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2012年12月31日

【今年の10大ニュース】

いよいよ今年も今日で終わり。年の最後に2012年を振り返るべく、読売新聞の読者が選んだ10大ニュースを見てみましょう。先ずは「日本編」。

1.ノーベル生理学・医学賞に山中教授

2.東京スカイツリー開業

3.ロンドン五輪、史上最多のメダル38個

4.政権問う師走の衆院総選挙

5.尖閣国有化で日中関係悪化

6.金環日食、932年ぶり広範囲観測

7.中央道トンネルで崩落、9人死亡

8.巨人が3年ぶり22度目の日本一

9.地下鉄サリン事件で特別手配の菊地容疑者ら逮捕、オウム捜査終結へ

10.兵庫県尼崎市のドラム缶遺体事件、連続遺体遺棄・行方不明事件に発展


昨年あまりにも大きな災害である東日本大震災そして福島第一原子力発電所事故を経験した翌年となった2012年、明るいニュースを求める気持ちと実際の明るい出来事が上位3位までの山中教授のノーベル賞、東京スカイツリー開業、ロンドンオリンピックのメダル獲得という投票結果に表れてきたのでしょうか。また、不安や不安定な世情が少しでも安定を求めるあまり、衆院選での自民党大勝をもたらしたのかもしれません。巨人の日本一が8位に入っているところが読売のランキングらしいですね。

【国際編10大ニュース】

では同じく読売新聞から国際編の10大ニュースをどうぞ。

1.米大統領選でオバマ氏が再選

2.中国共産党総書記に習近平氏

3.金正恩氏が朝鮮労働党第1書記に

4.英エリザベス女王の即位60年で祝賀行事

5.ミャンマー議会補選でスー・チー氏当選

6.露大統領にプーチン首相が当選

7.大型ハリケーン「サンディ」、米で死者100人以上

8.シリア内戦が泥沼化

9.NASA無人探査車が火星に着陸

10.スペインがユーロ圏に金融支援要請、欧州の財政・金融危機続く


今年の海外の10大ニュースの上位には、アメリカ、中国、北朝鮮のトップ交代が入りました。その他にもミャンマーのスー・チー氏やロシアのプーチン首相が入っていて、2012年はまさに世界も政治の年だったことがわかります。2013年は新しいリーダーのもとで新しい世界秩序の再構築に向けて様々な動きが表面化してくるでしょう。

【僕のブログの10大ニュース】

そして最後に独断と偏見で選んだ僕のブログの10大ニュースを発表します。

1.「ゼロからの出直し-全原発停止」・・・・・・・・5月7日記事

2.「絶望からの出発-自民圧勝の後に来るもの」・・12月17日記事

3.「アラブから日本へ-首相官邸前再稼働反対デモの重み」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6月25日記事

4.「米国が世界最大の産油国に」・・・・・・・・・11月13日記事

5.「過半の国民は原発に依存しない社会を望む」・・8月29日記事

6.「首相と反原発団体が面談 」・・・・・・・・・・8月23日記事

7.「豊田会長の「勇気」-美しき故郷発言」・・・・9月24日記事

8.「韓国のダイナミズム-女性大統領の誕生」・・・12月20日記事

9.「国会事故調の報告を蹂躙した大飯再稼働」・・・・7月6日記事

10.「党派を超えて脱原発を目指せ!」・・・・・・・11月26日記事


今年は僕にとっての最大のニュースは、何といっても5月5日に日本の54基の全原発が停止したことです。その後大飯原発の再稼働によって原発ゼロはほんの2カ月足らずで終わったのですが、それでも原発推進一辺倒だった国の原子力政策が岐路に立ったことは間違いありません。そして2番目のニュースは12月16日の衆院選挙による自民党の圧勝、それに続く安倍政権の誕生です。安倍政権は発足後矢継ぎ早に原発新設、再稼働、核燃料サイクルの継続を表明し、原子力問題の先送りを国民の脱原発の思いを完全に無視して強行することを「約束」しました。これほどの暴挙を許しているのは衆院選の自民党圧勝という結果を原発にまで国民が自民党政権に白紙委任状をくれたと勝手に解釈している彼らの独善です。このままではそう簡単に逆戻りするとは思いませんが、それでも3/11前の原子力推進体制に戻りつつあることは間違いありません。大量の放射能汚染によって今でも福島とその周辺の方々の苦難は続いています。安倍首相は福島入りして原発新設をほのめかしたそうですが、そんなことよりも福島の被災者を救うほうが先です。2013年は少しでもこの流れを止められることを期待するばかりです。
その意味で、今年のニュースの中でも官邸前デモの広がりや脱原発を求める大きな国民世論の動きなど勇気づけられる記事も取り上げました。

《参考》

・「今年の締めくくり10大ニュース」・・・・2011年12月31日の僕のブログ記事
  



2012年12月26日

【安定ヨウ素剤の事前配布】

原子力規制委が安定ヨウ素剤の事前配布を認める方向に舵を切っています。

『原発事故時の緊急被ばく医療体制を検討する原子力規制委員会の検討チームは25日の会合で、甲状腺被ばくを防ぐ安定ヨウ素剤を周辺地域の家庭に事前配布することで大筋合意した。配布範囲は原発の半径5キロ圏を軸に検討しており、30キロ圏についても今後議論を続ける。
 来年3月までに検討チームが正式に取りまとめ、原子力防災の枠組みを示した原子力災害対策指針に反映させる。配布の時期や手法については今後詰める方針。乳幼児は通常の錠剤ではなくシロップにして配る必要があるかなど検討課題も残っており、関係省庁と調整する。』(12月25日付共同通信)


【現実となる「次の原発巨大事故」】

活断層の再調査といい、この記事にある安定ヨウ素剤の事前配布にしても、原子力規制委員会が福島第一原発の核惨事での失敗を謙虚に反省し、国民の信頼を取り戻すために過去の過ちに真正面から向き合い、大事故の可能性に備えダメな原発は廃炉にして、事故が起こったときには大規模な放射能汚染への現実的な対応策を定めようと努力している姿勢はそれなりに評価できると思います。

しかしながら、こういう事故の可能性を前提にした対応策が次々と決められていけばいくほど何か釈然としないものを感じます。それは何か?それは自民党が政権に返り咲いてこれからも脱原発ではなく、原発推進の路線に逆戻りしていく可能性が高くなっていく中、原子力ムラの強固な体制は温存されたまま、フクイチで噴出した日本の原子力の構造的な問題点が解決されないままに、次の巨大事故への秒読みが始まっているのではないかということです。すなわち事故を起こさないための構造的な問題の解決は先送りされ、安全上の技術的な問題点や事故後の対応などの扱いやすい対応だけが優先されていかにも原子力の問題が解決されていくように糊塗されていっているのではないかという疑念です。

原子力という技術はフクイチで明らかになった通り、日本ではいったん巨大事故が起きれば国家が崩壊するほどの問題になるということを、自民党政権になる今こそ、僕ら市民は忘れてはいけないと思います。原子力規制委に対してもそういう目で監視し続けなければいけません。
  



2012年12月25日

【ノロウイルス流行】

急激な勢いでノロウィルスが日本列島を席巻しているようです。

『国立感染症研究所によると、今年は下痢や嘔吐(おうと)を起こす感染性胃腸炎の患者が多発している。全国の小児科で実施している定点調査(12月3~9日)では、1地点当たりの患者報告数が19.62人。同時期では過去10年間で06年に次いで多い。原因の大半がノロウイルスという。今回は新型が出現したことで、免疫を持っていない人が多いことも流行の背景にあるとみられている。

【質問なるほドリ】食中毒はどうやって防ぐの?=回答・八田浩輔

 もともとノロウイルスは、感染力が非常に強い。生ガキなどの貝類のほか、感染者の便や嘔吐物からもうつる。通常は発症から1~2日で治るが、乳幼児や高齢者など抵抗力の弱い人は重症化したり、吐いた物を誤って詰まらせ死亡したりする場合がある。

 厚生労働省は「予防が何より重要」として、手洗いの徹底を呼び掛ける。もし、吐いたものを処理する場合には塩素系漂白剤で、その場所を消毒すると効果がある。【河内敏康】』(12月23日付毎日新聞)


【油断は禁物】

実は僕自身もこの連休前にノロウィルスにやられてほぼ1日半、のたうち回っていました。もう情けないの一言です。12月に入ってから連日、パーティや忘年会に明け暮れて胃腸を休めることを怠ったことがノロウィルスの侵入を招いた最大の原因だと反省しています。ただ、軽かったのか、おう吐は一回、下痢も数回で収まり、胃腸科ですぐに点滴を打ってもらって24時間じっと寝ていたことが早い回復につながったようです。

しかしながら、油断は禁物。自分は回復しても家族や職場での感染の危険性を極力減らさなければいけません。特にお年寄りや小さな子どもたちは抵抗力が弱く、宮崎の集団感染のような例もありますので、手の消毒などの感染防止策を徹底して行う必要があると思います。この記事にあるように今年は新型のウィルスが蔓延しているとのこと、みなさん、これから1月にかけてが最大の流行期間と言われています。ご用心、ご用心。

  



2012年12月21日

【活断層の調査】

原子力規制委員会によって次々と原発の敷地内の活断層の調査が進められ、波紋を呼んでいます。

『20日、東北電力東通原発(青森県)の敷地内断層について「活断層」との見解を示した原子力規制委員会の専門家調査団。東通を含め規制委は関西電力大飯(福井県)と日本原子力発電敦賀(同)の3原発で現地調査を実施した。敦賀ではすでに現地調査団の結論が出て廃炉が濃厚となっているが、活断層の存在場所で影響は大きく異なる。3原発で危機感に温度差が出ている。

 大飯原発は稼働している原発であることなどから、最初の調査対象に選ばれ、11月2日に現地調査が実施された。調査会合では、現地調査で新たに見つかった地層の「ずれ」について、専門家の間で「活断層」「地滑りの可能性は否定できない」と見解が分かれ、規制委は年内にも再調査し活断層か判断する。

 活断層と判断されても原子炉直下の断層でないため廃炉となる可能性は低いが、設備の変更を迫られるのは必至で、唯一稼働している大飯原発が再び停止せざるを得ない状況になる。

 これに対し、廃炉の公算が大きくなっているのが敦賀原発。原子炉から約200メートルにある活断層「浦底断層」と連動して、2号機直下を走る「D-1破砕帯」が動くという5人の専門家調査団の見解が一致。活断層の上に原子炉を建てられないため、2号機の廃炉は濃厚となっている。さらに、1号機も稼働からまもなく43年で、運転期間「40年ルール」を厳格に適用すれば廃炉の可能性がある。

 東通原発は敷地内の「F-3」「F-9」破砕帯が20日の評価会合で活断層と判断された。だが、規制委の田中俊一委員長は「(敦賀の)浦底断層は一級の活断層。東通は原子炉直下でもない。どういう断層かよくみないといけない」と敦賀との危険性の違いについて言及した。』(12月21日付産経新聞)

【粛々と進めるべき】

報道によれば、活断層の評価については専門家の中でも意見が分かれることがありなかなか断定的に活断層と判断するとなると難しいようですが、それでも敦賀原発や東通原発ではほとんどの専門家が活断層だとの判断を示しています。いったい、それらの原発を着工する前の政府や電力会社の判断は何だったのかと疑念は深まるばかりです。推測するに福島第一原発の事故調査委員会のひとつが指摘したように、安全を判断するはずの政府の機関も原子力業界の「虜」になってしまって活断層による地震などほとんど起こらないと高をくくっていたのではないでしょうか。

マグニチュード9.0のような巨大地震が起こってしまった今、日本列島は以前にもまして活断層がいつ動くかもしれない「地震列島」に化していることは地震の専門家たちが認めています。福島だけでもとてつもない被害をもたらしているところに、ひとたび他の原発が地震に見舞われ、ひとつでも原発がメルトダウンや全電源喪失といった事故を起こし大規模な放射能汚染が起これば、日本は経済的にも社会的にも再起不能の事態に陥ることは必定でしょう。

大前研一氏は自身のメールマガジンで柏崎刈羽原発を襲った巨大地震でも無事制御棒が挿入され原発が安全停止した例を引き合いに出して、同氏が提案している冷源と電源が確保されていれば、冷温停止に持ち込むことが可能であり、活断層がどんなものであっても原子炉を停止させることが出来ると述べています。本当にそうなのでしょうか?フクイチでも原子炉は安全停止したものの4号機の燃料プールは半壊し今でも危機的な状況は変わっていません。すなわち、全電源喪失など想定を超えるようなことがおこるのが自然災害です。まして自然災害だけでなく電力会社のガバナンスや政府や原子力業界の体質など数え上げれば問題点があまりにも多すぎるなかでは大前氏のような楽観論には到底与することはできません。

活断層がある原発が全部だめだと言っているわけではなく、ちゃんとした科学的根拠に基づいて原子力業界の「虜」にならずに調査が進められ、適正な判断と今後の対策が立てられることが国民の望むことではないでしょうか。そういう調査が進められているかどうかをしっかりと監視することがメディア、政府、そして国民がすべきことだと思います。

そしてもうひとつ、原子力規制委は六ヶ所村再処理工場の活断層について徹底的に検証すべきだと思います。ここがやられれば世界最悪の事故になります。
  



2012年12月20日

【女性大統領の誕生】

お隣の韓国で与党セヌリ党の朴槿恵(パククンヘ)氏が女性初の大統領に選ばれました。

『両親を暗殺された「悲劇の娘」が、韓国初の女性大統領に上り詰めた。高度経済成長と民主化運動弾圧で功罪相半ばする朴正煕元大統領の娘という宿命を背負いながら、父にはできなかった「国民大統合」を目指す。
 朝鮮戦争中の1952年、南東部の大邱で生まれる。小学6年の時、父が大統領に就任。「国母」と呼ばれた最愛の母、陸英修氏の愛情を受けながら厳格に育てられ、弁当は麦飯だった。今も骨とう品のようなクーラーを使うという徹底した倹約家だ。
 「国の産業発展に貢献したい」と西江大学の電子工学科に進学し、理工学部を首席で卒業。大学教授を目指しフランスに留学中、母が銃撃で死亡し、運命は一転する。
 22歳から約5年間、ファーストレディー役として父を支え、政治感覚を磨いた。その父も79年、側近に暗殺される。「(北朝鮮と接する)前線に異常はないですか」。一報を聞き、真っ先に口にしたのは国の心配だった。
 失意の中で、隠とん生活に入ったが、アジア通貨危機をきっかけに政治を志し、98年に初当選する。2004年に保守系のハンナラ党代表に就任。不利な状況で行われた同年と今年4月の総選挙で善戦し、「選挙の女王」の異名を持つ。
 06年の統一地方選では遊説中に暴漢に顔を切りつけられ重傷を負った。07年の前回大統領選の与党予備選では李明博氏に惜敗した。
 熱烈な支持者が多い一方、朴政権の軍事独裁を批判する勢力の反発は今も残る。「信頼と約束を重視する原則主義者」で、柔軟性や親しみやすさに欠けるともいわれる。
 独身を通すが、選挙活動最終日の18日、こう呼び掛けた。「私には面倒をみる家族も、財産を譲る子供もいない。国民が私の家族で、家族のためにすべてをささげる母の気持ちで国民に尽くす」。』(12月19日付時事通信)


【韓国のダイナミズム】

日本の衆議院選挙から遅れること数日、野党だった自民党が獲得票は大差ではなかったものの地滑り的勝利を収めたのとは違って、7割を超える投票率の結果、与党党首が僅差で大統領の座を獲得した韓国は日本とは対照的な新しい「国のカタチ」を選びました。しかもそのリーダーは女性。ある意味、激情型の韓国らしいダイナミズムを感じさせます。

韓国も日本と同様、景気低迷、少子高齢化などの問題を抱えて政治のリーダーシップが求められているのですが、既成概念や縦社会のしらがみに身動きが取れなくなりつつある男中心社会の構造が変革を迫られているのは日本も韓国も同じだと思いますが、トップリーダーに女性を選んだ韓国の人々の選択眼と先取り精神に感心します。日本で本当の意味での女性のリーダーが政治だけでなく、社会の表舞台に出てくるのはまだまだ時間がかかりそうです。

ここ日本においては、自民党の大勝によって、またしても原発事故による子供たちの将来に不安を抱いたお母さんたちの抵抗は、縦社会や企業社会のしらがみにがんじがらめになって命さえも守れない日本の男たちによって厳しい試練に立たされることになるでしょう。それでも既得権益の虜になった男社会を変革できるのは女性のリーダーの台頭しかないと僕は思っています。女性大統領が誕生した韓国のこれからの動きを注目したいところです。  



2012年12月18日

【政権後退】

3年間の民主党政権の大失政の後に来たのは自民党の圧勝という悪夢でした。「政権交代」ではなく、またも「政権後退」です。

『第46回衆院総選挙は16日投開票され、自民党が単独過半数(241議席)を大幅に上回り、3年3カ月ぶりに公明党と政権復帰を確実にした。自民党の安倍晋三総裁は週明けの特別国会で第96代首相に選出され、2007年9月に辞任して以来の再登板となる。自民党は05年の郵政選挙以来の大勝で、公明党と合わせ参院で否決された法案を再可決できる3分の2(320議席)をうかがう勢いだ。

 一方、民主党は壊滅的な大敗を喫し、野田佳彦首相の党代表辞任は避けられない情勢。首相が掲げた比較第1党に遠く及ばず、1998年の結党時の93人も下回る壊滅的な大敗となりそうだ。日本維新の会は第3党の議席を確保する勢いで、みんなの党も躍進。日本未来の党は伸び悩んだ。』(12月16日付朝日新聞)


【原発推進、大増税、バラマキ】

選挙の結果は大手マスコミが選挙前に伝えていた電話アンケートなどによる世論調査の結果とほぼ同じになりそうです。自公の圧勝、維新のそこそこの躍進、民主大敗、その他の政党の敗北です。そういう意味ではネットで伝えられていたような大手マスコミの世論誘導というのは僕はあまりなかったと思っています。結果を見れば明らかです。

それにしても今回の国民の投票によって、日本には取り返しのつかない将来が待ち受けていると思います。民主党の大失政の後に消極的に自民党を選ぶしかなかったというのも事実かもしれません。しかしその選択は日本という国にとてつもないマイナスの影響をこれからもらたしていくでしょう。

先ずは、原発推進政策の復活です。自民党は選挙公約で述べていた通り、今後3年以内に次々と原発の再稼働を進め、エネルギー政策については10年間何もしないとしています。電力会社は選挙前まではダンマリを決め込んでいましたが、自民党が圧勝したことでどんどん原発再稼働に向けて政治的圧力を強めていくでしょう。いったんそういう方向になれば原発の安全などそっちのけで核燃サイクルも原発の再稼働も次々と進めていくでしょう。稚拙に情報がいろいろなところで漏れていた民主党とは違い、また重大な情報は官僚と密室で協議され隠されていくでしょう。思考停止したまま崖に向かって猪突猛進するネズミの群れと同じです。

次に大増税とバラマキです。自公民で決めた増税は予定通り進め、経済の回復のために、以前の自民党と同じように赤字国債発行、超金融緩和政策と併せて公共事業によるバラマキをまた復活させるでしょう。これは一時的には経済にカンフル剤となっても中長期的には財政のさらなる悪化を招くだけです。

そして最後に「国防軍」や「憲法改正」に象徴される国家の右傾化です。安倍総裁は2006年の首相就任時にもかなり右寄りの政策を次々と打ち出し、防衛庁を防衛省にしたのも安倍氏でした。あのときよりも今回は単独過半数というカードを持っていますので、もっと大胆な右傾化を進めていくでしょう。

でも、悲観的になりすぎるのはやめましょう。そもそも今の選挙の枠組みでは保守2党の民主・自民の交代しかありえなかったのです。そして今回は民主党政権前に戻り、原発事故の教訓からも何も学んでいない思考停止したままの無能な自民党が復活したと考えればいいのです。
原発に関して言えば、3/11を経た今、多くの市民は原発の怖さを知っています。どんなに大きな逆境であっても子どもたちの命を守るためには決して怯まない覚悟が多くの人々に出来ていると僕は期待しています。  



2012年12月14日

【今年の漢字】

今年の漢字は何に決まったのでしょうか?

『2012年の世相を表す「今年の漢字」に「金」が選ばれ、清水寺(京都市東山区)で12日、森清範(せいはん)貫主が特大の和紙に揮毫(きごう)した。

 財団法人・日本漢字能力検定協会(同市)が公募。25万8912通の応募のうち、最多の「金」は9156通だった。ロンドン五輪での日本選手団の活躍や、山中伸弥・京都大教授のノーベル生理学・医学賞受賞などの「金字塔」が打ち立てられたことや、消費増税や生活保護費の増大など金(かね)を巡る問題を理由に挙げた人も多かった。

 森貫主は「混沌(こんとん)とした暗い世相に一筋の光明を見つけ、頑張ろうとする日本人の気概を感じた」と語った。

 今年の漢字で「金」は2000年にも、シドニー五輪や金融機関の破綻・再編などを受けて選ばれている。』(12月12日付読売新聞)

【混迷の1年】

日本漢字検定協会の発表によれば、応募総数は25万8912票で、過去最多だった11年の約半分にとどまり、そのうちトップの「金」は9156票(3・54%)と総数に占める比率は過去最低で、協会は「混沌とした世相のせいか、今年は選ぶのが難しいという声が多く、票も分散した」とのことでした。因みに2位は「輪」(7867票)、3位は「島」(5054票)。4~10位は「領」「乱」「空」「政」「復」「輝」「国」と続いているとのこと。それぞれの漢字が今年の世相と現実を表していて興味深いですね。

もうひとつ付け加えれば、政治家や有名タレントなども自分にとっての「今年の漢字」を発表しています。たとえば、国民の大多数の反対を無視して大飯の再稼働を「決断」した野田首相の今年の漢字は「決」、ノーベル賞を受賞した山中教授にとってはびっくりの連続だったという意味で「驚」、お笑いタレントの有吉弘行にとっては「何とか今年も逃げ切れた」という意味で保身の「保」を選んでいました。笑えますね。

僕にとっても今年の漢字は、3/11以降国民の脱原発の思いとは裏腹にますます混迷の度合いを深める国の原子力政策の元凶である核エネルギーの「核」としたいと思います。総選挙の結果、自民中心の政権になればますます核独裁国家に突き進んでいくことになることを危惧しています。  



2012年12月12日

【集団提訴】

双葉病院から避難している途中に亡くなった患者さんのご遺族が東電に集団提訴を行いました。

『 東京電力福島第一原発事故を受けて福島県大熊町の双葉病院から避難している最中に死亡もしくは行方不明となった患者11人の遺族・家族が、来年2月にも東電に対して1人当たり約2千万円の死亡慰謝料などを求めて東京地裁に集団で提訴する。10日、取材に応じた代理人に就く弁護士によると、同病院の避難をめぐる提訴は初めて。原発事故に伴う避難で多くの尊い命が失われた患者に対する東電側への責任追及が始まる。
 弁護士によると、現段階で訴える意思を示しているのは避難中に亡くなった63歳から99歳までの男女10人の遺族と、避難の途中で行方不明になった1人の合わせて11人の遺族と家族。
 死亡した10人はいずれも震災関連死の認定を受けている。行方が分からなくなったのは認知症を患っていた女性で、混乱を極めた避難の途中で姿が見えなくなったという。家族が家庭裁判所に失踪宣告を申し立てているという。政府の原発事故調査・検証委員会は双葉病院からの避難に伴う死者を50人としている。原告団は全てを対象とする考え。請求する死亡慰謝料の1人当たり約2千万円は、交通事故で死亡した人の遺族に支払われる賠償金を基に算定した。
 弁護士は「東電はいまだに遺族に対する十分な謝罪をしていない。訴訟を通して尊い命を失う原因をつくった東電側の責任を明確にしていきたい」としている。』(12月11日付福島民放)


【悲惨な現場】

12月8日に放映されたNHKスペシャル「救えなかった命~双葉病院 50人の死~」は涙なしには見られませんでした。こんな悲惨なことがありとあらゆるものが揃い、現代文明の最先端を謳歌し、豊かさの絶頂にあるはずの日本で起こるなどと誰が想像したでしょうか。しかもこの病院の悲惨さは結果として多くの方が亡くなっただけではなく、3/11直後の原発事故の混乱の中で「なぜ患者を見捨てたのか?」と双葉病院の対応にいわれのない非難が殺到したことを記憶しておられる方も多いのではないでしょうか。事の経緯はその後双葉病院側に非があるわけではなかったとの報道や書籍の中で取り上げられました。

そして事故から2年近くが立とうとしている今、ようやく亡くなった方の遺族がこうして東電を提訴することになったのです。原発事故がいかに悲惨で、いったん起これば逃げることさえできなくなる厳しい現実を示したのがこの双葉病院の「事件」でした。電力会社も経産省も、御用学者も、自民党をはじめとする原発を推進してきた政治家たちも、大本営発表を垂れ流し続けてきた大手マスコミもこの悲惨な現実を二度と繰り返さないという反省と決意があれば、決して今後原発を動かしていくという結論にはならないはずです。

そして他人事と思っているあなた、双葉病院の事例はいつあなたに降りかかってくるかもしれない「今そこにある危機」であることを肝に銘じておくべきです。なぜなら、日本全国に散在する原発50基はあなたの街の100キロ~200キロ圏内にどこでも存在し、いったん大事故が起これば逃げ場はないからです。  



2012年12月11日

【活断層の疑い】

敦賀原発2号機の真下を活断層が横切っているという疑いが強まりました。

『 「今のままでは再稼働の安全審査はできないというのが、私の印象だ」。原子力規制委員会の田中俊一委員長は10日の評価会合でこう述べ、敦賀原発の再稼働を容認しないとの姿勢を強調した。

【敦賀2号機の廃炉不可避】直下「活断層の可能性」

 今回の判断は、「世界最高の安全規制」を目指す規制委にとって存在感を示した格好だが、現行法では事業者に運転停止や廃炉などを命じる法的権限はない。規制委事務局の原子力規制庁幹部も、委員長発言について「田中氏個人の感想」との見解を示しており、廃炉の判断は原電自身に委ねられる。

 原子炉等規制法では、「急迫した危険がある場合」に限って、「原子炉による災害を防止するために必要な措置を講じることができる」と規定。さらに、耐震設計をめぐる国の安全指針の手引でも「活断層の上に原子炉建屋など重要施設の建設は認めない」としている。

 しかし、「急迫した危険」の法解釈について、規制庁は「ミサイル攻撃や人工衛星の落下、火山の噴火など、明確に危険が予見できる場合」との見解だ。活断層の活動は1000年単位で起こるとされ、活断層を「急迫」と認定するのは困難とみている。さらに、国の手引も、建設時の許認可を念頭にしており、すでに建設されているものについては強制力はない。

 それでも、来年7月には、規制委設置法に基づき、既存原発にも最新の安全対策を課す「バックフィット制度」の運用が始まり、その延長で、活断層の影響があると認められた原発の運転を停止できるようになる。現在、敦賀原発は定期検査のために運転を停止している。

 「廃炉を命じるのは難しい」(規制庁幹部)との慎重論もあるが、田中委員長はこれまでの会見で「(活断層の可能性で)クロや濃いグレーなら運転停止を求める」と述べており、活断層と判断された場合は廃炉が不可避になるとの見方を示唆している。【中西拓司】』(12月10日付毎日新聞)

【権限がないから危険を放置していいのか】

驚愕するのはこの記事にある原子力規制庁幹部という匿名の発言です。規制委事務局の原子力規制庁幹部が、こともあろうに自分たちのボスである委員長発言について「田中氏個人の感想」との見解を示しているというのです。法律的に廃炉が困難と思うのなら何故その法律の改正を行って国民の生命・財産を守ろうとしないのか。「個人的な見解だ」などとうそぶいている場合ではないはずです。暴走する官僚の見本のような発言ではないでしょうか。

国民の生命や財産を二の次にして一部の利権や業者のために動く姿は旧来の原子力安全・保安院の姿と何ら変わりません。彼らは福島第一原発の核惨事の責任をまったく取らずにただ看板だけをすげ替えただけという事実をこんなところで暴露しているのです。言語道断だと思うのは僕だけでしょうか。

法律がないから、権限がないから、市民や国民の命が脅かされていても何もしない、そんな国家がどこにあるでしょうか。

もうひとつ付け加えれば、敦賀原発の東側には浦底断層という活断層が通っています。原発の直下を走っていなくてもこの断層の存在だけで敦賀原発は2号機だけでなく、すべて廃炉にすべきでしょう。さらに日本原電はこれほどの危険な原発を今まで嘘に嘘を重ねて活断層の存在を否定し、稼働し続けてきたのです。こんなデタラメな電力事業者を過去何十年も放置してきたこと自体、この国の原子力行政がいかにデタラメだったかを証明しています。もちろん、原子力安全神話を放置してきた自民党に政治的責任があることもこの敦賀の一件だけで明白です。

≪参考≫ ~浦底断層とは~

 福井県敦賀市立石岬付近から敦賀湾を横切り、滋賀県長浜市に至る「浦底-柳ケ瀬山断層帯」(約25キロ)の一部を構成する。70年代に複数の研究者が活断層の可能性を指摘し、91年出版の学術書「新編日本の活断層」では長さ約3キロの活断層として掲載されている。最近4000年以内に活動したと考えられている。
  



2012年12月06日

【菅直人氏が総理大臣として経験したこと】

「本当に原発ゼロでいいのか」と財界や大手メディアや大手雑誌社は言う。しかし、その人間たちは首都圏3千万人まで避難を余儀なくされるところまで紙一重だった福島第一原発の核惨事についてどう評価しているのか? もしそうなっていたら日本は国家としての存立さえ危うかったのだ。そういう国家の存立の危機さえ招く原発をこのまま維持するというほうが非現実的ではないのか?

ここで当時総理大臣としてフクイチ事故に対処した菅直人氏のコメントを引用したい。 (「東電福島原発事故 総理大臣として考えたこと」菅直人著 幻冬舎新書 p.190)

『「原発が稼働しないと日本経済にマイナスだ」と言う財界人は、もし福島原発事故で首都圏から3千万人が避難を余儀なくされていたら、どれだけ日本経済がダメージを受けたか検証したのか。その時には日本は大混乱に陥り、経済的にも、社会的にも、国際的にも国家存亡の危機に陥っていたこ...
とは間違いない。そしてこの最悪のシナリオは危機一髪、紙一重で回避されたもので、今でも同じような事故が絶対に起きないとは誰も言えない。まず、私たち日本人が経験した福島原発事故が、国家存亡の危機であったという共通認識を持ち、そこから再スタートすべきだ。それを忘れた議論、無視した議論はまさに「非現実的」な議論だ。』


菅直人氏のフクイチ対応にはさまざまな批判がある。しかし、少なくとも彼は国家の最高権力者として事故の拡大を食い止め首都圏の3千万人避難という事態は回避したのは事実である。菅直人氏が脱原発に転向したからといって国家存亡の危機を体験した事実は消えないし、フクイチの事故は国家存亡の危機だったという事実も消えない。財界も大手メディアも経産省も原子力ムラの人間たちはそこを菅直人氏の人間性等にすり替えて敢えて無視しているとしか思えないと感じるのは僕だけだろうか。もしそうでないと主張するなら、「自分はトップリーダーとして命を懸けてそういった原発事故は回避できる。」と公の場で発言してから「原発はほんとうにゼロでいいのか」と個人名で発言すべきではないか。

12月16日の投票前に3/11後に日本が直面した過去最大の国家的危機についてもう一度考えてもらいたいと思うのは僕だけだろうか。原発をどうするかは日本が今抱えるあらゆる問題に直結している。その解決を20年先でいいとするのか、現状のままでいいとするのか、即やめるとするのか、政治家は命を懸けて訴えてもらいたい。それが国民に対する最低限の責務であり、信頼回復の一歩だ。
  



2012年12月04日

【公示日】

いよいよ衆院選が公示され多党乱立の中、選挙戦が本格化します。

『4日の衆院選公示日に、野田佳彦首相(民主党代表)、自民党の安倍晋三総裁らが福島県内で第一声を上げる。通例では大票田の東京など都市部で行うことが多いが、東京電力福島第1原発事故の影響が残る福島から選挙戦を始めることで、東日本大震災からの復興や争点となっている原発政策への取り組みをアピールするのが狙いのようだ。

 首相は福島県いわき市から遊説を開始する。首相は「福島の再生なくして日本の再生なし」と繰り返しており、復興への取り組みを強調する。安倍氏は福島市で第一声を行い、午後には津波で大きな被害を受けた宮城県に入る。民主党政権の復旧・復興策は不十分と批判し、政権奪還による復興の加速を訴える。

 10年以内の完全廃炉の「卒原発」を掲げる日本未来の党の嘉田(かだ)由紀子代表は第1原発に近い福島県飯舘村から南相馬市などを回る。即時原発ゼロの社民党・福島瑞穂党首も同県会津若松市で第一声を上げる。

 一方、日本維新の会の石原慎太郎代表は代表代行の橋下徹大阪市長とともに大阪市内で選挙戦をスタートする。公明党の山口那津男代表は選挙区候補のいる横浜市、共産党の志位和夫委員長は東京・新宿のJR新宿駅西口、新党改革の舛添要一代表は東京・有楽町で遊説を開始する。

 みんなの党の渡辺喜美代表、新党日本の田中康夫代表はそれぞれ選挙地盤の栃木県那須塩原市、兵庫県尼崎市で支持を訴える。』(12月4日付産経新聞)


【過ちを繰り返すな】

政治家たちの甘言に惑わされてはいけません。

政権政党としてやってきた民主党。今でさえ政権公約ひとつ果たせないのに、2030年代の原発ゼロなどと自分たちが生きているかもわからない先のことができると思われますか?本当に電力労組の突き上げを断固拒否する肝はありますか?

野党として3年間冷や飯を食った自民党。何ら自己改革の努力もせず漫然と3年間を過ごしておいて、真剣な自己反省もなく10年かけて原発を見直す?冗談でしょう。10年もかけていたら、その前に次の原発の大事故を招いて日本は社会も経済も再起不能の状況に陥っているでしょう。そんな悠長な話ではないはずです。国民をだますのもいい加減にしてほしい。福島を招いたのは政官財の既得権益の「とりこ」となって安全をないがしろにしてきた自民党だったのは子供でもわかります。

日本維新の会。かつては大飯原発の再稼働に反対し、古賀氏や飯田氏をブレーンにして脱原発を推し進めるかと見られていた橋下市長は、石原氏と組んでからは、石原氏に振り回され後退と混乱の渦の中にあってまったく信頼を失いました。

残りの諸党はどんなに頑張っても第3極か第4極の勢力になれれば恩の字というところなので政治全体を一党で動かすような力は期待できません。したがって、どんな立派な政権公約を掲げていても、せいぜい自民、民主、維新の政権運営に都度いちゃもんをつけるだけに終わる可能性大です。

ではどうするか。僕としては自分の選挙区で支持できそうな政治家をピックアップし、その政治家の過去の行動を丹念に調べて信頼できそうかどうか判断すること、比例では脱原発を真剣に考えている政党を厳選して選ぶしかないと考えています。狙いは、脱原発を大きな流れにするために露骨な原発推進を掲げる自民党やそれに近い政党を外して、政党にとらわれず脱原発を真剣に考えている政治家を過半数以上の勢力にもっていくことです。あと2週間、政治家たちの真贋を見抜きましょう。  




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海や山、自然が好きな九州男児です。あらゆる機会をとらえて、時代の変化をいつも感じていたいと思っています。
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