2010年02月05日

【政府が支援?】

ハウステンボスがいよいよ土俵際に立たされています。

瀬戸際のリゾート施設―ハウステンボス『大型リゾート施設「ハウステンボス」(HTB、長崎県佐世保市)の再建問題で、前原誠司国土交通相は30日、企業再生支援機構の活用を検討する考えを示した。遊説先の長崎県内で、報道陣に「企業再生支援機構の活用ができるかどうか、所管の菅(直人)副総理と相談して取り組みたい」と述べた。

 HTBを巡っては、大手旅行業エイチ・アイ・エス(HIS、東京都)が支援を検討しているが、高額の修繕費用などから断念の可能性が高まっていた。同機構の支援が得られれば、状況は大きく変わることになる。

 ただ、同機構の支援を受けるには、HTBが提出する再建計画の審査や資産の査定などがあり、認められるかは不透明。また現在の更生計画で決められた債務返済期限は3月末に迫っており、時間切れの可能性もある。

 前原国交相はこの日、佐世保市の朝長則男市長から再建支援を求める要望書を手渡されたことや、HISの沢田秀雄会長から電話で「(予想以上に多額の費用がかかり)対応しきれない」と言われた経緯を説明。両者それぞれに「国が支援できる制度がないか検討したい」と伝えたことも明かした。』(1月30日付毎日新聞)


【迫りくる期限】

瀬戸際のリゾート施設―ハウステンボスハウステンボスは、創業者である神近義邦がオランダ語で「森の家」を意味する「ハウステンボス」の名を冠して、オランダ400年の国づくりに学びながら、現在の時代を先取りする環境都市と生活ストーリーを作り、「人と自然が共存する新しい街」『自然の息づかいを肌で感じることのできる新しい空間』を目指して2千億円近い巨費を投じてつくられた町です。その規模は面積で東京ディズニーランドに匹敵します。1992年の開業当初はそのすばらしい景観やコンセプトに大勢の観光客が訪れ、1996年には425万人もの来場者を記録しました。

しかし、その後は人気に陰りが出て来場者が減少、2003年に会社更生法の適用を受けて破たんし、 今まで野村プリンシパル・ファイナンスが再建を進めていました。その努力もなかなか来場者数増加に結びつかず今回の事態に至っているのです。期待されていたHISによる支援もとん挫しかけており、3月末まで支援策が決まらなければ破産という事態に至ります。これは地元だけでなく九州全体にとっても大きな打撃となるでしょう。

【発想の転換】

僕も過去に何度もハウステンボスに観光に行きましたが、景観のすばらしさやゴージャスな造りなどには感動するものの、エンターテインメント性には乏しくどうしても足は遠のいていきました。実際野村プリンパルの運営になってからは一度も行っていません。やはりリピーターを増やすには東京ディズニーランドのような強烈な個性と仕掛けが必要なのでしょう。

はっきり言って、もうこれ以上日本人の客を呼び込むのは限界があると感じざるを得ません。後はリーマンショック前までそうだったように中国や韓国、台湾、香港などのアジア諸国からの来場者を如何に増やせるかでしょう。

であれば、日本の企業ではなく外資、それもアジアの資本に引き継がせて、特に中国系の人々を大量に呼び込む仕組みを創っていくしかないような気がします。果たして3月末までにそれが出来るか。今のような救済型の支援ではアジアの資本に引き継ぐまでの「つなぎ」と割り切るしかないのではないでしょうか。

思い切った発想の転換が必要になっています。




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