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2009年03月27日

【氷床が解ける】

次々と発表される気候変動に関する研究発表に、僕らはただ息を呑むだけしかないのだろうか。

『南極の海水気温が5度上昇すると南極西部の大規模氷床が解け、世界で海面が最高5メートル上昇する可能性があるとの研究を、米国の研究チームが18日発行の英科学誌ネイチャーで発表した。
 西南極は、南極大陸の中でも気候変動に最も敏感な地域とされ、過去数百万年の間に何度も氷床の融解を繰り返し、直近では40万年前に起きている。
 研究に参加したペンシルベニア州立大のデビッド・ポラード氏らは、南極周辺の海水気温が約5度上がると、氷床が解け始めると指摘。今回の研究結果は、コンピューターによるシミュレーションで算出したもので、おおよその目安だとしている。
 西南極氷床の融解については、同じネイチャー誌で別の研究が地軸の傾きとの関係を指摘。この研究は、融解パターンと約4万年の周期で変化する地軸の傾きに関連が見られるなどとしている。』(3月18日付ロイター通信)


【予想より現実が先行】

今回の米国の研究チームの研究成果は、ネイチャー誌を見てみないと一体どれくらいの時間軸で、どの地域が、何メートル海面上昇が起こる可能性があるのかなど詳しいことはわからない。

しかし、最近発表されているいくつかの研究発表の報道を見ていると、IPCCの気候変動に関する予測などよりも現実の方がもっと深刻だと言うことが次々と明らかになっているようだ。

たとえば、今年2月26日付のAFP電によると、世界気象機関(World Meteorological Organisation、WMO)は2月25日に、今回の米国の研究チームの発表と同じく、北極と南極の氷床が予想を上回るペースと規模で縮小しており、海面水位が上昇するとともに気候変動に拍車をかけているとの調査報告書を発表していた。

【最悪のシナリオ】

特に、世界の淡水の約70%は南極に蓄えられており、南極やグリーンランドの氷床が失われれば、海面が何メートルも上昇する状態に拍車が掛かり、多くの人が住むデルタ地帯や低海抜諸国が海面下に沈み、危険な暴風雨が増加するだろうと言われている。こういった海面上昇の予想については、IPCCも地球温暖化のシナリオの計算の中に入れているのだが、今世紀中に海面が59センチ上昇するというIPCCの予測よりも現実のほうがはるかに深刻な形で進行しているようなのだ。

早咲きする桜など「観測史上初めて」といったニュースが最近めっきり増えてきたが、人間が窮地に追い込まれてその英知を発揮することもできず「最悪のシナリオ」に陥ることがないことをただ祈るばかりだ。
  



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