2012年06月13日
原子力委員会が秘密会のメールを公開しました。

昨年11月14日のメールは、事務局を務める内閣府原子力政策担当室が電力10社で作る「電気事業連合会」や高速増殖原型炉「もんじゅ」を運営する「日本原子力研究開発機構」関係者らに発信した。「策定会議や小委の準備のため勉強会を設置します」と記され、1回目(昨年11月17日)の議題は「六ケ所再処理工場を止めた場合のデメリット」「フェードアウトシナリオ(将来原子力依存度をゼロにする政策)となった場合のデメリット」。現行政策を見直した場合の負の側面だけを議論する偏った内容だったことが分かる。
1回目を含め4回秘密会議に出席し、策定会議議長を務める近藤駿介原子力委員長(69)は毎日新聞の取材を拒否した。拒否理由は明らかにせず、内閣府職員を通じて「メールの存在さえ知らない」と回答した。
小委員会は識者ら7人で構成され、核燃サイクル政策の見直しについて先月、取りまとめを終え解散した。この7人に近藤委員長ら20人を加えた計27人が策定会議のメンバーで、原子力政策大綱策定に向け幅広い議論をしていたが、秘密会議の発覚で次回開催のめどさえ立っていない。原子力委は発覚後「順次資料を公開する」とし、4日には出席者名などを明らかにしていた。【核燃サイクル取材班】』(6月11日付毎日新聞)
【権力は腐敗する】
自らの権益擁護のためには、どんなことでもやってのけるようになったら、もうそれは権力の腐敗以外の何物でもありません。「権力は腐敗する、絶対権力は絶対腐敗する」という言葉通りの原子力委員会の秘密会議の状況が明らかになりつつあります。
ただ、ひとつだけ光明もあります。それは、このような状況が暴かれるようになったということは、もちろん毎日新聞のスクープがあったからなのですが、その背後には原子力を推進してきた面々の中からも「このままではいけない」と考える人たちが出てきて、膿を出そうと情報をリークしているのではないか、内部では相当の暗闘があるのではないかとも考えられることです。
もちろん、先週の野田首相による大飯の再稼働決定記者会見を聞けばわかるとおり、大きな原発維持の流れは揺らいでいないことも事実です。権力が腐敗して、その権力、既得権益集団だけが自滅するのが早いか、次の大事故が起こって国家そのものが機能停止するのが早いか、やっぱり、ニッポンという国土しかよって立つ所がない僕たち市民は、国家そのものの破局を招くわけにはいきませんので、なんとかこの腐敗した人間たちの暴走を止めなければならないことは言うまでもありません。
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