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2009年08月13日

【温暖化と雲】

地球温暖化と雲の増減の因果関係はまだ未解明の部分が多い。

『太平洋上の雲が50年前に比べ減少しているために、太陽光が直接海面に降り注ぎ、温暖化を促進している可能性がある。

 米マイアミ大学のエイミー・クレメント教授(気象学・海洋学)の研究チームが米科学誌サイエンスに発表した報告によると、1952年から2007年にわたってメキシコ沖の300万平方キロを超える太平洋海域で採取した気象データから、地球温暖化によって独自の永続的なサイクルが生まれていることが分かった。

 雲は、森林火災、北極圏の永久凍土層と並んで温暖化促進の潜在性が指摘され、研究対象となっている。これらの機能は依然として未解明の点が多く、気温予測に対する科学的な共通認識(コンセンサス)が得られずにいる。このため、将来どれほど厳しい嵐、干魃(ばつ)、北極圏の氷の融解に見舞われるのかは予測困難だ。

 サイエンス誌のホームページ上で、クレメント教授は「21世紀は大幅な気温上昇が予測されているが、今回の研究はその上昇幅が大きなものになることを示している」とコメントしている。

 クレメント教授によると、国連の「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)で使用された18の予測モデルのうち、英国気象局のモデルだけが雲の減少を正しく予測していた。さらに英国気象局は、大気中の二酸化炭素(CO2)濃度が2倍に達した場合、平均気温がセ氏4.4度上昇すると予想。この数字は他の予測数値に比べると高く、IPCCの最新報告書の予測値は2~4.5度となっている。

 クレメント教授は「特定の予測モデルだけに頼るのは危険」と指摘する。雲の中の水蒸気はCO2同様に大気中の熱を閉じ込めるが、同時に太陽光を反射するため、その影響を計算するのは非常に難しい。

 NASA(米航空宇宙局)の研究者だったロイ・スペンサー氏によると、実際に雲は「太平洋10年規模振動(PDO)」と呼ばれる海洋と大気の循環サイクルの一部として、地球温暖化の大きな要因となっている。

 クレメント教授は「CO2は気温上昇要因の一部に過ぎない」と述べ、「気候変動に果たす雲の役割を理解することが重要」と説いている。』(8月4日付産経新聞、ブルームバーグ Jeremy van Loon)


【未解明の要因-雲】

実はこの記事に取り上げられている「雲」は、IPCCの気候モデルに使われている地球温暖化の要因分子の中では最も軽視されている要素だ。何故なら、雲が気候に与える影響については未解明の部分があまりにも多すぎるからだと言う。

単純に考えれば、雲が増えれば地球に降り注ぐ太陽光線を遮って気温を低く保つのではないかと思うのだが、事はそれほど単純ではない。何故なら、雲の温度に与える影響は雲の性質-雲の高さ、奥行き、色、密度-によってまったく変わるからだ。

さらに、温暖化の未解明の要素としては、工場や家庭から出る煤煙などのエアロゾルと呼ばれる汚染物質がある。ただし、雲やエアロゾルによって地球温暖化が抑制されるかどうかは科学的には証明されていないらしい。科学者の間でも要因が複雑に入り組んでいるのでわからないというのが正直なところなのだ。

恐ろしいことに、一般的には雲やエアロゾルといった要素が地球を冷やす効果があり、それによって地球温暖化の流れが相殺されると考えがちだが、一部の気候学者によれば、それらは相殺されるどころか、温暖化を加速させる可能性もあるというのだ。その場合、大気中のCO2濃度が産業革命前の二倍のレベルになると、地球の温度は1.5度から4.5度になるというIPCCの予測より温度上昇はもっと大きくなり、今世紀中に10度以上にもなるという見方もあるのだ。(詳しくは、『「地球最後の世代」、P.166-179 フレッド・ピアス著、日本放送出版協会』を参照)

肝に銘じておきたいことは、「未解明だから、不確実だから何もしなくてよい」ということにはならないことだ。気候変動や地球温暖化の脅威は確実に、急激に我々の日常を脅かしつつあるから。
  




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