2008年07月18日
【ボストンの友人】
10日にお伝えした福岡市美術館で開催されるボストン浮世絵展の続報です。そう、あのアメリカの友人と会うことが出来ました。彼女に会うのは数年ぶりでしたが、元気そうでなによりでした。家内と二人で博多駅近くのレストランで食事をする時間が取れたのです。イギリスから帰国した日の夕刻、博多駅前の博多駅商店連合会17番飾り山の前で待ち合わせました。
まだ、時差ぼけでぼんやりしたままの状態でしたので、レストランでの食事も結構辛かったのですが、久しぶりに海外から遠路はるばる来た友人です。そんなことは言ってられません。そして期待に違わず、彼女は福岡での展覧会の仕事をしっかりとこなし、ボストン美術館に関するいろいろな話をしてくれたのです。
【偉大なボストン美術館、そして友人】
ボストンは米国東海岸にあるマサチューセッツ州の州都で60万人の人口を擁する都市で、17世紀に英国からやってきた清教徒たちが創った歴史と伝統のあるヨーロッパ的な町並みが印象的です。この街には、あの有名なハーバード大学やマサチューセッツ工科大学(MIT)などとともに今回浮世絵を福岡に持ち込んでいただいたボストン美術館もあります。
そのボストン美術館について、日本人の僕達にとっては新鮮な感動を与えるような話を彼女は語ってくれました。その一部を紹介します。
1. ボストン美術館は、1870年に地元の有志によって全くゼロから民間で立ち上げ、今でも政府や地方自治体などからの補助金にもたよらず、民間で運営されていること。(日本の大半の大美術館が公的なものであるのと大違いです)
2. そして、今回の浮世絵など夥しい数の日本の古美術品のコレクションは、動物学者のモース、研究者のフェノロサ、医師のビゲローの三人が大いに貢献していること。
3. さらには、それらの日本の美術品の修復や維持管理は、何代にもわたる美術館の美術品修復スタッフの厳密で科学的な日本美術の考証努力と技術の研鑽によって、日本にも引けを取らないようなものであること。
4. そして、その現在のスタッフ5名のうちの1人が僕の友人であること。
こういった話を、民営のボストン美術館の方針の下で、活発に日本での展覧会を開催していくために、何度も来日し、苦労を重ねながらも日米の架け橋となった重要な古美術修復の仕事をこなしているという自信が、彼女の語り口や表情から伝わったきました。本当に会えて話が聞けてよかったと思った瞬間でした。
【開会式そして内覧会】
彼女の話を聞いた翌日、偶然にも福岡市美術館での浮世絵展の開会式とそれに続く内覧会に出席する機会に恵まれました。
日経新聞や地元の西日本新聞社、TVQの役員による主催者挨拶のあと、ボストン美術館側からはあのモース氏のお孫さんであろと思われる女性のスピーチがあり、続いて内覧会がありました。
そこで友人の言葉に違わず、本当に素晴らしい130点あまりにのぼる本物の浮世絵を目にすることが出来たのです。春信、歌麿、写楽、北斎、広重といった日本人なら誰でも一度は学校の教科書でみたことのある浮世絵のすばらしさは本当に目を見張るものでした。これらの浮世絵の保存状態の良さが彼女達の日々の修復技術の研鑽の結果だと事前に知ったことがその感動をさらに深いものにしてくれたと思います。彼女の名前は、内覧会でいただいた解説書にも書かれていません。でも、そんなことは些細なことです。
これからも彼の地ボストンで日本と米国の文化交流のために尽くして欲しいと願っています。
《参考》
・「ボストンの浮世絵が博多に来る!」・・・2008年7月10日の僕のブログ記事

まだ、時差ぼけでぼんやりしたままの状態でしたので、レストランでの食事も結構辛かったのですが、久しぶりに海外から遠路はるばる来た友人です。そんなことは言ってられません。そして期待に違わず、彼女は福岡での展覧会の仕事をしっかりとこなし、ボストン美術館に関するいろいろな話をしてくれたのです。
【偉大なボストン美術館、そして友人】

そのボストン美術館について、日本人の僕達にとっては新鮮な感動を与えるような話を彼女は語ってくれました。その一部を紹介します。
1. ボストン美術館は、1870年に地元の有志によって全くゼロから民間で立ち上げ、今でも政府や地方自治体などからの補助金にもたよらず、民間で運営されていること。(日本の大半の大美術館が公的なものであるのと大違いです)
2. そして、今回の浮世絵など夥しい数の日本の古美術品のコレクションは、動物学者のモース、研究者のフェノロサ、医師のビゲローの三人が大いに貢献していること。
3. さらには、それらの日本の美術品の修復や維持管理は、何代にもわたる美術館の美術品修復スタッフの厳密で科学的な日本美術の考証努力と技術の研鑽によって、日本にも引けを取らないようなものであること。
4. そして、その現在のスタッフ5名のうちの1人が僕の友人であること。
こういった話を、民営のボストン美術館の方針の下で、活発に日本での展覧会を開催していくために、何度も来日し、苦労を重ねながらも日米の架け橋となった重要な古美術修復の仕事をこなしているという自信が、彼女の語り口や表情から伝わったきました。本当に会えて話が聞けてよかったと思った瞬間でした。
【開会式そして内覧会】

日経新聞や地元の西日本新聞社、TVQの役員による主催者挨拶のあと、ボストン美術館側からはあのモース氏のお孫さんであろと思われる女性のスピーチがあり、続いて内覧会がありました。
そこで友人の言葉に違わず、本当に素晴らしい130点あまりにのぼる本物の浮世絵を目にすることが出来たのです。春信、歌麿、写楽、北斎、広重といった日本人なら誰でも一度は学校の教科書でみたことのある浮世絵のすばらしさは本当に目を見張るものでした。これらの浮世絵の保存状態の良さが彼女達の日々の修復技術の研鑽の結果だと事前に知ったことがその感動をさらに深いものにしてくれたと思います。彼女の名前は、内覧会でいただいた解説書にも書かれていません。でも、そんなことは些細なことです。
これからも彼の地ボストンで日本と米国の文化交流のために尽くして欲しいと願っています。
《参考》
・「ボストンの浮世絵が博多に来る!」・・・2008年7月10日の僕のブログ記事
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