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2012年04月10日

【アリバイ作り】

大飯原発の再稼働に向けて野田内閣はこれだけ慎重にやってますというポーズ作りだけに腐心しているように見えます。

『野田佳彦首相と枝野幸男経済産業相ら3閣僚は6日夕、原発再稼働の関係閣僚会合を首相官邸で開き、運転再開を判断する新たな安全基準を決定した。政府は関西電力に対し、大飯原発(福井県おおい町)3、4号機について、新基準を踏まえた安全対策の実施計画を示す工程表の提出を要請。週明け以降の会合で、工程表の内容を確認した上で安全性を検証、電力の需給状況も考慮し、大飯原発の再稼働を判断する見通し。
 経産省原子力安全・保安院と原子力安全委員会は3月下旬までに、大飯3、4号機の再稼働に関するストレステスト(耐性評価)の1次評価結果を「妥当」と判断している。経産相らは新基準を踏まえ、全電源喪失の防止策に加え、東京電力福島第1原発事故並みの地震・津波でも燃料損傷に至らない対策を施しているか保安院に厳しく確認するよう指示した。』(4月6日付時事通信)


【中身のない新基準】

NHKのニュースウォッチ9でもやっていましたが、政府が発表した新基準というのは再稼働するためのアリバイ作りのような内容に終始しています。すでに実施済みの安全対策を言い換えただけの代物で、さも閣僚が真剣に討議しているようなポーズを何度も会議を開くことで取ろうとしているようにしか見えません。こんなことで原発立地の地元や国民全体の理解を得られるはずはありません。おそらく理解を得るつもりはなく、再稼働を強行しようとしているのでしょう。許せない暴挙だと思います。

では、再稼働すべきでない理由とは何か?それは今までの政府の安全に向けた取り組みというのは、次の大事故を起こさないためのフクイチの事故の教訓が生かされていないからです。そのフクイチの事故の教訓は以下の通りです。

1.原子炉には、放射能漏れを防ぐ壁がない。
2.メルトダウン事故に突入するスピードはきわめて速い。
3.日本の原子力専門家には大事故を防ぐ計算能力がない。
4.小さな地震の揺れでも配管が破損する。
5.日本では地震の活動期が数十年続く、世界的にも大地震が予想される。
6.津波の威力・破壊力は人知を超える。
7.原発事故には対策は存在しない。
8.フクイチの事故は収束できる見込みがない。
9.原子力安全・保安院はメーカーOBの欠陥集団である。
10.電力会社と自治体と国政は腐敗連合を形成してきた。
11.フクイチ事故の現場からは、とてつもない量の放射能が放出された。
12.フクイチ以外の原発も危機一発のところギリギリで助かった。


上記11の教訓は広瀬隆氏がその最近著書「第二のフクシマ、日本滅亡」(朝日新聞出版、P.101~143)で明らかにしているものです。
これに加えて、もし再びフクイチのような原発事故が起こったら再びその莫大な補償を巡って電力会社と政府が責任のなすりあいを行うことも目に見えており、事故の責任の所在もあいまいのままです。政府は、「再稼働後、福島第1原発のような重大事故が仮に起きた場合の責任には「政治責任は(首相ら)4人が負う」と言っているとのことですが、今まで責任を回避してきて、抜本的な対策も打てず、それでも再稼働すれば今度は出来ますなんて誰も信用していません。

今の原子力安全・保安院に安全を語る能力も資格もありません。再稼働を急ぐ前に抜本的に改革すべきことは山ほどあります。第二のフクイチを起こして国家が破滅に陥るようなことにならないためには、夏の電力ピークの問題や電力会社の一時的な赤字など国民の納得が得られない原発の再稼働に頼らずに乗り切るべきでしょう。それが政治の本物の責任です。
  




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