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2011年01月13日

【躍進続く】

ソニーのウォークマンが健闘しているとのニュースが飛び込んできました。

『携帯音楽プレーヤーの国内販売台数で、ソニーの「ウォークマン」が12月に、米アップルの「iPod(アイポッド)」を抑えシェア1位となったことが11日、市場調査会社BCNの調べでわかった。ウォークマンが月間シェアでアイポッドを抜くのは昨年8月に続き2回目。「アイポッドの買い控えがない状況で、ウォークマンが1位となるのは初めて」(アナリスト)という。

 BCNによると、12月のウォークマンのシェアは52.1%と、アイポッドの42.9%を大きく上回った。特に12月最終週には57.6%にまでシェアが上昇、伸び悩むアイポッドとの差を広げた。

 ウォークマンは昨年8月、アイポッド発売以降初めてシェアトップを獲得したが、直後の9月にアップルが新製品の発売を予定していたため、「アイポッドの買い控え」(アナリスト)と指摘する声もあった。10、11月はアップルにトップの座を明け渡したものの、年末商戦で低価格から売れ筋帯の製品の販売が伸び、再びトップを奪還した。

 好調の理由について、ソニーは昨秋発売したモデルが「歌詞が見られる機能に加え、語学学習機能も追加され、プレゼント需要が高まった」と分析。BCNの道越一郎アナリストは「アイポッド使用者がアイフォーンに移った」と分析しつつ、「アップルが伸び悩み、ソニーが前年比増の傾向が続いている。今後シェア争いが激しくなる」と述べた。』(1月11日付産経新聞)

【変わる音楽のスタイル】

そもそもアップルのiPodがこれほど一般に普及した理由のひとつは、ソニーのウォークマンが30年以上も前に音楽を自由にどこでも聞ける環境を作り出したことがある。もちろんその当時は、カセット型であり記憶できる楽曲の数も限られていたのだが、どこでも持ち歩いて聞けるウォークマンは若者を中心に世界的なブームとなった。

ウォークマンの登場から20年近く経った21世紀の初めに登場したiPodは、音楽などのコンテンツの配信サービスである「iTunes」とともに、音楽などのメディアの配信のあり方を根本的に変え、ソニーのウォークマンが30年近くかけて4億台売り上げたのに対し、iPodはたった10年余りで2億5千万台も普及することになったのだ。

このウォークマンとiPodという主役交代劇は、日本の技術力や発信力の停滞を印象付ける典型的な例としてよく引き合いに出され、僕ら日本人にとっては何かさびしいものを感じさせる出来事でもあった。もちろん、ソニーはすでに日本の会社ではないし、僕自身、ウォークマンのファンというよりアップルのiPodやiPhoneのファンなのであるが。でも、そのウォークマンが巻き返し始めていると聞くと何かわけもなく嬉しくなるし、もっと頑張ってほしいと心の中で祈りたくなる。

競争があるところに、新たなビジネスチャンスがあり、消費者へのサービス向上がある。もっともっとウォークマンに頑張ってほしいと思うのは僕だけではないのかもしれない。みなさんはどう思われますか?  



2011年01月12日

【機密漏洩】

フランスから産業界にとっては衝撃的なニュースが飛び込んできました。

『フランスのメディアが6日伝えたところによると、仏自動車大手ルノー社は、日産自動車と共同開発中の電気自動車に関する技術を社外に漏えいした疑いがあるとして、経営陣1人を含む幹部社員3人を無期限の停職処分とした。

 電気自動車の最新技術をめぐる産業スパイ事件と見られ、ルノー社は法的措置を講じる方向だ。フィガロ紙は、ルノー社および仏当局が中国に流出情報が渡った可能性について調査していると報じた。

 内部告発を受け、同社が約5か月にわたって調査を進めていた。3人のうち1人が電気自動車の電池やモーターの開発にかかわっていたとされ、電池やモーターに関する極秘情報が漏れた可能性がある。

 電気自動車部門で世界的リーダーの地位を目指すルノー・日産両社が電気自動車開発に投じた費用は40億ユーロ(約4400億円)に達するという。ルノー社は今年半ばに、電気自動車2モデルを新たに発売する予定になっている。

 エリック・ベッソン産業担当相は、「経済戦争という表現が今回は当てはまる」と事態の深刻さを強調。産業界に「企業秘密の保護強化を求める」と呼びかけ、ルノー社の株式の約15%を保有する仏政府としても事件への対応に乗り出す方針を表明した。』(1月8日付読売新聞)


【漁夫の利?】

産業スパイとは、企業が、競争相手の企業の営業上・技術上の秘密情報を入手するために使う人。また、これらの秘密情報を収集し、企業に売り込むことを職業とする人と定義されています。彼らは経済活動があるところでは何処でも何時でも活動していると言っても過言ではないでしょう。

そして往々にしてそれらの産業スパイの背後には国家が介在しています。企業は競争相手を倒して生き残るために、国家はその企業の属する産業が国家の安全に深く関係している場合には、国家間の経済戦争に勝利するためには手段を選ばないのです。サバイバル競争なので、ジャングルの動物たちと同じく弱肉強食そのままの世界です。その利を得たのは報道によれば中国ということになりますが、それはたとえ漁夫の利であっても責められるのは漏らしたほうでしょう。

やられたらやられた方が死ぬ。そういう世界である限り、今回のルノーの機密漏えい事件もスキのあったルノーに非があるわけで、そういうことを放置してほけばルノーは死にいたるしかない。その兄弟である日産にもとばっちりが及ぶのも自然の理でしょう。早く応急措置をして抜本的な対策を立てる必要があるのはいうまでもありません。新春早々、これから企業、国家の命運を握るエネルギー機関のひとつ、EVが狙われたというニュースは今の時代を象徴する出来事ですね。  



2010年10月05日

【次世代テレビ開発】

パナソニックと楽天が共同開発するそうです。

『パナソニックが楽天と提携し、電子商取引に対応した次世代の薄型テレビを共同開発することが2日、明らかになった。プラズマテレビ「ビエラ」を大容量インターネットに接続し、簡単なリモコン操作で商品を購入できる機能を開発。パソコンのような複雑な操作をしなくても、国内最大のインターネット商店街「楽天市場」を高画質のテレビ動画で楽しめ、リモコンで商品を注文できるようにする。共同開発の次世代テレビは国内外で11年末に発売する。

 両社は10月上旬に発表する。パナソニックは家族が集まる居間の中心に位置するテレビとリモコンの機能を高め、パソコンよりも簡単に使いこなせる先端機器とすることを目指している。03年にネットに接続できる薄型テレビを発売し、検索などパソコンに近い機能をテレビに持たせたところ、居間で電子商取引を楽しむ家族のニーズが高いことが判明。この分野のノウハウをもつ楽天に共同開発を打診した。

 これに対して、楽天は「パナソニックのブランド力を借りて世界進出を拡大するチャンス」と快諾。楽天市場は食料品や化粧品など幅広い業種の約3万3000店が出店し、会員は全国に約6500万人いるものの、20~30歳代がユーザーの中心で、50歳代以上の顧客開拓が課題となっていた。テレビとリモコンの操作なら、パソコンになじみの薄い富裕層の中高年層も取り込めると判断した。

 現在のパソコンは動画よりも静止画が中心。テレビであれば大量の動画配信が可能となり、パナソニックが得意とする3D(三次元)など高画質・大画面の動画でネットショッピングを楽しむことができる。楽天はビエラ向けに特化した楽天市場の配信も検討しており、専門チャンネルのテレビ通販などと合わせ、楽天が目指す「放送と通信の融合」が進む可能性がある。

 楽天市場の売上高は8002億円(09年度)で、大手百貨店に匹敵する。居間で子どもからお年寄りまで、テレビを見ながらのネットショッピングが一般化すれば、将来的に日常の買い物もテレビのリモコンで済ますことができ、新たな「流通革命」が起きる可能性もある。』(10月3日付毎日新聞)

【操作性が課題】

記事の中身から判断すると、この次世代テレビには画期的な新技術というわけではなさそうですが、画面で買い物をするという単純な消費行動をだれもが簡単にできるようにするという意味では、求められてはいてもなかなか出てこない新商品だったかもしれません。

特に中高年以上でパソコン操作に慣れていない人にとっては朗報でしょう。iPadの登場によってお年寄りでも気軽に電子書籍を読んだり、ネットショッピングを楽しんだりという世界が広がってきたのですが、なんといってもほとんどの家庭にあるテレビという商品とこれから買わなければならない商品との差は歴然としています。

果たして中高年層にも購買層を広げたいという楽天の思惑は当たるのでしょうか。それは画期的に操作性に優れた次世代テレビをパナソニックが開発できるか、そして手ごろな値段で販売できるかにかかっているように思います。  



2010年09月28日

【いよいよ日本へ】

アジアの大手格安航空会社がいよいよ日本上陸です。

『アジア最大手の格安航空会社(LCC)であるマレーシアのエアアジアは21日、羽田空港と同国の首都クアラルンプールを結ぶ路線を12月9日から週3便運航すると発表した。羽田に乗り入れる初のLCCで、9月23日正午から片道5千円のキャンペーン運賃を自社サイト(www.airasia.com)で発売する。

 運航する傘下のエアアジアXのアズラン・オスマンラニ最高経営責任者が21日午後、東京都内で記者会見した。大手航空会社の成田―クアラルンプールの正規割引運賃は現在、最も安い価格帯でも往復6万~7万円程度。エアアジアは格安運賃で来日経験のないアジアの旅行客を取り込み、日本からの旅行客の需要も開拓する狙いだ。

 LCCの日本乗り入れが相次いでいるが、発着枠に余裕がない首都圏では定期便は今のところ、オーストラリアのジェットスターが成田空港に就航しているだけだ。成田はLCC専用のターミナル建設や着陸料の割引を検討中で、首都圏でも今後、LCCの運航が本格化する見通しだ。 』(9月21日付朝日新聞)

【衝撃的な運賃】

それにしてもキャンペーン価格とはいえ、羽田―クアラルンプール間が片道5千円とは・・・・すごい価格です。どうやったらこんな運賃で運航できるのか、日本の大手航空会社もよく研究してもらいたいですね。

しょっちゅう海外に出かける人にとっては朗報でしょう。でも気になることもあります。徹底した合理化で実現している格安料金ですから、当然それがサービス面での乗客の「我慢」にゆだねているところもあるわけです。そのひとつが座席。一見写真で見ると普通の座席ですが、座席数は大手より35%増やしているためにリクライニングは使用できないし、席の間隔は極端に狭くとてもくつろいで乗るというには程遠いようです。

そしてもうひとつ。航空機を選ぶ際に本当に重視すべきは「安全」です。徹底的な合理化と安全がどこでどう折り合っているのか、そのあたりの「合理的」な説明がなければ、いくら値段が安くても易々と命を預けるわけにはいかないのではないでしょうか。そのあたりが航空会社もメディアもあまり語っていないのが気になるところですね。みなさんはどっちを選びます?大手それともエアアジア?  



2010年09月16日

【ジャンボ機引退?】

『日本航空グループのジャルパックが、ジャンボジェットの愛称で知られる大型機「ボーイング747-400」が今年度中に退役するのを受けて発売したツアーが、航空機ファンを中心に話題となっている。

 日航は航空機のダウンサイジングで効率化を図るため、保有する36機の旅客用ジャンボをすべて引退させる予定となっているが、ツアーが人気となれば、日航再建に向け最後のご奉公となりそうだ。

 ツアーは、大阪万博が開催された昭和45年に就航したのにちなみ、成田から万博開催中の中国・上海に定期便で行く。出発日は9月30日~10月9日で、それぞれ30人限定。上海万博の入場券や上海市内の地下鉄、バス、タクシーが使える50元(約600円)分のICカードなどが特典で付く。3~4日間の宿泊費込みで、価格は8万9800円~10万9800円。ジャルパックによると「ジャンボ退役の話題性もあり、問い合わせが相次いでいる」という。

 定員400人を超え大量輸送時代の一翼を担ったジャンボは、内外の路線で花形として活躍した。とくに日航は累計109機を導入した世界最大のユーザー。しかし、景気低迷による旅客数の減少や燃料費の高騰で、非効率なジャンボが日航の経営を圧迫するようになった。今後は、燃費の良い中・小型機にシフトしていく方針だ。

 全日本空輸もジャンボを13機保有するが、国際線は今年度中に使用を終える予定。国内線についても、27年度までに新型機に更新する計画だ。』(9月13日付産経新聞)

【時代は変わる】

ついにやってくる日航ジャンボ機引退の日。今年1月に会社更生法の申請をして経営再建中の日本航空を象徴するのがこのジャンボジェット機ではないだろうか。1970年に初めて羽田に到着して以来、日本航空を中心に日本と世界の空を飛び続けてきた大量輸送航空時代の申し子のような航空機だ。

そして忘れもしない1985年8月12日の日航123便墜落事故。520名もの命を奪ったのもあの航空機、ジャンボジェットだった。

それから20年。あの事故の後、低空飛行を続けていた日航はついに倒産という最悪の事態にまで至ったのだ。そして経営再建途上で浮かんできた燃費の非効率の象徴となったジャンボ機の大量引退。

人間に例えれば本当に波乱の人生だったのでないだろうか。本当に御苦労さまと言いたい。あの巨大の機体の中の、あのとてつもない客席に圧倒された大空の旅を味わうことはもうめったにないだろう。ジャンボ、御苦労さまでした。残された日々を存分に飛んでください。  



2010年08月19日

【緊急提言】

大学生の就職難は本当に深刻なようです。

『日本学術会議の検討委員会(委員長=北原和夫・国際基督教大教授)は、深刻な大学生の就職難が大学教育にも影響を与えているとして、地方の大学生が大都市で“就活”する際の宿泊・交通費の補助制度など緊急的な対策も含んだ提言をまとめた。

 17日に文部科学省に提出する。企業側が、卒業して数年の「若年既卒者」を新卒と同様に扱うことや、早い時期からの就業体験も提唱。学業との両立のためのルール作りも提案している。文科省は、産業界の協力も得て、提言を現状改善につなげる考えだ。

 提言は大学教育の質の向上を目的としたものだが、就職活動に労力と時間を取られ、それが学業にも悪影響を与えているとして、就業問題の解決策に踏み込む異例の内容となった。

 具体的には、大学側に、卒業後3年程度は就職先の仲介や相談といった就職支援体制をとることを求め、企業側には、若年既卒者も新卒者と同枠で採用対象とするよう求めた。さらに、平日は学業に集中し、就職活動は週末や長期休暇期間に集中させるルール作りなど、大学と企業側が協力しての対策にも言及している。

 5日発表の文科省の学校基本調査では、大学を今春卒業したが就職も進学もしなかった「進路未定者」が5年ぶりに10万人を突破した。今回の提言では、「新卒優先」の日本の労働市場の構造が大学生の就職問題を一層過酷なものにしていると指摘している。』(2010年8月15日付読売新聞)


【奪われる勉学・研究の時間】

それにしても、最近の大学生は就職活動に振り回されて大変だと前々から思っていました。というのは、僕らが大学生のときに就職活動を始めたのは4年生の夏くらいだったのに比べると、今の大学生は3年生になるとすぐに就活を始め、早い人では4年生の5月くらいには内定を取ってしまうというのが実態です。もちろん、内定が取れない学生は4年生の間中、さらにはその後も就活がすべてとなり勉学どころではなくなるのです。

もともとは大学のカリキュラムでは1年・2年で基礎的な科目を履修し、3年・4年で専門科目を研究するのが通常のパターンではないでしょうか。そうすると、最近の学生は何ら専門について深く勉学する機会を奪われていることになります。

大学4年間というのは、長い人生の中においてはひとコマにすぎないかもしれませんが、そのときの勉学・研究はこれからの自分の人生の指針や方向性につながるものです。

そういう意味でも、今回の学術会議の提言は大事なことですし、企業側も真剣に大学生の就職に関わる支援体制を改善してもらいたいものです。それがひいては日本の大学や日本そのものの競争力の強化にもつながるのではないでしょうか。新卒偏重というのも、人材を狭い視野でしか捉えていないことのひとつの証拠ではないかと思いますが、みなさんはどう思われますか?
  


2010年08月18日

【進む鉄道建設】

上海浦東国際空港と上海の中心部を結ぶ約30キロを7分間で走るリニアモーターカーはなんと時速430キロで走るということで、上海観光のひとつの目玉になっています。僕は3月に上海を訪れたときにはそのリニアカーに乗るチャンスはなかったのですが、上海に限らず今中国では主要都市を結ぶ鉄道網の構築計画が着々と進んでいるという記事が8月16日号アジア版タイム誌に掲載されています。

「成長のエンジン」("Engines of Growth" by Austing Ramzy, p.34-36, TIME magazine)

【広がる鉄道網】

2008年のリーマンショック以降も、欧州や米国、日本などの景気低迷を尻目に成長を続けている中国。その重要な部分はインフラ整備に関わる投資なのですが、中でも鉄道網の整備計画とその進捗状況には目を見張るものがあるようです。

例えば列車の平均速度。1993年には時速48キロだったのが、2007年には70キロまで伸びています。中でも武漢と広州間は時速313キロで走り、10.5時間かかっていたのが今では3時間で行き来できるのです。

中国政府の計画では、鉄道建設投資に2009年の880億ドルから今年は1200億ドル、そして今後10年間で7000億ドル以上が投下される予定だそうです。特に高速鉄道網については、現在の6552キロを2年間で倍にするという野心的な計画を立てています。これが実現すると中国の鉄道網は主要国の中では飛びぬけて競争力のあるものになるでしょう。

【狙いとリスク】

その狙いは、中国国内の西部地域の長期的な経済発展を促すためだと言われています。国内の鉄道網が整備されれば人とモノの流れが円滑になり、特に高速鉄道が伸びることで国内経済のコストの削減、効率化が進むからです。

しかし、リスクもあります。依然として中国の人口の半分は地方に住んでおり、都市との所得格差も大きく、高いチケット代金を払って高速鉄道を利用することは出来ない人々も多いのです。所得の低い人たちにとっては高速鉄道よりももっと安い鉄道の整備を優先させるべきとの意見も多いのです。

鉄道はCO2の排出も少なく、地球温暖化防止にも役に立つわけですから、中国の野心的な鉄道整備計画は世界全体としても望ましいことだと思います。したがって、中国の鉄道網整備は、CO2の排出がアメリカに次いで多いといわれる中国の環境政策面での優位性を高めるひとつの武器となることでしょう。

現在は鉄道網が世界で最も発達していると言われる日本も、うかうかしていられませんね。

  



2010年06月16日

【始まった熱い「戦い」】

日本でも書籍の電子化を巡る熱い戦いがすでに始まっています。

『米アップルの情報端末「iPad(アイパッド)」が人気を集める中、書籍を安く電子化し、iPadなどで読めるようにする業者が現れた。

 個人が私的にコピーする以外の複製は著作権法で禁じられており、日本文芸家協会は、著作者が出版社に委託した複製権の侵害にあたるとして業者への抗議を検討している。

 東京のある業者は4月、本を裁断して1ページごとにスキャナーで読み取り、PDFと呼ばれる電子文書形式に変換するサービスを始めた。本の送料は自己負担だが、1冊分のデータを100円でホームページからダウンロードできるサービスが評判を呼び、注文が殺到。スキャナーの台数などを増やしたが、注文から納品まで3か月待ちという。

 業者は「個人が複製するのは合法。個人の依頼を受けて代行しているだけで、著作権法違反ではない」と主張する。都内の別の業者も5月末に営業を始め、2日間で200人以上の申し込みがあったという。

 一方、日本文芸家協会の三田誠広・副理事長は「営利目的の業者が利益を得るのは、たとえ私的複製でも複製権の侵害」と主張する。

 著作権問題に詳しい福井健策弁護士は「私的複製は個人が自ら行うのが原則。代行は基本的に認められず、私的複製と言うのは難しい」と話している。』(6月12日付読売新聞)


【電子化を阻むもの】

アメリカやヨーロッパの一部の国々においては、キンドルの登場によって、書籍の電子化が市民レベルにまで急速に広まっています。それは英語という言語で書かれた書籍が中心で、それらの国々では書籍の電子化がすでに相当広まっていたのです。

ところが、iPadが上陸した日本では書籍の電子化に関しては相当事情が異なっているようです。ご存じの通り、一部の雑誌や新聞などは電子化によってすでにiPadでも読めるようになっていますが、大半の日本の書籍は日本語で書かれているという理由だけでなく、別の理由でまだまだiPadで即読めるというかたちにはなっていません。

なぜか?もちろん、その第一の理由はこの記事にもある著作権の問題です。とりわけ、著作権の二次使用の問題、すなわち、出版社が作者から電子化の許諾を得ていないという問題が大きく聳え立っていることがあります。

そしてもうひとつの問題は、日本では本の流通の仕組みや権利関係が複雑だということです。例えば、本の卸売をしている取次業者にとっては本の電子化で自分たちの仕事が奪われるという危惧もあって、電子化には極めてネガティブなのです。

しかし、時代は変わりつつあります。今回の業者のように次々とニッチの商売を狙って日本の流通網や著作権のしらがみをかいくぐっていく業者が増えてきて、それが消費者のニーズにマッチし、支持されるようになればベルリンの壁のように古い業界の壁など一瞬のうちに消滅してしまう日が訪れるでしょう。

本の電子化を巡る動きは、これから見逃せないですね。

  
タグ :電子書籍



2010年06月08日

【資料はiPadでOK】

家電店自身がその活用に力を入れ始めました。

『ベスト電器は1日、資料の電子化を進める目的で、社内会議で米アップルの新型情報端末「iPad(アイパッド)」を導入すると発表した。全国的に品薄が続く中、約10台を確保し、今月から役員クラスの会議で使用する。台数がそろえば、すべての会議で使用するという。

 これまで、会議の出席者ごとに作成していた紙の資料に代えて、社内のサーバーコンピューターに作った資料データを出席者がアイパッドで閲覧する。アイパッドは社で一括管理し、会議終了後は返却する。

 ベスト電器経営企画部は「資料作成にかけていた手間とコストを省くことができる。資料の社外流出を防止にも有効」とする。アイパッドの操作性の良さも導入理由の一つという。

 ベスト電器は、福岡、熊本、沖縄の3店でアイパッドを販売。予約好調で入荷待ちの状態が続いている。』(6月2日付産経新聞)


【ビジネスの可能性広がる】

iPadが日本で発売されてまだ1週間ほどしか経っていませんが、発売以来様々なメディアで取り上げられ、その汎用性に期待が高まっています。

特徴的なのは、個人利用は言うに及ばず、そのビジネス利用についてすでに多くの企業が活用を模索していることです。この記事のように地場大手のベスト電器もその一例です。

他にも大量の画像や動画を手軽に持ち運びでき、鮮明な画像をその場で見せることが出来ることから、手術室で使うと言った医療現場での活用や、美容や衣料など様々な営業現場での活用など次々と新しいアイデアが出てきています。まさにプラットフォームとしての役割に徹するiPadのような製品を生みだすことが出来るアップルやグーグルがこれからマーケットを席巻するという典型的な例でしょう。これから多様なビジネスシーンでiPadと遭遇することが増えそうですね。
  



2010年05月07日

【スト、暴徒化】

ギリシャの経済情勢が社会不安にまで広がりを見せている。

『ギリシャ政府が導入を決めた新たな緊縮政策に抗議するゼネストが5日、ギリシャ全土であり、首都アテネの銀行がデモ隊に放火され銀行員3人が死亡し、市民・警官計44人が負傷した。ギリシャでのデモでの死者は91年以来。政府は平静を呼びかけているが、情勢悪化に便乗した過激勢力の破壊行動は続きそうだ。

 現場は市中心部スタディウ通りのマルフィン・エグナティア銀行(3階建て)。警察当局によると、数万人が参加したデモ行進が始まった直後の午後2時半(日本時間午後8時半)ごろ、デモ隊の一部が銀行の入り口を壊し行内に火炎瓶を投げ込んだという。

 ストに参加せず3階で働いていた32歳と36歳の女性、35歳の男性が煙に巻かれて死亡した。女性の一人は妊娠4カ月だったという。他に4人が行内にいたが、窓やベランダから逃げ出し無事だった。

 現場近くに住む観光業のガリスさん(72)によると、この日のデモは過去40年で最も激しいもので、経済省管轄の8階建てビルなど数件の建物と少なくとも5台の車が炎上した。また商店のガラスが割られ略奪もあった。

 通常、警官隊は黒覆面のアナキストら過激派を刺激しないため、ゴム弾の発砲を控える傾向にあるが、この日は各所で激しい衝突があり市民15人と警官29人が負傷した。

 政府の粉飾決算に端を発した財政危機で、ギリシャは3月初めまでに、増税、公務員給与削減など2度の緊縮策を導入したが大きな混乱はなかった。だが財政は好転せず、ギリシャは1100億ユーロ規模の融資をユーロ圏諸国と国際通貨基金(IMF)から受けるため、3度目の緊縮策を今月2日に発表した。

 新たな策は3月に2%上げた付加価値税をさらに2%上げ23%にし、年金受給開始年齢を引き上げ、公務員給与を再び削減する厳しいものだ。デモの激化は、ギリシャ庶民の不満が煮詰まった結果と言える。』(5月6日付毎日新聞)


【どこかで見た風景】

ギリシャのデモが暴徒化する様子は、いつかどこかで見た光景のような気がするのは僕だけでしょうか?例えばタイ。都市と農村の貧富の格差が政治的対立を先鋭化させ、未だに両派が首都バンコクでにらみ合ったままデモの暴徒化が日常化している。タイは東南アジアの中では経済優等生だったにもかかわらず、今では社会情勢が不安定化しているのだ。

貧富の格差によるデモの暴徒化が問題になるのは以前は累積債務問題に悩んでいたアジアや南米の国々が舞台だった。しかし、今はそれがかつては経済的に恵まれていた国々にその舞台の場を移している。EUの一角を占めるギリシャもそのひとつなのだ。

【急変する世界】

ギリシャの混乱を見るにつけ、世界が急変していることを感じる。かつて一等国だった国々がいつのまにか転落し、一夜にして社会不安が増大する。大量かつ急激な情報の流通が、富める者への妬みを増幅させる。政治の力で情報を抑え込む中国などと違って、民主主義国家は政府による強権はかえって危機を増大させる。ギリシャはまさにそういう状況にあるような気がする。

そして、ニッポン。実は2010年度予算における財政赤字の名目GDP比はギリシャ9.1%に対して、わがニッポン国は9.3%とほぼ同じ水準なのだ。一般政府債務の名目GDP比でいくと、ギリシャ130%に対し日本は204%ともっと深刻なのだ。

ギリシャの危機は対岸の火事ではない。危機は今そこにあると心しておかなければならないのは僕らである。
  



2010年03月17日

【ガイアの夜明け】

田中豊さんが熊本の農家の方が精魂込めて作ったシソを世界に売り込む姿が大きく画面に出てきた。ほとんど日本人しか食べたことのないシソを果たしてシンガポールの人たちが、台湾の人たちが食べるのだろうか・・・番組の後半ではその不安がわずかながらではあるが払しょくされる。台湾の大物バイヤーと日本のシソ農家のパートナーシップが生まれた瞬間だ。

「世界で儲けろ! ニッポン農業 大航海時代を生きる」と銘打ったテレビ東京の番組「ガイアの夜明け」の予告は田中さんたちの活躍を次のように紹介する。

『農林水産省は2013年までに、農産物の輸出を現在の約4000億円から1兆円にまで増やす計画を打ち出した。だが、現実は厳しい。輸出先の7割はアジアに集中しており、今ある輸出ルートには各地の農産物がひしめき合う混戦状態。こうした事態を打破しようと新たな輸出ルート開拓に挑む、“パイオニアたち”を追った。』

【農産品輸出の仕掛け人】

田中さんは自らのブログを「ニッポンを売る」と命名して、もう何年も前からそのブログのタイトル通り、ニッポンの農産物を世界に売ることを実践してきた。(僕がブログを始めたキッカケは田中さんのブログだった)日本各地を飛び回り、様々な生産農家や流通業者や食品業界の方々と会い、時間が許す限り各地の行政や自治体などの求めに応じて講演を実施してきた。

その一方でアジアを中心に世界各地を飛び回り、日本の農産物のバイヤーはいないか、商売のネタはないか、真剣に探し続けてきた。そのひとつの成功例がガイアの夜明けでも紹介している福岡のイチゴ「あまおう」だ。

田中さんの輸出コーディネーターとでも言える活躍は今メディアにも取り上げられ、もうひとつ飛躍するチャンスが訪れたような予感がする。おめでとう、田中さん。これからも微力ながら応援していますよ。

もうひとつ忘れてはいけないことがある。田中さんには農家の輸出をバックアップするだけの商才と語学力があるということだ。
  



2010年03月03日

【社長自ら説明】

先週のニュースの中で最も注目すべきは、豊田社長の米国下院公聴会での証言だろう。公聴会の冒頭は英語で証言した豊田社長であるが、その後の議員との質疑応答では通訳を介しての発言となった。世界のトップメーカーであるトヨタのトップ自らが自社の今後の命運を左右する場面に世界に向かって語ったことは、自動車業界や日米間の政治的、経済的問題としてだけでなく、グローバルな展開をしている企業の危機管理のあり方など幅広い分野において重要なテストケースとなることは間違いない。そういう視点から少しこのトヨタ問題を考えてみたい。

先ず、豊田社長の公聴会での証言に対する評価に関しては国内でも海外でもふたつに分かれているようだ。
米国世論の代表例として、ワシントン・ポスト紙は、「豊田氏は公聴会での姿勢と謝罪を通じ、(米市民の)怒りを静めたようだ」と証言を評価している。また、ケーブルテレビMSNBCがインターネット上で行った投票によると、豊田社長が公聴会で「誠意を示した」と答えて評価する人は48・6%で、「会社の良き代弁者ではなかった」の42・3%を上回ったと伝えている。

 しかし、ニューヨーク・デイリー・ニューズ紙は、豊田氏が議員の質問に率直に答えていない場面も見られたと指摘。「豊田氏は議員たちを繰り返しいらだたせていた」などと批判的に報じたとのことだ。

僕自身は、豊田社長は公聴会証言を通してその誠実さや人柄が垣間見られ、議会関係者や米国民にそれなりのプラスの印象を与えることが出来たのではないかと見た。昨年証言したGMなどのトップと比べれば、よくやったと言えるのではなかろか。

【なにが問題なのか】

しかし、本当の勝負はこれからかもしれない。豊田社長の公聴会証言の前に出されたタイム誌のカバーは「トヨタの混乱」("Toyota's Tangle", TIME issued on February 22, 2010)と題して、何が問題なのかについて特集記事を載せていた。

その記事によれば、昨年11月からのトヨタ車リコール9百万台というのは突然出てきた問題ではなく、10年近くの間に積み上がってきたものだとしている。最初は2002年、トヨタ車のいくつかで見つかったアクセルの急加速事故。このときトヨタはドライバーに責任転嫁するような姿勢だったという。そして、2003年にはNational Highway Traffice Safety Administrationの調査で不具合が報告され、その後2005年、2007年と続く。その最後の局面が昨年11月の3.8百万台のリコールと今年1月の2.3百万台のリコールとなったのだ。

マサチューセッツにある消費者アドバイス組織であるSafety Research & Strategiesによれば、トヨタ車のアクセル急加速例は今までに2262ケースにのぼり、少なくとも1999年以来米国で819の交通事故、26人の死亡が起きているとのことだ。ここまで事態が悪化したことにアメリカ国民が不安を覚えるのはある意味、当然のことだと思われる。しかも、日本では今回アメリカでこの問題が脚光を浴びるまでは、それほど大きな問題として今まで報道されてこなかったし、トヨタがまさかという意識も僕たちの中にあったのではなかろうか。

【事業拡大と成功体験】

しかし、リーマンショックで世界的な不況が各国を襲い、もともと体力がなくなっていたGMやクライスラーは破たん、世界のトップ自動車メーカーとして君臨することになったトヨタも大幅な減産を強いられることになった。それまでひたすら拡大路線を取って成功体験ばかり積み上げてきていたトヨタも大幅な戦略の見直しを迫られることになったのだ。

世界一の技術と性能を誇ってきたトヨタのもうひとつの側面、自社が最高という「思い込み」が事業拡大にばかりに目を奪われ、足元の安全や顧客目線を忘れることにつながったのではないか。

タイム誌には厳しい言葉が続く。「顧客への気配りはなかった」、「トヨタは傲慢な企業文化が有名だった」

"Their focus on the customer has been nonexistent.", "Toyota is famous for having an arrogant culture."

豊田社長はそういう批判に真正面から謝罪し、創業家の名前に恥じないように安全な車づくりに全力を尽くすとアメリカ国民に向かって約束した。その姿勢は真摯に映った。豊田社長は、トヨタに降りかかった最初の試練をなんとか乗り越えたと言っていいかもしれない。しかし、本当にアメリカ国民、いや、トヨタ車の世界の顧客が安心するまでにはまだまだ次の高いハードルが待っていると思われる。これからしばらくはトヨタから目を離せないだろう。
  


2010年02月05日

【政府が支援?】

ハウステンボスがいよいよ土俵際に立たされています。

『大型リゾート施設「ハウステンボス」(HTB、長崎県佐世保市)の再建問題で、前原誠司国土交通相は30日、企業再生支援機構の活用を検討する考えを示した。遊説先の長崎県内で、報道陣に「企業再生支援機構の活用ができるかどうか、所管の菅(直人)副総理と相談して取り組みたい」と述べた。

 HTBを巡っては、大手旅行業エイチ・アイ・エス(HIS、東京都)が支援を検討しているが、高額の修繕費用などから断念の可能性が高まっていた。同機構の支援が得られれば、状況は大きく変わることになる。

 ただ、同機構の支援を受けるには、HTBが提出する再建計画の審査や資産の査定などがあり、認められるかは不透明。また現在の更生計画で決められた債務返済期限は3月末に迫っており、時間切れの可能性もある。

 前原国交相はこの日、佐世保市の朝長則男市長から再建支援を求める要望書を手渡されたことや、HISの沢田秀雄会長から電話で「(予想以上に多額の費用がかかり)対応しきれない」と言われた経緯を説明。両者それぞれに「国が支援できる制度がないか検討したい」と伝えたことも明かした。』(1月30日付毎日新聞)


【迫りくる期限】

ハウステンボスは、創業者である神近義邦がオランダ語で「森の家」を意味する「ハウステンボス」の名を冠して、オランダ400年の国づくりに学びながら、現在の時代を先取りする環境都市と生活ストーリーを作り、「人と自然が共存する新しい街」『自然の息づかいを肌で感じることのできる新しい空間』を目指して2千億円近い巨費を投じてつくられた町です。その規模は面積で東京ディズニーランドに匹敵します。1992年の開業当初はそのすばらしい景観やコンセプトに大勢の観光客が訪れ、1996年には425万人もの来場者を記録しました。

しかし、その後は人気に陰りが出て来場者が減少、2003年に会社更生法の適用を受けて破たんし、 今まで野村プリンシパル・ファイナンスが再建を進めていました。その努力もなかなか来場者数増加に結びつかず今回の事態に至っているのです。期待されていたHISによる支援もとん挫しかけており、3月末まで支援策が決まらなければ破産という事態に至ります。これは地元だけでなく九州全体にとっても大きな打撃となるでしょう。

【発想の転換】

僕も過去に何度もハウステンボスに観光に行きましたが、景観のすばらしさやゴージャスな造りなどには感動するものの、エンターテインメント性には乏しくどうしても足は遠のいていきました。実際野村プリンパルの運営になってからは一度も行っていません。やはりリピーターを増やすには東京ディズニーランドのような強烈な個性と仕掛けが必要なのでしょう。

はっきり言って、もうこれ以上日本人の客を呼び込むのは限界があると感じざるを得ません。後はリーマンショック前までそうだったように中国や韓国、台湾、香港などのアジア諸国からの来場者を如何に増やせるかでしょう。

であれば、日本の企業ではなく外資、それもアジアの資本に引き継がせて、特に中国系の人々を大量に呼び込む仕組みを創っていくしかないような気がします。果たして3月末までにそれが出来るか。今のような救済型の支援ではアジアの資本に引き継ぐまでの「つなぎ」と割り切るしかないのではないでしょうか。

思い切った発想の転換が必要になっています。

  



2010年02月04日

【野火のごとくに】

まるで野火のごとくにあっという間に拡大したというのが実感です。

『トヨタ自動車は29日、欧州で販売した8車種、最大180万台を対象にリコール(回収・無償修理)を実施すると発表した。アクセルペダルがフロアマットに引っかかって暴走する恐れから北米で実施している自主改修分などを含めると、重複分を除いても、リコールと自主改修を合わせた対象台数が世界で700万台以上となり、トヨタの昨年の世界販売台数の698万台を上回る規模になる。

 新たにリコールの対象となったのは、欧州などで2005年2月から10年1月まで製造された「ヤリス」(日本名ヴィッツ)「オーリス」「カローラ」など。

 トヨタはこのほか、米国で約230万台、カナダで約27万台、中国で約7万5千台のリコールを発表。ほかにも欧米にある生産拠点で製造された対象車が中近東に輸出されており、調査を進めている。

 フロアマットの問題でトヨタは、米国とカナダで販売している高級ブランド「レクサス」など13車種、約555万台を対象に、運転席側のフロアマットとアクセルペダルを無償交換するなどの自主改修を発表している。

 米国とカナダでは、リコール対象車の販売を一時停止。5つの工場で、対象車の生産を少なくとも1週間は休む。』(1月30日付産経新聞)


【激震、トヨタ】

それにしても昨年の世界の販売台数を超えるほどのリコールというのはすさまじいばかりです。しかも日本国内ではこのリコール問題は表面化していないというのですから、素人には全く何が起こっているのかわかりにくいというのが正直な感想です。一体、トヨタの今回のリコール問題、何が原因なのでしょうか。

産経新聞の別の記事によると、その原因は現地での調達部品の共通化にあるということです。リコールの対象となっている車種の問題個所は主にペダルのようですが、そのペダルを現地の部品メーカーに作らせ、コスト低減のために様々な車種と地域で急速に共通化を進めてきたことが裏目に出たというのです。

同紙には、『トヨタをはじめ米国に進出した自動車メーカーは、1980年代後半から90年代にかけての日米自動車摩擦に伴い、部品の現地調達率を上げるために現地メーカーとの取引を増やしていった。近年は低価格で攻勢をかける韓国メーカーの追撃もあり、多くの車種で部品共通化することでコスト削減を進めていた。』とありますから、競合他社との競争に打ち勝つための有力な手段だったのでしょう。

【危機管理】

しかし、その戦略がこれほどの問題になった以上は迅速に社内調査を進め、世界の顧客に対して納得のいく説明をすべきでしょう。そうでなければ世界最高品質を誇るトヨタ車のブランドは地に堕ちることになるでしょう。

僕も20年近く前にアメリカのワシントンDCで日米自動車摩擦が吹き荒れていたころ、同地に駐在していましたが、トヨタ車への信頼は高く僕自身も当時のカムリの中古車に乗っていました。あのころから摩擦回避のために現地調達比率を上げていたということですから、現在のトヨタの危機の芽はそのころからあったということでしょう。

起きてしまったことは今更どうしようもありません。しかし、米議会の公聴会などにせっつかれる前にトヨタが自らやるべきことはたくさんあるように思いますが、みなさんはどう思われますか。
  



2010年01月29日

【深刻な失業問題】

世界全体で失業が大きな問題になりつつあります。

『国際労働機関(ILO)は27日発表した労働市場に関する報告書で、2010年の世界全体での失業者数が2億1340万人となり、過去最高水準に達すると予測した。世界的な景気悪化で雇用が落ち込んだ09年(推定2億1150万人)から、情勢が一段と深刻化し、失業者が190万人増加する見通し。
 10年の失業率は6.5%(09年は推定6.6%)に高止まりすると予想。特に北アフリカや旧ソ連諸国などでは10%超の高い失業率が続く見込み。
 ILOのソマビア事務局長は、各国の指導者らが集まる世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)の27日開幕を念頭に、「『雇用なき回復』の回避が政治の優先課題であることは明白だ」と言明。雇用問題に対処するためには、「(金融危機で行った)銀行救済と同様の確固たる政策を講じる必要がある」と述べ、各国の指導者や民間企業のトップらに取り組みを強化するよう訴えた。』(1月27日付 時事通信)


【雇用回復が急務】

この報告書には、2009年の世界の失業者数が推計で前年比2660万人増の2億1150万人、失業率は0・8ポイント上昇の6・6%と、いずれも比較可能な統計がある1991年以降最悪を更新したとも書かれています。やはり、08年のリーマンショックに始まった金融危機が世界の雇用情勢に悪影響を与えたのが大きな要因だと考えられます。

世界の中でも米国に目を転じてみると、あれほど熱狂的な支持を受けて誕生したオバマ政権が今、支持率が5割を割ったり、民主党の50年近い牙城と言われていたマサチューセッツ州の上院議員補欠選挙でまさかの議席喪失に見舞われるなど思わぬ難局に遭遇しています。これは、ようやく底入れはしたと言われる米国経済の中でも、とりわけ二ケタ台の失業率が政権への逆風の要因だと見られているのです。

米国だけでなく、欧州や日本でも雇用問題は深刻になりつつあります。今年は、「雇用なき回復」から如何に脱出するかが、各国の政権の命運に大きな影響を及ぼすことになりそうですね。

  



2010年01月26日

【すさまじい落ち込み】

小売業の雄ともいえる百貨店、そしてスーパーの売上げが急激に落ち込んでいるとの報が目に留まりました。

『日本百貨店協会が22日発表した2009年の全国百貨店売上高は6兆5842億円となり、既存店ベースでは前年比10.1%減少した。08年秋のリーマン・ショック以降、消費者の節約志向が一段と強まり、下落率は過去最大を記録。ピークの1991年に9兆7130億円だった百貨店売上高は、バブル経済以前の84年(6兆5865億円)の水準まで落ち込んだ。
 また、日本チェーンストア協会が同日発表した09年のスーパー売上高は12兆8349億円と21年ぶりに13兆円を割り込んだ。既存店ベースでは4.3%減で、前年実績を下回るのは百貨店、スーパーともに13年連続。
 特に衣料品が低迷し、百貨店で13.2%減、スーパーで10.8%減と大苦戦。低価格ながら高品質とファッション性を備えたユニクロのような専門店との競合激化も響いた。食料品は百貨店4.6%減、スーパー2.6%減だった。スーパーの食料品は前年、外食を控えて家で食事をする志向の強まりを受け販売額を伸ばしたが、その効果も一巡し、3年ぶりのマイナスとなった。』(1月22日付時事通信)


【消費行動の変化】

それにしてもすさまじいばかりの落ち込みです。いくらリーマンショック後の景気低迷が響いているとはいえ、バブル経済以前の水準にまで落ち込んだということは相当規模の縮小が進み、消費者の百貨店・スーパー離れが進んでいるということでしょう。一方で楽天などのネット経由でのオンラインショッピングは伸びていると聞いています。米国では昨年のクリスマス商戦でネットショッピングが大幅に躍進したとの報道もありました。

すでに何年も前から言われていることですが、これは明らかに消費者の行動に根本的な変化が起こっていると見るべきでしょう。実際、今ではウェブ上で車まで買える時代です。しかも価格ドット・コムなどのサイトを利用しながら家にいながらにしてほしいものが手に入るわけですから百貨店等から足が遠のくのは不思議ではないのかもしれません。

これからは百貨店やスーパーも基本はネット、実物を見せるためにアンテナショップ程度の店構えだけ残すといった時代が目の前に迫っているのかもしれません。
  



2010年01月22日

【タイム誌へ投稿】

1月18日号のタイム・アジアの記事「マイクロファイナンスはアメリカで成り立つか」に投稿しましたので公表します。

Below is my comment on the article of“Can Microfinance Make It in America?”, page 24-25, TIME Asia issued on January 18, 2010

Your article on the Grameen bank in the U.S. gave me a fresh surprise of the unique relationship between a lender born in Bangladesh, the world’ poorest country and borrowers in the U.S., the world’s richest country. If Grameen’s way of microfinance prevails in the U.S., I feel a foreboding that the new era would come soon when more and more developing countries help the developed ones by their cooperative spirits and minds. Yes, money isn’t everything.

【拙訳】

米国で展開するグラミン銀行に関する貴記事を見て、世界で最も貧しい国、バングラデシュで生まれた貸し手と、世界で最も金持ちの国、アメリカの借り手の間のユニークな関係について新鮮な驚きを感じました。

もしもマイクロファイナンスというグラミンのやり方が米国でうまくいくならば、もっともっと多くの発展途上国が助け合いの精神で先進国を助ける時代がいづれやってくるという予感がします。そう、マネーがすべてではないのです。
  


2010年01月19日

【ついに更生法適用】

JALがついに更生法適用になることで全国にその影響が波及しそうだ。

『東京商工リサーチは13日、日本航空グループを主な取引先にしている国内企業が2910社に上るとの集計を発表した。

 日航の一般商取引の債権は会社更生法の適用申請後も保護される方向で、連鎖倒産などは限定的とみられているが、同社は「地方便の撤退・縮小による売り上げ減などの影響が広がる恐れがある」とみている。

 業種別では、旅行会社や洗濯業(リネンサプライ)などを含む生活関連サービス業・娯楽業が最も多かった。地方空港などを中心に乗客向けの販売・サービスを行う企業に影響が出ることも予想される。

 都道府県別では、東京都や大阪府、成田空港を抱える千葉県のほか、観光が主要産業の沖縄県、北海道の企業が多かった。売り上げ規模別は10億円未満が過半を占め、中小・零細企業が多かった。

 同社のデータベースで、仕入れ先や販売先として日航グループが取引先上位に入っている企業を集計した。』(1月13日付読売新聞)


【冷やかな反応】

東京商工リサーチの調べでは、JALの取引先はJALと取引のある3千社と間接的に取り引きのある企業も含めると1万社以上になるということです。会社更生法による法的整理ですからJALそのものがなくなるわけではないので、新しい経営者のもとでうまく再建が進めば関連企業への影響は長い目で見れば限定的かもしれません。しかし、一般商取引債権がある程度保護されるとはいえ、やはり中小企業の取引先への影響などは無視できないものがあるでしょう。

それにしても、なぜここまでJALの経営は悪化してしまったのか、もっと前に再建に取り組んでいれば今のような状況にまではならなかったもしれません。やはり、先日見た「沈まぬ太陽」にあったように政治家や官僚が利権に群がっていたのを防げなかったのでしょうか。国民が冷やかな目でJALの法的整理を見ているのもそういう過去があるからなのでしょう。

少なくとも政権交代が今回のJALの法的整理の決断を後押ししたことは間違いないようです。そしてそれは民主党政権の決断というよりも、国民の我慢の限界がもたらしたJALに対する最後の審判だったというべきでしょう。ここはしっかり過去の膿を出し切って新生JALとして安全でリーズナブルで快適な空の旅を顧客に提供できる会社になってほしいと願うばかりです。
  



2009年11月30日

【揺れるドバイ】

リーマンショックの前まではわが世の春だったドバイが青色吐息状態だ。

『27日の東京外国為替市場で円相場が一時、14年ぶりの1ドル=84円台まで急伸した。アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ首長国で政府系開発会社が資金繰り難に陥り、関係が深い欧州系金融機関の先行き不安が高まって、ユーロが売られ、円に資金が逃げ込んだためだ。オイルマネーを元手に急成長してきたドバイ発の金融不安は「ドバイショック」として世界を駆けめぐり、日本も揺さぶった。

 震源となったのは、ドバイ政府の持ち株会社ドバイ・ワールドと傘下の開発会社ナキール。25日に総額590億ドル(約5兆円)の債務返済を繰り延べるよう要請した。ナキールはパームヤシを模したリゾート人工島の造成を続け、退役した豪華客船クイーンエリザベス2世号を買収したことなどでも知られる。

 ドバイは中東でも石油資源に恵まれていないが、外資誘導を打ち出し、原油高であふれたオイルマネーの受け皿となった。旺盛な不動産開発に目を付けた欧州系の金融機関などから資金が流入した。

 しかし、昨年9月のリーマン・ショックを契機に投資マネーが流出し、高層ビルなどの建設ラッシュが行き詰まった。今回は12月中旬以後に返済期限を迎える債務の支払いを半年間延期するよう要請するもので、大半は欧州系金融機関からの借り入れとみられており、欧州系金融機関の先行き不安が再燃した。

 このため、欧州の株価が急落し、外国為替市場ではユーロや英ポンドが売られた。外国為替市場では、既にドル安が進んでいたが、ユーロまで売られたため、残る主要通貨の円に資金が逃避し、円の独歩高を招いた。

 ドバイには日系企業もインフラ建設などに参入している。邦銀も数百億円規模の融資残高がある模様で、一定の損失を抱えそう。新興国がけん引する世界経済の回復シナリオに水を差す結果となった。』(11月27日付毎日新聞)


【連鎖する不安心理】

先週の急激な円高の背景に中東のドバイが絡んでいたと聞いたとき、「ああ、今度は中東がまた不安の火種となるのか」と嫌な気分になった。昨年日本のテレビも何度も紹介し、日本の経済界からも視察団がいくつも訪問したドバイ。リーマンショックの前まではまさにバブルの絶頂だったのだ。

砂漠に忽然と現れた超高層ビル群。そして華々しく埋め建てられた人工島の数々。まさにこれはいづれ砂上の楼閣となるだろうと誰もが思ったのではないだろうか。しかし、たった1年そこそこで、こんなにも早く砂上の楼閣になるとは誰も予想しなかっただろう。そのツケは主に欧州の金融機関にさっそく回り、そこから回りまわって不安心理に駈られたマネーがドルやユーロから日本の円に逃避したというのだ。

国内の乏しい需要と拡大したままの供給とのギャップが縮まらず、頼みの輸出もままならない日本経済は、本来ならば海外の投資家から敬遠されて円安になってもおかしくない状況なのに、市場は円買いに走ってしまうという皮肉な結果となっている。

金融不安はいづれ実体経済に深刻な影響を及ぼす。その証拠に米国の株価は神経質に下がり始めている。先進各国の政策当局が迅速に対策を打つ必要があるだろう。特に日本は円高、株安でさらなる不況の長期化が懸念される。

今の民主党政権に経済の司令塔となるべきリーダーがいそうにないのが非常に気になるところだ。こんなときに亀井氏が金融担当大臣というのは、日本にとって致命的となるかもしれない。




  
タグ :ドバイ



2009年10月20日

【ユニーク?】

型破りな扇風機が発売されるそうです。

 『英家電メーカー、ダイソンは16日、羽根がないのに風が出る新型扇風機「エアマルチプライアー」を11月2日に自社サイトや都内のインテリアショップなどで発売する、と発表した。来春には国内家電量販店でも販売する。英国で13日に発表したところ、常識を覆す扇風機として話題を呼んでいるという。

 エアマルチプライアーは土台に載った輪から、風が吹き出るようになっている。土台の部分から空気を吸い込み、輪に開けられた幅1ミリ程度の溝を通って吹き出す仕組みだ。

 同日、記者会見したジェームズ・ダイソン会長は「安全で、クリーニングもしやすい」と強調した。輪の口径が10インチ(約25センチ)、12インチ(約30センチ)の2機種あり、いずれもオープン価格。店頭価格(自社サイト価格は未定)は2機種とも3万円台後半になる見込みで、羽根のある通常の扇風機に比べると高額になっている。』(10月16日付産経ニュース)


【常識を翻す】

ダイソンと言えば、強靭な集塵機能とユニークな形で有名なサイクロン掃除機を思い出します。商品の数は少なくてもひとつかふたつユニークな製品が有名になれば、会社全体のイメージがダントツに向上するいい例ですね。

そして今回の羽根なし扇風機。これも羽根で風を送るという常識をまったく覆すユニークな製品です。さすが、ダイソンと誰しも思いますよね。これからはハードでもソフトでも、常識にとらわれない独創的なモノをいかに作れるかに企業も個人も生き残りの鍵があるようです。

日本での発売は来春ということですので、それまでワクワクしながら待ちたいですね。


  




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