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2011年10月17日

【コスト見直しスタート】

福島第一原発の核惨事を経験してはたしてどこまで本当の見直しが進むでしょうか。

『政府は7日、「エネルギー・環境会議」(議長・古川元久国家戦略担当相)に設置した「コスト等検証委員会」の初会合を開き、電源別発電コストの見直し作業に着手した。福島第1原発事故を受け、最も割安とされてきた原子力発電のコストを厳しく見直すとともに再生可能エネルギーのコスト低下の余地も検証する。政府は年末までに検証結果をまとめ、12年夏までに行うエネルギー政策の見直し作業に反映させる。

 初会合では、原発について、事故に備えた賠償費用や安全対策費のほか、立地補助金などの政策経費もコストとみなす方向を決定。また、エネルギーすべてに関して、20~30年後の発電コストが技術開発や普及などでどう変化するかも推計するとした。核燃料サイクル費などの算出には原子力委員会の協力を得る。委員長の石田勝之副内閣相は「これらのデータを踏まえ、将来のベストミックス(適切な電源構成)を考える」と説明した。

 政府は従来、1キロワット時当たりの発電単価を原発5~6円▽液化天然ガス(LNG)6~7円▽太陽光37~46円などとし、原発が最も割安として推進の根拠としてきた。ただ、試算は発電所の稼働率や運転期間、燃料費などで大きく変動する上、原発の政府試算は廃炉費用などを十分に織り込んでいないとして「原発推進のための数値」と批判されてきた。

 委員に就任した大島堅一立命館大教授が電力各社の有価証券報告書を基に試算したところ、原発は稼働率低下や再処理費用の膨張などで11~12円と倍増。事故時の賠償費用などを加えれば、更にはね上がる可能性がある。

 また、火力発電は新興国の需要急増などで燃料費の上昇圧力にさらされる。温室効果ガス排出削減対策などの費用も増えそうだ。

 一方、再生可能エネルギーは固定価格買い取り制度などで普及が促進される見通しで、量産効果や技術開発によるコスト削減が期待される。最も割高とされる太陽光発電も、技術革新の余地が大きいとされ、今後20年で7円程度まで下がるとの試算もある。ただ、再生エネは出力が不安定な弱点をカバーするための技術開発や投資が必要。技術開発の見通しなどの前提にも大きく左右されるため、適切な試算は難しそうだ。』(10月7日付毎日新聞)


【重要な論点】

電源別の発電コストについては、以前も何度かお伝えしていますが今後原発をどうするかの議論を進めていく際に、最も重要な論点となるのは間違いありません。それがわかっているから従来から経産省は原発の発電コストは安いという宣伝を自らやったり、日本エネルギー経済研究所などの同省所管の外郭団体を使ったりしてきました。もちろん、その計算根拠をすべてつまびらかにすることなく、自分たちの都合のいいデータだけだして言わば国民をだましてきたのです。

福島第一原発がこれほどの核惨事を起こして、まさに日本が壊滅するのではないかという瀬戸際までのリスクを経験した以上、これからはこんなでたらめなことは絶対に許してはいけません。市民がしっかりと経産省をはじめとする原子力ムラを監視していかなければならないのです。

そんな中で政府の「エネルギー・環境会議」が電源別エネルギーコストの見直しに当たって、原発について、事故に備えた賠償費用や安全対策費のほか、立地補助金などの政策経費もコストとみなす方向を決定したとのことですが、これとて真正直に信じていいのかどうか慎重に見極めなければなりません。まずは議論を公開して議論の途中でも細部までデータのすべてを国民の前に示しながら見直しを進めていくことが最低条件でしょう。そうでなければまた最後のところで自分たちの都合にいい方向にもっていこうとするのは見えているからです。

いづれにしても議論の行方を注視していきたいところです。

≪参考≫

・『「安い原発の発電コスト」を垂れ流す御用機関、マスコミの大罪』・・・2011年9月7日付の僕のブログ記事
  




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