惨事は津波が原因だったという認識を示しているだけです。その証拠に事故後の安全対策は津波の緊急対策しか盛り込まれず、全国の原発の耐震指針の見直しはいっさい行われていません。これは彼らによる新たな「嘘」の始まりでしょう。

野田首相は先の国連総会で世界に対して「日本は原子力発電の安全性を世界最高水準に高めます」と宣言しましたが、津波がすべての原因だったかどうかも検証されていない段階でこんな宣言を一国の首相が出すこと自体、世界に対する嘘つきの始まりです。本気で世界最高水準の安全性を求めるなら、先ずフクシマの事故は地震が原因だったのてはないかということに疑いを持って真摯に取り組むことから始めるべきではないでしょうか。原発について嘘をウソで塗り固める国家のやり方をこれ以上続ければ国家はフクシマよりも酷い事故によって破局に至ることになるでしょう。

福島第一原発2号炉の「穴」が、野田首相の演説をあざ笑っています。  



2011年09月27日

【原発推進派の勝利】

上関町では原発推進派の町長が3選されました。

『中国電力が上関原発を計画する山口県上関町の町長選が25日投開票され、原発推進派の現職、柏原重海氏(62)=無所属=が反対派で新人の前町議、山戸貞夫氏(61)=同=を破り、3選を果たした。福島第1原発の事故後、原発新設計画のある自治体としては初の首長選挙。野田佳彦首相は新規原発建設に否定的なため、柏原氏は原発なき後の町づくりも見据えた選挙戦を展開して圧勝した。確定得票数は柏原氏が1868票、山戸氏が905票だった。当日有権者数は3206人。投票率は87.55%(前回88.08%)。』(9月25日付毎日新聞)

【変わらない体質と変わる風向き】

原発推進派町長の誕生を受けて、中国電力は、「町民の皆さまのご判断だ。豊かな町づくりに向けた期待に応えるためにも、より安全な発電所造りを目指し、引き続き最大限取り組んでいく」との談話を発表したそうです。安全神話が崩壊した後も何の検証もせずに呪文のように「より安全な」を繰り返す電力会社の体質はまったく変わりません。

しかし、原発を巡る地方の風向きは明らかに変わりつつあります。先ずは上関市。当選した柏原氏は原発推進の姿勢は保ちつつも、「国のエネルギー政策の扱いは不透明。我々が30年国を信じ、国に疑いを持たず、原発を推進してきたことをしっかり受け止めてほしい」と原発なき後の支援を改めて国に求めています。原発推進派でさえ、じわりじわりと原発に対する不安も感じ始めているということでしょう。

【もっと大きなうねりを】

フクシマ後も原発を維持しようとする原子力ムラの人間たちにとってはもっといやな動きも表面化してきました。

『政府の要請を受け運転停止中の中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)から半径10キロ圏に位置する同県牧之原市議会は26日、「確実な安全・安心が担保されない限り、永久停止すべきだ」との決議案を賛成多数で可決した。西原茂樹市長も本会議で「直下型の東海地震が起きる可能性が高く、永久停止は譲れない」と表明した。県、御前崎市など中部電と安全協定を結んでいる地元5自治体の中で「永久停止」の意思表明は牧之原市が初めて。』(9月26日付毎日新聞)

電力会社と安全協定を結んでいる地元自治体の一部が「原発の永久停止」を求めたというのはかつてない動きだと思います。
こういった動きが周辺自治体へどんどん広がっていけば電力会社や経産省、そして原子力ムラを形成する人間達も方向転換を迫られるときが来るでしょう。

かつてのように直接原発の交付金という「アメ」で潤う自治体だけを「地元」と呼ぶことは早晩出来なくなるでしょう。そんな小さな恩恵さえも受けられずに、高い確率で起こる事故によって自分たちの住む土地や子供たちの命まで永遠に奪われてしまうようなリスクが原発にはあるということを誰もが気付き始めたのです。国家が滅亡するかもしれないような原発のリスクを無視しようとする馬鹿な政治家や財界の人間達に思い知らせるには、原発の周辺から囲い込んでいくのが最も効果的な方法かもしれません。

時代は変わりつつあります。「権力は腐敗する。絶対権力は絶対腐敗する。」という言葉ありますが、絶対権力を追い込むのは市民の力しかないのです。  


2011年09月26日

【猪瀬副知事の挑戦】

東京都の猪瀬副知事が電力改革の口火を切りました。

『東京都は14日、100万キロワット級の天然ガス発電所設置を目指すプロジェクトチーム(PT)の第2回会合を開き、建設候補地として5カ所を適当と決めた。

 候補地は、中央防波堤外側埋め立て地(東京湾)▽砂町水再生センター用地の2カ所(江東区)▽旧江東清掃工場跡地(同)、葛西水再生センター用地(江戸川区)-。今後、絞り込みを進め、専門家を交えて事業主体や採算性を具体的に検討していく。

 5ヘクタール以上ある都有地で、工業地域など建設可能な土地であることが前提。パイプラインや送電網などのインフラとの距離や、冷却用水確保のため海や河川に面し、住宅や学校、病院が隣接していないことなどが考慮された。羽田空港を利用する航空機への影響については、国土交通省と調整する。

 PTリーダーの猪瀬直樹副知事は「東京が、自分のところで生産し、自分のところで消費する電力の地産地消の行動を起こす。電力事業への参入障壁を取り払い、弾力性のある電力市場にする先頭に立っていく」と強調。総建設費については「1千億円はかからないのではないか。公費投入は考えていない。資金はすぐにでも集まる」と説明した。

 発電した電気は都立病院などに優先的に供給していく方針。都関連の公共施設の総電力消費量は約80万キロワットといい、外部への販売も検討する。』(9月14日付MSN産経新聞)

【電力の地産地消】

相も変わらず原発がなければ電力危機は乗り切れないという大本営並みのキャンペーンを張り続ける経産省や電力会社、それをバックアップするメディアなど原子力ムラの面々たち。あくまでも既得権益の象徴である原子力産業を死守しようとする守旧派の人たちにいくら自己改革を求めても不可能なので、外堀から埋めて行くしか市民の安全・安心は守れないし、国家どころか都市の危機管理も出来ません。

そこに東京都の猪瀬副知事が仕掛けた東京都独自の発電所建設構想。これは強烈です。おそらく東京電力や経産省などは相当の圧力をかけてくるでしょう。しかし幸いなことに(?)、東京都は強烈な反中央でウルトラ右派の石原慎太郎知事がいます。猪瀬副知事は石原知事の了解の上で動いているでしょうから、これはガチンコ勝負になりそうです。

その猪瀬副知事の武器は天然ガスコンバインドサイクルタービン発電所。自然エネルギーは当面原発の代替になるほどの電力にはなりそうにない中、現実的に原発に代わる最も有力な選択肢は天然ガスタービンなのです。発電効率でも安全性でもコストでも原発をはるかに上回る天然ガスタービンは、今世界で最も普及しつつある発電方式であり、その資源量も掘削技術の進歩等により数百年以上と言われていますし、石油や石炭よりもはるかにCO2排出も少ないのです。

大都市の発電は天然ガスタービンで賄い、さらには都市のビル単位でのコジェネ発電などをどんどん進めて電力の地産地消をきめ細かく実施していくことが危険な原発に退場を促す最も現実的で戦略的な方法だと思います。

原発比率が5割を超える関西電力と闘っている橋下知事も猪瀬副知事と連携していくと「報道2001」で語っていました。橋下知事や猪瀬副知事のような改革派の人たちが破局の淵にある原発大国ニッポンの未来に少なからず光明を与えてくれています。頑張れ、猪瀬副知事、橋下知事!!!  



2011年09月22日

【博多の女(ひと)】

カーネギーホールで歌ったことのある博多出身のボーカリストって知ってますか?そう、高橋真梨子です(彼女のオフィシャルサイトはここをクリック!)。

その高橋真梨子のコンサートにまた性懲りもなく行ってきました。今回もファンクラブに入っているので、いい席だろうと期待していたら、何と1階席の一列目のステージのど真ん中! まさに真梨子さんの目の前の席でした。もう最初から最後まで大興奮!!!

今年のコンサートのタイトルは「soiree(ソワレ)」。昨年は10月末でしたが、今年は例年通り9月中旬となりました。真梨子さんは、16日の土曜日に博多に入り、中洲の屋台を見て歩いたり、行きつけの「花菱」といううどん屋に行ったり、博多の雰囲気を楽しむことが出来たとのことでした。そんなトークといつもの曲やアルバムの新曲を一通り歌った後、博多で歌い始めたころに歌っていた「ザ・ロード」という歌で締めくくりました。

今回のコンサートも、中高年のファンを中心に人気が高く、土日二日間の博多での会場となっているサンパレスは相変わらず立ち見も出るほどの盛況でした。僕も大人の雰囲気とさりげなさを持ち、世界にも通用する歌唱力を持つ彼女は、博多っ子として大ファンです。そう、彼女は博多っ子の元気の源なのです。

【根強いファンの支持】

いつものことですが、真梨子さんは博多に帰ってくると本当にリラックスして唄えるようです。毎回真梨子さんは博多に「戻ってくる」のが楽しみという語りでコンサートが始まります。今回もコンサートのトークどおり、博多の町をブラブラしてみたり博多の空気を満喫しておられたようです。

それもそのはず、真梨子さんは博多出身で、小学校も大楠小学校出身。同級生にはタモリがいたそうです。また、後輩には森口博子や氷川きよしも。

そんな博多を愛する真梨子さんを前に、コンサートが始まってしばらくは静かだった観客も、中盤以降は結構立ちっぱなしの状態になり、恒例の「グランパ」での総立ちの前から手を振って、会場はずっと熱気に包まれていました。この真梨子さんのコンサート、今年で37年目だそうです。凄い。そしてヘンリーさんも68歳、ヘンリーバンドの平均年齢も52歳だそうです。あと何年見られるのでしょうか、少し不安になります。

ファンのほうもヘンリーさんたちに負けず劣らずシニア層と呼ばれる50代から60代以上と見られる人ばかり。そう、僕の母が若い頃、高橋真梨子は中洲の「あざみ」という老舗のスナックの近くの彼女の母親が経営するライブハウスで「ペドロ&カプリシャス」のヴォーカルで唄っていたのです。(彼女の母親は10年ほど前に亡くなり、例年9月に福岡に来られるのは彼岸に合わせて供養も兼ねているのかもしれません。) その頃の人たちが皆そういう年代になっているのです。だから、彼女は全国でも知られていますが、博多ではシニアほどよく知っているのです。

【同時代に生きる】

さて、コンサートでの衣装は、今回は全般的に白っぽいドレスでまとめていた真梨子さんです。どちらかというとスカート姿よりもロングパンツのほうが似合います。今回も、若い世代のコンサートとはやや趣が異なるのは確かでした。

しかし、共通する部分もあります。生のコンサートの醍醐味というか、ファンを中心に歌手の歌とリズムにあわせて皆が立ち上がり会場全体が一体感に包まれるところは老いも若きも一緒です。

10年後ならともかく、100年後にはこのコンサート会場にいる10代も70代も皆この世にはいません。その中で同時代に生きているという共感、証(あかし)を得たいという心理が自然とそうさせるのでしょう。この瞬間を精一杯生ききる・・・これって大事にしたいですね。

また、来年もファンクラブでいい席をゲットして来たいと強く思った真夏のように暑い9月半ばの高橋真梨子コンサートでした。  



2011年09月21日

【日本行き拒否】

我が国ニッポンを取り巻く哀しい現実です。

『ドイツ・ミュンヘンのバイエルン州立歌劇場の今月下旬からの日本公演(日本舞台芸術振興会など主催)で、福島第一原発事故による放射能汚染を懸念し、当初参加予定だった団員約400人のうち約100人が日本行きを拒否したことが15日明らかになった。

 日本公演は9月23日から10月10日までで、主に東京でワーグナーの「ローエングリン」などを披露する。

 同歌劇場の広報担当者によると、欠員を補うため外部の演奏家を臨時に雇用する。

 オーケストラ、合唱、舞台技術などの分野ごとに、団員が何人ずつ参加しないかは明らかでないが、数人の主役級歌手が出演をキャンセルしたことは主催者から発表されている。日本に行かない団員は4週間の無給休暇を取るという。』 (9月16日付読売新聞)

【回避されるニッポン】

ドイツはもともとチェルノブイリ原発事故以来最も放射能汚染に敏感になっているお国柄でもあり、東京のドイツ大使館も未だに放射能汚染を恐れるかなりの職員が帰国したままで、業務に支障をきたすほどだとの報道もありました。

しかし、回避されているのはニッポンへの入国だけではありません。ニッポンからの食べ物の持ち込みにも不信が広がっています。放射能汚染を懸念する欧州をはじめとする多くの国が日本、特に福島県や近隣県からの食品輸入の制限を行っています。それもそのはず、日本の食品中の放射性セシウムに対する基準値はチェルノブイリ原発事故の被害を受けたウクライナの基準を大幅に上回っているのですから。例えば飲料水はウクライナ2に対して日本200ベクレル、ジャガイモは60に対して500、肉類は200に対して500、果物70に対して500といった具合です。

「海外から回避されるニッポン」―これは、福島第一原発がとてつもない量の放射能を大気中に放出し、ニッポンの大気も水も土壌も食品も汚染された上に、今でも放射能をまき散らし続けていることを考えるとこれから長きにわたってニッポンに住む僕たちが直面しなければならない過酷な現実なのです。

「世界一安全」と言われた国が「世界一汚れた国」となってしまった哀しい現実。この現実は確実にこれからのニッポンに様々なカタチで重くのしかかってくると思われます。

原子力ムラといわれる人たちは、原発維持を唱える前にこの現実についての責任を明らかにし、償いをすべきでしょう。  



2011年09月20日

【淋しい秋場所】

国技館が泣いています。

『大相撲秋場所が開催されている東京・両国の国技館が、1985年の開館以来の不入りに直面している。

 定員約1万1000人に対し、16日の6日目まで、一日平均で約半分に当たる約5200枚のチケットが売れ残り続けており、日本相撲協会は危機感を募らせている。

 国技館での本場所開催は今年1月の初場所以来。今場所初日の11日は3709枚が売れ残り、初日としては、過去最低の出足となったが、翌12日も残券は5682枚に及び、ワースト記録だった今年初場所の5118枚を更新した。3日目以後も半数程度が売れ残っており、相撲協会では「もともと夏休みの後で、集客が難しい時期ではあるが、今年は八百長問題に大震災、不況が加わった『複合不入り』だ」と困惑気味だ。』(9月17日付読売新聞)

【複合不況?】

取り組みを見てみると中日前で全勝力士は相変わらず強い横綱白鵬、関脇琴奨菊、関脇稀勢の里ですが、大関陣は3勝4敗の日馬富士、1勝6敗の琴欧洲、5勝2敗の把瑠都と振るいません。しかも外国人力士ばかりとくれば、観客が盛り上がらないのも無理はないのかもしれません。

その上に先場所までの八百長問題、東日本大震災、そして不況と悪材料には事欠かないのが今場所の観客動員数の低迷に拍車をかけているようです。それにしても東京の国技館でこんな体たらくでは、11月に開催される九州場所が思いやられます。国技館で75%で「満員御礼」を出すとしたら、九州場所では50%で「満員御礼」とでもしないと格好がつかなくなるのではないでしょうか。九州場所は普段でも3割程度の客の入りというのが珍しくなかったわけですから。それにもう一つ観客動員のマイナス材料があります。それは九州電力の玄海原発を巡る一連のやらせ問題。九州場所に様々な形でサポートしている九電が大幅な合理化を検討している中で、九州財界も九州場所のテコ入れに力を入れにくいことになるかもしれません。

頭の痛いことばかりの相撲界。力士は相撲に精進することで応えていくしかありませんが、相撲協会はさらなる改革努力と併せて、旧態依然の高額チケットの見なおしなどやることはたくさんあると思います。真剣勝負で臨んでもらいたいと思います。  



2011年09月19日

【元の木阿弥】

菅首相が辞任したとおもいきや、ゾンビのように原発推進の大本営方針が復活してそのまま固められつつあります。

『野田佳彦首相が22日にニューヨークの国連本部で開かれる「原発の安全性と核の安全保障に関するハイレベル会合」で行う演説案全容が18日、判明した。東京電力福島第1原発事故を受け「原発の安全性を最高水準に高める」と表明、同時に「安全でより信頼性の高い原子力エネルギーの確保は引き続き必要だ」と直ちに「脱原発依存」へ移行しない立場を明確にする。事故原因を徹底検証し、結果は国際社会への全面開示を約束する。

 また、原発設備へのテロ攻撃は深刻な事態をもたらすと指摘、核物質や原子力施設の防護・保全を図る核セキュリティーに取り組む決意を表明。』(9月19日付西日本新聞)


【無反省・無責任】

もともと期待はしていませんでしたが、こんなに早く前首相の方針を国民の声も聞かずに国際社会に発表する野田首相の無責任・無反省。おそらく経産省のいいなりになっているのでしょう。

国内では世論の動向を注意深く見ながら慎重な言い回しで露骨な原発推進と見られないようにしながら、海外では原発推進の方針を発表する。フクシマでは今でも放射能が漏れ続け、事故原因さえも特定されていないというのに、もう既得権益の擁護にかまけて住民、いや日本国民全体の命をないがしろにしようとする。言葉はソフトでも官僚に操られるままの、3/11前と何も変わらない政治家。自らの意思で本気で住民を、国を守る気概をなぜもてないのか。

ほんとうに悔しいし、情けないニッポンの現実です。このまま経産省の描くシナリオで危険極まりない原発を何十年も温存し続ければ、菅前首相の背筋を凍らせたような首都機能壊滅、さらにはニッポン壊滅といった事態が来るのは時間の問題だと思います。

今からでも遅くはない、野田首相に原子力情報の徹底開示と国民的な議論に基づく原発からの撤退を強く求めます。  



2011年09月16日

【新しい動き?】

野田首相はどこまでの腹づもりなのでしょうか?

『野田佳彦首相は15日午後の衆院本会議で、原発依存度の低下に向け、新たなエネルギー基本計画を審議する総合資源エネルギー調査会(経済産業相の諮問機関)について、「これまでの政策に批判的な委員の数を増やす」と述べ、「脱原発」派の委員を積極的に起用する考えを表明した。公明党の井上義久幹事長への答弁。
 同調査会は来年夏までに基本計画を実質的に策定する。現在、原発推進派が委員の多数を占めており、先に辞任した鉢呂吉雄前経産相が構成を見直す意向を示していた。首相の答弁はこれを実行に移すことを明確にしたもので、「オープンでバランスが取れた議論ができるようにし、幅広く国民各層の意見を聞く場を持ちながら検討を進める」と強調した。』(9月15日付時事通信)


【鉢呂氏辞任の謎?】

実は僕がこの記事に注目するのは、不可解な「放射能をうつす」発言等で辞任した鉢呂経産相が辞任する直前に原発政策見直しを意図して、この総合資源エネルギー調査会の大幅な見直し人事を発表する予定だったというウワサを知ったからです。

それは「現代ビジネス―ニュースの深層」というウェブサイトに掲載されているのを知り合いから教えてもらったのですが、その記事によると鉢呂経産大臣は辞任の直前にすでに内定していた総合資源エネルギー調査会の顔ぶれ(全体で15人のうち、12人を原発賛成派、3人を反対派とするもの)を原発反対派を賛成派と同数にするというものだったというものでした。これが経産省の虎の尾を踏み、出所が不可解な「放射能をうつした」失言で辞めることになったとの憶測記事です。真相は闇の中ですが、原発を死守したい経産省にとってはとても飲めない人事だとしたらあり得る話なのかもしれません。

いづれにしても、この人事がどんな形になるのかによって「脱原発」派の委員を積極的に起用する考えを表明した野田首相の原発政策見直しの本気度が試されることになるでしょう。注目したいところです。

それから原発の見直しの議論の場を一方の立場の人間ばかり集めて「初めに結論ありき」のような舞台にしてしまうやり方は国民を愚弄するものです。委員会の人事がそんなやり方に左右されるようでは、フクシマ前とまったく変わらないと言えるのではないでしょうか。
  



2011年09月15日

【あの時何が?】

菅前首相が東電本店に乗りこんだときは一体どういう状況だったのかを知る手掛かりがもうひとつ出てきました。

『東京電力福島第一原発事故で、本紙は、菅直人前首相が三月十五日未明に東電本店に乗り込んだ際の訓示の記録全文を入手した。現場からの撤退を打診した東電側に「放棄したら、すべての原発、核廃棄物が崩壊する」と警告し、「命を懸けてください」と迫っていた。菅氏は本紙のインタビューで「東京に人がいなくなる」ほどの強い危機感があったと明かしていたが、訓示の内容からもあらためて裏付けられた。
 第一原発では当時、1、3号機が水素爆発を起こし、2号機も空だき状態の危機が続いていた。政府関係者の記録によると、菅氏は「(撤退すれば)チェルノブイリ(原発の事故)の二~三倍のもの(放射性物質の放出)が十基、二十基と合わさる。日本の国が成立しなくなる」と危機感をあらわにした。
 その上で、「命を懸けてください。逃げても逃げ切れない」と、勝俣恒久会長や清水正孝社長(当時)ら東電側に覚悟を要求。「六十歳以上が現地に行けばいい。自分はその覚悟でやる。撤退はあり得ない」と訴えた。
 菅氏は海江田万里経済産業相(当時)から「東電が撤退意向を示している」と報告を受け激怒。清水社長を官邸に呼び政府と東電の統合本部設置を通告し直後に東電を訪れた。
 東電の松本純一原子力・立地本部長代理は今月六日の記者会見では「撤退を申し上げた事実はない。七十人程度が事故対応のために残り、それ以外は(対応拠点の)『Jヴィレッジ』や福島第二原発に退避することを考えていた」と説明した。』(9月9日付東京新聞)


【敵前逃亡の東電幹部】

本当の危急存亡のときに人間というものは本性を現します。まさに菅前首相が東電本店に乗りこんだときの勝俣恒久会長や清水正孝社長(当時)たちがそうだったのです。東京が壊滅するかもしれないという国家そのものの存亡がかかったときに、逃げようとした。こんな連中がニッポンの「絶対安全」と言われていた原発を動かすトップだったのですから、今でも背筋がゾッとします。そして今も勝俣氏は東電の会長に君臨しているのです。何度も言いますがこれはまぎれもない企業犯罪だと思います。どれだけの人たちが今この瞬間にも、この人たちの怠慢で命の危険にさらされているか。こんな人たちが告発されずして世の中に正義などあるのでしょうか。

この東電のトップをはじめとして原発の推進にまい進してきた経産省の官僚や原発や放射能を安全と言い続ける御用学者、原子力利権にたかる政治家たち、それを助ける大手メディアなど原子力ムラの傲慢がもたらすフクシマの放射能汚染の災禍はこれから何十年、何百年にわたって、国内の汚染された土地や海の除染、ヒバクシャへの巨額の賠償を続けて行かざるを得ません。日本だけでなくこれからは海外からも海洋の放射能汚染に対する途方もなく巨額の賠償請求も出てくるでしょう。それらはニッポンの国力を奪い、たとえ次の原発事故を待たずともニッポンという国家は衰退の道を辿って行くのは確実です。

日本全体、あるいは世界全体から見ればたかがひとつの斜陽産業にすぎない原子力産業の延命のために、日本国民は放射能にまみれ、さらなる原発事故の恐怖に怯えながら逃げ場のない日本で生き続けなければならないのです。そんなことを本当に許していいのでしょうか?ひとりひとりが今こそこの原発という魔物を真剣に考え、「NO」を突きつけるべきではないでしょうか?なぜなら、菅前首相の「東京が壊滅するかもしれない」という危機感は本当だったし、このまま原発を存続させれば次は本当に東京がそして日本が壊滅する日はまちがいなく来ると予想されるからです。

汚れきった原子力産業よりも子どもたちの命のほうがどれだけ大切か、感情論ではなく冷静に考えれば日本という国家の存続にとってこれほど重要なことはありません。  



2011年09月14日

【フランス政府に衝撃?】

フランスの核廃棄物処理施設で爆発があったとのニュースが世界を駆け巡りました。

『フランス原子力安全当局(ASN)によると、南部ガール県マルクールの核廃棄物処理施設で12日、爆発があり、1人が死亡、4人が負傷した。1人は重体という。爆発による施設外への放射能漏れはないとし、警察も施設外での放射能汚染はないとしている。

 爆発は、核廃棄物を熱で溶かす溶融炉で発生。爆発原因は不明だが、炉内で完全に収まったという。

 同施設は仏電力公社(EDF)<EDF.PA>が所有し、核研究センターに隣接している。原子炉は施設されていない。』(9月12日付ロイター通信)


【火消しに躍起】

その爆発事故後のフランス政府の対応が興味深いです。フランス政府は事故からわずか2時間後にコシウスコモリゼ・エコロジー相を現地へ急派し、原子力を推進する原子力庁は爆発事故直後から「原子力事故ではなく産業事故」と位置づけたそうです。もちろん、事故直後から「放射能漏れもない」と発表しています。

これってどこかで聞いたことのあるような対応ではありませんか?フクシマの核惨事が起こる前は何か原発の事故があると日本政府もフランス政府と同様、「放射能漏れはありません。」、「ただちに健康に影響はありません。」といった発表を即座にしていました。たったの数時間で事故原因がわかるはずのない大事故であっても同じです。そしてその結果が地獄のようなフクシマの核惨事。

そうです、フランスも日本も政府の「広報活動」が功を奏して、国民は原発が事故を起こしても大丈夫と信じていたのです。今回のフランスの事故はフランス政府の発表通り、放射能漏れにつながるような事故ではないかもしれません。しかし、政府が原発や核廃棄物施設に関する様々な情報を開示していない現状では、政府の「大本営発表」を鵜呑みに出来ないのはフランスも日本と同じではないでしょうか。

皮肉にもこのマルクールの核廃棄物処理施設では日本のMOX燃料も受託生産しているのではないかと思います。原発に関してはフランスと日本は深くつながっているのです。これからもこの事故の顛末は慎重にウォッチする必要がありそうです。  



2011年09月13日

【中間報告】

第三者委員会が中間報告を公表しました。

『九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)の再稼働をめぐる「やらせメール」問題を調査している同社第三者委員会(委員長・郷原信郎弁護士)は8日、古川康佐賀県知事が同原発に関する県民向け説明番組の放送前に同社幹部と行った懇談で「再開容認の立場からも意見や質問を出してほしい」などと発言したことが、一連の問題の発端となったと認定する中間報告をまとめ、同社に提出した。
 調査では、当時の佐賀支店長が作成した知事発言メモの真偽が焦点となったが、都内で記者会見した郷原委員長は「おおむね正確に記載したものと判断できる」と明言。さらに「発言がなかったら恐らくこういうことは行われなかった」と述べた。
 一方、古川知事は同日夜、佐賀県庁で記者団に「真意と違うところでメモが作られ、それが流通した。責任を取らなければならないとは思っていない」と改めて辞任の可能性を否定した。』(9月8日付時事通信)


【疑念が確信へ】

郷原委員長の説明は、知事発言のメモなどの物的証拠と関係者へのヒアリングに基づいた明快なものであり、故意に結論を歪めていると言った予断が入る隙は見えません。僕たち素人にもわかりやすく古川知事と九電による「やらせ」の実態を明るみに出したと言えるのではないでしょうか。古川知事の発言が発端になったとの認識も正しいものと思われます。

この第三者委員会の報告に対して、九電側は知事は無関係と強く反発し、古川知事も自分に責任はないとの主張を繰り返しています。しかし、2005年のプルサーマル導入のときから同じようなやらせがあったことや、九電と古川知事の過去の原発を巡るやり取りを振り返れば、両者が反発し強く否定すればするほど僕たちの疑念は「やっぱり裏で再稼働に向けて工作をしていたんだ。」という確信に変わっていきます。このやらせの問題はあまりにも単純な構図なので子供にでも理解できます。それをムキになって否定すること自体が茶番じみています。

原発の地元と言われる市町村と県と電力会社の関係がどれだけ強固で、今までどれだけ住民の安全をないがしろにしてきたか、この一件だけでもよくわかります。この構図の背後には当然ながら今まで原発を国策としてごり押ししてきた経産省があることは明らかです。全国どこの原発立地地域でも同じような裏工作がなされていると疑われても仕方がないでしょう。

問題はこれからです。こんないいかげんな姿勢の電力会社や県知事、経産省に原発という、いったん事故が起これば国家が破たんするようなリスクを取らせておいていいのでしょうか?第三者委員会にムキになって反論するような人たちが心を入れ替えて住民の安全を最優先に再稼働に取り組むでしょうか?

地元のみなさんも、そして数十キロあるいは数百キロ離れている周辺の住民も、さらには僕たち日本国民全員がこのとてつもない嘘だらけの原発に真剣に向き合わなければ、福島につづいていづれその莫大なツケを払わされる時が来るのではないでしょうか。  



2011年09月12日

【賛否両論】

ここ数日、西日本新聞のトップ紙面に『考・原発 「フクシマ」半年』という各界の著名人に原発に関する意見を求めた特集が組まれています。9月6日の菅原文太氏から始まって9月10日の岡村正氏(日本商工会議所会頭)でまだ5人目ですが、賛否両論様々な意見があるものだと思います。

これから何回かに分けてこの特集に出てくる著名人の方々の意見について自分なりの意見を述べて行きたいと思いますが、先ずは自分の原発に対するスタンスと今まで出てきた方々を参考に原発を推進する方々の一般的な共通点や特徴的な部分について明らかにしておきたいと思います。

【原発に対する僕のスタンス】

僕自身はこのブログの中で3月11日以降原発問題を追いかけていく中でも述べていますが、福島第一原発の核惨事以後は明確に即時原発停止が必要だし、可能であると考えるようになりました。

必要だと言う意味は、菅前首相が原発推進から脱原発に方向転換するに至った理由と同じです。菅氏の言葉がそのまま自分にも当てはまるので引用します。

(菅前首相の発言) 『地震・津波・原発の「3重のリスク」を負っている場所は、米国西海岸と日本列島と、世界に2か所しかありません。しかも日本は広大ではないので、原発事故が最悪のケースになれば、国家の機能が停止してしまいかねません。従来考えていた安全性の発想では、そんなリスクには耐えられないでしょう。そういうことを踏まえると、原発依存度を下げて、原発に頼らなくてもいい社会を目指すのが一番の安全性じゃないか、と考えが変わりました。』

すなわち、即原発を止める必要があるというのは、日本という地震大国に原発のリスクはあまりにも大きすぎるからという理由が最大であり、これ以外のいかなる理由もこのリスクを越えるほどのものではないと僕は考えています。もちろん原発推進側の人たちが原発が必要とする理由として挙げる電力不足の懸念や原子力技術の温存の必要性なども国家を崩壊させるようなリスクほどではない、努力すれば克服できるということです。したがって、大きな痛みを伴うものであっても国家の崩壊よりは原発即時停止のほうがまだいいという考え方です。

また、即原発を止めることは可能であるという理由は、原発がなくても電力は不足しないということがこの夏の電力事情や様々な文献を読むうちにわかってきたからです。もちろん即原発を止めれば電力会社の経営や原子力産業が大きな痛手を被り、少なからず国民の負担も一時的には増えることになると思います。しかし、国家目標としてきちっと脱原発の方針を定め、当面は効率の高いコンバインドサイクル・ガスタービン等の稼働率を高めることでしのぎ、将来的に自然エネルギー等も少しずつ増やしていけばこの難局を乗り切れると思っています。必要なのは今までのような原子力ムラぐるみの、自分たちの利益ばかりを優先し、安全をないがしろにする国民を愚弄するような原発オンリーのエネルギー政策ではなく、国民の大多数が納得できるような未来に希望の持てるより現実的なエネルギー政策の目標を持つことです。

【原発を推進する人たちが言わないこと】

そういう脱原発のスタンスなので、どうしても今回の西日本新聞の特集などを読んでいても原発を推進しようとする人たちの嘘やまやかしが見えてしまいます。

今まで登場している人の中でも寺島実郎氏(多摩大学学長)や岡村正氏(日商会頭、東芝相談役)はそれぞれの立場からある程度の原発依存からの脱却は認めつつも、寺島氏は日本が原発から撤退すれば原発の安全技術が失われるからよくないとか、岡村氏は早急に脱原発を目指すには慎重な検討が必要だとか言ってある意味「逃げて」います。

しかし、彼らのような原発維持もしくは推進を目指している人たちが意見を言う時に共通していることで僕が許せないと思うことがあります。

それは、彼らは現在の原子力の体制がフクシマの核惨事を起こしたこと、現在の大規模な放射能汚染の責任を負っていること、現在苦しんでいる人々をどうするかについてほとんど言及しないか、敢えて言及することを避けているのではないかということです。(もちろんそれは自分たちの原発推進の論拠にマイナスに働くからだと思います)

そしてもうひとつは、僕の脱原発の論拠である国家を壊滅させるようなリスクが原発にはあって、日本は地震大国というひとつを取ってみても、またフクシマを起こしたような目茶苦茶な安全に対する無防備な体制しかないことをどう考えるのかについてもほとんど言及しない点です。

自分たちの都合のいいことばかり言っても、3/11で実際に多くのヒバクシャが出た以上はこの2点についてきっちりと説明しなければ彼らの言うことは信用できません。

みなさんはどう思われますか?

≪参考≫

・「菅首相と原発―週刊朝日インタビュー 」・・・2011年8月19日付の僕のブログ記事
  



2011年09月09日

【経産省所管の財団】

日本エネルギー経済研究所が原子力や火力などの発電コストの試算を発表したそうです。

『経済産業省所管の財団法人・日本エネルギー経済研究所は31日、原子力や火力などの発電コストを試算した結果を発表した。

 原子力は1キロ・ワット時あたり7・2円、火力は10・2円となり、原子力のコストが火力より安くなった。

 電力10社と電力卸2社の有価証券報告書をもとに、2006~10年度の5年間平均の実績値を計算した。試算では、燃料再処理費や廃炉費用は、各社が積み立てている額などをベースにしており、「将来、実際にかかる費用とは異なる可能性がある」としている。

 東京電力の福島第一原子力発電所事故による賠償額を10兆円と仮定し、1965~10年度の46年間の発電コストに上乗せすると、1キロ・ワット時あたり1・3円が加わって計8・5円となり、火力との差が縮まる結果になった。』(8月31日付読売新聞)

【初めに結論ありき】

福島の核惨事を経験してもなおこんな初めに結論ありきのような試算結果を堂々と発表する政府系の調査機関の存在。そしてそれを何の検証もコメントもなしに垂れ流す大手マスコミ。本当に寒々としてしまいます。

この試算を発表した日本エネルギー経済研究所の理事長は経産省出身の元官僚です。日本という国は中立を装う研究機関の多くは政府の政策を正当化するために「初めに結論ありき」という試算結果や研究成果がいかに多いことか。こういう機関は潤沢な資金と人材と政府からのサポートで情報を独占し、よっぽど資金力や組織力がなければ市民の反論の余地すら与えないようになっている。

さらに大手マスコミもある意味こういった機関の発表を国民に「広報」することが使命だと思っているのか、真実が何かを伝える「報道」機関の役目などまったく果たしていません。この試算が本当に正しいのか自分で検証してコメントを付けることが出来ないなら、反証できる別の機関のコメントくらい同時に載せるべきでしょう。最近はそんなことさえしないでまさに大本営発表そのものです。報道機関などと言わずにわが社は政府の「広報機関」ですと言ってもらった方がまだわかりやすい。

僕はこんな反証なき試算結果や広報記事は到底信用できません。

【アメリカの凄さ】

その点、アメリカには日本よりはるかに信用できる情報があります。米国エネルギー省のエネルギー情報局(EIA)が2010年に公表した米国の新規発電所のエネルギー源別のコスト比較表があります。EIAは、政治的独立が制度的に保証されている専門機関であり、信頼性、中立性が高いと言われています。(「脱原発。天然ガス発電へ」石井彰著、アスキー新書 p.28-29から引用)

それによれば、米国における発電コストは従来型の石炭火力発電で94.8ドル、従来型のガスコンバインドサイクル発電で66.1ドル、改良型の原子力発電で113.9ドル、太陽光発電で210.7ドルとなっており、原子力発電は最も安い発電方法ではありません。しかもこの試算では原子力発電所の稼働率は90%と仮定しての話です。

米国と日本では単純比較はできませんが、重要なのは米国は政府機関でさえ独立した調査を行い、政府が原発推進であろうとなかろうとこのような試算結果を発表して国民に真実を知る機会を与えているということです。こういう努力がスリーマイルの原発事故をメルトスルーに至る前に回避したりする責任ある危機管理につながっているのだと思います。

政府の御用学者や御用機関まで総動員して真実を覆い隠し政府の原発政策をブルトーザーよろしくごり押ししてきた結果が福島の核惨事だということを政府や大手マスコミはもちろん日本エネルギー経済研究所も国民に懺悔して出直すべきだと思うのは僕だけでしょうか。  



2011年09月08日

【快進撃】

いつもだったら夏バテで失速気味になるソフトバンク、今年は違うようです。

『ソフトバンクが2位・日本ハムを3タテし、今季最大の7ゲーム差に広げた。

 一回2死から内川の9号左越えソロで先制。三回には5安打4得点の猛攻。その後も追加点を奪い、計15安打を浴びせた。先発の和田はキレのある直球を中心に6回3安打3失点で12勝目。

 日本ハムは今季ワーストの6連敗。先発の大塚は制球が甘く2回1/3を8安打5失点KO。

 8日は両チームとも試合はなく、ソフトバンクが9日のロッテ戦に勝ち、日本ハムが9日の楽天戦に敗れれば、ソフトバンクに優勝マジック「22」が点灯する。

 2本塁打を含めこの日3安打3打点の内川は「ゲーム差はありますが、勝たないことには優勝に近づかない」と気を引き締めていた。』(9月7日付デイリースポーツ)

【絶好調のソフトバンク】

野球の試合だけではありません。携帯電話各社が7日発表した8月の契約数によりますと、新規契約から解約を差し引いた純増数で、ソフトバンク子会社のソフトバンクモバイルが17カ月連続で首位を維持したとのロイター通信の記事もありました。

ビジネスも野球も快進撃を続けるソフトバンク。孫社長の鼻息はますます荒くなりそうですね。頑張れ、ソフトバンク! 今年は日本一ダッ!!!!
  



2011年09月07日

【人気の沖縄】

それにしてもすごい増加です。

『沖縄への修学旅行が今年は急増する見込みで、10~12月の繁忙期に観光バスが不足する懸念が生じている。例年の需要に東日本大震災の影響で沖縄への行き先振り替えが加わり、過去最多の来訪が予想されているためだ。旅行関係者は「需要の急増でバスが全然足りない」と焦っている。旅行会社とバス会社が対応に追われており、沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)は近く、関係各社と連絡会を開いて対策を協議する。

 2011年の修学旅行は予約を含めて45万616人(2553校)で過去最多となる見込み。目的地を沖縄に変更した学校が122校(1万4856人)あり、総数では昨年を1万2000人以上上回る。さらに約半数の24万4651人(1145校)が10~12月に集中。旅行関係者によると「旅行各社の8月上旬の推計ではバスが月600台ほど足りない」との見方も出ているという。

 沖縄バスでは、約80台の観光バスの予約がすでに満杯。振り替え特需のほか、経営改善のために減車していることも背景にあるという。琉球バスは需要が10月前半と12月前半に集中し満席の状態。外国客の増加も重なれば、さらに足りなくなる見通しで、担当者は「県全体で誘致に取り組んでいる責任もあるので、各業界との調整は急務だ」と指摘している。』(8月30日付沖縄タイムズ)


【安全・安心の効果】

沖縄を訪れる観光客は7月、8月までは東日本大震災の影響で前年割れが続いているそうですが、オフシーズンの10月~12月にこれだけの修学旅行客の増加が見込まれれば沖縄にとっては思いがけない朗報ではないでしょうか。

大震災後観光客が減っていたと言う理由は、中国や韓国など海外からの観光客の減少が響いているのではないかと思います。でも日本人の観光客はかえって増えているのではないか、あるいは今回の修学旅行の増加だけでなく今後は日本の他の観光地よりも増えて行くのではないかと思います。なぜでしょうか?

それは「安全・安心」の効果です。3月11日の東日本大震災とそれに続く福島原発の核惨事によって関東から東の東北エリアは観光地として敬遠されているのが実態です。それはもちろん、放射能汚染が広がっていることが人々の不安心理を募らせているからです。東北地方の方々にとっては死活問題なのですが、政府の後手後手の対応ぶりから見ると、原状回復にさえ相当の時間がかかるのはやむを得ないでしょう。

それに対して沖縄は、もともと南の楽園として観光にはもってこいの地域ではありますが、それとともに日本の一番西のはずれにあって、今人々の不安の種である原発もありません。偏西風は西から東へ流れて行くことが多いので、風向きの点でも最も放射能汚染からは遠い地域となります。このことが学校を含め多くの日本人が沖縄に注目する本当の理由ではないでしょうか。

実際、8月に沖縄を訪問した時、撤退を考えていた大手マンションディベロッパーが3/11以降息を吹き返したという話を聞きました。なぜなら、空室だらけだったそのディベロッパーのマンションが震災後あっという間に本土からの買いでほとんど売り切れたというのです。

放射能を心配しなくていい生活というものがどれほど人々に安全・安心を与え、経済にもプラスの効果をもたらすか、私たち日本人はこの沖縄の例をしっかりと胸に刻んでおくべきだと思います。  



2011年09月05日

【脱原発依存?】

まるで官僚の答弁のような言い回しです。

『野田佳彦首相は2日夕の記者会見で、今後のエネルギー政策について「脱原発依存という基本的な流れの中で、丁寧にエネルギーの基本計画をつくらないといけない」と述べ、菅直人前首相が掲げた「脱原発依存」を基本的に継承していく考えを示した。
 定期点検中の原発に関しては「安全性をしっかり確保し、地元の理解を前提に再稼働する」と指摘。新たな原発建設は「現実的には困難だ」とし、「寿命が来たものを更新することはない。廃炉にしていきたい」と語った。』(9月2日付時事通信)


【現状追認が政策?】

野田新首相の調整型的な政治スタンス、経団連の歓迎ぶりなどから原発に関して首相としての新しい方向性などは出てこないとは予想していましたが、首相の口から出た言葉はその予想通りでした。

新首相は、菅首相の「脱原発依存」を継承するとしながら、定期点検中の原発は安全性を確保して再稼働すること、新規の原発建設は困難なこと、寿命が来た原発は廃炉にすると述べました。

ちょっと待って下さい、これって単に現状を追認するということではないですか?寿命が来た原発を廃炉にするなんて当たり前の話ですし、新規の原発建設など福島の核惨事を経た今では誰も現実的だとは思っていません。これを「脱原発依存」だと言えるでしょうか?国民をごまかしてはいけません。現状追認なんて政治家の怠慢以外の何物でもない。就任当初からそんな姿勢で巨大な原子力ムラの権力に立ち向かえるはずはありません。これは原子力ムラに対して「仰る通りにしたします」といっているのと等しい。

今原発を巡り政治家に求められているのは、地震が多発する日本では第二・第三のフクシマが高い確率で起こりうること、そしてまた実際に起こったら日本は経済も社会も文化も何もかも崩壊の危機に晒されるということであり、そういうとてつもないリスクを抱えながら既存の原発を維持していくのか、それとも危険な原発をすべて廃炉にして安全な社会を直ぐに実現するのかという切羽詰まった選択を真剣にやらなければならないということです。

既得権益におもねって住民や国民の命をないがしろにするのであれば、3/11以前となにも変わらない。そういう覚悟でもって原発問題に立ち向かっていってほしいと思うのは僕だけでしょうか?  



2011年09月02日

【野田新首相誕生】

四面楚歌状態だった菅首相に代わって、野田新首相が誕生しました。

『民主党の新代表に選出された野田佳彦財務相(54)は30日午後の衆参両院本会議での首相指名選挙で、第95代、62人目の首相に指名された。菅内閣総辞職を決めた同日午前の閣議後、野田氏は記者会見で、党役員人事について「今日の午後あたりからいろいろと着手したい。幹事長などの骨格を決めていきたい」と表明。この後、小沢一郎元代表に近い輿石東参院議員会長と国会内で会談し、幹事長就任を打診したが、輿石氏は固辞したとみられる。組閣は9月2日以降になる見通しで、それまでは菅内閣が「職務執行内閣」として存続する。』
(8月30日付毎日新聞)


【僅かに膨らむ期待感】

最悪の選択と多くの人が思っていた海江田氏が決選投票で敗れ、前原氏を出し抜いてダークホース的な勝利を収めた野田財務相が党内融和を人事手腕で示したとして、党内外だけでなく経済界までも敵に回していた菅首相のときとは正反対に大手メディアがこぞって歓迎を意を表しています。これもまた日本のメディア特有の「みんなで渡れば」式のような同一反応です。

本当にそんなに簡単に民主党が一枚岩になれるのか、野党も野田さんだったらそんなに協力的な姿勢になるんでしょうか?確かに野田新首相は調整型のようですので、菅首相を全否定していた反応が野田氏に好意的に向かうと言うのはわからないでもありませんが、こういうときほど注意が肝心なのです。大手メディアの報道にもよほど注意してかからないといけません。

僕自身は野田政権に関しても大手メディアの報道はまったく信用していません。

【原発・エネルギー政策を監視すべし】

僕は3/11の福島原発の核惨事後の6ヶ月間、このブログで原発問題を集中して取り上げてきました。それはそれほどフクシマが日本にとってかつてないほど重大な問題であり、政治が原発の処理、エネルギー全般の政策転換という問題を最優先で取り組んでいかないとこの国は本当に一瞬にして崩壊してしまうほどの危機に直面すると考えているからです。なぜか?

第一は、原発がこの国にとって本当に危険な代物だということがフクシマで明確になったからです。福島県やその周辺地域は二度と住民の方々が戻れない土地を多く生んでいますし、今でも放射能の恐怖に怯えて暮らさざるをえない人々が100万人単位で発生している。しかもあれだけの大惨事ですが、それでもまだ最悪ではないということです。(日本にとって最悪とは、日本全土が放射能汚染のために居住不可能になるような事態でしょう。それは格納容器爆発のような事態ではあり得る話です。)大津波や大地震ではなくても震度6程度の地震でさえ日本のほとんどの原発は耐えられない可能性が高いでしょう。また津波や地震といった自然災害だけでなく、原発の技術的あるいは人的な面における単一の原因あるいは複合的な要因で格納容器の破壊などの大事故が起これば、日本は本当に終わってしまう可能性が高いと僕は見ています。津波や地震だけではなく、老朽化原発の脆性破壊でも、ギロチン破断でも様々なことが今の政府や原子力関係者の能力では起こりうるでしょう。

そして日本のどこで起こっても日本人に逃げ場はないことがはっきりしました。この狭い日本では、何百万人もの人たちが海外に逃げることは不可能であり、急性放射能障害で即死するか、放射能汚染で土壌も水も空気も汚染され、汚染された土地で汚染された食べ物で生きていくかしかありません。これが現実なのです。

第二は、これほどの現実が白日の下にさらされたにもかかわらず、政治家も官僚も電力会社も御用学者も今までの原発がもたらす既得権益に固執して原発に関して抜本的な見直しが出来ない可能性が依然高いということです。原発を擁護する人たちはあまりにも危機意識が低い。特に政治家はそうです。しばしば彼らは脱原発を主張する人たちを異常だと言いますが、それはまるっきり逆だと思います。脱原発を主張してきた人たちのほうがフクシマを予想していたし、これから起こることに対する危機意識も高いというのが本当でしょう。

菅首相は、党内外のコンセンサスを得るよりも相手を攻撃することで政策転換を図ってきたため、各方面からの猛烈な批判にさらされましたが、少なくとも原発に関してはフクシマの核惨事に真正面から取り組まざるをえなかったため、背筋も凍るような経験を経て、必死の思いで脱原発の方向性を示したという点については評価すべきだと思います。大手メディアは自らも原子力ムラの利権とつながっているからか、脱原発を進めようとしたこともすべてマイナスととらえて菅首相をこきおろし、「菅おろし」に加担して徹底的な攻撃を仕掛けていたように思います。

原発が止まれば大停電になるといった電力会社の脅しは今のところ現実にはなっていませんし、そもそも原発を今すぐ止めても電力は十分足りているというのは複数の専門家の指摘であり、実際に事実だということがわかっているのです。既存の原発を今すぐに止めたときのリスクとは、原発にかけてきた膨大な投資がフイになるといった既存の電力会社の経営上の問題だということではないでしょうか。さらには発送電分離といった議論が進むことによる地域独占の牙城が切り崩される恐れがあるという電力会社にとってのみのリスクでしょう。

残念ながら、今のところ調整型の野田氏ではこれほど危険な原発政策全体の抜本的な見直しが出来るとは期待できないというのが正直なところです。

したがって、大手メディアの大宣伝に踊らされることなく、僕たち国民ひとりひとりがしっかりと野田新首相、新内閣による政府全体の動きを監視して、日本が破滅に瀕しないように原発・エネルギー政策の抜本的見直しが進むのかどうか注文をつけ続けていく必要があると思います。  



2011年09月01日

【恐るべき土壌汚染】

5ヶ月も経ってから恐るべき数字が次々と明るみに出てきています。

『東京電力福島第一原子力発電所事故で拡散した放射性物質による土壌汚染の状態を調べた地図がまとまり、29日に開かれた文部科学省の検討会で報告された。

 立ち入りが制限されている警戒区域や計画的避難区域で、チェルノブイリ原発事故での強制移住基準(1平方メートル当たりの放射性セシウム137が148万ベクレル)を超える汚染濃度が測定されたのは、6市町村34地点に上った。住民の被曝
ひばく
線量などを把握するのが狙い。菅首相が27日、「長期間にわたり住民の居住が困難になる地域が生じる」との見通しを示したが、それを裏付けた。

 測定結果によると、6月14日時点で、セシウム137の濃度が最も高かったのは、警戒区域内にある福島県大熊町の1平方メートル当たり約1545万ベクレル。セシウム134と合わせると、同約2946万ベクレルとなった。

 同300万ベクレル超となったのは、セシウム137で同町、双葉町、浪江町、富岡町の計16地点に上った。高い濃度の地点は、原発から北西方向に延びており、チェルノブイリ事故の強制移住基準を超える地点があった自治体は、飯舘村、南相馬市を加えた計6市町村だった。同省は約2200地点の土壌を測定した。』(8月30日付読売新聞)

【恐るべき汚染の深刻度】

今回のデータ発表よりも5カ月近くも前の4月5日から7日にかけて、福島県は避難地域を除く県下1600か所あまりの小中学校、幼稚園、保育所の放射線の空間線量率の測定を行ってデータを公表しています。このデータと今回の土壌汚染のデータは極めて似ています。放射能雲が移動していったのですから、空間線量にせよ土壌の汚染にせよ、ほぼ汚染地域が重なるのは当然と言えるかもしれません。違うのは、出来るだけ早く住民に危険性を知らせようとする福島県の姿勢と出来るだけ住民に遅く伝え、放射線の影響についてごまかそうとする国の姿勢です。

今、福島県の多くの地域で私たちが通常病院でみかける「放射性管理区域」の表示がある、労働基準法で18歳未満の作業が禁止されている立ち入り禁止区域の中で100万人あまりの市民が何の防護策もないまま放置されているという深刻な事態が日々進行しています。

昨日も福島県内の妊婦の方々が放射能の不安に怯えながら暮らしているという事実がNHK「クローズアップ現代」で放映されていました。そこでは70歳を超える産婦人科医・高橋亮平氏が孤高の闘いを続けていることが伝えられていました。5年度、10年後、20年後に何がおこるのか、今の状況は何とかならないのか、国は一体何をしているのか、本当に怒りに震えるとともに、自分に何か出来ないのかと思わずにはいられません。

そして、全国のお医者さんも御用学者の安全宣言などに正面から立ち向かっていってほしいと思います。

《参考》・・・僕は3月30日に土壌汚染の深刻さについてブログに書きました。

・「最強の放射能プルトニウム検出―福島第一原発」・・・2011年3月30日付の僕のブログ記事

  




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