2010年08月19日

【緊急提言】

大学生の就職難は本当に深刻なようです。

新卒偏重からの脱皮―就職難の打開策『日本学術会議の検討委員会(委員長=北原和夫・国際基督教大教授)は、深刻な大学生の就職難が大学教育にも影響を与えているとして、地方の大学生が大都市で“就活”する際の宿泊・交通費の補助制度など緊急的な対策も含んだ提言をまとめた。

 17日に文部科学省に提出する。企業側が、卒業して数年の「若年既卒者」を新卒と同様に扱うことや、早い時期からの就業体験も提唱。学業との両立のためのルール作りも提案している。文科省は、産業界の協力も得て、提言を現状改善につなげる考えだ。

 提言は大学教育の質の向上を目的としたものだが、就職活動に労力と時間を取られ、それが学業にも悪影響を与えているとして、就業問題の解決策に踏み込む異例の内容となった。

 具体的には、大学側に、卒業後3年程度は就職先の仲介や相談といった就職支援体制をとることを求め、企業側には、若年既卒者も新卒者と同枠で採用対象とするよう求めた。さらに、平日は学業に集中し、就職活動は週末や長期休暇期間に集中させるルール作りなど、大学と企業側が協力しての対策にも言及している。

 5日発表の文科省の学校基本調査では、大学を今春卒業したが就職も進学もしなかった「進路未定者」が5年ぶりに10万人を突破した。今回の提言では、「新卒優先」の日本の労働市場の構造が大学生の就職問題を一層過酷なものにしていると指摘している。』(2010年8月15日付読売新聞)


【奪われる勉学・研究の時間】

それにしても、最近の大学生は就職活動に振り回されて大変だと前々から思っていました。というのは、僕らが大学生のときに就職活動を始めたのは4年生の夏くらいだったのに比べると、今の大学生は3年生になるとすぐに就活を始め、早い人では4年生の5月くらいには内定を取ってしまうというのが実態です。もちろん、内定が取れない学生は4年生の間中、さらにはその後も就活がすべてとなり勉学どころではなくなるのです。

もともとは大学のカリキュラムでは1年・2年で基礎的な科目を履修し、3年・4年で専門科目を研究するのが通常のパターンではないでしょうか。そうすると、最近の学生は何ら専門について深く勉学する機会を奪われていることになります。

大学4年間というのは、長い人生の中においてはひとコマにすぎないかもしれませんが、そのときの勉学・研究はこれからの自分の人生の指針や方向性につながるものです。

そういう意味でも、今回の学術会議の提言は大事なことですし、企業側も真剣に大学生の就職に関わる支援体制を改善してもらいたいものです。それがひいては日本の大学や日本そのものの競争力の強化にもつながるのではないでしょうか。新卒偏重というのも、人材を狭い視野でしか捉えていないことのひとつの証拠ではないかと思いますが、みなさんはどう思われますか?


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