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2013年02月27日

【工事完了】

新しい歌舞伎座の建て替え工事が完了しました。

『4月にこけら落としを控える歌舞伎座(東京・銀座)の建て替え工事が26日完了し、同日午前、併設された歌舞伎座タワーの最上階で竣工式が行われた。

【フォト】 真新しい歌舞伎座の前でポーズをとる坂田藤十郎さん

 東京スカイツリーなどを見渡せる29階の真新しいフロアに紅白幕が引かれ、人間国宝の坂田藤十郎さん(81)ら歌舞伎俳優や、松竹幹部、設計した隈研吾・東大教授(58)ら約120人が出席。藤十郎さんの玉串奉奠(ほうてん)などの神事が行われた。

 続く祝賀会には約400人が出席。藤十郎さんは「歌舞伎座の真新しい舞台に立つことができると胸が高まります。この劇場にふさわしい立派な舞台をお目にかけたい、新しい歌舞伎座の歴史を作っていきたいと、今から全員が意気込んでおります」と挨拶し、完成を祝った。

 歌舞伎座は明治22年に開場。関東大震災や戦災などで改築や建て替えを重ね、新しい劇場は5代目。今後は3月27日に開場式、翌28日に顔寄せ手打式を行い、4月2日、こけら落とし興行の初日を迎える。』(2月26日付産経新聞)


【試練の船出-新生歌舞伎座】

旧歌舞伎座の外観はそのままにして、その上にそびえる歌舞伎座タワーには多少の違和感を抱かざるを得ませんが、そんなことよりも新生歌舞伎座がスタートする前に歌舞伎界はここ数カ月の間に大きな役者をなくしてしまいました。その一人は次世代のリーダーとして期待されていた中村勘三郎さん、そしてもう一人は江戸歌舞伎を象徴する大名跡を背負う看板役者である市川団十郎さんです。歌舞伎座の建て替えが始まってからで言うと中村富十郎さん(1929~2011年)、中村芝翫さん(1928~2011年)、中村雀右衛門さん(1920~2012年)という3人の人間国宝も死去しました。

時代の節目と言われればそれまでなのですが、やはり親から子へと芸を伝承していく歌舞伎の世界にあっては、勘三郎さんや団十郎さんの早すぎる死は歌舞伎という伝統芸の継承に大きな影を落としたことは間違いないでしょう。

それでも時は容赦なく過ぎていきます。新生なった歌舞伎座で新しい歌舞伎界を担っていく役者さんたちが、先達を失ってもそれに負けないパワーを発揮してくれることを切に望みます。  



2013年02月22日

【シェールガスに照準】

電力各社が福島の事故を経てようやく「当たり前の企業努力」に目覚め始めたようです。

『電力各社が、米国産の新型天然ガス「シェールガス」の対日輸出解禁をにらみ、液化天然ガス(LNG)基地増強などの受け入れ態勢整備に本腰を入れ始めた。原発停止で代替火力発電の燃料費負担が増している電力業界にとって、安価なシェールガスへの期待は大きい。ただ、「価格低減効果は限定的」(商社)との見方もあり、もくろみ通りにいかない懸念もある。

【自動車と燃料電池】「究極のエコカー」主導権争い 鍵を握るGMの動向

 東京湾に臨む東京電力の富津火力発電所(千葉県富津市)。20日、報道陣に公開された施設内では、ナイジェリアからの全長288メートルのLNG船が桟橋に横付けされていた。LNGは東電がスポット購入したもので、マイナス162度まで冷却されて体積が約600分の1の液体となった天然ガスがパイプで地下タンクに移された後、気化され、火力発電所でたかれる。

 東電は今後10年の経営改革計画で、調達するLNGの半分に相当する約1000万トンをシェールガスなど安価なガスに置き換えていく方針を掲げている。北米でのシェールガス価格は、東電が現在購入している原油価格連動のLNGに比べ約6分の1だ。液化コストや運賃を考えても大幅に安い。米国政府が対日輸出を許可することを前提に、2017年から輸入する契約を三井物産などと結んだ。

 シェールガスは他の天然ガスに比べ密度が低いため、受け入れ容量に制約がある。東電はシェールガス調達拡大計画の具体化の第1弾として、富津火力発電所内にタンク2基を増設するなど、10年間で総額400億円の設備投資で受け入れ態勢を整える予定だ。中部電力が大阪ガスと組んで米テキサス州のLNG輸出基地建設計画に投資するなど、将来のシェールガス輸入を見据えた動きは他の電力会社にも広がっている。

 ただ、LNG取引の実務担当者は、シェールガス輸入による燃料価格圧縮に懐疑的だ。電力中央研究所(東京都千代田区)が都市ガスや商社など14社のLNG取引担当者31人に聞き取り調査したところ、米国でのシェールガス開発コスト上昇や、北米の好調な内需、他のアジアの買い主との競合などから、調達価格の大幅な引き下げは難しいとの意見がほとんどだった。

 調査担当者は「原子力の長期稼働停止による日本の交渉力低下を訴える声も多かった。ガス調達価格低減には、調達先や他の電源などの多様化を進めるほか、交渉での政府支援などが不可欠だ」と指摘している。(吉村英輝)』(2月21日付毎日新聞)


【遅すぎる企業努力】

正直言ってこの記事を読んで唖然としました。今ごろ電力各社がシェールガスの調達に本腰を入れ始めた? それは暗に今までは燃料費を安価に調達するなんてこれっぽっちも考えていなかったことを暴露したということではないでしょうか。総括原価方式に安住して、原発の安全神話を人々に信じさせるための膨大な広告宣伝費や、資源国の言い値の燃料費、高額の役員給与などすべて原価にぶちこんで、世界一バカ高い電気代を押し付け、おまけに地震大国ニッポンに50基もの原発や核燃料サイクル施設を作り続けて国民を危険に晒し続けているのが公益企業とは名ばかりの電力業界とそれを後押しする国だったのです。

もういい加減に目を覚まして、電力各社は本当の経営努力をして、命を危険にさらし、電力会社を一瞬にして債務超過に陥らせる原発は政府に買い取らせ、本気で「正しい公益企業」としての道を歩んでほしいと思います。そのためには一刻も早く地域独占をやめさせて自由競争にさらすのが最も早道だと思うのは僕だけでしょうか。そうでなければ長年地域独占に胡坐をかいてきた彼らには本気で自己変革はできないでしょう。燃料調達も今の制度のままでは中途半端に終わる可能性大です。  



2013年02月20日

【東通も活断層】

東通原発も活断層の可能性が高いとの規制委の判断が出たようです。

『東北電力東通(ひがしどおり)原発(青森県東通村)の断層を調べている原子力規制委員会の専門家チームは十八日、三回目の評価会合で、敷地内に多くの活断層がある可能性が高いとの評価報告書案でおおむね一致した。

 この日提示された報告書案では、敷地内に数多く見られる新しい年代の地層の乱れや地形のゆがみは、下層の断層が動いたことによりつくられたと判断。東北電は岩盤が地下水を吸って膨張した力でできたと主張してきたが、報告書案は「根拠が乏しい」と疑問を示した。


 また、東北電の調査内容では、敷地内の断層の詳しい状況が分からないと指摘。敷地外の広い地域も含めて地質調査を行い、敷地内の断層との関連性を調べることを求めた。東北電が活動性はないとしている原発の重要施設直下を通る断層についても、「さらなる検討が必要」とした。


 チームが今回、活断層と認定した断層は、原子炉建屋などの重要施設の直下を走っていない。ただちに耐震基準に違反しないが、近いところでは原子炉建屋から百メートルしか離れていない。これほど近いと、現在の技術では想定すべき地震の揺れがどの程度なのか、正確に割り出すことは極めて難しい。耐震補強しても安全性の確認が難しくなり、運転停止は長期化する見通しだ。


 この日の会合には、東北電の担当者も出席し、同社が実施中の下北半島を東西に横切る地質調査の状況も説明した。ただ、報告書案が示した活断層の指摘を明確に否定する根拠は示せなかった。専門家チームは他の専門家からも意見を聴いた上で報告書をまとめ、規制委に提出する。』(2月18日付東京新聞)


【国の責任はないのか】

どうもこの活断層をめぐる原子力規制委員会と電力会社のやりとりを見ていると釈然としないものがあります。なぜなら、原発を着工する前の活断層調査の段階での活断層に対する学説や知見が当時と大きく変わったということはあるかもしれませんが、そもそも活断層だらけの地盤に原子力発電所の設置認可を出したのは国なのに、事業者である電力会社だけが国から「ここは活断層だから原発を動かすのは駄目だ」と言われてすべての責任を負わされているように見えるからです。

本気で活断層や地震による大規模原子力災害を避けようとするならば、廃炉にせざるを得ないようになる原発を国が電力会社から引き取るといった措置を施して、電力会社が廃炉による債務超過などに陥らないようにすべきではないでしょうか。過去の認可の責任にはほうかむりして、一方的に電力会社に責任を押し付けても問題は解決しないと思うのは僕だけでしょうか。
  



2013年02月15日

【田中委員長に同意】

田中委員長は最終的に衆参両院の国会同意が得られそうです。

『原子力規制委員会の田中俊一委員長の国会同意人事が14日、衆院本会議で自民、民主、日本維新の会、公明党などの賛成多数で可決された。15日の参院本会議でも可決される見通し。強い独立性を持った規制委のトップとして、17年9月までの任期中、国の原発政策に大きな影響力を持つ。政府・自民党は原発の安全性に厳しい目を向ける田中氏のもとで再稼働が遠のきかねないことを懸念しながらも、差し替えによる批判や混乱を回避するため、消極的支持を選択した。【西川拓、鈴木美穂】

 ◇再稼働、対応問われる

 「同意の有無は、われわれのやることに関係ない」。田中委員長は13日の記者会見で強調した。規制委は昨年9月の発足以降、国会同意のない「仮免許」での活動ながら、原発の新たな安全基準の骨子作りや防災指針の改定、原発敷地内の活断層調査などに取り組んだ。

 規制委が特に力点を置くのは、独立性と透明性の確保だ。前身の経済産業省原子力安全・保安院など旧規制機関は、規制内容を事前に非公開の場で電力会社とすり合わせるなど、規制対象とのなれ合い体質が批判を浴びた。その反省から、規制委は「公開での議論」を原則とし、3人以上の委員が集まった会合は概要をホームページで公表した。

 原発敷地内の活断層調査では、有識者の人選を省庁主導ではなく、中立な学術団体に推薦を求めた。この手法は、日本原子力発電敦賀原発(福井県)や東北電力東通(ひがしどおり)原発(青森県)で、事業者側に厳しい判定が出たことと無関係ではない。

 安全基準の策定では、原発稼働に批判的な意見を持った有識者からも意見を求めた。その結果、今月6日に了承された骨子案では、事業者に過酷事故対策を義務づけ、重要施設の直下に活断層が露出していないことの立証責任を課した。

 50基ある原発の安全性に厳しい目を向け、再稼働に高いハードルを設けた格好だが、原発事故時の放射性物質の拡散予測で訂正が相次いだ。さらに、敦賀原発の活断層評価報告書案を幹部が事前に事業者に渡した問題が発覚。国民の信頼を回復したとは言えない。

 NPO法人「情報公開クリアリングハウス」の三木由希子理事長は「原子力は専門性が高く、国民は原発の安全性を判断することが難しい。原子力行政の信頼性は、規制委への評価にかかっている。形式的な情報公開は進んだが、事前に報告書案を渡した幹部の対応を見ると、利害関係者の意見を重視する従来の発想は変わっていない」と指摘する。

 ◇政権の方針と距離

 田中委員長の人事は昨年9月、野田内閣が、国会同意を得ずに首相権限で任命し、国会の事後承認も見送られてきた。

 これに対し、安倍晋三首相は就任前の昨年12月23日、田中委員長と委員4人の人事について、通常国会で差し替えない意向を早々と表明した。だが、「2030年代に原発稼働ゼロを目指す」という民主党政権の方針を白紙に戻した安倍内閣と、今の規制委のスタンスは必ずしも相いれない。原発再稼働の有無は、首相が最重視する「経済再生」とも密接に関係する。

 菅義偉官房長官は14日の記者会見で「正式に同意されれば、自信を持って安全基準を作ってほしい。原発の稼働の判断は政府が責任を持って行う」と述べ、同意人事に問題はないことを強調した。

 自民党も田中氏への表立った批判は控えている。4日の党資源・エネルギー戦略調査会で経済産業省出身の若手議員が「人事をやり直すべきだ」と主張したが、山本拓会長は取り合わなかった。政府高官は「どう差し替えても『恣意(しい)的』と言われる。(衆参でねじれた)国会の同意を得るには田中氏でいくしかない」と明かす。

 だが、14日の衆院本会議では原発立地県の高木毅氏(福井3区)ら複数の議員が採決を欠席。党内には不満がくすぶっている。石破茂幹事長は「党として特段の対応をとるつもりはない」と黙認するしかなかった。

 逆に野党からは田中氏を評価する声が上がる。衆院本会議で田中氏に反対したのは共産、生活、社民の3党だけだった。』(214日付毎日新聞)

【鍵は国民の絶えざる監視】

原子力規制委員会がどれだけ政治から独立して原子力の安全を守れるか、最初の委員長、そして委員の真摯な姿勢が問われます。もともと田中委員長他4名の委員は昨年9月に国会同意が得られないまま法律の抜け穴をうまく野田前首相が使って「政治的に」任命されました。

そんな変則的なスタートを切った規制委は、活断層を巡って公開の議論を行って政治からの独立性、安全に対する真摯な取り組みを印象付けました。何の責任も取らないまま旧原子力安全委員会と保安院が看板を付け替えて、原発の再稼働のために着々と準備を進めていると言う見方もありますが(僕も基本的にはそう思っています)、原発や六ヶ所村の核燃料サイクル施設などが即廃止にならない現実の前には当面の、最低限の安全対策は強化しておかなければなりません。

その意味では田中委員長や規制庁全体が原子力ムラの一員だとはわかっていても市民としては今の枠組みでの安全対策は進めてもらわざるを得ないのが現実です。ただし、その場合でも最低限の安全対策とは別に、原発や核燃料サイクル施設の即廃止を求め続けること、先般明るみに出た規制庁の役人の無責任な行為などに厳しい目を向けて規制庁と委員会をしっかり監視しつづけることが市民の側には必要です。

今回の国会同意についても、市民の立場からはしっかりと言うべきことは言わなければならないと思います。  



2013年02月14日

【甲状腺ガンの疑い】

福島の子どもたちの甲状腺検査の結果が報告されました。

『福島県が行っている子ども(震災時18歳以下)の甲状腺検査で、新たに2人が甲状腺がんと診断されたことが、13日の県民健康管理調査の検討委員会(座長・山下俊一福島県立医大副学長)で報告された。昨年9月に判明した1人と合わせ計3人になった。他に7人に甲状腺がんの疑いがあり、追加検査を行う。同検討委は原発事故の影響について否定的見解を示したが、「断定も否定もできない」と話す専門家もいる。

 疑いのある人を含めた10人の内訳は男性3人、女性7人で平均年齢15歳。11年度に受診した原発周辺13市町村の3万8114人の中から見つかり、地域的な偏りはないという。甲状腺がんと判明した3人は手術を終え、7人は細胞検査により約8割の確率で甲状腺がんの可能性があるという。7人の確定診断は今後の手術後などになるため、最大10人に増える可能性がある。

 記者会見した鈴木真一・県立医大教授によると、子どもの甲状腺がんの発生率は「100万人に1人」が通説。今回の検査は大きく上回るが、甲状腺がんは自覚症状が出てから診察する場合がほとんどで、今回のような精度での疫学調査は前例がなく比較できないという。さらに、チェルノブイリ原発事故では最短で4年後に発症が増加しているとして、鈴木教授は「元々あったものを発見した可能性が高い。(原発事故との因果関係は)考えにくい」と語った。

 福島県の甲状腺検査は約36万人を対象に実施中。環境省は福島と他地域の子どもたちを比較するため、青森県などで約4500人を対象に検査を進めており、結果は3月下旬に公表予定。【蓬田正志、泉谷由梨子】』(2月13日付毎日新聞)


【信頼がすべて】

この甲状腺検査の結果を発表した検討委員会は、報告の中で早くも原発事故と甲状腺ガンの因果関係について否定的見解を述べました。僕には医学的知識はありませんが、医学的な真偽の前にこの委員会にまったく信頼を置けません。なぜなら新聞報道などで断片的なことしかわかりませんが、この委員会の座長である山下俊一氏のフクイチ直後の発言や最近では秘密会の開催などを見るとこの人たちが本当にひとりひとりの人間の命について真剣に考えているのかどうか疑わしいことばかりが目立つからです。

前例がないから比較調査が出来ないなどと言ってごまかす姿勢にも信頼が置けません。そう思って福島県の放射線医学県民健康管理センターのホームページを見てみると「甲状腺検査Q&A」というページに延々と福島事故と甲状腺ガンの関係を否定する文言ばかりが並べられ、福島事故は関係ないという「初めに結論ありき」の態度が見え見えです。

福島県に住んでおられ、子どもさんを持つ方々は不安でいっぱいでしょうからその不安を鎮めることは必要なことかもしれません。しかし、真実を隠したりすることで不安を鎮めることはできません。真実に迫り、その真実がたとえ検査を受けた子供たちやその親にとって耐えがたいことであっても真実を伝えることが医者の使命であり、健康管理を標榜する機関の使命ではないでしょうか。その根底のところが誤っていれば人々からの信頼は永遠に得られないし、そんな組織の存在は社会にとって有害だと思います。

そう思っていたらこの記事の後に、山下俊一氏が辞意を表明したとの記事がアップされていました。トップが辞めただけでは問題は解決しません。信頼を得るための命を懸けた努力が最低限必要です。

≪参考≫

・「甲状腺ガンQ&A」(福島県放射線医学健康管理センター)
  



2013年02月08日

【東電の嘘】

国会事故調の現地調査を東電が妨害していた事実が暴露された。

『東京電力が、福島第1原発1号機の現地調査を申し込んだ国会事故調査委員会に対し、原子炉建屋内が実際には光が差しているのに「真っ暗」と虚偽の説明をしていたことが分かった。国会事故調は、緊急時に原子炉を冷却する「非常用復水器」が地震で壊れた可能性があるとして現地調査を計画したが、この説明で断念した。事故調の田中三彦元委員は7日、調査妨害だとして、衆参両院議長らに再調査を求める要望書を提出した。

【最近になってようやく公開…福島第1原発事故直後に作業員らが撮影した衝撃の写真600枚超掲載】

 国会事故調関係者によると調査の中で、下請け作業員が、11年3月11日の地震直後に1号機原子炉建屋4階で「水が噴出していたのを見た」と証言。4階には非常用復水器の配管などがあり、国会事故調の事故原因究明チームのメンバーは、非常用復水器が地震で破損した恐れがあるとみて、4階を現地調査する方針を決め、東電に申し入れた。

 これに対し、東電の玉井俊光・企画部長(当時)は12年2月28日、国会事故調で事故原因の究明を担当する田中元委員らメンバーを訪問。1号機原子炉建屋4階を撮影した映像を見せた。映像では建屋内に光が差していたが、玉井部長は撮影日が、建屋が放射性物質の飛散を防ぐためのカバーで覆われる前だったとしたうえで「現在はカバーに覆われて真っ暗」と説明。放射線量が高い区域もあり、建屋内に入って調査するのは危険であることを強調し同行を拒んだ。

 東電によると、映像の撮影日は11年10月18日で、1号機原子炉建屋がカバーで覆われた同月14日の4日後だった。照明も10月28日には使用可能になっていた。東電広報部は玉井部長の説明について「カバー設置前だから明るく、設置後は真っ暗というのは事実誤認だった。正確に確認しないまま答えた。でも意図的にやったことではない」としている。

 国会事故調は、昨年7月に報告書をまとめた後、解散している。【岡田英】』(2月7日付毎日新聞)

【国会を愚弄する東電】

元原子炉設計者である田中三彦氏が国会事故調の委員として福島原発事故の一部の原因が津波ではなく地震であったことを証明しようとして行おうとした1号機の調査を姑息な説明で妨害した東電。説明したビデオや説明を聞かされた元調査員の証言などからすれば明らかに東電が意図的に調査を妨害したとしか思えない。しかも妨害されたのは一調査員ではない。国会の事故調査委員会なのだ。国会の権威を愚弄するこの行為は絶対に見過ごせないとして田中氏が発表に踏み切ったのはよくわかる。

そしてもうひとつ重大なことがある。それはもしこの調査によって、津波ではなく地震による「非常用復水器」の破損が証明されれば、日本全国の原発の耐震基準の見直しに発展する可能性があるということだ。こんな重大なことだからこそ東電は姑息と言われようと何と言われようと事故原因を隠ぺいしようとかかったのだろう。日本国が崩壊しても自分の企業だけが生き残ればいいという狂気の発想。

愚弄された国会は国会事故調の報告後もまともに動こうとしていないが、しっかりと再調査をやってほしい。いや、絶対にやるべきだ。国会の権威回復とかそんな問題ではない。国民が死なないため、そして日本国が沈没しないために最低限やるべきことだからだ。  



2013年02月05日

【発送電分離工程表】

経産省が発送電分離の工程表を示しました。

『経済産業省は2日、電力会社の送配電部門と発電部門を切り離して新規参入を促す「発送電分離」を、17~19年度に実施する方向で調整に入った。家庭が電力会社を自由に選べるようにする小売りの全面自由化は16年度から段階的に実施し、最終的には電気料金の規制も撤廃する。今通常国会に提出する電気事業法改正案付則に改革スケジュールを明記する方針だ。

 一連の改革は、大手電力会社が一定区域内の電力供給をほぼ一手に担う「地域独占」体制に変化を迫り、太陽光などの再生可能エネルギーの普及や電気料金の引き下げにつなげるのが狙いだ。8日に開かれる同省の有識者会議「電力システム改革専門委員会」(委員長・伊藤元重東大教授)の報告書案に工程表を盛り込み、2月中旬の正式決定を目指す。

 経産省は改革を3段階で進める計画だ。今国会に提出する法案は、大手電力会社の営業地域を超えて全国で電力需給を調整する「広域系統運用機関」を15年度に設立することが最大の柱になる。

 一方、同改正案の付則にはその後の改革時期を明記。これまで大手しかできなかった一般家庭や小規模店舗への電力販売を16年度をめどに自由化し、現在は法人向けに電力を販売する特定規模電気事業者(PPS)などにも門戸を広げる。従来は電力会社ごとに与えていた免許制度も、発電、送配電、販売など事業別に与えるよう改める。

 最終段階では、電力事業への新規参入を促すため、大手の送配電部門を分社化する「法的分離」を実施。火力のほか太陽光、風力などの再生エネ発電で参入が相次ぐ新会社にも送配電網を低料金で開放するよう促す。実施時期を17~19年度としたのは、システム構築などの準備に時間がかかるためだ。

 発送電分離に対しては、大手電力会社が「電力の安定供給に責任が持てなくなる」などと強く反発している。法案の付則という形で改革スケジュールを明記する背景には、「電力会社寄り」との印象を払拭(ふっしょく)したい安倍政権の意向があるとみられる。【小倉祥徳】』(2月2日付毎日新聞)

【試される本気度】

報道されている骨子だけ見るといかにもしっかりと発送電分離を実施していくように取れますが、本当にそうなのでしょうか?いつもこういう政府の公式の発表には裏があります。本気で発送電分離をやるつもりなのかどうかは時の政府の思惑も複雑に絡み合いますし、もともと過去何十年にもわたって電力業界寄りの行政を進めてきた経産省が電力業界の意向も無視して電力業界の地域独占に穴を空けるような発送電分離を本気でやるのかどうか、疑念が湧いてきます。しかも昨年12月の政権交代によって誕生したのは原子力を過去何十年と推進してきてこれからもその旗を降ろさないであろう自民党です。

福島第一原発事故からもうまもなく2年が過ぎようとしています。この核惨事ひとつとっても日本にとってはこれから何十年にもわたって経済・社会に後遺症を残し続けるでしょう。今の政府や役人の甘い考えでは福島以上の大事故が再び起こるのは間違いないでしょう。そうならないためにも先ずは電力の改革を本気でやって、地震が頻発する日本が原発に頼らなくてもいいようにする必要があるのは論を待たないことです。

本気で取り組む気があれば、すぐにでも発送電分離も含め、原発事故の原因のひとつでもある電力業界の地域独占にメスを入れ、国家の破局を招きかねない危険な原子力依存からの脱却を図り、併せてコジェネやコンバインドサイクル発電などの普及、将来的には自然エネルギーの普及と新産業への投資の可能性を広げ、電力料金の値下げを実現させていくべきです。4年とか6年とか悠長なことを言っているのはやる気のない証拠だと思うのは僕だけでしょうか?みなさんはどう思われますか?
  



2013年02月01日

【園田監督、辞意】

問題が一気に表面化したことで、園田監督が辞意表明に追い込まれました。

『柔道の女子選手15人が暴力を受けたと集団告発した問題を受けて、園田隆二女子代表監督(39)は31日、東京都文京区の講道館で会見を行い、「これ以上、強化に携わることは難しい」と話し、進退伺を提出するとともに、監督職からの辞意を表明した。

 園田監督は会見で「このたびは私の行動、言動により、選手をはじめ皆様方に大変なご迷惑をおかけしていることを大変深く反省しております。誠に申し訳ありませんでした」と謝罪。「今回の件で私自身、これ以上、強化に携わっていくのは難しいと思っております。それを踏まえ、(全日本柔道)連盟のほうには進退伺を出させていただきたいと思います」と話した。

 全柔連の上村春樹会長(61)は30日の会見で、「本人たちも深く反省している」として園田監督の留任を明言。日本オリンピック委員会(JOC)は「(全柔連は)恐らく解決能力がある」と説明し、園田監督の続投については「人事(に口を挟むの)は越権行為」と明言を避けていた。』(1月31日付サンケイスポーツ)


【組織優先の論理変わらず】

日本は何かがおかしい。それに気付き始めた人たちが反旗を翻し始めたひとつの典型例でしょう。学校のいじめと同根です。園田監督はある意味かわいそうな面もありますが、体罰を行ったことは事実です。時代が変わりつつあることに気付かずに従来の手法でやり続けた。

そして結果はオリンピックでの惨敗。

選手たちを委縮させてしまったのかもしれないし、そもそも体罰で伸び伸びとヒトが育つわけがない。なでしこジャパンの選手たちと佐々木監督の関係を見れば柔道女子との差は歴然です。

最も罪深いのは組織防衛を優先した全日本柔道連盟と日本オリンピック委員会でしょう。今になっても問題の本質がわかっているようには見えません。

日本社会に深く根ざす先輩・後輩や監督と選手たちの服従関係。体罰もやむを得ないという風潮がそこにはあります。そしてそれは正しいことを正しいと言えない社会の雰囲気、独特の「空気」までも生み出している気がします。原子力問題もしかりです。しかし、世の中は着実に変わりつつあることも事実です。負けないで言うべきことは言う。そういう姿勢をひとりひとりが持つこと、それが出発点です。  




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