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2011年09月09日

【経産省所管の財団】

日本エネルギー経済研究所が原子力や火力などの発電コストの試算を発表したそうです。

『経済産業省所管の財団法人・日本エネルギー経済研究所は31日、原子力や火力などの発電コストを試算した結果を発表した。

 原子力は1キロ・ワット時あたり7・2円、火力は10・2円となり、原子力のコストが火力より安くなった。

 電力10社と電力卸2社の有価証券報告書をもとに、2006~10年度の5年間平均の実績値を計算した。試算では、燃料再処理費や廃炉費用は、各社が積み立てている額などをベースにしており、「将来、実際にかかる費用とは異なる可能性がある」としている。

 東京電力の福島第一原子力発電所事故による賠償額を10兆円と仮定し、1965~10年度の46年間の発電コストに上乗せすると、1キロ・ワット時あたり1・3円が加わって計8・5円となり、火力との差が縮まる結果になった。』(8月31日付読売新聞)

【初めに結論ありき】

福島の核惨事を経験してもなおこんな初めに結論ありきのような試算結果を堂々と発表する政府系の調査機関の存在。そしてそれを何の検証もコメントもなしに垂れ流す大手マスコミ。本当に寒々としてしまいます。

この試算を発表した日本エネルギー経済研究所の理事長は経産省出身の元官僚です。日本という国は中立を装う研究機関の多くは政府の政策を正当化するために「初めに結論ありき」という試算結果や研究成果がいかに多いことか。こういう機関は潤沢な資金と人材と政府からのサポートで情報を独占し、よっぽど資金力や組織力がなければ市民の反論の余地すら与えないようになっている。

さらに大手マスコミもある意味こういった機関の発表を国民に「広報」することが使命だと思っているのか、真実が何かを伝える「報道」機関の役目などまったく果たしていません。この試算が本当に正しいのか自分で検証してコメントを付けることが出来ないなら、反証できる別の機関のコメントくらい同時に載せるべきでしょう。最近はそんなことさえしないでまさに大本営発表そのものです。報道機関などと言わずにわが社は政府の「広報機関」ですと言ってもらった方がまだわかりやすい。

僕はこんな反証なき試算結果や広報記事は到底信用できません。

【アメリカの凄さ】

その点、アメリカには日本よりはるかに信用できる情報があります。米国エネルギー省のエネルギー情報局(EIA)が2010年に公表した米国の新規発電所のエネルギー源別のコスト比較表があります。EIAは、政治的独立が制度的に保証されている専門機関であり、信頼性、中立性が高いと言われています。(「脱原発。天然ガス発電へ」石井彰著、アスキー新書 p.28-29から引用)

それによれば、米国における発電コストは従来型の石炭火力発電で94.8ドル、従来型のガスコンバインドサイクル発電で66.1ドル、改良型の原子力発電で113.9ドル、太陽光発電で210.7ドルとなっており、原子力発電は最も安い発電方法ではありません。しかもこの試算では原子力発電所の稼働率は90%と仮定しての話です。

米国と日本では単純比較はできませんが、重要なのは米国は政府機関でさえ独立した調査を行い、政府が原発推進であろうとなかろうとこのような試算結果を発表して国民に真実を知る機会を与えているということです。こういう努力がスリーマイルの原発事故をメルトスルーに至る前に回避したりする責任ある危機管理につながっているのだと思います。

政府の御用学者や御用機関まで総動員して真実を覆い隠し政府の原発政策をブルトーザーよろしくごり押ししてきた結果が福島の核惨事だということを政府や大手マスコミはもちろん日本エネルギー経済研究所も国民に懺悔して出直すべきだと思うのは僕だけでしょうか。  




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海や山、自然が好きな九州男児です。あらゆる機会をとらえて、時代の変化をいつも感じていたいと思っています。
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