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2011年10月27日

【全面対決の様相】

九電と枝野経産相が全面対決の様相を呈しています。

『九州電力のやらせ問題に関連して、経営体制を理由に原発再稼働が認められない場合、行政不服審査法などに基づく不服申し立てを九電が内部で検討していることについて、枝野幸男経済産業相は25日の記者会見で「法的な手続きは認められているが、そもそも大臣として許認可権を行使する以前に、周辺住民や国民の理解、納得を得られる状況になるのですか、と申し上げている」と述べ、あらためて九電の姿勢を批判した。

 また枝野氏は会見で、松尾新吾会長が社長就任前後に親族が創業した建設会社をゼネコンに紹介し、親族会社が九電関連の多額の下請け工事を受注していたことについて「報道しか知らずコメントは避けたい」と前置きした上で、一般論として「電力会社は地域経済に大きな影響を与え、地域独占的な地位を保証され、利益が確実に確保される仕組みまで担保されている強い公益性を持った企業体であり、経営は適切なモラルの下で行わなければならない」と述べた。

 九電のやらせ問題で枝野氏はこれまでに、第三者委員会の指摘を受け入れず、真部利応(まなべとしお)社長の続投支持を表明している松尾会長の判断など九電首脳陣の対応に重ねて不快感を表明し、玄海原発(佐賀県玄海町)などの再稼働を政治判断する際に経営体制見直しを重要視する考えを強調。

 これに対し九電首脳陣は、経営体制と再稼働問題を関連させることに反発している。』(10月25日付西日本新聞)


【泥沼の様相】

そもそも今回の九電と経産省の争いは、福島第一原発の核惨事から数か月しか経たない今年6月頃に佐賀県玄海町にある玄海原発の再稼働を急ごうとしたことに端を発しています。そのとき、再稼働を進めようとしていたのは九電と古川佐賀県知事、そして経産省のトップだった海江田経産相でした。それに対して経産省に不信感を抱いて性急な再稼働を止めさせようとしていたのは菅直人首相でした。そう、その時点では経産相と佐賀県知事、九電は再稼働で足並みを揃えて首相だけがその動きを止めようとしていたのです。ほんの数カ月前なのにもう何年も前のように感じます。

ところが、その後内閣が代わり、首相は野田氏、経産相は枝野氏に交代し、玄海原発の再稼働を巡る政府の姿勢も微妙に変化しました。野田首相は脱原発を公言するのをはばかり、枝野経産相は世論の動向を注意深く探りながら原発の延命路線を取っているように見えます。

そんな状況の中での九電のやらせメール問題の発覚。市民の普通の感覚でこの問題を見ていると、明らかに九電の経営陣の姿勢はおかしいと感じます。だからこそ、枝野経産相は東電と同じように厳しく九電を批判しているのです。その点は枝野氏の判断は正しいように僕にも思えます。

【本当の問題】

しかし、少し現実の細かな動きを離れてこの問題を見ていると、もっと大きな部分で枝野経産相も九電も何か論点がずれていると感じます。意図があるとすれば経産相側なのでしょうが、それは両者とも玄海原発の再稼働を住民に納得させるために何が必要かという姿勢に終始しているという点です。

僕は違うと思う。必要なのは原発を安全に運転することだけでなく、地震が多発する日本では次のフクシマが起こるのは時間の問題であり、原発に依存する電力供給体制を早急に見直して本当の住民の安全を確保することです。何が何でも原発の再稼働ありきではないのです。

そういう意味で、今の九電の経営陣は再稼働のために何が必要かしか頭になく、まったく住民の安全など眼中にないということが今回のやらせメール問題で明白になりました。しかし、だからといって経営陣を変えても電力会社や政府の目指すべきは目先の原発の再稼働ではなく、本気で住民や地域ひいては日本が安全で安心に暮らせる社会をどう作っていくかということをとことん追求していくことです。電力会社も政府も原子力ムラと揶揄される人たちにとって、そういう根本的な問題を先送りすることは、多くの被爆者を出して日本を破局の淵に追い詰めようとした東電のフクシマの核惨事の後では絶対に許されないと思います。野党自民党は無責任にも世論が収まるまで原発問題から逃げようとしていますが、政府・民主党はそれは許されません。僕たち市民はその動きをしっかり監視していく必要があります。

そう考えると、早く再稼働しろと催促ばかりする読売新聞など一部大手メディアの姿勢も信用できないことも付け加えておきます。
  




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