2008年05月14日

【底なしの被害】

中国四川省で起きた大地震の被害が日を追うごとに拡大している。

日ごとに被害拡大-四川大地震『中国民政省は13日、中国南西部の四川省ブン川(せん)県を震源とする地震の死者が1万1921人になったと発表した。(ブンは、サンズイに「文」)

 国営新華社通信によると、四川省当局者が同日の記者会見で、死者は1万2000人を超え、負傷者が2万6206人に達し、9400人以上が生き埋めになっていると明らかにした。

 ただ、同省北川チャン族自治県を含む綿陽市一帯で、1万8645人ががれきの下に埋まっているとの新華社の別の報道もあり、被害は拡大する恐れがある。

 中国政府は同日、被災地に兵士と武装警官数万人を派遣したのに加え、民兵約2万人も投入、全国各地から集めた医療専門家によるチーム2000人とともに救援活動を本格化させている。だが、降雨のため、当初予定していた落下傘部隊の投入が中止になったほか、各地で道路が寸断されていることから、負傷者の救助や、がれきの撤去などの復旧作業は難航している。』(5月13日付読売新聞)


【巨大なエネルギー】

筑波大の八木勇治准教授らの分析結果によれば、今回の地震を引き起こした断層は、長さ約250キロにわたって2段階にわけて動き、地表近くで最も大きくずれたために被害の拡大につながったとの見方があり、地震の規模を示すマグニチュードは7・9で、その破壊力は、阪神大震災の30倍にもなるという。猛烈な地震エネルギーだ。

現在報道されている被害はわかっている範囲内のものであり、これから連絡がついていない被害地域の実態が明らかになれば今の何倍・何十倍もの死者や負傷者が出てくるものと予想される。

何十秒や何分という短い時間で甚大な被害を出す地震の恐怖を今回もまざまざと見せつけられた思いだ。被害に遭われている中国の方々へのお悔やみと生き残っている方々の早急な救援を祈るばかりだ。

【自然災害への備え】

それにしても自然災害はいつ何時やってくるのか予測がつかないことが多い。連日報道されているミャンマーのサイクロン「ナルギス」の死者は13日現在わかっているだけで、3万4273人、行方不明者は2万7836人に達していると言う。こちらは自分達の保身にしか関心のない軍事独裁政権が海外からの人的支援を拒否していることや、被災地の民衆が正確な情報をしらされていないため、被害のさらなる拡大を招いているようだ。

ミャンマー軍事政権のバックには中国がついていると言われているので゛、ミャンマーのサイクロンへの対応には沈黙している中国政府が、今回の四川大地震で自国民に対しては迅速な救援を行っているのと比較すると皮肉な結果となっていると言わざるを得ない。大自然がまるで中国に警告しているようなものだ。

それにしても、これほどの大災害が連続して別の地域で起こるというのは本当に恐ろしいことだ。特に中国は今後全土に百基近い原子力発電所を建設すると言われており、今回のような大地震が将来再発したとすると、国境を超えた大規模な放射能被害までもたらすことになるだろう。今回被害に遭った四川省も原発建設候補地だ。

日本とて対岸の火事ではすまされない。日本は世界有数の大地震国であり、台風銀座でもある。気候変動・地球温暖化の激化とともに、これからは大災害への備えが従来以上にもとめられることになるだろう。



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