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2009年06月30日

【山笠シーズン・スタート】

「博多祇園山笠」といえば全国的にもよく知られた博多の夏の風物詩ですが、このお祭り、国の重要民俗文化財に指定されている700年あまりの歴史と伝統のある博多の「神事」です。実際の山笠の期間は毎年7月1日から7月15日までの15日間なのですが、その準備は1ヶ月前の6月1日から始まります。

特に今年はクライマックスの「追い山」が行われる最終日の7月15日は水曜日に当るため、追い山を見て直ぐに職場に戻らないといけないので、大変ですが博多っ子にとってそんなことは些細な問題です。山笠があったら仕事二の次!!! それが博多っ子の心意気ったい!!

【恒例の棒洗いで始まり】

地元紙の西日本新聞には、6月に入ってからは山笠に関するニュースがぼちぼち出始め、同社のホームページにある「博多祇園山笠」のページに毎日記事が追加されていきます。地元紙ならではの応援体制ですね。その6月始めの記事として6月1日に恒例の「棒洗い」が掲載されました。

福博に夏の到来を告げる「博多祇園山笠」(7月1-15日)の準備が1日からいよいよ本格化。福岡市博多区築港本町の櫛田神社浜宮では「走る飾り山笠」として知られる八番山笠・上川端通の男衆が、各流に先駆け「棒洗い」を行った。

 棒洗いは舁(か)き棒を神職がおはらいし、舁き手が洗い清める神事。この日から解禁された「当番法被」に身を包んだ男衆約20人が長さ7.2メートルの舁き棒6本に海水をかけ、たわしでほこりを落とした。武内照臣総務(64)は「景気が悪い中、山笠で博多の街を活気づけたい。無事に山笠を奉納できるように願います」と話した。(6月1日付西日本新聞)


※写真は西日本新聞に掲載された舁き棒に勢いよく水をかけて洗い清める男衆=1日午前9時すぎ、福岡市博多区築港本町の櫛田神社浜宮

【「お祭り国家」日本が世界をリードする】

以前、日下公人氏と伊藤洋一氏の共著「上品で美しい国家-日本人の伝統と美意識」(2006/5/8第一刷発行 ビジネス社)を読んでいたら日本の活力の源泉はお祭りにあるとの説をお二人が唱えておられました。

そして驚いたことに日本のようなお祭りは中国にも朝鮮にもないそうです。昔は両国ともあったのですが、中国では共産党が民衆の反乱防止のため禁止し、朝鮮では李王朝が同じ理由で禁止したとのことです。

日本は北東アジアでは例外的にお祭り好きで、お祭りによって世代や職業などを超えた結束を促し、日ごろのストレスを解消し、さらには山笠やだんじり祭りのように一瞬の油断が事故につながるような行事では事故を起こさないために入念な段取りを行うなど様々な効用があります。

祭りのプロセスそのものが、集団でひとつのことをなしとげるという日本の文化や伝統を形作っている。博多祇園山笠も博多が博多であることのアイデンティティのような感じがします。

お祭り国家日本、お祭りの町「博多」、これからも世界をリードしていく元気の源としてお祭りの伝統を大事にしていきたいですね。


  


2009年06月29日

【急な知らせ】

先週末にあまりにも唐突で、哀しい知らせがアメリカから舞い込んで来ました。

『米ロサンゼルス郡検視局によると、「キング・オブ・ポップ」と称された世界的な人気歌手マイケル・ジャクソンさんが25日、ロサンゼルス市内の自宅で倒れ、死去した。50歳だった。前夜から体調不良を訴えていたとの情報もある。

兄の歌手ジャーメイン・ジャクソンさんによると、マイケルさんは同市西部ベルエアの自宅で心停止状態となった。通報を受けて救急隊が駆けつけ、カリフォルニア州立大ロサンゼルス校(UCLA)医療センターに搬送。医師団が1時間以上にわたって心肺蘇生措置を試みたが、午後2時26分(日本時間26日午前6時26分)に死亡が確認された。』(6月26日付 CNN.co.jp)


【哀しいキング・オブ・ポップ】

マイケル・ジャクソンと言えば、アルバム「スリラー」の大ヒットがすぐ頭に浮かぶけれど、あのアルバムは82年発売なので27年近くも前のことだ。マイケルがまだ20代でのヒットであり、その頃がピークだったのかもしれない。

マイケルの軌跡を辿ると、彼は60年代に兄弟5人によるグループ「ジャクソン5」のリード・ボーカルとして注目を集めた後ソロ活動に移り、70年代から80年代にかけて「スリラー」をはじめとする数多くの大ヒットを出している。

しかし近年のマイケルに関する話題と言えば、少年への性的虐待疑惑をめぐる裁判や顔の整形、ゴシップなどによる心労、無理な食生活といったマイナス面ばかりだった。7月にはロンドン公演をする予定だったとのことだが、もう心身ともに限界が来ていたのではなかろうか。

本人の白人コンプレックスからか、顔を整形して若い頃から年々不自然になっていく姿は本当に哀れだった。人間あるがままに生きるほうがどれだけ幸せか。きっと、顔にメスを入れた回数以上に本人の心にはパックリと大きな傷が癒されないまま残っていたのではなかろうか。

まちがいなく、世界のトップスターであるがそれゆえに背負った重荷も大きかったということか。50歳という若さで突然この世を去ったのは本当に惜しい気がする。

本人のご冥福をお祈りします。

  


2009年06月26日

【どうぶつしょうぎ誕生】

子供たちにも楽しく出来る新しい将棋が考案されたとのニュースが目に留まりました。

『将棋になじみのないママや女の子に遊んでほしい--。将棋の女流棋士が考案した「どうぶつしょうぎ」(1200円)の人気が広がっている。昨年末から売り出した600セットは既に完売し、予約も相次いでいる。

 「どうぶつしょうぎ」を考案したのは女流初段の北尾まどかさん(29)、デザインは女流1級の藤田麻衣子さん(35)=ともに日本女子プロ将棋協会所属。北尾さんは子どもたちに指導する機会が多く、「簡単に分かりやすく教えられないか」と考えていたところ、3歳児の母でもある藤田さんから「母親が楽しめ、女の子も買いたくなるようなかわいい将棋をデザインしたい」と聞き、願いが合致したという。

 「どうぶつしょうぎ」は、本来81マスの盤面を12マス(4×3)に簡略化。A4サイズの盤に空や森のイラストを描き、互いの陣地が一目で分かるようにした。駒は▽ライオン(王)▽きりん(飛車)▽ぞう(角)▽ひよこ(歩)の4種類。イラストのシールが張られ、動かし方が一目で分かるよう、進める方向に丸印も付けた。』(6月14日付毎日新聞)


【減り続ける将棋人口】

将棋は、古代インドのチャトランガ(シャトランガ)から伝わり、ユーラシア大陸の各地に広がってさまざまな類似の遊戯に発達したと考えられています。将棋と似たようなゲームとしては、西洋にはチェス、中国にはシャンチー、朝鮮半島にはチャンギ(將棋:장기)、タイにはマークルックがあります。

その将棋、最近は女性のプロ棋士も活躍してさぞ人気に比例して将棋人口も増えているのかと思いきや、さにあらん、1年に1回以上将棋を指す15歳以上のいわゆる「将棋人口」は、1985年度の1680万人から、2005年度840万人、2006年度710万人と大幅に減少し、漸減傾向が続いているそうです。(財団法人社会経済生産性本部の「レジャー白書」の調査結果)

【子供たちにもわかりやすく】

そこで女流棋士の北尾まどかさんと藤田麻衣子さんが共同で開発したのが、この「どうぶつしょうぎ」。ゲームのルールはいたって簡単で、4枚の駒を凸形に並べ、交互に指し進めるというもの。きりん、ぞうを含め、進めるのは1マスだけ。ひよこだけは相手陣地(1段目)に入ると裏返り、ニワトリ(と金)に変身し、取った駒は再び盤上に使えるというものです。

相手のライオンを取るか、自分のライオンが相手陣地に入れば勝ちとなり、最短で3手でライオンを捕まえられるそうです。

今、福岡シティ劇場でロングラン公演が行われている「ライオンキング」のライオンを思い出しながら、子供たちに将棋の醍醐味を味わわせてみてはいかがでしょうか?


  



2009年06月25日

【宝くじの当たる県】

宝くじがよく当たる県があるというニュースが目に留まりました。

『佐賀県は「神がかり的」に宝くじが当たる県、なのだそうだ。2009年6月の「ドリームジャンボ宝くじ」では、1等(2億円)が1本、2等(1億円)が3本出た。2007年は高額当選率で全国1位。一年間に1等が7本出た年もある。同県の宝くじ販売会社によれば「神がかりとしかいえない」というほどなのだ。

 全国(ジャンボ)の宝くじ販売額は99年の5246億円をピークに、04年は4597億円、07年は4051億円と減少している。購入者数に変動は少ないものの、不況の影響などで一人当たりの購入枚数が減っている。しかし、佐賀県に限ってはこの10年間ずっと販売額が伸び続けているというのだ。

 「宝くじが当たる県」佐賀県を一躍有名にしたのが、サマージャンボの1億円が03年に6本出たこと。東京や大阪といった大都市に比べ販売枚数は少ないのに、01年から08年まで1億円以上の当たりは34本。07年、08年は1等が2本、2等が2本出た。宮崎県庁によれば、100万円以上の高額当選比率は05年度が全国8位、06年度が2位。07年度は1位に躍り出た。08年度はまだ集計されていないが、なぜこんなに当たるのか。』(6月20日付 J-CASTニュース)


【宝当神社のご利益?】

唐津湾に浮かぶ神集島に宝当神社という「お参りした人が当選確率がぐっとアップする」神社があるのをご存知でしょうか。僕もこの神社に5月行ってきたのですが、本当に全国各地から大勢の宝くじ好きの人がやってきて「私も当たりますように」と祈願しています。

この宝当神社の存在が佐賀県が全国で一番宝くじが当たる県にしているのかもしれません。このニュースによれば、宝当神社だけではなく佐賀県には金運・商売繁盛と結びつく神様である恵比寿様像が街中に400体もあるそうです。これほど恵比寿様を信じている佐賀の人たちの信仰心(?)が宝くじのご利益をもたらしているのかもしれませんね。

それにしても僕の住む福岡県の隣にある佐賀県、不思議な魅力があるものです。

  



2009年06月24日

【危機的状況】

観光ブームに沸く屋久島が今危機的な状況にあることがわかりました。

『環境省と鹿児島県屋久島町は、観光客の急増で環境破壊が進む世界遺産の屋久島で、2011年度から初めての入山制限に踏み切る方針を固めた。

 昨年4月に施行されたエコツーリズム推進法の初適用を目指す。自然公園法とは異なり、地元市町村が立ち入り制限区域を指定できるのが特長で、違反者には30万円以下の罰金が科される。

 屋久島は、推定樹齢7200年ともされる縄文杉や地表を覆うコケなどの自然美や生態系が評価され、1993年、白神山地(青森、秋田)とともに国内初の世界遺産に登録された。

 登録をきっかけに入山者が急増。08年には10万9000人に上り、休日の入山者は1000人前後に達することも珍しくない。特に、し尿の現地埋め立て処分が限界にきている。』(6月20日付読売新聞)


【ガラパゴスを想起】

最近の屋久島観光ブームは、1993年に世界遺産に登録されたこともあって世界的にも有名になり、特に近年激しくなったようです。ここ数年だけでもテレビ番組で屋久杉が何度も取り上げられているのを見たことがあります。そういう自分も一度は行ってみたいと思っていました。

この記事を見たとき、とっさに「これはガラパゴス諸島の二の舞にならなければいいが」と思いました。ガラパゴス諸島は1987年に世界遺産に登録された、地球上でここでしか見られないような固有種の動植物が多く見られる、南東太平洋上にあるエクアドル領の諸島ですが、島の経済を優先して観光客を大量に誘致したため、環境破壊が急速に進み、また人口の急増で、直接的な環境汚染や撹乱、外来生物の繁殖、横行する密漁など多くの問題が持ち上がって、ついには2007年に「危機遺産」に登録されました。

もちろん、屋久島の人々はガラパゴスの先例も十分に認識をしたうえで今回の入山制限に踏み切ったのだと思います。英断ですね。

【人間との共存】

人間はあまりにも数が増えすぎて、今や自らの生存のために、他の生物の環境を破壊し、地球そのものの生存を脅かす存在になってしまいました。その地球の将来の縮図がガラパゴス諸島なのです。

もう環境破壊は、一地域やそこに住む住民たちだけで防ぐことが出来なくなりつつあるのが、今の地球の現状です。観光による自然環境の破壊にしても、気候変動による気温の急激な上昇にしても、人間がすでに地球環境にとって癌のような存在になっている証なのかもしれません。経済と環境の両立-古くて新しい問題ですが、もう人間だけのために地球は存在しないということを思い知らなければ取り返しのつかないことになるでしょう。

しかし、手をこまねいていては事態は悪化するばかりです。屋久島の人たちの勇気ある決断、僕たちの住む地球の将来にとっても重要な一歩になってほしいものですね。

  


2009年06月23日

【麻生内閣支持急落】

またしても、麻生内閣への支持率が急落したとの報が新聞やテレビを賑わせた。

『共同通信社が13、14両日に実施した全国緊急電話世論調査で、麻生内閣の支持率は17・5%と5月の前回調査から8・7ポイント急落、不支持率は10・4ポイント増の70・6%となった。

 次期衆院選比例代表の投票先でも47・8%の民主が、18・7%の自民を圧倒。政党支持率も民主38・5%に対し、自民は19・8%。電話世論調査を開始した宮沢内閣以来、野党時代を除いて最低となった。

 西松建設巨額献金事件をめぐる民主党の小沢一郎前代表の対応という「敵失」でいったん回復した支持率が、再び政権の危機的状況とされる10%台に下落したことで麻生太郎首相の衆院解散戦略に影響を与えるのは必至。今後、与党内で「麻生降ろし」が再燃する可能性もある。

 日本郵政の西川善文社長の進退に関しては「辞任するべきだ」が75・5%で、「社長を続けるべきだ」の17・2%を大幅に上回った。西川氏の再任に反対した鳩山邦夫前総務相を事実上更迭した麻生首相の対応を「評価する」は17・5%にとどまり、「評価しない」は74・8%だった。』(6月15日付西日本新聞)


【何かがおかしい?】

僕はこれらの世論調査の結果を見て、正直驚いた。すなわち、麻生首相の支持率再低下の最も大きな原因は、どうやら世論が首相の鳩山邦夫前総務相の更迭に踏み切ったことにあるらしいのだが、これは「かんぽの宿」に端を発した麻生・鳩山の亀裂が単純すぎることに、世論が単純に反応しているだけではないかと思えたのだ。すなわち、それは普通の市民が表面的な事象に踊らされているのではないかという疑念と驚きだ。

何か裏がある。あまりにも単純で正直すぎる麻生首相と鳩山前総務相も誰かにただうまく踊らされているだけではないのか。

【江戸の仇は長崎で討つ】

そんな不可解な気分でいたら、6月17日のポッドキャスト「田原総一朗のタブーに挑戦」という番組で、田原氏が語っていた真相に思わず「はやりそうか」と思った。

田原氏によれば、小泉・竹中ラインで進められた郵政民営化への怨念を晴らすため、官僚たちが政治家をうまく利用して、あの手この手で「江戸の仇を長崎で討とう」と画策しているのだという。それを正義感が強くて単純な鳩山氏を使ってここ数ヶ月にわたって実行していたというのだ。さもありなんだ。(詳しくは田原氏のポッドキャストをお聞きください)

あまりにも単純な話には気をつけたほうがいいと思うのは僕だけだろうか。

【もうひとつの警戒】

そしてこの世論調査の中でもうひとつ警戒すべきことがある。それは2020年までの日本の温室効果ガス排出削減の中期目標についての回答結果だ。それによれば、「05年比15%減」とする首相方針について、「削減幅が大きすぎる」が57.6%と最も多く、「妥当な水準」が26.5%、「削減幅が小さすぎる」が4.9%となったそうだ。

首相の会見での努力もむなしく、世論は15%減でも削減幅が大きすぎると反応しているというのだ。これも削減目標を示す際に温室効果ガスを削減するためには家庭の負担が年間7万円増えるといったネガティブな発表を同時に行っているために、多くの一般市民が「負担が増えては困る」と考えたからだろう。

ここにも、産業界の反対やらに配慮して削減目標の見せ方にいろいろ操作を加えようとする官僚の影がちらつく。

僕ら一般人には、郵政民営化問題にしても、温室効果ガス削減にしても、本当に何をやるべきなのかについて、表面的な事象に踊らされず、しっかりと分析し、本質を見極める洞察力が必要とされている。
  


2009年06月22日

【混乱続くイラン】

イラン大統領選挙後の混乱は、最高指導者ハメネイ師の国民への呼びかけ後もまだ予断を許さないようです。

『イラン大統領選の開票を巡る混乱で、政府当局側は20日夕(日本時間同夜)、再選挙などを求めテヘラン中心部の革命広場付近に集結しようとした改革派支持者らの強制排除を始めた。改革派側は当初予定していた大規模デモを直前に中止したが、参加予定者の一部は抗議デモ強行の動きを見せている。中心部のホメイニ廟(びょう)付近で自爆とみられる爆発が起き、3人が死傷したとの情報もあり、事態は流動的だ。

 最高指導者ハメネイ師は19日、テヘラン大学での金曜礼拝で、改革派勢力がデモを強行した場合は武力制圧も辞さない姿勢を示しており、当局側がこれを実行した形だ。

 改革派勢力は20日、ムサビ元首相とカルビ元国会議長が統一行動として大規模抗議集会を計画していた。』(6月20日付毎日新聞)


【新メディアツール】

イランの政治情勢そのものは、もちろん僕の関心事のひとつではあるのですが、それよりも今回の混乱の中で僕がもっと注目したのはイラン情勢をリアルタイムで伝える新しいメディアツール「ツィッター(Twitter)」でした。

このTwitter、アメリカ発の新しいソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)のようなもので、情報発信は140文字に制限されているにもかかわらず、そのシンプルな使い勝手の良さから、ここ1年くらいで1300%近い成長を遂げているのです。(2008年4月時点のTwitter訪問者数122万人、2009年4月1710万人) もちろん利用者の絶対数ではグーグルの1億3100万人、Facebookの7100万人には及びませんが、その急激な成長は驚くほどです。(6月15日号のタイム誌の記事「Twitterが変える私たちの生き方("How Twitter Will Change The Way We Live")」より)

イラン大統領選終了後、大統領候補だったムサビ元首相らの改革派勢力によるイラン国内での大規模デモの様子がこのTwitterを使って何千・何万というイラン国民からパソコンや携帯を使って全世界に発信され、様々な外国メディアもTwitterによる情報交換の存在を大きく伝えたのです。そしてTwitterの動きをあまり真剣に伝えなかったCNNは世界から疑いの目で見られたのです。

※写真はTwitterの生みの親Evan WilliamとBiz Stone

【即時性とシンプルさ】

実はイラン情勢だけでなく、5月のモルドバでの反共産主義勢力の台頭や中国の天安門事件20周年記念でもTwitterの動きは注目されていました。中国政府はその影響力を排除しようとTwitterをブロックしたくらいです。

Last month an anticommunist uprising in Moldova was organized via Twitter. Twitter has become so widely used among political activities in China that the government recently blocked access to it, an attempt to cnsor discussion of the 20th anniversary of the Tiananmen Square massacre.

いったいTwitterのどこに魅力があるのか?それは全世界どこでもオープンな会話を即時に、しかも140文字というシンプルなかたちでできるとところにあるようです。それにTwitterの開発・運営者の手を離れて、Twitterのユーザーたちが使い勝手を良くするべく様々な改良を日々加えていることも大きい。これは分野は違いますが、マイクロソフトのウィンドウズを凌ぐ使いやすさをユーザーが目指して進化するリナックスを思い起こさせるエンド・ユーザー革命(End-User Innovation)と呼べるものだとタイム誌も伝えています。

果たして、Twitterの進化はこれからどう進むのか、そして世界のコミュニケーションの形態はどう変わっていくのか、それは世界情勢だけでなく、僕らの暮らしをどう変えていくのか、何かワクワク・ゾクゾクしてきますね。みなさんはもうTwitter使ってますか?  


2009年06月19日

【新型ランチボックス】

みなさんは昼食どうしてますか?近くの食堂?コンビニ弁当?それとも愛妻弁当?

『じわじわと暑く湿気っぽくなり、本格的な夏が近づいてきたな~、と感じる今日この頃。不況のおかげで“お昼は弁当”が定番になり、“弁当男子”なんかがもてはやされているけれど、この時期、「痛んでいないかな?」と少し心配になることはない?

そんな不安を解消してくれる“保冷剤付き”ランチボックスがいま、人気だ。

人気の火付け役は保冷剤一体型ランチボックスの「GEL-COOL」シリーズ。ランチボックスのフタに保冷剤が内蔵されていて、通常の保冷剤よりも冷たさが長持ちするという優れモノだ。使い方はいたってカンタン。家庭用冷蔵庫なら一晩、フタを冷凍庫で凍らすだけ。外気が25℃で4時間以上、30℃で3時間以上、保冷効果を持続する。

いままであるようでなかったこのランチボックス。開発は、ジェル素材の研究開発をする北海道にあるGel-designという会社。「“冷たい物は冷たいまま美味しく食べて欲しいし、食中毒も心配。だからお弁当には必ず保冷剤をつける”という主婦の方の話を聞き、この商品を作りました。ママの愛情が元になったランチボックスです」(広報)とのこと。昨年1年間の売上げ、6万個をゆうに越え、今年は6月1日の時点ですでに6万個を出荷したそう。商品は同社のウェブサイト(www.gel-cool.com/)や東急ハンズやロフトなどで購入できる。』(6月12日付東京ウォーカー)


【食中毒の季節】

これからは、梅雨から一気に真夏に入っていきます。気温もぐんぐん上昇する中、オフィスでもクールビズ対応で部屋の温度を28度と決めているところも多いでしょう。

温度上昇は弁当には大敵です。あまり気温が高くなると、弁当の中身が傷んで食中毒の危険を孕むことになるからです。それでも生活防衛と健康維持のためには弁当持参は欠かせませんという方は多いのではないでしょうか。

食中毒のリスクを減らして、この夏も弁当持参で乗り切るためには出来るだけ暑さにも強い食品を選ぶこと、そして保冷をきちっと実行することだと思います。

その強力な助っ人として、この保冷剤一体型のランチボックス、役に立ちそうですね。僕も購入検討します。弁当持参派のみなさんもご検討されてはいかがですか。

  


2009年06月18日

【水がめピンチ!】

油木ダムが大変なことになっているようです。

『行橋市は16日、水がめの油木ダム(添田町)の貯水率が2007年の渇水時に最低だった11%目前となったことを受け、3回目の渇水対策本部会議を開き、来週には水道管の減圧給水を10%から15%に強化することを決めた。京築水道企業団に加わる周辺自治体へ支援水供給を依頼、県や自衛隊、北九州市に給水車を要請することも決めた。

 17日からは市職員が使うコップ洗浄水を節約するため紙コップ使用を徹底。防災無線で市民への節水呼び掛けも行う。

 八並康一市長は「厳しい状況になってきた。市民や企業に迷惑をかけているが、節水に協力をお願いしたい」と語った。

 同ダムの16日午後6時現在の貯水量は173.3万トン、貯水率は12%。現状の1日約17万トンの放流を続ければ10日ほどで枯渇する見通し。別の水源の矢留貯水池(42万5000トン)も20日分程度しかないため、このまま雨が降らなければ1カ月ほどで水源が枯渇するという。』(6月17日付西日本新聞)


【空梅雨続く?】

今年の梅雨は、福岡では例年よりもかなり遅れてスタートしていますし、雨の量も例年に比べると少ないような気がしています。

実際に、気象庁の発表によれば、今年5月1日から今月15日までの降水量は、福岡市が89ミリ(平年比40%)、熊本市122ミリ(同36%)、大分市66ミリ(同27%)などと数値的にも平年に比べて大幅に雨が少ない状態が続いているそうです。

来週には少しばかり雨が降るという天気予報のようですが、これまでの少雨を解消するようなまとまった雨の降る可能性は小さく、今後2週間程度は降水量の少ない状況が続くとのことですので、一般の市民である僕たちは今はとにかく節水を心がけておくしかなさそうですね。みなさんは水、大切に使ってますか?

  


2009年06月17日

【カルシウム不足】

日本女性のカルシウム不足が相当深刻であるというニュースが目に留まりました。

 『骨の健康に不可欠なカルシウムについて、必要摂取量を満たしている女性は1%に満たないことが、ダノン健康・栄養普及協会(東京都目黒区)の調査で分かった。カルシウムは、過不足の結果がすぐに表れないことから「沈黙のミネラル」と呼ばれ、摂取量不足が問題になっている。

 調査は今年3月、20~50歳代の女性を対象にインターネットで実施し、722人が回答した。カルシウムを「適度にとっている」「とりすぎ」と感じている人は計36・5%いたが、実際の食生活から摂取状況を推定するチェック表を使って自己診断してもらったところ、「足りている」は0・8%で、「少し足りない」を含めても5%未満だった。

 女性のカルシウム摂取量(18歳以上で1日600~700ミリグラム)について77・1%が「分からない」と答え、正解率は8・7%だった。

 ライフスタイルとの関連を分析したところ、やせ傾向の人に不足が目立ち、朝食を抜いたり夕食を外食で済ませることが多い人ほど不足していた。』(6月12日付毎日新聞)


【食習慣の改善を】

この調査を行ったダノン健康・栄養普及協会(ダノン・インスティテュート・ジャパン/略称DIJ)とは、同協会のホームページによるとフランス最大の食品会社であるダノン・グループが設立した日本における非営利学術組織で、1999年から活動を開始しているとのことで、しっかりとした研究成果を出しているようです。

それにしても日本女性の99%がカルシウム不足というのは相当ショッキングな数値ですね。しかも調査結果から見ると、若い女性のカルシウム摂取に対する認識が甘いことがわかります。外見にばかりに気を取られて本来強化すべき健康面のケアが遅れているのではないでしょうか。

女性のカルシウム不足は生まれてくる子供の骨の発育にも直接関係するでしょうし、女性は閉経後に骨量が急激に減少すると言われていますから骨そしょう症の原因にもなります。

この調査、是非女性の方々は深刻に受け止めて先ず自らの健康維持のためにカルシウム摂取に努めてもらいたいと思います。

ちなみに、カルシウム摂取量の不足を補うためには吸収率を上げることが必要ですが、カルシウムやマグネシウムの吸収を促す食品として、フラクトオリゴ糖や乳果オリゴ糖があるそうです。女性のみなさん、正しい栄養知識と正しい食習慣を身につけるようにしてくださいね。
  


2009年06月16日

【祝、旭山動物園】

素晴らしい実績です。

『北海道旭川市の旭山動物園の入園者数が5日、1967(昭和42)年の開園以来3000万人に到達し、坂東元園長らがくす玉を割って祝った。

 90年代には年間30万人を割り込んだが、動物本来の能力・習性を見せる「行動展示」で全国的な人気を集め、05年に2000万人を記録。わずか4年での大台達成となった。低迷期を知る小菅正夫名誉園長は「考えられないペース」と感慨深い様子だった。

 3000万人目の入園者は川崎市の会社員、小沢美則さん(39)の次男で小学2年の俊介君(7)。家族5人で訪れた俊介君はぬいぐるみなど記念品を贈られ「びっくりしたけど、うれしい」と話していた。』(6月5日付毎日新聞)


【人気の原点】

僕も過去2回、この旭山動物園をブログで取り上げています。そして2006年には実際に旭山動物園にも足を運びました。そこには誰をも感動されるものがありました。それは何か。

それは、廃園まで追い詰められた園長や飼育係が一丸となって動物達のための、入園者の視点に立った動物園作りにまい進し、知恵と汗を出して編み出した「行動展示」という新しい動物園のあり方でした。動物園の職員たちによって生き返ったアザラシや白熊やペンギンたちの姿に見るもの誰もが感動したのです。

今回の入場者3千万人達成の快挙は、真摯な思いがどれだけ人々に感動を呼び起こし、惹きつけるものか、そしてその裏には動物園を運営する人たちの汗と涙の結晶があるということを裏付けてくれたと思います。

僕も旭山動物園に行ったときの感動を再び思い出しました。おめどう、旭山動物園の職員の方々、そしてペンギン君やアザラシ君。

《参考》

・「転機の動物園-旭山と世界」・・・2006年6月24日付の僕のブログ記事

・「奇跡の動物園」・・・2006年5月16日付の僕のブログ記事
  


2009年06月15日

【巨人撃破!】

ソフトバンクが期待どおりの活躍でした。

『交流戦首位のソフトバンクが5-1で巨人を下し、2年連続2度目の交流戦Vへマジックを「2」とした。ソフトバンク先発の杉内は、4安打1失点の好投で、今季初の完投勝利を飾った。

 試合は一回に巨人が一死満塁から谷の押し出し死球で1点を先制。ソフトバンクは0-1で迎えた七回、一死満塁から松田の右前適時打で同点に追いつくと、続く田上の遊ゴロの間に三走の多村が還って逆転に成功。さらに八回、オーティズの9号ソロ、多村の適時二塁打などで加点し、5-1で巨人に逆転勝ちした。』(6月14日付サンケイスポーツ)


【危なげない試合】

それにしても交流戦でのソフトバンクは強い。昨日に続いて、今日の試合も巨人が1点先行しても不安感はあまりありませんでした。「きっと後半になったら逆転して決めてくれる。」-そういう安心感があるのです。

杉内の好投しかり、ここぞという場面での松田や田上の適時打しかり、そしてとどめはオーティスのソロホームランです。きっと7回裏の攻撃で松田と多村が打ったときはヤフードームのスクリーンには、ソフトバンクの「オトーさん」犬の顔が三つ映し出されて、「よし、よし、よし」と流れたでしょう。やったぜ、ホークス。

あの好調巨人をホームで二日連続撃破!! これほど痛快無比なことはありません。あと2つ、この調子で交流戦優勝を決めてくれよ、ホークスナイン!!!
  


2009年06月12日

【飛行機との競合】

今から数十年前、まだ統一通貨ユーロもなく、鉄道で旅をし国境近くに来ると車掌が各車両に周ってきてマルクをリラに換えたり、スイスフランをポンドに換えたりしていました。お金はなくても時間はたっぷりある海外からやってくる学生たちは、ユーレイルパスという欧州どこでも乗れる旅行者用のパスで、時刻表を片手にのんびり鉄道を旅するのが最高の贅沢でした。僕も大学時代に欧州に行ったときは、飛行機ではなく、鉄道の旅を選んだのはそのためです。

しかし、12年前に欧州で実施されたエアラインの規制緩和で、場所によっては航空運賃が鉄道よりも安くなり、飛行機を利用して旅行をする機会が飛躍的に増えていました。必然的に鉄道は脇役となっていたのです。

それが今、大きく変わりつつあるという知らせがタイム誌から舞い込んで来ました。

【鉄道ルネサンス】

6月8日号タイム誌の記事「鉄道に取り組む」("Working on the Railroad" by TIME dated on June 8, 2009)によれば、欧州では長い間航空機に乗客を奪われていた鉄道が、今規制緩和によってより速く、より安いサービスで息を吹き返していると伝えています。

Working on the Railroad. Train travel in Europe has been losing passengers to airlines, but deregulation is about to usher in an era of faster ,cheaper rail service

非効率の象徴だった国営鉄道に代わって、今脚光を浴びつつある鉄道ルネッサンスの国は、スペイン、イタリア、そしてフランス。 スペインのAVE(Alta Velocidad Espanola)、イタリアのNTV(Nuovo Traporto Viaggiatori)、フランスのSNCF(Societe Nationale des Chemins de Fer Francais)など最新鋭の高速鉄道による比較的短距離の国境を跨ぐ鉄道路線は、航空機を凌ぐ売り上げでマーケットシェアを奪い返しているのです。

EU9ヶ国の高速鉄道は、現在の5千キロから10年後には三倍の15千キロにまで伸びると言われています。これほどの革命的変化をもたらしているのが、昨年の12月に始まった欧州域内の鉄道路線の自由化です。

The most radical change arrives this December, when European Union regulations will for the first time allow all the rail operatiors to compete with one another for passengers on international route.

【環境に優しい鉄道への回帰】

アメリカでもオバマ大統領のグリーンニューディールによって、CO2排出の少ない大量輸送の担い手として鉄道網の見直し計画が進められています。GMやクライスラーといった米国大手自動車メーカーの相次ぐ破綻によって、21世紀の交通の担い手は従来の石油を燃料とするクルマからハイブリッド、そして電気へと主役が交代することが明白となりました。それとともに、大量輸送の担い手も鉄道への回帰、そして鉄道ルネサンスのうねりが始まろうとしています。
明治時代から、狭い国土に欧米の技術による鉄道を貪欲そして愚直に取り入れて、今では世界一の鉄道網と高速で安全なシステムを作り上げた日本。これから世界をリードする素地は十分にあります。

JRや私鉄各社はこの機会を最大限に活用して、欧米の鉄道ルネサンスをサポートし、低炭素社会実現に後ろ向きな産業界に活を入れてほしいものです。

それにしても、これからは欧州旅行の楽しみがまたひとつ増えそうですね。

  


2009年06月11日

【首相会見で表明】

麻生首相がクールビズのスタイルで表明した。

『麻生太郎首相は10日午後、首相官邸で記者会見し、2020(平成32)年までの日本の温室効果ガス排出削減の中期目標を05(17)年比15%減とすると表明した。

 麻生首相は、05年比15%減の中期目標について、「エネルギー効率の33%改善を目指す極めて野心的なものだ。欧米の中期目標を上回る」との考えを強調した。また麻生首相は、中期目標を当初有力だった14%減から15%減とした理由について、「太陽光発電の大胆な上乗せなどにより、さらに削減幅を大きくした」と述べた。

 麻生首相は地球温暖化対策に関連して「日本が培ってきた省エネ・環境技術で世界の排出量削減に貢献したい。新たな枠組みに参加する途上国には技術支援を惜しまない」と述べた。

 さらに京都議定書に代わる地球温暖化対策の国際枠組み交渉については「日本だけが不利になることがないように国際交渉に全力を挙げて取り組む」と述べた。』(6月10日付産経新聞)


【どこが野心的か?】

麻生首相は「この中期目標は極めて野心的だ。」とする一方で、「国民負担は避けられないので理解と強力を求め」、「国際交渉では日本が不利にならないように全力を挙げる」と付け加えた。

一見、この目標値は海外からの排出枠獲得や二酸化炭素の森林吸収分を含まない「真水」の部分だけだとか「野心的」とみえるところもあるが、問題の本質はそんな小手先の話ではないはずだ。

それは何か?国際交渉力を主導することか?違う。それはIPCCという世界の科学者の集団が昨年結論づけ、世界中が認めざるを得なかった地球規模の気候変動による破局を回避するために、本当の社会全体の変革を実行していく強い意志があるかどうかだ。

そのためには、長期的な削減目標(日本は2050年に2005年比60~80%削減)を視野に入れながら計画的に、しかも大胆に「低炭素社会」実現に向けたパラダイム・シフトを実行する工程表が必要だろう。

【本物の改革への決意】

必要なのは、国家の命運を超えて地球の命運のために本物の「低炭素維新」を実現するための本物の決意と実行力だ。

ひとつ例を挙げよう。日本の現状の排出量の7割近くは地域寡占状態にある発電部門や鉄鋼などの限られた数の工場群などの大口排出部門だ。ここの産業構造のあり方を抜本的に変えることも聖域視してはならないということだ。今すぐにそれらの部門の抜本的な削減策は直ぐには出てこないかもしれないが、長期的な展望を持った改革の道筋くらいは示すべきだろう。

現状の産業構造を維持したままで、国民負担が増えることばかり強調しても道は開けない。

タブーまで踏み込んで「地球を、そして子孫を救うのだ」という強烈な意志が見えなければ、国民も世界も誰も信じないだろう。

そしてもうひとつ付け加えるならば、僕たち国民の側も気候変動・地球温暖化に対する危機感が薄いことも政府や産業界の現状追認の姿勢に深く関係していることに思いをいたすべきだろう。あなたも他人事のようにこのニュース見ていませんか?

  



2009年06月10日

【巨額の損失】

対策を取らなければ巨額の損失は避けられないという研究結果が出ました。

『温暖化対策を取らなければ、今世紀末(2090年代)の温暖化による国内の経済的損失(年額)は、1990年時点より少なくとも延べ17兆円増加するという研究結果を、国立環境研究所など国内14機関の研究チーム「温暖化影響総合予測プロジェクト」(代表、三村信男・茨城大教授)が公表した。三村教授は「ここ5~10年のことだけを考えて対策を手控えると将来の被害が拡大する。次世代のことを考えて対策を取る必要がある」と話した。

 研究チームは、▽洪水による河川はんらん▽土砂災害▽ブナ林の減少▽砂浜喪失▽高潮▽熱中症による死亡--について、温暖化の経済的影響を分析。温室効果ガス削減対策を取って、今世紀末の気温を産業革命前比2・1度上昇、2・9度上昇にとどめる場合と、対策を取らずに3・8度上昇する場合の3ケースで比較した。

 「3・8度上昇」では、洪水被害は8・3兆円増加。また、温暖化で海面が上昇、台風の強度も今世紀末に1990年の1・3倍になると想定すると、台風の被害を受けやすい西日本の高潮による浸水被害額は7・4兆円増、被害を受ける人口は44万人増になるという。また、熱中症による死亡の経済的損失は1192億円増となった。

 一方、「2・1度上昇」に抑えた場合、洪水被害は5・1兆円増。西日本の高潮被害は5・4兆円増と、いずれも「3・8度上昇」より2兆~3兆円程度抑えられた。熱中症死亡の損失も半分以下の501億円増にとどまった。

 国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」は、2・1度上昇に抑えるために、先進国全体で2020年までに温室効果ガス25~40%減、2050年までに80~95%減という案を提示している。』 (5月30日付毎日新聞)


【被害は不可避】

現代人と言うのは困ったもので、何か具体的な数値で示されないとなかなか納得できないものです。気候変動、地球温暖化が一体どんな結果をもたらすのかも漠然と言葉で説明されるよりも、今回の研究結果で示されたように経済的損失額のようなものがスッと頭に入ります。

その数字の大きさには驚きますが、もっとショッキングなことがあります。それは、この研究結果では、対策を何も取らないまま気温上昇が3.8度に達する場合で、17兆円の想定ですが、世界全体の温室効果ガス排出量を大幅に削減して大気中の濃度を450ppmに安定化させた場合でも、気温上昇は1・6度にとどまるものの、洪水や土砂災害などの被害額は年間約11兆円に達し、一定の対策を進めて550ppmで安定化させた場合でも、年間約13兆円という結果になるということです。

結局、これは対策の有無にかかわらず相当の被害がもう不可避になっているということを示しているのです。

【数字では測れないもの】

そしてもっと重大なことは、これらの被害は決して今世紀末だけに突然発生すると言う意味ではないということです。今から5年、10年、20年と経つうちにも、すでに顕著になっているような世界的な気候変動の影響が直接的、間接的に日本各地でも頻発し、動植物の生態系を破壊し、人間の居住圏でも高温による被害があらゆる産業、あらゆる家庭に忍び寄ってくるであろうと予想されることです。最近問題になっている新型インフレのパンデミックのようなことも気候変動との因果関係を伴って頻発するでしょう。

巨額の数字には表れない身近な被害が、これから徐々に僕たちの生活自体を脅かしていく。このことをしっかりと頭に入れて、個人での対策を考えるとともに、気候変動に対する産業界や政府の動きを監視していく必要がありそうです。  



2009年06月09日

【いよいよ復帰?】

半年近く、公の場所から遠ざかっていたアップルの「あの人」が帰ってくるとの報が目に留まった。

『米ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙は4日、病気療養中だったアップルのスティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)が、予定通り6月末までに職務に復帰できる見通しだと伝えた。
 ジョブズ氏は1月、6月末まで病気治療のため休養に入ると発表していた。アップルの関係者は、ジョブズ氏が引き続き戦略的な意思決定に関与し、予定通り職務に復帰する見通しだと繰り返し表明していた。
 同社スポークスマンのコメントは得られていない。
 アナリストや投資家の間では、ジョブズCEOの症状が回復しなければ職務復帰は困難になるのではないかとの懸念が広がっていた。
 ジョブズ氏は2004年に珍しいタイプの膵臓がんで治療を受けたが、09年1月になって「健康問題は当初考えていた以上に複雑だ」として、休養に入っていた。
 WSJは、ジョブズ氏は「順調に」回復している、と伝えている。』(6月4日付ロイター通信)


【高まる期待感】

もともと1月に病気療養のために6月末まで休養すると発表されていたのですが、それが少し早まるのではとの観測が出ているのです。特に今週にサンフランシスコで開催される予定のAppleの年次開発者カンファレンスにジョッブズ氏が出席し、iPhoneの新型を発表するのではとの見方が出ているようです。

ジョッブズ氏といえば、アップル社そのものというか、創業者としてマックシリーズやiPod、iPhoneといった、時代を変革するパワーをもつユーザーフレンドリーなハードとソフトが一体となったマシンを世に送り続けている人です。

この人の存在なくしては、アップル社そのものが存在しないと言ってもいいのではないでしょうか。巷ではここ半年間、ジョッブズ氏がいなくてもアップル社がうまく機能して、業績も株価も順調だとの見方もありますが、僕にはやはりジョッブズ氏のいないアップルには不安を感じずにはいられません。

彼の思想、そして彼のアイデアはこれからも新しいマシン、新しい息吹を世界に与え続けるものと信じています。あわてる必要はないので、是非元気に復帰してほしいものです。
  



2009年06月08日

【原油再び上昇へ】

なにやら原油相場がきな臭くなってきた。

『4日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米国の雇用関連指標の改善を受けて需要回復期待が高まったことなどから急反発し、米国産標準油種WTIの中心限月7月物は前日終値比2.69ドル(4.07%)高の1バレル=68.81ドルで終了した。中心限月の終値ベースでは昨年11月4日以来、7カ月ぶりの高値。一時は69.60ドルと70ドル台に迫った。
 この日の上昇は、米金融大手ゴールドマン・サックスが原油相場の先行き見通しを上方修正したとの報道がきっかけ。景気回復につれて需要が増大する一方、供給の減少も予想されるとして、2009年末時点では85ドル、10年末では95ドルに上昇するとの見通しを示した。』(6月4日付時事通信)


【投機資金の動き】

昨年の9月におこったリーマンショック以来、世界経済は未だに不況の嵐に見舞われていますが、6月に入って僅かながらではありますが経済は底を打ったのではないかという話が日本や米国では出てきています。

そうなると米国や中国、欧州各国など世界中の国々が総動員してきた政策に基づく財政資金による需要喚起策によって膨らんだマネーが、投機マネーを中心にどこかに行き場を求めてうごめくのは当然でしょう。

じゃぶじゃぶのマネーがもたらすもうひとつの脅威、インフレへのヘッジのためにもどこに投資するのが最適か・・・・そう、それが原油をはじめとする穀物などの資源相場ということになります。

Some consider commodities a hedge against another looming threat: inflation. (p.43, "Commodities Conundrum" by Michael Schuman, TIME dated on May 18, 2009)

【悪夢再び?】

思えば昨年秋にはじまった世界金融危機の前、丁度1年前の6月にはWTIの価格は140ドルを突破していました。僕のクルマのガソリン価格を見ても、5月31日にリッター150円だったのが、8月12日には一気に186円まで急騰しています。その後今年1月15日には98円まで下がって、現在の118円くらいまで戻しているわけです。

ガソリン価格が180円台まで上昇したときには、ガソリンスタンドの表示板が200円台には対応できないとか、イカ釣り漁船が休業を余儀なくされているとか、身近なところでも大騒ぎでした。あのときの悪夢がまだ余韻の残しているくらい、それほど時間は経っていないのに再び投機マネーに翻弄されることになるのでしょうか。世界の不況をもたらしている根本的な原因がしっかりと把握され、根本的な対策が打たれないままに、再び資源価格の高騰を招くようなことになったら・・・・僕たち庶民にとっては、まだまだ油断ならない日々が続きそうです。
  



2009年06月05日

【最近の英語への姿勢】

このところ「英語を磨く」ことに少しコダワリが薄れてきている自分に気づき、反省しています。いつでも英語での仕事上のやりとりは言うに及ばず、身の回りのことでも聞かれたらサッと答えられるような自分でありたいと思っているのですが、それにしては修行が足りないこの頃です。

特にアウトプット面。しゃべる機会が少ないことを理由にしゃべるための訓練を怠ってます。これではいけません。

言葉の習得には常に継続することが不可欠です。そして何よりも向上心の持続です。ということで、最近の自分の英語修行についてここで公開しておいて、後々の反省材料としたいと思います。

【項目別の修行内容】

1. リスニングとインプット

最近はリスニングとインプットは、もっぱらiPhoneをフル活用しています。パソコンのiTuneからpodcastの英語によるニュース番組(1つ5分から20分ていど)を毎日ダウンロードしてiPhoneに転送、通勤時間などの隙間時間に聞いています(ビデオの場合は見ています)。なかなか全部理解することはできないのですが、関心のあるテーマであればある程度わかるようになってきました。

・Podcastの番組→"ABC World News(video)"、"CNN Daily(video)"、CBS Evening News(video)"、"CNN News Update"、"BBC Global News"などなど。

・上記のような番組なのですが、圧倒的にビデオ配信をしているのはアメリカの番組です。アメリカばかりだと偏るのでBBCも聞いています。

2. リーディングによるインプット

リーディングはもう何十年も続けているタイム誌がメインです。最近は読む記事のジャンルが少し限られてきていますが、それでも継続はしています。読んだ内容を自分なりに脚色してブログにアップするのもここ4年ほど続けています。

ここ2年ほどはビジネスウィーク誌にも挑戦しています。ただ、すべてを読みこなすには至っていません。

普通の小説や読み物は英語ではほとんど読んでおらず、反省点です。

3. アウトプット

上記の世界情勢のインプットに基づいて、タイム誌の投稿欄にここ3年ほどは投稿を続けてきました。すでにタイム誌には今年2月も含めて6度ほど掲載してもらいました。この投稿には結構こだわっていて挑戦しているのですが、最近は投稿の頻度が少なくなっており、気合を入れ直さないといけないと思っています。タイム誌への投稿は、自分の世界観をタイム誌を通して確認するまたとないチャンスとして継続していきます。そして英語のライティング力をつけるためにも重要だと考えています。

※「僕がタイム誌に投稿するワケ」・・・2006年11月4日の僕のブログ記事

もうひとつのアウトプットであるスピーキングやディスカッション、ディベートに関してはまったく努力不足です。もともとそれほど強くないのですが、しゃべる機会が少ないことを口実にサボっているといっても過言ではありません。戒めて頑張るしかありませんね。

【人生と英語】

僕の英語との出会いは中学生のころからですが、高校、大学、予備校、そして社会に出てからもいろいろな師と呼ぶに相応しい方々との出会いによって支えられてきました。最も強烈に影響を受けたのは、ディベート教育の日本での提唱者でもあり、英語の達人の松本道弘先生ですが、自分の今の不勉強ぶりからすると松本先生を師と呼ぶにはとてもおこがましい気がします。

今も幸いなことに師と仰ぐ方が身近なところに数人おられ、本当に自分の人生と英語は切っても切れないと思っています。これからも修行あるのみです。  


2009年06月04日

【鳩山、依然吼える?】

以前から可笑しな動きをしている鳩山総務相が最後の賭けに出てきたようだ。

『日本郵政の西川善文社長の更迭を求めている鳩山総務相が3日、この問題に自身の進退をかける考えを強く示唆した。

 鳩山氏は、同社の「かんぽの宿」売却をめぐる不手際などの責任を西川氏は取るべきだと主張し続けている。与党内には西川氏を小泉構造改革路線の象徴と見る向きもあり、西川氏を更迭すれば党内の路線論争に火がつく可能性もある。鳩山氏は自民党総裁選で首相を支え続けた盟友でもあり、首相は難しい判断を迫られた格好だ。

 鳩山氏は3日午前、都内で記者団に、首相が西川氏の続投を容認した場合の対応について、記者団が「辞任も辞さないのか」と質問したのに対し、「私は信念を曲げることはしない。それで察してほしい」と語った。鳩山氏はこれまでも西川氏の辞任を求め、「最後の一人になっても戦う」「(続投を認可すれば)自らの正義感とか信念を捨てることになる」などと述べていた。

 これらの発言について、鳩山氏は3日「政治家の言葉は軽々しいものであってはいけない」とも語った。

 日本郵政は5月18日に指命委員会を開き、西川社長の続投を6月末の株主総会に提案することを決定している。ただ、総務相には、日本郵政の取締役人事の認可権限があり、株主総会で西川氏続投が決まっても覆すことが出来る。

 元三井住友銀行特別顧問だった西川氏は、05年に小泉元首相が口説き、07年10月の日本郵政グループ発足と同時に初代社長に就任した経緯がある。

 首相側近でもある自民党大物議員は、「西川氏は『三顧の礼』で政府が迎え入れたのだから、政府が辞めさせるわけにはいかない。鳩山氏は常軌を逸している」と鳩山氏を批判している。小泉構造改革を支持する議員にはこうした声が多い。』(6月3日付読売新聞)


【政治家の信念】

政治家には、信条とか信念とかがその政治生命にかかわるというのはよくわかる。僕らが政治家を選ぶときには最も重要視しなければならない要素だ。

しかし、ある政治家が国民から見て国民のためになる政治信条とか政治信念で動いているかどうかは、あくまでも国民がその政治家の日ごろの言動を見て判断することだろう。本人が声高に「自分は信念に基づいて」とか「正義のために」とか「国民のために」とメディアの前で発言しているときは、よほど眉に唾をつけてその政治家の本心を観察すべきであろう。往々にしてそういう政治家の信念や信条は底が浅いことが多い。

今の鳩山総務相がそうだと僕は見る。ここ半年くらいの間に鳩山総務相がターゲットとしているのは民営化後の日本郵政だ。小泉改革の象徴的存在である日本郵政をなんとか自分が総務相のときにつぶしたいということなのだろうか。その真意はわからない。昨日のテレビで、鳩山総務相は「国民のため、正義のために」とメディアに語っていた。許認可権限をちらつかせて、正義や国民を軽々と振りかざす人を信念のある人と信じていいのだろうか。一国の宰相の意思まで無視して、自分の信念を振りかざす人が本当に「正義」の人なのだろうか。

時間が経てば、そんな政治家の正体は自ずと明らかになるであろう。

《参考》

・『郵政イジメに1人気を吐く鳩山総務相』・・・2009年3月11日付の僕のブログ記事

・『逆噴射する日本政治~「かんぽの宿」を巡る鳩山総務相の政治介入』・・・2009年1月13日付の僕のブログ記事
  



2009年06月03日

【奇策?】

残業代の支払い増加に悩む大阪市が奇策を講じているとのニュースが目に留まりました。

『職員の残業代だけで昨年度、80億円以上を支給した大阪市が、家庭の温かさを想起させる「癒やしの音楽」で早期退庁を促している。

 職員給与カットの奇抜なアイデア。だが、「仕事の効率アップが先では?」との声もある。さて、効果のほどは--。

 午後8時半。優しいハープの音色で、郷愁を誘うスコットランド民謡の「ロッホ・ローモンド」が2分間、庁内スピーカーから流れる。定時退庁時刻を3時間オーバーしていることを知らせる。4月下旬から始めた。

 市幹部は「音楽が帰巣本能を高めるという科学的根拠はない」というが、ある職員は「温かい家庭を思わせるメロディー。帰りたくなるかも」と話す。

 市が係長級以下の職員に支給する残業代は1時間当たり平均2800円で、昨年度は約83億円(一般会計)。来年4月からは月60時間を超える残業は、割増率が現在の25%から50%に引き上げられる。このままでは市は来年度、約1700万円の負担増になるという。』(5月30日付読売新聞)


【残業の功罪】

商売が繁盛して残業が増え、残業代だけでなく会社の業績がよくなって給与が増えるのであれば、従業員もその家族も「残業やむなし」と考えてある程度我慢するのかもしれません。

でも、市役所など役所では別に商売繁盛で利潤をあげるために残業をしているわけではないので、残業をせざるをえないほど仕事が多いか、職員への仕事の配分が適正に行われていないかなのでしょう。正当なインセンティブが働かなければどうしても集団心理が働いて、残業代を多くもらうほうが得となってしまうのかもしれません。

民間と役所の事情の違いはあるにせよ、日本社会はとかく集団心理で動きやすく、人の目や上司の目を気にするあまり、「つきあい残業」を誘発している職場も多いはずです。

【幸せの物差し】

自ら会社を経営している人たちは、会社の成長のため一心不乱に仕事をすれば残業など関係ないのかもしれませんが、会社や役所の組織では宮仕えの身で上からの命令で働いている人が大半ですから、過度の残業は自分にとっても家族にとっても避けたいと言うのが本音ではないでしょうか。

であるならば、本気で残業を減らすためには、小さな職場単位から組織全般にわたるまで現場の人たちが真剣に残業減らしには何が必要でどうすべきか考え、トップに改善を迫るとか、職場の仕組みを変えるとか具体的な行動をするしかないような気がします。

そして個々人は、他人に流されず、自分と自分の家族にとっての幸せは何かという物差しをしっかりもって立ち向かうことしかなさそうです。

大阪市の「癒しの音楽」はそういう努力が実るまでの「つなぎ」の役割しか期待できないというのが僕の考えです。みなさんは職場の残業、どう対処していますか。

  
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