2009年08月31日

【山、動く】

政権交代-真価問われる民主党ついに自民党王国が落城し、山が動いた。民主党が天下を取ったのだ。民主主義という体制のもとで、民意が選択した政権交代である。民主党の政権運営には不安がいっぱいというのも本音だが、これはこれでひとつの日本国民の下した判断なのだ。ひとまず、鳩山代表、そして民主党に「おめでとう」と言わなければならないだろう。しかし、正念場はこれからだ。



【思想なき政党】

政権交代-真価問われる民主党衆院選挙前の自民党と民主党のマニフェスト合戦もこれで勝負がついた。しかし、そのマニフェストを見ても果たして民主党も自民党も国家百年の計に立って、本当に日本国のために、しっかりとした思想と戦略を示していただろうか。多くの国民はそう思っていなかったのではないか。子育て支援や高速道路の無料化などバラマキ政策や、消費税先送りといった大衆迎合的なマニフェストばかりだったのではなかろうか。もっと国家運営の根本の部分、すなわち外交政策や教育といった国家戦略とも言うべき部分で明確な指針が示されただろうか。

答えは「否」である。こんなことでは、今後少なくとも数年間にわたって日本政治の混乱が続き、世界からの信頼はますます得られなくなるのではないかと危惧するばかりだ。

【米国の反応】

その危惧のひとつに米国との外交関係がある。衆院選の前から日米関係に影響を与えかねない「政権交代」の可能性について、米国ワシントンでは日本への関心が久々に高まっていた。

『ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、民主党を「中道左派」と位置づけ、「自民党は50年にわたり、おおむねワシントン主導の外交政策に従ってきたが、民主党は近隣諸国との結びつきや貿易を深め、米国とより対等な関係を目指すと主張している」と指摘、日本の外交姿勢が「米国の国益と反する」方向に変化する可能性を紹介した。

 米外交問題評議会(CFR)も27日、シーラ・スミス日本担当上級研究員による電話での記者会見で、「(米政府や議会など)ワシントンのほとんどの人々は、日米関係の説明に彼ら(民主党)が好んで使う『対等』という意味に頭を抱え込んでいる」と外交政策の不透明さに言及し、「オバマ政権は辛抱が必要になる」と指摘した。』 (8月28日付産経新聞)


この記事にあるように、米国政府は同じ名前の民主党政権でありながら、日本の民主党の外交政策の不透明さに疑心暗鬼が広がっているのだ。これからG8をはじめとする国際会議が目白押しとなるが、果たして米国政府のような日本の政権交代後の外交姿勢に不安を感じている国々に、民主党はきっちり外交交渉をしていくことができるのだろうか。官僚との対決姿勢ばかりが強調されてきたが、国の根本となる政策や基本方針については政権獲得後すみやかに内外に表明して、それらの不安を払拭することが必要だろう。そうでなければ国際社会の信頼を失い、漂流列島になってしまうだろう。

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