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2009年06月24日

【危機的状況】

観光ブームに沸く屋久島が今危機的な状況にあることがわかりました。

『環境省と鹿児島県屋久島町は、観光客の急増で環境破壊が進む世界遺産の屋久島で、2011年度から初めての入山制限に踏み切る方針を固めた。

 昨年4月に施行されたエコツーリズム推進法の初適用を目指す。自然公園法とは異なり、地元市町村が立ち入り制限区域を指定できるのが特長で、違反者には30万円以下の罰金が科される。

 屋久島は、推定樹齢7200年ともされる縄文杉や地表を覆うコケなどの自然美や生態系が評価され、1993年、白神山地(青森、秋田)とともに国内初の世界遺産に登録された。

 登録をきっかけに入山者が急増。08年には10万9000人に上り、休日の入山者は1000人前後に達することも珍しくない。特に、し尿の現地埋め立て処分が限界にきている。』(6月20日付読売新聞)


【ガラパゴスを想起】

最近の屋久島観光ブームは、1993年に世界遺産に登録されたこともあって世界的にも有名になり、特に近年激しくなったようです。ここ数年だけでもテレビ番組で屋久杉が何度も取り上げられているのを見たことがあります。そういう自分も一度は行ってみたいと思っていました。

この記事を見たとき、とっさに「これはガラパゴス諸島の二の舞にならなければいいが」と思いました。ガラパゴス諸島は1987年に世界遺産に登録された、地球上でここでしか見られないような固有種の動植物が多く見られる、南東太平洋上にあるエクアドル領の諸島ですが、島の経済を優先して観光客を大量に誘致したため、環境破壊が急速に進み、また人口の急増で、直接的な環境汚染や撹乱、外来生物の繁殖、横行する密漁など多くの問題が持ち上がって、ついには2007年に「危機遺産」に登録されました。

もちろん、屋久島の人々はガラパゴスの先例も十分に認識をしたうえで今回の入山制限に踏み切ったのだと思います。英断ですね。

【人間との共存】

人間はあまりにも数が増えすぎて、今や自らの生存のために、他の生物の環境を破壊し、地球そのものの生存を脅かす存在になってしまいました。その地球の将来の縮図がガラパゴス諸島なのです。

もう環境破壊は、一地域やそこに住む住民たちだけで防ぐことが出来なくなりつつあるのが、今の地球の現状です。観光による自然環境の破壊にしても、気候変動による気温の急激な上昇にしても、人間がすでに地球環境にとって癌のような存在になっている証なのかもしれません。経済と環境の両立-古くて新しい問題ですが、もう人間だけのために地球は存在しないということを思い知らなければ取り返しのつかないことになるでしょう。

しかし、手をこまねいていては事態は悪化するばかりです。屋久島の人たちの勇気ある決断、僕たちの住む地球の将来にとっても重要な一歩になってほしいものですね。

  



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海や山、自然が好きな九州男児です。あらゆる機会をとらえて、時代の変化をいつも感じていたいと思っています。
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