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2012年04月19日

【原子力希望者減る】

「夢の原子力」の時代が確実に終わったことを感じさせます。

『原子力関連の専門教育を施し、電力会社や原発関連メーカーなどに人材を提供してきた大学院(工学系)への今春の入学者数が昨年度に比べ、減少していることが7日、分かった。東京電力福島第1原発事故に伴う業界の将来性への懸念などが背景にあるとみられ、関西電力の原発全11基などを抱える福井県の福井大大学院は定員割れの事態に。福島第1原発の事故処理には30年以上かかるとされ、古い原発の安全確保にも技術者は不可欠で、大学関係者は「有能な技術者を絶やすわけにはいかない」と危機感を募らせている。

 ■定員に満たず

 福井大大学院工学研究科原子力・エネルギー安全工学専攻(修士課程)の今春の入学者は昨年度より15人少ない22人。「3次募集まで行ったが、定員(27人)に達しなかった」(同専攻担当者)といい、同大関係者は「学生が原発事故の影響に敏感になっているのかもしれない」と話す。

 原子力工学専攻や環境工学専攻などが統合され、平成17年に発足した大阪大大学院工学研究科の環境・エネルギー工学専攻(修士課程)は昨年度を8人下回る81人となった。

 昭和32年に原子核工学専攻が全国に先駆けて設置された京都大大学院工学研究科(修士課程)は、昨年度比1人減の23人だった。また、名古屋大大学院の量子エネルギー工学分野(修士課程)も1人減の21人。九州大大学院のエネルギー量子工学専攻(修士課程)も2人減の35人となっている。

 ■事故を教訓に

 こうした傾向について、杉本純・京大大学院教授(原子核工学)は「他の大学でも修士の志願者は23年度に比べ全体的に減っているようだ。福島第1原発事故の影響があるとみている」と話す。杉本教授によると、1986年に起きた旧ソ連でのチェルノブイリ原発事故以降、原子力関連専攻の学生数は低迷傾向にあった。しかし、数年前からはアジアを中心に新たに原子力を導入する国が増加するなどし、福島第1原発事故直前までは原子力が世界的に再評価され、学生数も持ち直していたという。

 杉本教授は「仮に『脱原発』を選択するにしても今ある原発を廃炉にするには長い時間が必要。事故を教訓として安全レベルを格段に上げるためにも、今後も技術者育成に貢献したい」と話している。』(4月8日付産経新聞)

【人材育成は不可欠】

そもそも日本では度重なる原子力発電の事故を主な原因として各大学の原子力関係学科の学生数は長期低落傾向にあると以前から聞いていましたので、この記事を読むと「やはりそうか」という印象です。

すでに大学の原子力専攻の学科名もこの記事にあるように「量子エネルギー工学」とか「環境・エネルギー工学」などと名称変更して「原子力」の文字をわざと消しているところが大半です。すでに学問の世界では「原子力」は日蔭者のような扱いを少なくとも表面上は受けているのです。

しかし、現実問題として脱原発の動きがこれから本格化してきたとしても、福島第一原発の廃炉処理だけでなく、次々と寿命を迎える老朽化原発の廃炉処理や放射性廃棄物の管理は全国各地の原発や放射性廃棄物の処理施設で必要とされ、その安全対策等に要する原子力技術者の必要性がますます高まってくるのは間違いありません。好むと好まざるとに関わらず、これから何世代にもわたって日本はこの悪魔のような原子力と付き合っていかざるを得ないのです。

ときおり、原子力を推進する原子力ムラの側から、脱原発を進めれば人材がますます枯渇するといった煽り方をする声が聞こえますがそれは本末転倒というべきでしょう。自分たちは今まで膨大な利益を享受しておきながら、フクイチ事故を引き起こした責任には頬かむりして、原子力を批判する人間に責任転嫁をすることは許されないことです。彼らのその不誠実な姿勢が「夢の原子力」を「悪魔の原子力」に変えることになり、学問の世界での人材枯渇を招いてきた最大の原因だということを認めるべきでしょう。

いづれにしても、安全な放射性廃棄物の処理や原発の廃炉処理はこれから日本が生き残っていくためには必要不可欠な技術です。そのための人材育成は脱原発を目指すとしても国民も政府もしっかりと考えていかなければなりません。その際、多くの御用学者のように自分たちの利益のためなら真実をねじまげることを平気でするような不誠実な専門家を作らないことは今後の人材育成の重要な課題でしょう。
  




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