2011年05月02日

【決意と涙の辞任】

4月.29日に福島原発の放射線量基準について衝撃的なニュースが出てきました。

決意の辞任―放射線と学者生命『内閣官房参与の小佐古敏荘(こさこ・としそう)・東京大教授(61)=放射線安全学=は29日、菅直人首相あての辞表を首相官邸に出した。小佐古氏は国会内で記者会見し、東京電力福島第1原発事故の政府対応を「場当たり的」と批判。特に小中学校の屋外活動を制限する限界放射線量を年間20ミリシーベルトを基準に決めたことに「容認すれば私の学者生命は終わり。自分の子どもをそういう目に遭わせたくない」と異論を唱えた。同氏は東日本大震災発生後の3月16日に任命された。
 小佐古氏は、学校の放射線基準を年間1ミリシーベルトとするよう主張したのに採用されなかったことを明かし、「年間20ミリシーベルト近い被ばくをする人は原子力発電所の放射線業務従事者でも極めて少ない。この数値を乳児、幼児、小学生に求めることは学問上の見地からのみならず、私のヒューマニズムからしても受け入れがたい」と主張した。

 小佐古氏はまた、政府の原子力防災指針で「緊急事態の発生直後から速やかに開始されるべきもの」とされた「緊急時迅速放射能影響予測システム(SPEEDI)」による影響予測がすぐに運用・公表されなかったことなどを指摘。「法律を軽視してその場限りの対応を行い、事態収束を遅らせている」と述べた。

 記者会見には民主党の空本誠喜衆院議員が同席、「同僚議員に20ミリシーベルトは間違いと伝えて輪を広げ、正しい方向に持っていきたい」と語った。空本氏は小沢一郎元代表のグループに所属する一方、大震災発生後は小佐古氏と協力して原発対応の提言を首相官邸に行ってきた。菅首相は大震災発生後、原子力の専門家を中心に内閣官房参与を6人増やしている。』(4月29日付毎日新聞)


【学者の良心、それとも】

今回の騒動を含め、最近の東京での原発対応のニュースを見ていると、3月11日の事故発生直後の数日間と比べて、福島第一原発を巡る事故対応に現場の方々は別として東京の原子力関係機関や官邸、政治家には少し緊張感に緩みが出てきているのではないかと疑いたくなってきます。

小佐古教授という専門家の先生が涙を流して決意の会見を行ったことにウソはないのでしょう。それは信じたいです。なぜなら子供たちの命を守りたいという気持ちからとご本人が説明しているからです。

しかしながら、もしもそこに菅政権に対する政治的思惑が後ろに働いているとしたら、話は別問題です。民主党内部の不協和音や自民党など野党の菅おろしの動きなど、このところ国会中継やメディアの取材が政治家にも向き始めたことで、政治の世界の醜悪さがひときわ目立つようになりました。

これほどの国家的危機が来ても相も変わらず繰り返される政争、茶番劇。菅政権の地震・津波・原発対応はとても政府の体をなしていないところもたくさんありますが、だからといって誰が担えるかというと今の政治家や政治状況からは全くといっていいほど適任者は見えてきません。それにもかかわらず「菅おろし」ばかり画策して、自ら総理になろうという政治家も出てこないのでは政治全体に不信感がますます募るのも無理はないのではないでしょうか。政権内も政権外も政治家には猛省を促したいと思います。このままでは本当に日本沈没です。

最後に政府は小佐古教授の決意の辞任を受けても小学校の放射線基準を年間20ミリシーベルトで変更しないと発表しました。この決定が本当に福島の子供たちの命を考えての決定なのか、本当に、本当に心配です。


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