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2007年09月22日

【消えた警戒心】

首相に就任する以前から海外のメディアは、安倍首相のことを「筋金入りの保守派」(a born conservative)とか「国家主義者安倍」(Nationalist Abe)と呼んで警戒していた。そして任期前半はまさにその警戒心を裏打ちするかのように、安倍内閣は教育基本法改正、防衛庁の省への昇格、憲法改正のための国民投票法成立などの公約を強行採決によって実現してきたのだ。

しかし、代表的な海外のメディアであるタイム誌も安倍政権にこんな結末が待っていることは予想していなかったようだ。

9月24日号タイム誌は表紙に涙顔の安部首相を持ってきて、 「消え入る(首相)」("Fade Away")と題して国際舞台での断固たる姿勢を望んでいた首相の思惑は、経済への関心が高い国民と最後まで折り合わなかったとレポートしている。

Fade Away - Shinzo Abe wanted Japan to stand tall on the international stage, but his agenda never clicked with a public more concerned about the economy

筋金入りの保守派から消え入る首相。何がこれほどのギャップをもたらしたのだろうか。

【テロ特措法が引き金?】

それにしても不可解な突然の辞任劇だった。
その最たるのものが、辞任の理由だ。すなわち、安倍氏がその辞任会見で、辞任の理由は松岡農水相の自殺でも、年金問題でも、参院選での惨敗でもなく、民主党の小沢代表が党首会談を断ったからだと語ったことだ。

確かに安倍氏が政治生命を賭けると見得を切ったテロ特措法の期限延長問題で真っ向から対立する小沢民主党との党首会談に一縷の望みを託していたのに、それが実現できなかったことが彼を心理的に四面楚歌の状況に追い込んだのかも知れない。

いづれにしても、タイム誌は、複数の専門家の言葉を引用しながら、持病に加えてあまりにも重い責任に耐え切れなくなった、岸元首相という偉大な祖父を持つ若きプリンスの姿を驚きをもって紹介している。

【早く混迷からの脱出を】

この記事が書かれた時点では未だ福田氏擁立が確たる動きになっていなかったので、次期総裁としては麻生氏の名前しか出ていないが、タイム誌は、誰がなるにせよ、日本はまた首相が次々に入れ替わる旧来の派閥政治に逆戻りする可能性があると書いている。

Whoever wins, Japan may be returning to the bad old days of fractional politics, in which Prime Ministers come and go as party infighting overshadows the issues the country really needs to tackle.

混迷の元は自民党だけではない。民主党も今は小沢代表に「お手並み拝見」とばかりに党内の意思統一が図られているが、右から左まで党内意見は幅広く政権与党になれるかどうか疑問も多いのだ。

サブプライム問題で揺れる世界経済の余波は日本にも波及してきている。景気後退を未然に防ぐためにも、早く改革の姿勢を継続できる首相の登板を望みたいところだ。国内で小さなコップの中での小競り合いをしている場合ではありませんよ、民主党、自民党の国会議員のみなさん!!  



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