2010年06月16日

【始まった熱い「戦い」】

日本でも書籍の電子化を巡る熱い戦いがすでに始まっています。

いよいよ始まる書籍電子化を巡る争い『米アップルの情報端末「iPad(アイパッド)」が人気を集める中、書籍を安く電子化し、iPadなどで読めるようにする業者が現れた。

 個人が私的にコピーする以外の複製は著作権法で禁じられており、日本文芸家協会は、著作者が出版社に委託した複製権の侵害にあたるとして業者への抗議を検討している。

 東京のある業者は4月、本を裁断して1ページごとにスキャナーで読み取り、PDFと呼ばれる電子文書形式に変換するサービスを始めた。本の送料は自己負担だが、1冊分のデータを100円でホームページからダウンロードできるサービスが評判を呼び、注文が殺到。スキャナーの台数などを増やしたが、注文から納品まで3か月待ちという。

 業者は「個人が複製するのは合法。個人の依頼を受けて代行しているだけで、著作権法違反ではない」と主張する。都内の別の業者も5月末に営業を始め、2日間で200人以上の申し込みがあったという。

 一方、日本文芸家協会の三田誠広・副理事長は「営利目的の業者が利益を得るのは、たとえ私的複製でも複製権の侵害」と主張する。

 著作権問題に詳しい福井健策弁護士は「私的複製は個人が自ら行うのが原則。代行は基本的に認められず、私的複製と言うのは難しい」と話している。』(6月12日付読売新聞)


【電子化を阻むもの】

アメリカやヨーロッパの一部の国々においては、キンドルの登場によって、書籍の電子化が市民レベルにまで急速に広まっています。それは英語という言語で書かれた書籍が中心で、それらの国々では書籍の電子化がすでに相当広まっていたのです。

ところが、iPadが上陸した日本では書籍の電子化に関しては相当事情が異なっているようです。ご存じの通り、一部の雑誌や新聞などは電子化によってすでにiPadでも読めるようになっていますが、大半の日本の書籍は日本語で書かれているという理由だけでなく、別の理由でまだまだiPadで即読めるというかたちにはなっていません。

なぜか?もちろん、その第一の理由はこの記事にもある著作権の問題です。とりわけ、著作権の二次使用の問題、すなわち、出版社が作者から電子化の許諾を得ていないという問題が大きく聳え立っていることがあります。

そしてもうひとつの問題は、日本では本の流通の仕組みや権利関係が複雑だということです。例えば、本の卸売をしている取次業者にとっては本の電子化で自分たちの仕事が奪われるという危惧もあって、電子化には極めてネガティブなのです。

しかし、時代は変わりつつあります。今回の業者のように次々とニッチの商売を狙って日本の流通網や著作権のしらがみをかいくぐっていく業者が増えてきて、それが消費者のニーズにマッチし、支持されるようになればベルリンの壁のように古い業界の壁など一瞬のうちに消滅してしまう日が訪れるでしょう。

本の電子化を巡る動きは、これから見逃せないですね。



タグ :電子書籍

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