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2009年02月25日

【国境と国家】

国境が明確に規定されたのは、1648年にそれまでのヨーロッパでの宗教戦争に終止符を打ち、ドイツで締結され、国際法の元祖となったウェストファリア条約だと言われている。それ以降、主権国家は明確な領域を持つこととされ、地球の連続的な広がりを有界化して、国境線が地表上にひかれることとなった。今僕たちは、その国境線をグーグルの世界地図で世界の隅々まで見ることが出来る。

しかし、地図の上に描かれる一本の線は、人間同士、国家間に様々な悲劇や軋轢を生んできた。日本は幸いにして海に囲まれているため、ほとんどの国境が「海」という自然物で区切られている。唯一、過去の戦争で失った北方4島などが国民に国境の存在を感じさせるくらいだ。

その国境の現実を今、インドとバングラデシュはひしひしと感じているという記事が目に留まった。

【テロと安全】

2月16日号タイム誌の記事「大きな断絶」("A Great Divide", Page 22-27 TIME magazine dated on February 16,2009) に、インド政府が今、テロの脅威から自国の安全を守るという大儀名分を掲げて、バングラデシュとの2500マイルにも及ぶ国境線をすべてフェンスを張り巡らそうとしていると紹介している。

India is building a fence along its 2,500-mile border with Bangladesh to contain what New Delhi perceives to be external threats to the nation's security.

2500マイルといえば、キロに直すと約4000キロ。福岡から東京まで距離にして約880キロなので、その4.5倍もの距離がある。これほどの長さの国境を写真のようなフェンスで取り囲んでいるのだ。はたして、物理的な構築物でインドは本当にテロの脅威から解放されるのだろうか。はなはだ疑問だ。

【宗教と経済の狭間】

インドとバングラデシュを隔てているのは、歴史的に国境線よりも宗教の方が重要だ。インドはヒンドゥー教、バングラデシュはイスラム教である。インドはIT産業や鉄鋼など様々な分野で経済的な離陸を遂げているが、一方のバングラデシュは国家としての歴史も浅く、毎年洪水に悩まされるなど気象条件も厳しいことから経済的にも離陸が遅れ、国民は貧困に喘ぎ、政治も不安的で、テロの温床ともなっている。

かつては4百万人もの難民を受け入れていたインドも、最近のムンバイでのテロなどを背景に、バングラデシュからの人の流入に神経質になっているのだ。

しかし、物理的な壁をいくら強固にしても本当の解決にはならないだろう。なぜなら、生活のための密貿易による人の往来はそう簡単には止められないからだ。例えば、インドでは神聖視されている牛が、バングラデシュとの間の密貿易取引の半分近くを占めていて、貧困に喘ぐバングラデシュの人達にとってフェンスがあろうとなかろうと、生きるためには牛の売買などを継続するために、国境を越えざるを得ないのだ。

インド政府は、先ずバングラデシュとの間の密貿易を減らす努力や、同国との経済協力などアジアの新興経済大国としての責任を果たすことが重要ではないだろうか。みなさんはどう思われますか?
  



2008年12月31日

【今年の10大ニュース】

いよいよ今年も今日で終わり。年の最後に2008年を振り返るべく、読売新聞の読者が選んだ10大ニュースを見てみましょう。先ずは「日本編」。

1.中国製ギョーザで中毒

2.福田首相退陣、後継に麻生氏

3.ノーベル賞、日本人4人受賞

4.北京五輪で日本「金」9個

5.東京秋葉原で無差別7人殺害

6.後期高齢者医療スタート

7.元厚生次官宅襲撃、3人殺傷、男逮捕

8.株、バブル後最安値

9.岩手・宮城で震度6強

10.洞爺湖サミット 


今年の日本は、政治も経済もガタガタになり、日々の食べ物から年金といった老後の社会保障まで信頼できなくなるような大激変に揺れた1年でしたが、北京五輪の若手選手の活躍や聡明すぎるシニアの先生方のノーベル賞受賞がせめてもの救いとなりました。まだまだ日本も捨てたものではありませんね。

【国際編10大ニュース】

では同じく読売新聞から国際編の10大ニュースをどうぞ。

1.初の黒人米大統領にオバマ氏

2.四川大地震 死者6万人超

3.リーマン破綻 金融危機波及

4.北京で五輪開催

5.NY原油 最高値147ドル

6.ミャンマーでサイクロン被害

7.ムンバイで同時テロ

8.チベットで大規模暴動

9.聖火リレー各地で混乱

10.鳥インフルエンザ死者 インドネシア100人超


昨年トップはミャンマーの反政府デモで亡くなった長井健司さんのニュース、そしてNY原油最高値99.29ドルの記事と続きましたが、今年は原油の猛烈な乱高下も吹っ飛んでしまうような世界的な金融危機の連鎖から大不況の足音が9月から急速に高まって、昨年の出来事など忘れてしまうほどの大激変が起こった2008年でした。

【僕のブログの10大ニュース】

そして最後に独断と偏見で選んだ僕のブログの10大ニュースを発表します。

1.「緊急速報-リーマン・ブラザーズ破綻」・・・・・9月15日記事

2.「北島、勝利の雄叫び!」・・・・・・・・・・・・・8月12日記事

3.「遼くん、史上最年少の1億円プレーヤーに」・・・11月26日記事

4.「ホンダの決断-ひとつの時代の終焉」・・・・・・12月8日記事

5.「天井知らずのガソリン価格-170円台へ」・・・6月2日記事

6.「日ごとに被害拡大-四川大地震」・・・・・・・・5月14日記事

7.「漂流する日本政治-福田首相辞任」・・・・・・・9月2日記事

8.「本物の食糧危機-アジアの米騒動」・・・・・・・4月22日記事

9.「猛烈なスピードで消滅-北極海の氷」・・・・・・10月28日記事

10.「金融危機と地球環境」・・・・・・・・・・・・・10月16日記事

昨年の2007年は地球温暖化防止に向けてようやく大きな歯車が動き始めた年として、僕のブログにも地球温暖化に関するかなりの記事を掲載しました。しかし、今年は一転、地球温暖化の動きよりも短期的にではあっても人々を震撼させる変化が地球を覆いました。それは市場の反乱でした。9月のリーマン・ブラザーズの破綻をピークに、それまで天井しらずに上がり続けていた石油や穀物といった資源価格が暴落、世界はインフレではなくデフレの恐怖におののいているのです。

だれも予想しなかったマーケットの乱高下。来るべき2009年の試練を予感させる年となりました。僕の10大ニュースの10番目に取り上げていますが、金融経済の危機と地球環境の危機が短期と長期で人類に試練を与えているようです。

今年よりも来年、そしてその次の年も大きな変動が押し寄せてくるでしょう。でも、ひるんではいられません。毎日を着実に、少しずつでも進歩していく気概をもって明るく生きていきたいと思います。

《参考》

・「今年の締めくくり10大ニュース」・・・・2007年12月31日の僕のブログ記事
  



2008年12月17日

【世相を映す漢字】

良くも悪くも「変」という漢字を想起することが多かったのでしょうか。

『1年の世相を漢字1文字で表す2008年「今年の漢字」が12日、「変」に決まり、京都市東山区の清水寺で森清範貫主(かんす)が揮毫(きごう)した。
 森貫主は「オバマ氏の変革という言葉に影響を受けた日本国民の政治や経済、社会を変えてほしいという願いだと思う。自分自身が変わっていくことが大切。ノーベル賞受賞者が日本人から4人も出たことも大変なこと」と話した。
 発表は14回目。日本漢字能力検定協会(京都市)の公募で、全国から過去最多の11万1208通の応募があった。変は全体の約5%に当たる6031票を獲得。2位は「金」、3位は「落」。以下「食」「乱」「高」などが続いた。
 変を選んだ理由として、「change(変革)」を訴えたオバマ氏が次期米大統領に選ばれたことや、日本では昨年に引き続き首相が短期間で交代したことなどが挙がった。サブプライムローン問題に端を発した世界経済の大変動、世界的な気候変動のほか、ゴルフの石川遼選手ら平成生まれのスポーツ選手の活躍も寄せられた。』(12月12日付時事通信)


【Changeと「変」】

変革を意味する英語のChangeと、日本の漢字の「変」を比べるとどうしても日本のほうがマイナスのイメージを持ってしまいます。こんな漢字を選んだのは、オバマ次期大統領が圧倒的な国民の支持を受けて出てきたアメリカとは反対に、日本の首相は国民の支持どころか、自分の党からも総スカンをくらうほど信頼されず、まさにどこか「変」だと皆が感じている証拠なのでしょうか。

ちなみに昨年の漢字は「偽」。最近、どうもマイナスイメージばかりが目立ちますね。

でも物事をマイナス面だけ見ているだけでは、前進しようとか、「やってやろう」という気持ちにはならないのではないでしょうか。どんなに経済が不況に向かっていようと、政治がどんなに混迷しようと、先ず自らが「変わろう」、「変えてやろう」という強い意志を持つことが大切だと思います。

【時代は変わる】

いつの時代も、変化しないものはありません。古いものは退場を余儀なくされ、新しいものに取って代わられるのです。

「時代は変わる」("The Times They Are A-Changing" )・・・・まさにボブ・デュランの歌の一節を思い出しますね。

   遅いものも、後には早くなり
  「現在」はやがて「過去」になる
  秩序は消え去り
  今一番のものはやがて最後になる
  時代は変わっているのだから


  The slow one now
  Will later be fast
  As the present now
  Will later be past
  The order is
  Rapidly fadin'.
  And the first one now
  Will later be last
  For the times they are a-changin'.


先ずは自分を「変」革して、来年から新たなことに挑戦し、マイナスを吹き飛ばして時代を先取りしていきたいですね。

  


2008年12月12日

【粋な試み】

久留米のタクシー会社が粋な試みをしています。

『サンタクロースのイラストステッカーを張ったタクシーが師走の街を駆け巡っている。福岡県の久留米西鉄タクシー(本社・久留米市、久家日佐夫社長)が年の瀬の明るい話題になればと5台の「サンタ号」を運行している。

 今年で5回目。19日からは、乗務員が真っ白なひげと赤と白の衣装を身に着けてサンタに扮(ふん)し、小学生以下の子供連れの利用客には「プレゼント」もある。25日まで。

 同社の秋庭貢(みつき)専務(64)は「昨年は『サンタのタクシーを』と電話予約もありました。久留米の風物詩として市民に親しんでもらえればうれしい」と話している。』(12月6日付毎日新聞)


【不況だからこそ】

9月にリーマンブラザーズの破綻で始まった金融危機は、米国だけでなく世界中に広がり、実体経済にまで影響を及ぼし始めたのはご存知の通りですが、日本でも製造業の派遣社員首切りや相次ぐ減産のニュースなどやたらと暗いニュースばかりが目立ってきています。

そんな中で、少しでも世の中を明るくしようと頑張っている人たちをメディアが取り上げてくれると、こちらも元気をもらえますね。

この久留米のタクシー会社の試みもそのひとつ。不況が来るからと身構えたり、後ろ向きになる暇があったら、少しでも知恵を出して、工夫してみんなを明るくできて、なおかつ儲けにもつながるようなことをやっていく・・・・そんな久留米西鉄タクシーさんの心意気と粋な試みに乾杯!!!
みなさんも久留米西鉄タクシーのサンタのタクシーを予約してみませんか?

同社の電話番号 0942・21・0011

  


2008年12月01日

【通知書届く】

裁判員制度候補者ノミネートを知らせる通知が続々と届き始めたようです。

『司法の歴史に新たなページを開く裁判員制度が半年後に施行されるのを前に、候補者になったことを知らせる通知が29日、全国各地の国民のもとに届き始めた。

 戸惑いや重圧を感じた人、参加に意欲を示す人……。思いもよらない通知の到来に、候補者たちは様々な表情を見せた。

 「刑事裁判と民事裁判の違いもわからない。法律の知識がないのに、人を裁けるのだろうか」。「裁判員候補者名簿記載通知書」を受け取った東京都新宿区の70歳代の無職女性は、まず不安を感じた。

 経理や秘書の職歴が長いが、今は時間的余裕がある。70歳以上の人は辞退できるとはいえ、「候補に選ばれた以上、引き受けたい」と前向きで、「これを機会に法律も勉強したい。そうしないと、法廷で被告人や検事の話を聞いてもわからない」と意欲を示した。』(11月30日付読売新聞)


【我が家にも】

通知書が発送されたとのニュースが流れた日、家族でもし通知書が来たらどうしようという話をしていました。

「もし通知書が来たら、義務だから裁判員やらなきゃしようがないね。」

「いや、仕事の接待とか理由があれば辞退出来るらしいよ。」

そして、その翌日、郵便ポストに青い封筒で通知書が入っているではありませんか。300分の1の確率だから、ありうるかもと思っていたらそのとおりになりました。

来たからには真摯に対応するしかないでしょう。でも仕事のことが気になります。何とかして辞退する道はないものかと考えるのが本心ではないでしょうか。

【あくまでも候補】

予想通り、最高裁が東京都内に開設した候補者専用のコールセンターには11月29日だけで870件近い問い合わせがあり、その半数が辞退の問い合わせだったそうです。

今回の通知は、翌年に裁判員になる可能性があることを事前に伝え、心づもりをしてもらうために送られたものであり、この段階ではすぐに裁判所に出向く必要はありませんし、あくまでも今回通知された方のなかから、事件ごとに候補者を選び、裁判所で候補者から裁判員を選ぶ手続きを経て6人の裁判員が選ばれるという事前予告のようなものなのであわてる必要はないのかもしれません。

原則的には国の義務なのですから、よほどの理由がない限り辞退は出来ないと腹をくくって、裁判の仕組み、裁判員としての役割などをじっくり勉強しておいたほうがよさそうですね。みなさんの手元には通知書は来ましたか?

《参考》

・「いよいよ始まる裁判員制度」・・・2008年10月21日付の僕のブログ記事

  



2008年11月28日

【急増する中国人妻】

中国からの「花嫁さん」がこれほど増えているとは思いませんでした。

『2008年11月21日、厚生労働省が今年9月に発表した「人口動態統計」によると、07年の日本の婚姻件数は71万9822組で、そのうち国際結婚は4万322組。18組に1組が国際結婚をしていることになる。中国新聞網が伝えた。

中国人と日本人の国際結婚は1万2942組で、夫が日本人、妻が中国人の夫婦は1万1926組、夫が中国人、妻が日本人の夫婦は1016組だった。ここ数年、中国人女性が日本に嫁ぐケースが大幅な増加傾向にあり、01年以降は毎年1万人を超えている。』(11月22日付Record China)


【その効果】

身近な知り合いにも何人かお嫁さんは中国人という話を聞いたことがあるので、日本全体では相当あるのかなと思っていましたが、これほどまでとは予想していませんでした。

Record China紙によると、日本社会にとって中国人女性の効用は、 (1)出産に積極的、(2)過疎化を食い止める農村の労働力、(3)日中交流の橋渡し役、(4)父母を敬う中国の伝統が日本の家庭の絆強化にプラスなどがあるとのことです。

確かに、日本では少子高齢化が急速に進んでいるのに加えて、特に地方では過疎化が進行し、特に農家では深刻な「嫁不足」に直面する状態がもう何十年にもわたって続いているので、中国からのお嫁さんは大歓迎なのでしょう。

【外国人女性の支援】

ただ、地域として国としてメリットがあるからと言っても、中国から嫁いでくる人がそれで幸せかどうかは別問題です。日中の文化は近いとはいっても個々人のレベルではまだまだ理解不可能な部分や差別、偏見、誤解なども多々あると想像されます。そんな中、言葉もわからず不幸にして夫になった男性から暴力を受けたり、地域から阻害されてひとり苦しんでいる中国人女性もいるであろうことは想像に難くありません。

これほど中国からの「お嫁さん」が急増しているという事実を踏まえて、行政は中国政府とも連携して、彼女たちの人権や生活をサポートする体制を早急に構築していく必要があるでしょう。多くの中国人妻の日本への気持ちが感謝になるのか、憎悪になるのかはこれからの日中関係にとって重要な問題になるのは間違いないと予想されるからです。
  



2008年11月27日

【とばっちり】

元厚生次官を宅配業者を装って狙った犯罪が、歳末に向けて忙しくなる宅配業者に波紋を広げています。とんだとばっちりですね。

 『元厚生次官ら連続殺傷事件で、被害者が宅配業者を装った男に襲われたとみられることから、大手宅配業者では配達員に制服や名札の着用の再徹底を図るなどの対応に追われている。各社はお歳暮シーズンの本格化を控えており、「現時点では受け取り拒否などの支障は出ていないが、警戒心が強まって業務に影響が出る可能性もある」と懸念している。

 業界大手のヤマト運輸には問い合わせ窓口に不安を訴える客からの電話が数件寄せられたという。

 このため同社は19日、全国の営業所に対して配達員が制服、制帽、名札を着用し、訪問時に社名と氏名を名乗ることを徹底するよう指示。その上で、ホームページでこうした取り組みを報告し、「ヤマト運輸」「宅配便」を装った不審な訪問に注意するよう呼びかけている。同社広報課は「事件が長引けばお客さまに不安が広がるので早く解決してほしい」と話す。』(11月21日付産経新聞)


【セキュリティ感覚の違い】

20年ほど前にアメリカのワシントンDCに住んでいた頃、彼地では当時から治安はあまりよくないと聞いていたので、渡米した当初は本当に宅配やら訪問客が来るたびにビクビクしていたことを覚えています。

そのころは日米の治安には大きな差がありました。すなわち、日本のほうがはるかに安全で、まさに「水と安全はタダ」という意識だったのです。銃を使った犯罪は言うに及ばず、まして宅配を装った犯罪など普段はあまり意識いたこともなかったのではないでしょうか。

だから、日本ではドアに施錠もせずに見知らぬ訪問者を家に招き入れるようなこともありましたが、アメリカではハローウィンで日本人の子供を射殺した事件があったように、外部からの訪問者には銃を持って構えるほどの緊張感があったのです。

【しっかりとした防犯意識を】

22日に元次官を殺害した男は警察に出頭し、事件そのものは解決の方向に向かっているようですが、男の殺人の動機については今ひとつ良くわからず、これから解明していくことになるでしょう。

最近、動機不明の犯罪が多発していることや、振り込め詐欺など人の弱みにつけこんだ悪質なプロ集団による犯罪も多くなっています。

このような犯罪に対しては、最終的には警察力に頼るしかないのですが、水際では自分や家族の防犯意識の徹底、近所の方々とのコミュニケーションなどが大事なことは言うまでもありません。すなわち、「自分の身は自分で守る」ということです。

また、宅配業者の方々にはとんだとばっちりで余計なコストがかかるのかもしれませんが、ここはしっかりと身分を明らかにして犯罪者と間違われないようにシステム的な対応を考えてほしいものです。
  



2008年11月19日

【早大よ、お前もか】

慶応大学に続いて早稲田大学でも大麻汚染が広がっていた。

『商学部の3年生(21)ら男子学生3人が今年6~8月、大麻取締法違反(所持、栽培など)容疑で関東信越厚生局麻薬取締部などに逮捕された早稲田大学(東京都新宿区)で、新たに04年以降、国際教養学部の男子学生4人が同法違反(所持)容疑で逮捕されていたことが分かった。早大が17日、記者会見して明らかにした。これで大麻を巡る早大生の逮捕者は計7人となった。

 会見した藁谷(わらがい)友紀常任理事らは冒頭「このたびはご迷惑をおかけしました」と謝罪。続けて「遺憾に思っており、再発防止に取り組みたい」と述べ、全学生を対象に、大麻など薬物の使用歴を学内専用のポータルサイトで調査する方針を明らかにした。さらに各キャンパスで薬物の乱用防止を目的にした講習会を開催するほか、薬物使用の禁止や危険性を訴える広報誌を配布する。』(11月17日付毎日新聞)


【広がる大麻汚染】

全国の有名大学で相次いで摘発される大麻汚染の実態。慶応、法政大に続いて同志社大学の女子学生の摘発、関西大学、関東学院大など報道されている例だけでも相当な数にのぼる。おそらく表面に出ているのは氷山の一角に過ぎないのだろう。

大学だけではない、ついこの間は角界にまで大麻汚染が広がっているというニュースもあった。若者たちの間で、相当広範囲に大麻が流通しているのだ。

なぜ、こんなことになっているのだろうか。

【ネットと国際化】

大麻汚染の背景には、日本社会の国際化が急速に進んでいることが挙げられる。特に若い人は大麻を法律で規制されていない国から来た外国人との接触により、その「味」を覚えてしまう例が多いようだ。最初は罪悪感なしに「ちょっとだけ」と思っていても、どんどん薬物依存のスパイラルにはまってしまうのだ。

さらには、インターネットによる大麻をはじめとする薬物情報や実物の売買などが手軽に行えることも若者の大麻汚染につながっているのだろう。

これほど広まってしまうと、単なる警察による摘発では大麻汚染の拡大を防ぐのは困難だろう。若者の精神世界にまで踏み込んだ抜本的な対応を社会全体として取り組んでいく必要があると考えるのは僕だけだろうか。あなたはいかがお考えですか。

  


2008年10月31日

【小さなお地蔵さん】

西日本新聞の小さな記事が目に留まりました。その記事のテーマは天神のお地蔵さん。

『福岡市中央区天神1丁目の天神交差点。ここに小さなお地蔵さまが祭られているのをご存じですか。暑い日は麦わら帽子、寒い日はマフラー、雨の日はレインコート姿…。季節やその日の天気に合わせ、着衣が日替わりで変わることも。現代版“笠地蔵”は、誰がお世話しているのだろうか。』(10月24日付西日本新聞)

【お婆さんのお世話】

そんなお地蔵さんが天神のど真ん中にあることすら知りませんでしたが、この記事の内容は、西日本新聞写真部の岡部さんという方が、見るたびに変わるお地蔵さんの着衣に疑問を抱いて、お世話している方を探し当てたというお話です。

さて、記者の疑問であるお地蔵さんのお世話をしている人は、張り込みの結果、福岡県須恵町に住む今泉桂(けい)芳(ほう)さん(83)というお婆さんでした。記事によれば、今泉さんは5年ほど前、入院中に地蔵が天神にあると聞いて、妙に気になり、退院後、自宅からバスで1時間かけて会いに行ったそうです。そうして足のリハビリも兼ね、何度も通っているうちに「毎日のように通うことで体も軽くなった」ので、お地蔵さんのご利益だと思われたのか、それ以来ずっとお地蔵さんの暑さや寒さを和らげようと、衣服もこまめに着せ替えているということでした。

【天神人間交差点】

このお地蔵さん、福岡県警によると、1979年9月、天神交差点で暴走族を取り締まり中の警察官が暴走バイクにはねられ亡くなったため、警察官仲間が慰霊と暴走族根絶の願いを込め「天神地蔵」として建立したとのこと。道路端でよくみかける交通事故の慰霊にためのお地蔵さんだったのです。

人々が毎日行き交う天神交差点。様々な人間が通り過ぎるのを日々見つめるお地蔵さんに、心優しいお婆さんの慈悲の心が重なって少し救われたような気持ちになりました。今度天神交差点に行くときは必ず見てみようと思っています。

ちょっといい話を、ありがとう、岡部さん、今泉さん。


  


2008年10月22日

【候補者に通知】

いよいよ裁判員制度が始まります。

『来年5月に始まる裁判員制度に向け、最高裁は16日、裁判員候補者名簿に記載されたことを知らせる「名簿記載通知書」などの文書を公表した。名簿に載るのは全国で約29万5000人で、全員に最高裁から11月末、封筒で郵送される。今回通知が届かなかった人は、原則として来年中は裁判員に選ばれない。

 裁判員候補者名簿は、市区町村の選挙管理委員会が有権者名簿からくじで選んだ「候補者リスト」をもとに各地裁が作成。名簿に載ったことと、裁判員に選ばれる可能性があることを知らせるために、通知書を郵送。辞退を希望するかどうかを尋ねる「調査票」と回答するためのマークシート、裁判員制度を紹介する漫画の小冊子、パンフレットなども同封される。

 調査票は、自衛官や警察職員といった裁判員になれない職に就いていないかや、70歳以上や学生、病気やケガなどの理由で辞退を申し立てるかどうかを尋ねるもの。仕事の都合や出産、介護で、裁判員になることが難しい特定の月がある場合も申告できる。回答の期限は12月半ば。』(10月16日付産経新聞)


【避けたい気持ち】

それにしても29万5千人とはすごい人数ですね。分母がどれくらいかわからないので確率的にどのくらいかはわかりませんが、誰にでも裁判員のお鉢が回ってくる可能性はあるということです。

「出来れば当たってほしくない」と思うのが、僕たち一般市民の大方の気持ちではないでしょうか。凶悪犯罪の裁判員となって被告からにらまれたらどうしようかとか、会社を休んでとなると引継ぎが大変だとか悩みは尽きません。

となれば、なんとか言い訳を作って辞退が出来ないだろうかと思うのも自然な感情ですよね。

【どうする言い訳】

裁判員に選ばれたら辞退できないというのが原則なのですが、それでもどうしても辞退したい場合には、以下のような理由が必要だということです。

・70歳以上の人
・地方公共団体の議会の議員(ただし会期中に限ります。)
・学生,生徒
・5年以内に裁判員や検察審査員などの職務に従事した人,3年以内に選任予定裁判員に選ばれた人及び1年以内に裁判員候補者として裁判員選任手続の期日に出頭した人
・一定のやむを得ない理由があって,裁判員の職務を行うことや裁判所に行くことが困難な人

やむを得ない理由としては,例えば,以下のようなものがあります。
・重い病気又はケガ
・親族・同居人の介護・養育
・事業上の重要な用務を自分で処理しないと著しい損害が生じるおそれがある。
・父母の葬式への出席など社会生活上の重要な用務がある。
・妊娠中又は出産の日から8週間を経過していない。
・重い病気又はケガの治療を受ける親族・同居人の通院・入退院に付き添う必要がある。
・妻・娘の出産に立ち会い,又はこれに伴う入退院に付き添う必要がある。
・住所・居所が裁判所の管轄区域外の遠隔地にあり,裁判所に行くことが困難である。


う~ん、ウソはつけないし、あなたならどういう「やむを得ない理由」で辞退しますか?

  



2008年10月21日

【芋掘り無念】

『第二京阪道路(京都市伏見区-大阪府門真市)の建設予定地に位置する北巣本保育園(門真市)の野菜畑を撤去する大阪府の行政代執行が16日早朝から始まった。保育園側は2週間後に近くの保育園と合同でこの野菜畑を使ったイモ掘り行事を控えており、職員ら約50人が「子供たちの野菜を奪わないで」と反対の声をあげたが、府は代執行を強行。園児らが育てた野菜を刈り取り、敷地の立ち入り禁止措置を取った。

 橋下徹知事は「府はこれまで誠実に交渉してきた。供用開始が遅れると通行料で6億、7億円の損害が出る。申し訳ないが理解していただきたい」とコメント。「イモ掘り行事まで待ってほしい」という要望には「なぜ2週間早くイモ掘りをしなかったのか。もっと早く園児を喜ばせる方法があったはずだ」と保育園側の対応を批判した。』(10月16日付産経新聞)


【行政代執行を巡る駆け引き?】

行政代執行とは、行政機関による撤去命令などに応じない人たちに代わって、それらのものを行政機関が強制的に撤去することを言います。市民の憩いの場所である公園をホームレスの人たちが許可なしにテントなどを張って不法占拠しているときに、地方自治体がホームレスの人たちの怒号の中を、業者に撤去を命じるシーンをテレビで見たことがありますが、あれなどは典型的な行政代執行の例でしょう。

今回メディアが取り上げたのは、幼稚園児の芋畑を踏みにじるシーンと巨額の赤字財政に喘ぐ橋下大阪府政のコントラストがニュース性があるとみたからでしょうか。詳しい事情はわかりませんが、保育園側が立ち退きの取り消しを求めて大阪高裁に訴訟を起こし、30日にはその決定が下されるのにそれを待たずに代執行を進めた大阪府と、代執行に踏みにじられる芋畑に涙する保育園児まで使って抵抗する幼稚園側双方に、何とか自分たちの有利なほうに事を運ぼうという魂胆ばかりが見え隠れします。

しかし、何と言っても法律を盾にしたパワーに圧倒的に勝る大阪府のやり方は財政逼迫の事情があるにしても、いただけません。ここまでこじれる前にもっと代執行を受ける側の市民の立場に立った話し合いをしてほしかったと思うのは僕だけでしょうか。
  



2008年08月07日

【指紋採取】

移民問題に悩むイタリアからのニュースです。

 『旧東欧諸国が欧州連合(EU)に加盟してから、ルーマニアからの労働者を筆頭に多数の外国人労働者がイタリアに押し寄せ、ついに正規登録の外国人居住者は369万人に達した。これはイタリア全人口の6・2%に相当する。

 このほか、不定期労働者として働く不法入国外国人が70万人以上に上る。こうした増加に伴って外国人が起こす犯罪件数も急増し、銀行強盗の6%、市民の財産を脅かす窃盗・強盗の51%、スリ・ひったくりの70%が外国人による犯罪だ。

 ベルルスコーニ内閣は、選挙公約の一つ「治安強化」の手始めとして、これまで野放しにされていた住所不定の流民の実態調査のため「指紋採取」を始めることにした。だが、早速EU当局をはじめ人権擁護団体から「人権侵害、人種差別だ」と反対の声が上がった。

 この結果、イタリア政府は外国人と自国民との差別をなくすため、急遽(きゅうきょ)2010年から全国民のパスポートに指紋登録を義務づけることを決定した。指紋は犯罪捜査には非常に有効であり、どこの国でもそうであるように外国人の出入が激しくなると、指紋登録は自国民の安全を守る最良の方法ともいえる。』(8月2日付産経新聞)


【少子化と移民】

それにしてもイタリアの移民の数が369万人、全人口の6%近くとは驚きですね。陸続きの国の集合体であるEUでは移民は当たり前なのかもしれませんが、そのもたらす恩恵とともに様々な弊害も出ているようです。移民による犯罪の急増がその最たるものでしょう。イタリア政府の指紋採取も苦肉の決断なのだと思います。

しかし、これは遠いヨーロッパだけの問題ではありません。日本においても少子化が進み、21世紀後半には7500万人にまで人口が減ると予測されている中で、若年労働力を確保するために留学生受け入れの増加や、もっと直接的には移民の受け入れも現実の政策として真剣に議論すべきときが来ています。

移民の受け入れを選択するときに、移民による犯罪、社会の不安定化をどう未然に阻止するか、日本にとっても大事な課題なのです。

はたして、「指紋採取は犯罪者扱い」との偏見が強い日本で、イタリアと同じような措置が可能なのか、そしてすべきなのか、みなさんはどうお考えですか。

  


2008年08月05日

【かつてない事態】

かつてない事態が電力会社にも押し寄せている。

『九州電力(福岡市)が原油高による火力発電所の燃料費負担増に伴い、2009年3月期決算(単体)の経常損益が当初予想の400億円の黒字から100億‐200億円の赤字に転落する見通しになったことが、28日分かった。九電の経常赤字決算は第2次オイルショックの1980年3月期(同)に70億円の赤字を計上して以来29年ぶり。赤字幅は過去最大になる。

 29日に連結、単体ともに業績予想を下方修正する。九電は4月末に今期の原油価格を1バレル=93ドルと予想していたが、その後の原油価格が1バレル=120‐140ドル前後で推移。九電では原油価格が1ドル上がれば、収支が約25億円悪化する。一方、大口需要の伸びに伴い販売電力量は増加、燃料価格変動を電気料金に反映させる燃料費調整制度に伴う値上げも実施したが、原油高に伴う燃料費増を吸収できない見通しになった。ただ、年間60円の配当予想は変更しない。』(7月29日付西日本新聞)


【石油依存文明】

九州電力だけではない。東京電力は過去最大の4250億円もの赤字を計上する見込みで、なんと月に800円もの値上げを検討していると報じられている。関西電力も同様で、電力会社はみな同じような状況なのだ。そして電力だけではない。ガス会社も天然ガスの高騰で赤字を見込んでいる。

経済の根幹を揺るがすようなエネルギー関係企業のかつてない苦境の知らせは、僕達の文明がいかに石油に依存しているかをあらためて浮き彫りにした。石油がほとんどすべての商品・サービスに関係していて、石油漬けの現代文明がそこから脱却するのは至難の業だと言うことだ。

【死に物狂いの方向転換】

福田首相が唱えている「低炭素社会」への道のりは、高い理想とは裏腹にこの電力会社の苦境ひとつ取ってみても非常に困難な道のりだということがわかる。低炭素の社会を築き上げるには、産業革命以降100年以上にわたって依存してきた石油からの抜本的な脱却がとてつもないスピードで実行されなければならないのだ。それもピークオイルと地球温暖化の進展という待ったなしの状況の中での話なのだ。

僕達個人にも大きな、とてつもなく大きな試練がこれから待ち受けているだろうし、低炭素社会の実現には個人も社会も死に物狂いの方向転換が必要だろう。みなさんはどうお考えですか?
  



2008年07月04日

【「だじゃれ」でマナー訴え】

最近、駅や電車内にだじゃれを使ったマナー向上を訴えるポスターが増えているそうです。ご存知でした?

『電車には駆け込“マンモス”。周りの迷惑“カンガルー(考える)”-こんなだじゃれを使って乗客にマナー向上を呼び掛けるポスターが、駅や電車内で目立ち始めた。乗客同士のトラブルや携帯電話使用などの苦情の増加に頭を悩ませている鉄道会社は、だじゃれでポスターへの注目度を高めるとともに、ムードを和らげることでトラブルを減らしたい考えだ。

西武鉄道(埼玉県所沢市)は2006年5月から、動物のキャラクターとマナー標語を組み合わせたポスターを掲示。これまでに猫を用いた「車内で電話かけ“ニャーイ”さん」など、9種類のポスターを作った。
 苦情の目立った減少など具体的な成果にはまだつながっていないが、沿線の学校から「道徳の授業の教材にしたい」とポスターの提供を求められるなど、反響はまずまずだ。』(6月29日付産経新聞)


【最近のマナー低下】

最近のマナー低下は、日本中いたるところで目を覆うばかりです。例えば、この新聞記事には、『JR東日本で、02年度は3888件だったマナー絡みの苦情が06年度は8306件と、数年で倍増した。車内での携帯電話使用のほか、指定場所以外での喫煙や駆け込み乗車、座り方などへの苦情が目立っている。』といった実態が報告されている。ここ福岡でも日々通勤している中で、電車の中で座り込む人、携帯電話で大声で話す人、お年寄りに席を譲らない大人たちなどマナー違反は枚挙にいとまがないくらいです。

さらに加えて、ちょっとした不満から駅員に暴力を振るう乗客も後を立たないと聞いています。一体、日本人の礼儀正しさやマナーの良さはどこに行ってしまったのでしょうか。

【目上を敬う大切さ】

社会の中での規律というのは、「やってはいけないこと」を親が子供に責任を持って身体を張って伝えることから生まれてくるような気がします。そして、その次には目上の人たちを敬うという倫理観というか雰囲気をみんなで作っていくことから始まるように思います。そのどちらも失われているかに見える日本で、「だじゃれ」を使ったポスターでマナー向上を図ろうとしても徒労に終わるでしょう。

遠回りでも、先ずは家庭、そして自分が属する身近なコミュニティや会社の中、学校や団体で出来ることから始めるしかないと考えますが、みなさんはどうお考えですか?
  



2008年06月27日

【地下迷宮?】

6月14日に開通した東京最後の新地下鉄といわれる副都心線(池袋-渋谷間)が思わぬ話題をネット上で提供しているようです。

『渋谷、新宿、池袋を縦断する副都心線が6月14日に開通した。JRや東京メトロ、私鉄各線が乗り入れる渋谷駅に、新しい地下鉄路線が加わり、構内はさらに複雑になっている。

 中でも東京メトロがWebサイトで公開している構内図がさながらRPGのダンジョンのようだと、ネットで話題だ。

メトロの渋谷駅は、地下5階の副都心線プラットフォームから地上3階の銀座線降車ホームまで8階層。副都心線、半蔵門線、銀座線のプラットフォームと階段、エスカレーター、エレベーターが複雑に入り組み、確かにRPGのダンジョンのよう。ゲームの最後に攻略する、ラスボスがいるダンジョンの並みの複雑さだ。

 渋谷駅よりもすごいが、新宿駅もすごいぞ、いやいや東京駅もあなどれない――など、どの駅が“ラストダンジョン”にふさわしいかをブログで考察する人も登場。駅構内図がネットでにわかに盛り上がっている。』(6月20日付ITmediaニュース)


【現代のダンジョン?】

この記事の中に出てくる「ダンジョン」という言葉、聞かれたことありますか?ウィキペディアで調べてみると、もともとは君主を意味するラテン語「dominus」に由来する古フランス語で、中世においては城の最重要部分である天守を意味していますが、ダンジョンはまた、典型的な城の作りとして城の真下に作られる、地下納骨堂や牢屋をも意味するようになったとのこと。

そこから転じて、最近は一般に「ダンジョン」という言葉が用いられた場合には、ゲームの中に登場する「ダンジョン」を意味し、日本語では総じて「地下迷宮」あるいは単に「迷宮」と表現することも多いそうです。こんなことゲームに詳しい人たちの間では「常識」なのでしょうが、ゲームに疎い僕には初耳でした。

そして、今回、副都心線の開通で東京メトロが出した渋谷駅の構内図が複雑な地下迷宮そのものに見え、まさにゲームの世界のダンジョンさながらだったのでブログの世界で話題になっているというのです。

【未来都市の脆弱性】

渋谷駅だけではありません。東京都内を地下鉄やJRで移動したことのある方はご存知と思いますが、東京の地下はまさに現代の迷宮そのもので、地下何百メートルもの落差を階段やエスカレーター、エレベーターでつなぎ、さながら蟻の巣のような状態になっているのです。

知らず知らずのうちに地下奥深いところに出来上がった未来都市、東京ダンジョン。途中で大地震や地下に棲む怪物に襲われてもゲームのようにリセットできない現実の世界では、思わぬ大惨事を招くことになりかねません。果たして現代のダンジョンの脆弱性はどこで担保されているのでしょうか。
  



2008年06月24日

【元気ない新入社員?】

「最近、新入社員が疲れている」という記事が目に留まりました。

『最近の新入社員はかなりお疲れのようで、それも「就活疲れ」だという。産業能率大学の「2008年度新入社員の『売り手市場度』調査」によると、売り手市場といわれる昨今の就職戦線だが、08年度の新入社員は氷河期といわれた1998年のときよりも「かなり大変だった」という。その背景に、「就職活動の期間が長いこと」があげられている。学生の「青田買い」を禁止していた、いわゆる就職協定がなくなって12年。その「復活」さえ噂されている。

 企業の新卒採用は、日本経済団体連合会が2004年度に制定した「新規学卒者等の採用選考に関する企業の倫理憲章」に基づいて、就活は大学3年生の秋にはじまる「紳士協定」を結んでいる。

 しかし、現実には3年生の夏休みから本格化。企業が主催する説明会や企業セミナーがはじまり、最近では職場見学や、実際に仕事に就いて経験してもらうインターンシップ制度も活発になっている。就職情報誌が主催する企業の合同説明会などを含めると5月連休明けごろにはスタートするから、大学3年生になってすぐに開始といってもおかしくない。』(6月14日 J-CASTニュース)


【学業と仕事】


僕が大学を卒業したのはもうずいぶん昔ですが、当時は就職協定があったので4年生になってから本格的に就活を始め、内定は秋頃というのが一般的だったように記憶しています。それに比べると今の大学生の就活は長い。しかも4年生の春先に行き先が決まってしまうと学業にも力が入るのかどうか疑問ですね。

でも大学生達にとっては、今も昔もいい就職ができるかどうかは人生の一大事です。

大学側にとっても、大学の進学率が4割を超える一方で、少子化で学生数は減っていく中、学生がいい就職先を見つけることができるかどうかは大学の存亡さえかかっているといっても過言ではないのかもしれません。

学業と仕事、果たしてどっちを優先すべきなのか。難しい問題です。

【好きなことをやる】

大学時代に、時代の最先端を行き、将来の展望も明るく見えるピカピカの企業に就職が内定したとしても、その企業が10年先、20年先にどうなっているのかは神のみぞ知るというのが現実でしょう。

特に最近は技術の進歩のみならず、流行や人々の嗜好の変化が著しく、数十年前に比べると時代の変化は目まぐるしいので、企業の盛衰のサイクルも短くなっているように思えます。

そんな中、大学時代というのは、本当に自分がやりたいこと、自分が好きなことをじっくりと勉強し、研究する貴重な時期だと思います。

好きなこと、やりたいことさえ見つければ、どんなに世の中や企業が変わっても動じることはありません。大学生のみなさん、就活の前に「自分探し」は終わりましたか? 企業や大学の勧めといった人の物差しで行き先を決めたら、将来大変なことになりますよ。

  



2008年06月12日

【断固たる措置】

ついに車没収まで取締りが強化されたそうです。

『イタリア当局は、アルコールや禁止薬物の影響下で自動車を運転した違反者を対象に、車の没収を開始した。西欧諸国の中でも特に多い交通事故死を減らす狙いがある。
 先月末に施行された新しい法律では、禁止薬物に陽性反応を示したり、血中アルコール濃度が法定水準を超えたドライバーは、自動車が没収される可能性があるほか、罰金や禁固刑も強化された。
 没収された車は、競売に掛けられるか、警察で利用されることになっている。』(6月4日付ロイター通信)


【ワイン大国の飲酒癖】

それにしてもイタリアと言えばおいしいワイン。みんな朝から晩までワイン漬けではないかと想像してしまうのですが、実際に夕食時にワインを飲んでそのまま車に乗るのは当たり前で、飲酒運転に対してもつい最近までずいぶん寛大なお国柄だったようです。

その結果、イタリアの交通事故死亡者は年間5000人、事故が原因で重度の障害者となってしまう人が2万人、負傷者は30万人。そのうち、かなりの数が飲酒運転がらみのようで、さすがに当局も慌てて最近取り締まりを厳しくしているようなのです。イタリア在住18年の方が書いておられるブログ「イタリアの言の葉」から引用させていただきますと、次のような現状だとのこと。

『免許を取ったばかりの若年層(イタリアでは50ccのバイクは16歳から、自動車免許は18歳の誕生日6ヶ月前から試験が受けられます。)に特に事故率が高く、15歳から29歳までのイタリア人の死因№1は交通事故死だそうです。

イタリア人のアルコール摂取に関する調査では、300万人が習慣的にアルコールを摂取すると答えており、そのうち100万人はアルコール依存症だそうです。

初めての飲酒年齢は11歳から12歳と、EU諸国の平均年齢14歳よりかなり低く、未成年を含む7%の若者が、週3回以上飲酒すると答えています。

アルコールと自動車事故との関係は、45%の事故原因が飲酒運転と、高い数値が出ています。イタリアは飲酒運転常習国なのです。』


【最後の手段】

これは放っておくわけにはいかないでしょう。日本でも2年ほど前でしょうか、福岡で三人の幼い子供の命を奪った飲酒運転事故が大々的に報道されてから、飲酒運転に対する市民の怒りに応える形で警察当局が取り締まりを厳しくした結果、飲酒運転を原因とする死亡事故はかなり減ってきていると聞いています。

たんなるその場の酒の楽しみのために命を奪われたのでは、たまったものではありません。やはり流れとしては飲酒運転は厳罰で臨むべきということでしょう。僕も賛成です。

それにしてもイタリアらしいのは、没収した車を競売にかける他に、警察がそのまま利用するというのが面白いですね。

でも当局に没収されずとも、ガソリン高騰で車が容易に持てなくなる時代が目の前に来ているのかもしれません。

  



2008年06月09日

【想定外のタクシー・サービス?】

タクシーに乗ってこんなサービスが受けられるなんて、本当に驚きました。

『 「居酒屋タクシー」「スナックタクシー」。中央省庁の職員ら520人をビールやつまみで“車内接待”していた個人タクシーは、業界内でこう呼ばれていた。

 グループを作り、なじみ客の呼び出しにいつでも応じられるようにしたり、好みの酒類を記したリストを共有したり。「民間企業が経費節減する中、ふんだんにチケットを使ってくれる霞が関は一番のお得意様」(運転手)といい、識者からは「公費の使い方に無頓着すぎるのでは」との声も上がっている。

 「居酒屋タクシー」は、個人タクシーの運転手が10~20人でグループを作り、自宅までの運賃が1万円以上かかるような長距離客を仲間内で共有することが多いという。携帯電話で呼び出しがかかっても、すぐ駆け付けられない場合は仲間に代わってもらうためだ。グループ内では「○○課長補佐はビール好き」「△△さんはチューハイ党」などと客の好みをメモしたリストを用意しているという。』(6月7日付読売新聞)


タクシーに乗るには、通常市内を「流している」タクシーを拾う場合か、前もって予約して乗る場合のふたつがあるわけですが、どちらにしても乗っている間に「車内接待」を受けるというのは自分の頭の中では全くの「想定外」でした。 「そんな方法もあったのか」というのが正直な感想です。

【それぞれの事情】

接待をする側、受ける側を批判するのはさておき、なぜこんなことが常態化していたのか少し考えてみたいと思います。

まず、タクシー側。厳しい国交省の運賃規制でサービスのうえであまり特徴が出せないタクシー業界にとって、客への「接待」攻勢でなじみ客が捉まえられるのならこれほど魅力のある顧客獲得手段はないでしょう。何らかの倫理規定があるであろう一般タクシーはそういう戦術はとりにくいとしたら、なんでも自分で「経営判断」できる個人事業者の個人タクシーが厳しい競争の中で、そういう手段をとるのはありうることかもしれません。

次に霞ヶ関側。毎日毎日「午前様」が常態化している霞ヶ関の人たちは、近年めっきり厳しくなった倫理規定に縛られてストレスがたまる中、タクシーの「なじみ客」として重宝されるのは心地よく、ついつい「みんなで渡れば恐くない」心理状態に陥って接待を受けるのが慣行化してしまったというところなのでしょう。人間の弱い心理を突かれたという感じです。

どちらもそれぞれの事情があった。やや後ろめたさを感じながらもタクシーの車内という閉ざされた空間で、「これくらいのことはたいしたことではない。」との意識が心の奥に沈殿してしまっていたのでしょう。

【世間の常識】

しかし、最初に僕が感じたように、きっと世間一般の人たちは「えっ、そんなサービスがタクシーにはあったの?」、「たとえ小さな接待でもやりすぎじゃないの?」と思ったのではないでしょうか?

なじみ同士での付き合いや業界内の慣行というのは、知らず知らずのうちに世間の常識とかけ離れてしまうというのは、弱い人間の性ではないかと思います。

つねに世間がどう動いているかという「心の羅針盤」を持っていること-これが今回の「居酒屋タクシー接待」問題が僕らサラリーマンに突きつけた大きな課題ではないでしょうか?
  



2008年05月29日

【いよいよ後部座席も】

後部座席もシートベルト着用が6月から始まりますが、意外なところに波紋が広がりそうです。

『後部座席のシートベルト着用を義務づける改正道路交通法が6月1日から施行されるのを前に、愛知、岐阜、三重の各県バス協会は、シートベルト着用の対応策をまとめた。観光バスのガイドもシートベルトをして着席するスタイルになるため、おなじみのサービスも大きく変わりそう。安全確保に必要とはいえ、バス会社からは「サービスが低下しなければよいのだが……」と、懸念する声もあがっている。

 高速バスや貸し切りバスを運行する名阪近鉄バス(名古屋市)は、バスガイドは走行中は着席し、各種サービスは休憩時間を長めにして対応する方針という。だが、担当者は「実際に始まってみないと、どういう不具合が出るか予想できない」と心配する。東海地区のある大手バス会社も、「カラオケがある貸し切りバスでは、ガイドが立って歌うよう求められるケースも多い。トラブルにならなければよいのだが」と不安を漏らす。』(5月23日付毎日新聞)


【ああ、バスガイドさん】

バスガイドさんと言えば、観光バスの運転席の横に立って、小さなマイク片手に、もう一方の手で左右の景色を指し示しながら名調子で観光名所を解説し、ときには歌を唄う姿が目に浮かびます。

そんな見慣れたガイドスタイルも今回の道交法改正ですっかり様変わりしそうですね。きっとイラストのように前列の席に座ってお客さんに対面することもなく、前方の道路を見ながらガイドすることになるんでしょうね。なんか淋しい限りです。

ああ、バスガイドさんの顔を見ないまま、その名調子を聞くだけになるのですね。まことに残念。

【工夫次第】

でもきっとそれではお客さんは満足しないでしょう。道交法に従ってガイドさんの安全も守りながらお客さんにも楽しんでもらう。できないことではありません。それこそ各観光バス会社、旅行代理店の腕のみせどころではないでしょうか。

例えば、前を向いてガイドしているかわいいガイドさんを固定ビデオカメラで取りながら、ビデオスクリーンでお客さんに見てもらうとか・・・いくらでもアイデアはありそうです。頑張れ、バス会社さん、旅行代理店さん、そしてバスガイドさん。環境の変化なんて創意工夫でいくらでも乗り切れますよ。
  



2008年05月21日

【車が減っていく】

日本社会が大きく変質している重要な兆候が車の減少という現象に現れてきた。

『日本を走る自動車の数が減少に転じ始めた。全国の自動車保有台数は最新統計の2月末まで3カ月連続で前年同月末比マイナスとなった。3カ月連続の前年割れは自動車普及が加速し始めた1960年代前半以降初めて。人口減や消費者のクルマ離れが背景とみられる。自動車保有の縮小が本格化すれば、保険、整備、燃料など25兆円を超す関連市場の頭打ちが避けられないほか、交通量の増加を前提にする道路整備政策の見直しなど広範な影響を及ぼす。

 国土交通省や自動車検査登録情報協会によると登録車、排気量660cc以下の軽自動車、二輪車を合わせた全国の自動車保有台数は2月末で7943万台と前年同月末に比べ0.2%減った。昨年12月末と今年1月末も各0.1%減少。3カ月連続の減少は現行統計で比較可能な63年以降前例がなく、戦後でも初とみられる。』(5月16日付日本経済新聞)


【全ての前提が崩れる?】

このニュースは衝撃的だ。それは、大きな変化の予兆がそこにあるからだ。

日本経済新聞が指摘するとおり、日本は1960年代からずっと自動車の保有台数が増え続け、社会の基盤整備は「先ず車ありき」で進んできたといえる。一般道、高速道路の建設、そして道路周辺に次々と都市が発展し、モータリゼーションの中で人々の暮らしが豊かになってきたのだ。

つい最近まで、若者も社会人になってから車を持つことが夢だった。そして家庭を持ってからも住宅と自家用車はステータスシンボルの最たるものだったのだ。

そういった、車保有が当たり前だった日本社会も人口の高齢化や消費者の車離れ、最近ではガソリン価格の高騰などの影響で、ついに戦後初めて3カ月連続自動車保有台数が減少するという未体験ゾーンに突入したのだ。

今、国会で政権の帰趨を左右しかねない道路特定財源の問題だって、車が今後減少していくということになれば道路新設の必要性そのものの前提が音を立てて崩れていくことになる。それだけではない。利益トップを謳歌しているトヨタをはじめ、車に関わる産業全体が大きく変質を余儀なくされることになるのだ。

【新しい産業インフラ】

ピークオイルを予感させる最近の原油の高騰。資源高だけでなく、車を巡る環境そのものが大きく変わろうとしている。石油の大量消費を前提とした文明が音を立てて方向転換をせざるを得なくなっている。

石油で走る車社会をこれからはどう変えていくべきなのか、どういった産業インフラを整備すべきなのか、政治家も官僚も産業界も真剣に考えていく必要があるだろう。

そして僕ら一般市民も、想像力をもって今迫りつつある時代の大波から自分や家族をどう守り、どう自分の新しいライフスタイルを構築していくのか、しっかり考えていかなければならない。みなさんはどう思われますか?
  




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海や山、自然が好きな九州男児です。あらゆる機会をとらえて、時代の変化をいつも感じていたいと思っています。
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