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2013年08月27日

【不起訴処分】

8月25日の早朝、読売新聞が福島第一原発事故を巡り告訴・告発されている当時の東電幹部や政府関係者全員の不起訴処分について報じています。

『 東京電力福島第一原発事故を巡り、検察当局は、業務上過失致死傷容疑などで告訴・告発されている当時の東電幹部や政府関係者ら約40人全員を、近く不起訴とすることを決めた。 津波と事故の発生を事前に予測し、対策を施すのは困難だったと判断した。ただ、告訴人らは検察審査会に審査を申し立てる方針で、強制起訴すべきかどうか、市民が判断することになる。 被災者らに告訴・告発されていたのは、勝俣恒久前会長(73)ら東電幹部、班目(まだらめ)春樹・元内閣府原子力安全委員長(65)、菅直人元首相(66)ら政府関係者の約40人。2011年3月に起きた原発の炉心溶融と水素爆発では、作業員ら16人が負傷したほか、住民が被曝(ひばく)した。また、避難を余儀なくされた入院患者が死亡するなどしている。捜査では、〈1〉約15メートルの津波を予測できたか〈2〉震災後の対応に問題はなかったか――の2点が焦点だった。』(8月25日付読売新聞)

【司法よ、お前もか】

先ず、この記事には原告が誰なのかが書かれていませんが、複数の原告が存在する中で最も大きな原告は福島周辺の被災者を中心に全国の支援者総勢1万5千人近い方々で組織される福島原発告訴団ということを明確にしておかなければなりません。そしてこの告訴団は、東電幹部などの直接事故対応にあたった人間に先ず責任を取ってもらうべきとして、それらを非告訴・告発人に含めていますが、菅直人元内閣総理大臣等の政治家は別の形で責任を取ってもらうべきとして非告訴・告発人には含まれていません。そしてこの世界最大・最悪の原子力災害については、複数の事故調査委員会が「人災」であったと調査結果をすでに出しています。人災でありながら誰の責任も問われない?裁判手続きの技術的な問題はあるかもしれません。しかし、だからといって東電や経産省などの強制捜査さえせずに誰も責任を問われないなどというのは言語道断でしょう。この国に民主主義はあるのか、一体司法は誰のための司法なのかと怒りを覚えます。 「司法よ、おまえもか?」と叫びたくなるのは僕だけでしょうか?

ご参考までに8月9日の朝日新聞の不起訴観測記事に対する福島原発告訴団弁護団代表の河合弘之弁護士の朝日新聞に対するコメントを以下に引用します。

《河合弘之弁護士のコメント》

何の津波対策もとらなかった東電免責はあり得ない河合弘之(弁護士・福島原発告訴団弁護団代表)

去る8月9日本紙朝刊に、月内にも福島原発事故について、我々が行っていた告訴・告発について不起訴処分がなされる方向で検察庁が調整に入っているという報道がなされた。記事において不起訴理由とされている点を取り上げ、告訴人らの考えを述べ、検察官・検察庁の再考を強く求めたい。本紙報道によると不起訴の理由は、「事故と災害関連死との因果関係はないとは言い切れない。今回のM9規模の大地震と津波は、専門家の間で予測されていたと言えず、事前に想定できたのはM8.3までだった。巨大津波の発生と対策の必要性を明確に指摘していた専門家も少なかった。東電が2008年に津波高さ15.7メートルと試算していた点についても、専門家の間で賛否が分かれ、東電も『実際には起きないだろう』と受け止め、対策を検討したものの、具体化は見送った。東電の津波対策は十分ではなかったものの、刑事責任を問うことは困難。」とされている。
検察官の立脚する予見可能性の議論には次の疑問がある。15.7メートルの津波は東電内部の検討において確かに試算されていた。この原発の想定津波高はわずか6メートルであった。この地域でマグニチュード8.3程度の地震と高さ10メートル程度の津波が来ることは、地震と津波の専門家なら、だれもが頷く普通の想定であった。電源喪失を防止するための対策としては、防潮堤の設置だけでなく、外部電源の耐震性強化、非常用ディーゼル発電機とバッテリーの分散と高所設置等、構内電源設備の耐震性,耐津波性の強化など多様な措置がありえた。浜岡原発においては、老朽化した1,2号機は耐震補強を断念し、2008年には廃炉の決定がなされていた。福島第1原発1-3号機についても、同様の措置は十分あり得た。にもかかわらず、東京電力は一切何の対策もとらなかった。予測されたレベルの地震と津波対策を講じたにもかかわらず、それが不十分であったわけではない。
東京電力自身が、原子力改革特別タスクフォースの報告において、結果を回避できた可能性を認めているのだ。事故以前の東京電力社内のすべての証拠を収集し、どのような検討がなされていたのかを解明するには、強制捜査による関係資料の押収が欠かせない。このことは、捜査機関として当然の責務だ。検察庁は、テレビ会議録画や社内メールなどの任意提出を受けただけで、今日まで強制捜査を実施していない。多くの市民の生命と生活、生業を根こそぎ奪ったこの事故について、強制捜査もしないで捜査を終結するような事態は絶対にあってはならない。検察内部の良心が検察庁を揺り動かし、強制捜査の実施と起訴が実現することを心から願ってやまない。


《参考》

・ 福島原発告訴団の非告訴・告発人リスト  



2013年08月05日

【危機的状況】

東電の無能をさらけだしただけではありません、3/11に匹敵する危機が日本に迫っていると思います。

『東京電力福島第1原発の地下汚染水が海に漏れている問題で、東電は2日、3号機海側にある観測用井戸の水から、放射性ストロンチウムなどベータ線を出す 放射性物質が検出限界値を超え1リットル当たり180ベクレル検出されたと発表した。東電は、地中の汚染範囲がこれまでの2号機周辺から、南側の3号機周 辺まで拡大している可能性があるとの見解を示した。
東電によると、放射性物質の濃度が上昇したのは、3号機タービン建屋東側にある観測用井戸で、海までの距離は約4メートル。水は1日に採取した。この井戸では7月25日まで、ベータ線を出す放射性物質の濃度は検出限界値(1リットル当たり18ベクレル)未満だった。
3号機東側では、今回とは別の井戸で7月11日に採取した水から高濃度の放射性物質が検出されたが、東電は汚染範囲の拡大には言及しなかった。今後、監視を強化するとともに、拡散状況を詳しく調べている。』(8月3日付福島民友新聞)


【総力戦の様相】

驚くべきことに東電は3/11以後2年数カ月経つまで放射能汚染水が海に流れていることを明らかにせず、その対策は後手後手に回っていたのです。東電の今までのフクイチでの収束作業を見ていると、誰しも「さもありなん」と思うでしょう。3月にはネズミ一匹による4号プール・供用プールの停電という事態もありました。その後も毎日400トン近くにのぼる放射能汚染水の処理も杜撰な体制のままです。現場の方々は必死の思いで作業を続けられていると思いますが、もはや東電だけではフクイチ事故の収束は到底かなわないと言わざるを得ないでしょう。

政府があらゆる手立てとあらゆる資金、あらゆる資源を投入してこの未曽有の事態の打開のために全力で取り組まなければ危機は次々と拡大し、放射性物質の更なる拡散、不意の地震による燃料プールや放射能汚染水タンクの崩壊で、誰も手をつけられなくなる状況に追い込まれる危険性が高まってきています。

フクイチの本当の収束の道筋が図られなければ、原発の再稼働や原発輸出どころか、日本国そのものが次なる大規模放射能汚染のために崩壊の危機に晒されると政治家や官僚、そして無責任な原子力ムラの方々は思い知るべきです。原子力に反対している市民だけでなく、あなた方の命も脅かされるということがまだわからないのでしょうか。  




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