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2011年01月31日

【ケータイが変える】

ケニアで新しい銀行のカタチが広まりつつあるのをご存じですか?写真をご覧ください。そこでは屋台のような窓口で、店員とお客がケータイで何やら取引しています。これって銀行?

1月31日号アジア版タイム誌「ケニアの銀行革命」("Kenya's Banking Revolution" by Alex Perry and Nick Wadhams, p.45-46, Global Business, TIME magazine on Jan.31,2011)という記事に革命的な変化がケニアのファイナンスシーンに起きているという記事がありました。

【簡易店舗にケータイだけ】

日本ではすでに「お財布ケータイ」といった呼称でモバイルバンキングが普及しつつありますが、まだまだ若い世代や一部のケータイを使いこなしている利用者を除いて高齢者や低所得者などには広まっていないのではないでしょうか。

ところがもともと電話設備のインフラや銀行店舗などが限られていたケニアなどのアフリカ諸国で、近年爆発的に携帯電話が一般庶民にまで普及するのに歩調を合わせて、新しい銀行ビジネスが旧来の銀行業界ではないところから出現、広まっているのです。

その名はサファリコム(Safaricom)。1997年にケニアの携帯電話会社が設立した「銀行」です。仕組みは簡単。今では大衆に広まったケータイを使って、テキストメッセージで顧客から受け取ったキャッシュを僅かな手数料で送金する。その名はM-Pesa。MはモバイルのM、Pesaはスワヒリ語でお金の意味だそうです。当たり前の為替システムの原型ですが、簡易な店舗とケータイだけで出来るので設備投資がほとんどかからないこと、顧客の数は急速に増えていることでリーマンショックもものともせず爆発的に利益をあげているのです。

Mobile banking has been available for years in Japan and elsewhere, but only on a limited basis. M-Pesa's growth has nonetheless been extraodinary. Of Safaricom's 16 million customers, 12 million have M-Pesa accounts - this in a nation of 39 million people.

【もうひとつの革命】

ソーシャルネットワーキングのフェイスブック(Facebook)の利用者が世界中で5億人とか6億人となり、チュニジアの政変を誘発したり、エジプトの民衆蜂起の道具に使われたりと世界中にインターネットを通して物凄い変化が起きていますが、ケータイもアフリカでは10年ほど前のゼロに近かったころから現在は5億人以上が所有していると言われています。ケータイもインターネット同様、電話のインフラがなかった途上国で急速に普及することで、先進国以上の革命的変化が起きているのです。

それが経済にもたらす恩恵も半端ではありません。世界銀行と会計コンサルタントのDeloitteによると、途上国で100人に10台ケータイが追加普及すると、GDPが0.6%から1.2%上昇するそうです。

The World Bank and the consultancy Deloitte found that for every additional 10 mobile phones per 100 people in a developing country, GDP rose 0.6% to 1.2%.

従来型の銀行がほとんど存在しなかったケニアに出現したサファリコムのように新しい「銀行」システムが既存の銀行を呑み込む日がそう遠くない将来に来るのかもしれませんね。  



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