2011年08月22日
【首相への異例の週刊誌インタビュー】
首相在任中の週刊誌へのインタビュー記事掲載は異例だそうです。
『菅直人首相は9日発売の週刊朝日のインタビュー記事で、自らの在任中に原子力安全・保安院を経済産業省から分離する原子力行政の抜本改革の道筋を付けたい考えを示した。
首相は東京電力福島第一原子力発電所事故の発生について「私が総理の職にある時に、原発事故が起きて、原子力行政の問題があぶりだされたのは、何かの巡り合わせだ」との認識を強調。自らの退陣に関しては「いずれ去る日が来るその時まで、言うことは言い、やるべきことはやりぬきますよ」と語った上で、「どうにか原子力行政の抜本改革の道筋は付けたい。これがいまの率直な思いです」と述べている。
日本の原子力行政については「今回の事態に対し、すでに対応力を失っています。推進側と規制側が同じ資源エネルギー庁内にある」との問題認識を示した。さらに、「原子力安全庁の新設を急ぎ、監督する側・される側の同居構造を打破しなければなりません」と訴えた。
経済産業省や電力会社など「原子力村」と言われる原発を推進してきた勢力について「政界には財界や労働界を通して、メディアには電力会社が広告を出すことで、広く網をかぶせてきました」と指摘。自らについても「その中に結局いた点で、私も反省しなければなりません」と自己批判した。』(8月9日付ブルームバーグニュース)
【本音を語った菅首相】
僕もこの週刊朝日の独占インタビューを読みましたが、菅首相に対する様々な批判は批判として、菅首相が福島第一原発を巡る対応で一国のトップとして刻々と重大な決断を迫られ、背筋も凍るような経験をしたこと、東電や経産省などから上がってくる情報の真偽がわからず物凄い困難を強いられたこと、脱原発を国民に提起するに至った変化などが赤裸々に語られており、非常に参考になるものでした。これを読めば、菅降ろしを画策しているのが誰でどういう意図を持っているかある程度推測できるのではないかと思います。
原発を巡る発言でいくつか印象に残った重要な個所を取り上げたいと思います。
1. 原発への考え方を変えた理由
(菅首相の発言) 『地震・津波・原発の「3重のリスク」を負っている場所は、米国西海岸と日本列島と、世界に2か所しかありません。しかも日本は広大ではないので、原発事故が最悪のケースになれば、国家の機能が停止してしまいかねません。従来考えていた安全性の発想では、そんなリスクには耐えられないでしょう。そういうことを踏まえると、原発依存度を下げて、原発に頼らなくてもいい社会を目指すのが一番の安全性じゃないか、と考えが変わりました。』
・ここに菅首相の原発に対する考え方が変わった理由が凝縮されています。それは日本という地震大国に原発のリスクはあまりにも大きすぎるということです。経産省や電力会社そして御用学者たちはこの地震に対する原発の脆弱性をあらゆる機会をとらえてごまかし続けてきた結果が今回のフクシマだったということを思い知るべきだと思います。もちろんそれに無批判に迎合しつづけている政治家達も同罪です。
2. 経済界が脱原発の方針に反対していることについて
(菅首相の発言) 『これは、新しい産業革命です。20世紀は、エネルギー消費の伸びと、GDPの伸びはほぼ比例していました。でも、21世紀は違う。電力消費を減らす努力が、GDPを伸ばすことにつながる。例えば、LED電球にしてもヒートポンプにしても、省エネの方向に技術革新を進めた方が世界的な競争で優位に立ち、GDPも伸びるんです。』
・これもまっとうな認識でしょう。今の体制を何が何でも守りたい経団連をはじめとする旧体制側の企業や組織は新興勢力の新しい動きを抑え込もうとしていますが、新しい産業を興していこうとする企業も増えてきています。未来が見えるのはどちらでしょうか。
3. 総理の方針は「個人的見解にすぎない」という批判について
(菅首相の発言) 『私の仕事の進め方やガバナンスについて批判があることは、自覚しています。ただ私は、(国民にとってなにがいいか悪いか)で判断をしています。じゃあ、「脱原発依存や、原発再稼働のストレステストは、やらないほうがいいのか」ということです。そういう本質的な議論はなくて、「思いつき」といった手続き話に論点がすり替わっていませんか。そういう矮小化によって、何を守りたいのでしょうか。私の見解は、国民の間ではもう当然に考え方になりつつあるのに。』
・これも原子力ムラとのシラガミもなく、フクシマという修羅場を自ら経験した菅首相だからこそハッキリと言える言葉だと思います。経産省や電力会社など原子力を推進する人たちは国民の安全などこれっぽっちも考えていないというのが真実でしょう。だからこそ、原発の再稼働を何が何でも急ごうとしているのです。本当に住民の安全を確保するつもりなら津波に対する応急措置だけでなく地震対策や事故が起こった後の対策なども含めて、あらゆる手立てを整えてからというのが本当でしょう。それを正直に言わずに誤魔化せばまた嘘の上塗りで国民と国家が破滅に瀕するだけでしょう。
これらは菅首相のインタビュー記事の一部ですが、是非全体を通して読んで、菅首相が脱原発を目指すに至った理由についてしっかりと各自、自分で理解してほしいと思います。
首相在任中の週刊誌へのインタビュー記事掲載は異例だそうです。

首相は東京電力福島第一原子力発電所事故の発生について「私が総理の職にある時に、原発事故が起きて、原子力行政の問題があぶりだされたのは、何かの巡り合わせだ」との認識を強調。自らの退陣に関しては「いずれ去る日が来るその時まで、言うことは言い、やるべきことはやりぬきますよ」と語った上で、「どうにか原子力行政の抜本改革の道筋は付けたい。これがいまの率直な思いです」と述べている。
日本の原子力行政については「今回の事態に対し、すでに対応力を失っています。推進側と規制側が同じ資源エネルギー庁内にある」との問題認識を示した。さらに、「原子力安全庁の新設を急ぎ、監督する側・される側の同居構造を打破しなければなりません」と訴えた。
経済産業省や電力会社など「原子力村」と言われる原発を推進してきた勢力について「政界には財界や労働界を通して、メディアには電力会社が広告を出すことで、広く網をかぶせてきました」と指摘。自らについても「その中に結局いた点で、私も反省しなければなりません」と自己批判した。』(8月9日付ブルームバーグニュース)
【本音を語った菅首相】
僕もこの週刊朝日の独占インタビューを読みましたが、菅首相に対する様々な批判は批判として、菅首相が福島第一原発を巡る対応で一国のトップとして刻々と重大な決断を迫られ、背筋も凍るような経験をしたこと、東電や経産省などから上がってくる情報の真偽がわからず物凄い困難を強いられたこと、脱原発を国民に提起するに至った変化などが赤裸々に語られており、非常に参考になるものでした。これを読めば、菅降ろしを画策しているのが誰でどういう意図を持っているかある程度推測できるのではないかと思います。
原発を巡る発言でいくつか印象に残った重要な個所を取り上げたいと思います。
1. 原発への考え方を変えた理由
(菅首相の発言) 『地震・津波・原発の「3重のリスク」を負っている場所は、米国西海岸と日本列島と、世界に2か所しかありません。しかも日本は広大ではないので、原発事故が最悪のケースになれば、国家の機能が停止してしまいかねません。従来考えていた安全性の発想では、そんなリスクには耐えられないでしょう。そういうことを踏まえると、原発依存度を下げて、原発に頼らなくてもいい社会を目指すのが一番の安全性じゃないか、と考えが変わりました。』
・ここに菅首相の原発に対する考え方が変わった理由が凝縮されています。それは日本という地震大国に原発のリスクはあまりにも大きすぎるということです。経産省や電力会社そして御用学者たちはこの地震に対する原発の脆弱性をあらゆる機会をとらえてごまかし続けてきた結果が今回のフクシマだったということを思い知るべきだと思います。もちろんそれに無批判に迎合しつづけている政治家達も同罪です。
2. 経済界が脱原発の方針に反対していることについて
(菅首相の発言) 『これは、新しい産業革命です。20世紀は、エネルギー消費の伸びと、GDPの伸びはほぼ比例していました。でも、21世紀は違う。電力消費を減らす努力が、GDPを伸ばすことにつながる。例えば、LED電球にしてもヒートポンプにしても、省エネの方向に技術革新を進めた方が世界的な競争で優位に立ち、GDPも伸びるんです。』
・これもまっとうな認識でしょう。今の体制を何が何でも守りたい経団連をはじめとする旧体制側の企業や組織は新興勢力の新しい動きを抑え込もうとしていますが、新しい産業を興していこうとする企業も増えてきています。未来が見えるのはどちらでしょうか。
3. 総理の方針は「個人的見解にすぎない」という批判について
(菅首相の発言) 『私の仕事の進め方やガバナンスについて批判があることは、自覚しています。ただ私は、(国民にとってなにがいいか悪いか)で判断をしています。じゃあ、「脱原発依存や、原発再稼働のストレステストは、やらないほうがいいのか」ということです。そういう本質的な議論はなくて、「思いつき」といった手続き話に論点がすり替わっていませんか。そういう矮小化によって、何を守りたいのでしょうか。私の見解は、国民の間ではもう当然に考え方になりつつあるのに。』
・これも原子力ムラとのシラガミもなく、フクシマという修羅場を自ら経験した菅首相だからこそハッキリと言える言葉だと思います。経産省や電力会社など原子力を推進する人たちは国民の安全などこれっぽっちも考えていないというのが真実でしょう。だからこそ、原発の再稼働を何が何でも急ごうとしているのです。本当に住民の安全を確保するつもりなら津波に対する応急措置だけでなく地震対策や事故が起こった後の対策なども含めて、あらゆる手立てを整えてからというのが本当でしょう。それを正直に言わずに誤魔化せばまた嘘の上塗りで国民と国家が破滅に瀕するだけでしょう。
これらは菅首相のインタビュー記事の一部ですが、是非全体を通して読んで、菅首相が脱原発を目指すに至った理由についてしっかりと各自、自分で理解してほしいと思います。
この記事へのコメント
週間朝日、買いに走ります!
Posted by komorebigarden at 2011年08月23日 09:06
もう先週なのでないかも・・・なければ該当記事をPDFで送りますよ。
Posted by luckymentai at 2011年08月23日 09:17
はい、残念ながら、もうありませんでした!
ネットの記事も削除になっているようで・・・。
もし宜しければPDFを!あつかましいお願いで恐縮です。
Posted by komorebigarden at 2011年08月23日 17:34
今日お送りしましたよ~
Posted by luckymentai at 2011年08月24日 22:46
luckymentaiさん、pdh記事有難うございました!
回覧してます~。
Posted by komorebigarden at 2011年08月28日 21:52