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2012年01月25日

【パックマン中国】

中国の台頭に西欧が警戒感を強めているようです。2011年12月19日付のタイム誌の記事「ヨーロッパを食べつくす」("Feasting on Europe" by Vivienne Walt, p.45-48, TIME magazine issued on Dec.19,2011)に中国が財政危機で喘ぐ欧州諸国のインフラから有力企業まであらゆる富に食指をのばしていることに警戒感を強めていると書かれていました。果たして、中国はどこまで西欧を凌いでいけるのでしょうか?

As the euro-zone crisis deepens, China is angling for the union's most prized firms

「ユーロ危機の深刻化の中、中国がEUの優良企業を狙っています」

【危機に乗じて?】

EUが戦々恐々とする気持ちもわからないではありません。オーロラの幻想的な景色が楽しめるアイスランドの小さな町Grimsstadir。昨年ここに中国のZhongkun Investment Groupが2億ドルで巨大な観光リゾートを建設するという計画が持ち上がり、その計画を巡ってアイスランド中が喧々諤々の論争となり、中国の狙いは単なるリゾート開発だけではなく、北極に近いこの地の利を生かして国家的な資源戦略の一環として狙っているのではないかという懸念まで出てきたというのです。

もちろんアイスランドのリゾート開発だけではありません。今、欧州では中国の買収旋風が吹き荒れています。スウェーデンの自動車会社Saabの買収(1億41千万ドル)、ハンガリーの化学会社BorsodChen買収(16億ドル)、ノルウェーのシリコン素材会社買収(20億ドル)をはじめ、インフラから優良企業までその買収対象は多岐にわたっているのです。

それもそのはず、今中国は比較的好調な経済を背景に国家としては2兆ドルもの外貨準備高を蓄積、投資グループや民間企業も活発に世界各国で買収案件を競い合うように狙っているのです。さらには以前は経営状態の悪くなった企業買収が主だったのが、最近は欧米の優良企業やイタリアの国営石油会社ENIやエネルギー会社Enelなど国家戦略とも密接につながるような企業買収にまで手を広げているのです。

実際、欧州での中国の直接投資額は、2010年には2009年の倍となり、2011年の最初の半年で5年前の投資額13億ドルを超えて現在も増え続けているとのことです。

【リスクの逆転現象】

2010年5月24日のタイム誌の記事「リスクの逆転」("Risk Inverse" p.16, TIME issued on May 24, 2010)で指摘されていたように、かつてはカントリーリスクが高くて資本逃避がたびたび起こっていた発展途上国がここ10年ほどで力をつける一方で、欧米や日本などの先進国は人口の高齢化や産業の空洞化などの問題が次第に顕在化し、ついにはギリシャやイタリアなどでは財政危機から国債の大幅な格下げという事態まで招来するようになって、発展途上国と先進国のリスクの逆転現象がここにきて顕著になってきているのです。

その最も端的な例として「今そこにある危機」が欧州であり、それを救う側に立っているのが中国というわけです。しかし、物事はそう単純ではありません。かつては日本が資本大国として世界中を買収するのではないかと恐れられたように、今中国が異質の国として警戒されているのです。

中国だけでなく、インドやアラブの国々、中南米の国々がアメリカや欧州の先進国にとって代わる時代はどんな世の中になるのでしょうか?興味津津ですが、大動乱の時代も予感されますね。みなさんはどう思われますか?
  




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海や山、自然が好きな九州男児です。あらゆる機会をとらえて、時代の変化をいつも感じていたいと思っています。
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