2009年12月18日
COP15の閉幕まであと1日。刻一刻と終幕が近づく中、政治合意が出来るのかどうか最後まで予断を許さない状況が続きそうだ。

日本の小沢鋭仁(さきひと)環境相は同日の記者会見で、途上国の温暖化対策を支援する「鳩山イニシアチブ」として2010~12年の3年間に総額150億ドル(約1兆3400億円)を拠出すると表明した。
米政府も同期間に「森林減少・劣化からの温室効果ガス排出削減(REDD)」の取り組みに対し10億ドル(約900億円)を拠出すると発表。産業分野の排出規制は法改正など困難を伴うため、日本など先進国の多くはREDDへの参加を表明している。
すでに10~12年に総額72億ユーロ(約9400億円)の途上国支援を行うと表明している欧州連合(EU)はアフリカ連合(AU)と同日、合同で記者会見。エチオピアのゼナウィ首相が「13~15年に最大で年500億ドル(約4兆5千億円)、16~20年に少なくとも年1000億ドル(約9兆円)の途上国支援を行う基金を設立する」と提案したことについて、欧州委員会のバローゾ委員長は「EUは見解を共有する」と歓迎した。
支援の半分は温暖化で水没の危機にひんする島嶼(とうしよ)国や干魃(かんばつ)が進むアフリカの支援に充てる考えだ。昨年の金融・経済危機で先進国は財政赤字が膨らみ、13年以降の資金援助に関しては公的資金からの拠出は厳しい状況だ。ゼナウィ首相は「公的資金ではなく温室効果ガス排出にかかる税金や排出量取引で生じた利益で基金を設立する」と述べ、EUも賛意を表明した。』(12月17日付産経新聞)
【根深い対立】
それにしても途上国と先進国との対立は根深いものがある。予想されていたとは言え、これほど南北対立の根深さが中長期的に地球上の生物に壊滅的な被害を与えるであろう気候変動というとてつもない危機を目の前にしても政治合意を阻み続けているのだ。
危機を予見する科学者や高いモラルを持った知識人や政治家、経済人たちが危機回避のための行動を呼びかけても、人類全体としては南北の貧富の格差や政治的打算や短期的な経済上の利益のために半歩先さえも進めなくなるという現実。これでは突然の氷河期到来で絶滅したマンモスなどと同じ運命を辿らざるを得なくなるだろう。そして恐ろしいのは、そうした事態が自分たちの世代で起こる確率が高まっているということだ。
【総論賛成・・・】
今年7月のイタリア・ラクイラでのG8サミットで「世界全体の平均気温の上昇が2度を超えないようにすべきとの科学的見解を共有する」との宣言に続いて、新興国・途上国も加わった主要経済国フォーラムでの気候変動に関する首脳宣言でも同じような文言が発表された。南北の国々が気温上昇の危険性を認識し、2度を超えないようにするというのは画期的なことだったのに・・・・・いざ具体論になると振り出しに戻ってしまうもどかしさ。

ご無沙汰しています。COP15を私は、Twitter で注目しております。
日本は、「枠組みに合意しに来ました。この合意は、すべての主たる排出国が、責任を果たすものです。この目的のために、日本は 2020年までに 25% の削減を明言しました。公正で有効な 2012年以降の枠組みを、野心的なターゲットに則って作りましょう。」 #COP15ja
と呼びかけていますが、どうもあとひとつ存在感が出ないとレポーターが。
Posted by 富山通りもん at 2009年12月18日 08:32
富山通りもんさん、お久しぶりです。お元気ですか。ようやくここにきて冬らしい冬の寒さになってきていますが、富山はいかがですか。
COP15が示しているのは、国境を超えて広がるCO2禍に、国境の中だけで考える人間たちがいくら話し合っても解決策は出てこないということかもしれません。なにか別の枠組み、別のやり方をやらないともう本当に間に合わないと思います。現実の社会には救世主やウルトラマンはいませんから、ただもどかしいばかりですね。
Posted by luckymentai at 2009年12月18日 22:43