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2011年07月27日

【相互不信?】

閣内での相互不信がますます募っているようです。

『海江田万里経済産業相は25日の参院予算委員会で、菅直人首相が経産省に対し電力需給に関するすべての情報を開示するよう文書で求めたことについて「持っている情報を隠し立てしたことは一度もない」と批判した。外部からの情報公開請求に担当府省が応じないケースがしばしば問題になるが、首相が特定の府省に情報開示の指示文書を突きつけるのは異例。電力不足が全国的に広がるなかで、所管大臣の海江田氏と首相との相互不信に拍車がかかっている。

 問題の文書は首相が内閣官房の国家戦略室に指示して作成させた。「脱原発」を打ち出した首相は民間企業の自家発電や水力発電による「埋蔵電力」を需給計画に組み込みたい考え。経産省が「自家発電の余剰分は160万キロワット」と報告すると、首相は「そんなに少ないはずがない」と激怒し、詳細なデータを提出するよう求めた。

 「経産省から話を聞く中で明確にならなかった点について、国家戦略室のスタッフがもう少し具体的に示してもらいたいとの趣旨で出した」

 首相は25日の参院予算委で、情報開示を求めた経緯を説明したが、背景に官民挙げて原発を推進してきた経産省への不信感があるのは明らか。同省内からは「どうすれば信じてくれるのか分からない」との不満も漏れる。

 海江田氏は答弁で「(指示を)文書でいただいたが、これまでと同じようにしっかりと(情報を)出すつもりだ」と情報隠しを強く否定。加藤修一氏(公明)が「隠し玉、埋蔵電力はないのか」とただすと、「そういう言葉を使う人の中には、何か隠しているんじゃないかという思いがあって使う人がいる」と述べ、経産省の報告を信用しない首相の姿勢を暗に批判した。

 海江田氏は九州電力玄海原発の再稼働を首相に止められ、「いずれ責任を取る」と辞任の可能性も示唆。首相はその後も政府内調整なしの「脱原発」会見など海江田氏の面目をつぶすような振る舞いを続けており、野党は「閣内の意思疎通が全くとれていない」と政権批判を一層強めている。』(7月25日付毎日新聞)

【敵はどこか?】

僕ら一般人は新聞やテレビからしか政治の動きは判断する術を持ちませんが、原発問題を巡る菅首相と海江田経産相のやり取りの真意がどこにあるのかさっぱりわかりません。

原発推進をひたすらやってきた経産省の立場は明確です。過去何十年にもわたって、たとえ住民が死のうとどうしようと、自分たちの政策の失敗を認めないためにも、原発に関する都合の悪いデータや事実はひたすら隠し通してきたし、反対する人間たちには執拗な攻撃をしてきたわけです。そんな経産省は他の省庁も巻き込んで、あらゆる権力を総動員して、福島第一原発の核惨事をものともせず、原発の生き残りを図ろうとしているのです。その手口たるや有能な経産官僚を追いだすことさえいとわないのですから凄まじいものです。

そこに一国のリーダーである菅首相だけが経産省を敵視して脱原発を進めようとしていることに徹底して抗戦している。今の状況はただそれだけだと思います。海江田経産相はその官僚組織に操られているだけにすぎないのだと思います。

しかしながら、何故民主党政府は、そして菅首相は同じ民主党の政治家同士の海江田氏といがみ合うのか僕にはわからない。経産省という権力の横暴を抑えることを目的とするならば、政治家同士で、そして立法府の長として海江田氏とも徹底的に議論して協調していかないのか。個人的な恨みなど国家百年の計からすればどうでもいいことです。

菅首相が完全に孤立していて、国民が経産省をバックアップしているのでしょうか。菅首相の孤立はわかりますが、原発を巡る経産省の隠ぺい体質や権力の横暴、福島原発の核惨事に対する無責任などについて国民が経産省を支持しているとは到底思えないのは僕だけでしょうか。いや、一般国民はそうかもしれませんが、電力会社など旧態依然の産業界が経産省を支持しているからかもしれません。こと原発の問題に関しては、どんな技術力を持ってしても地震大国日本においてはいづれ再び福島以上の核惨事を招くことは必定です。それほど安全上のリスクが高い上に、経産省をはじめとする原子力ムラの無責任な推進体制がそのリスクをさらに高めているのです。

そして先のことを論ずる前に、すでに起こってしまった福島第一原発の核惨事による放射能汚染は確実に福島周辺の住民の方々の命を脅かし、その未来をすべて奪い去ってしまっていることを忘れてはいけません。僕たち一般市民はほんとうの敵がどこにいるのか常に監視の目を光らせていなければ命の保証はない国に生きているのです。

海江田氏と菅首相の確執を見ていると、そんな思いがよぎりました。  




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