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2008年04月14日
【フラット化する世界】
トーマス・フリードマン教授のベストセラー「フラット化する世界」("The World Is Flat")の日本語版が出版されたのは2006年5月。この本を読めば、インターネットと革新的な通信技術によって、この10年近くで世界のビジネスの仕組みは僕らの想像を超えたスケールで進み、世界がまさにフラットになっていることが手に取るようにわかる。そのフラット化の要因としてフリードマン氏が挙げている中にインドのアウトソーシングの事例が掲載されている。
それはコンピューターの2000年問題、いわゆるY2Kと呼ばれる二桁の日付のバグの問題だ。この問題を解決するために限られた時間で大量のコンピュータエンジニアを使って膨大なコンピュータの修正作業を迫られたアメリカが、大量の英語を話せる知能労働者を有するインドとの共同作業を行ったのがきっかけとなったのだ。
このインドとアメリカの共同作業を可能にしたのがインターネットであり、これがデジタル化できるあらゆるサービス、コールセンター、ビジネス支援、知識労働をインドのような最も安く、賢く、有能な供給者に割り当てることができると言う「海外へのアウトソーシング」-世界のフラット化の一要因となったのだ。
【そして弁護士業務も】
4月14日号のタイム誌のグローバル・ビジネス欄の記事「弁護士を呼んでくれ・・・・インドの」("Call My Lawyer.....in India")の中で、今そのアウトソーシングが米国とインドの間では、ついに弁護士業務にまで浸透しつつあるという事実を紹介している。
OUTSOURCING ----Call My Lawyer .....in India. Call-center jobs were first; now U.S.companies are looking offshore for their legal work too
もちろん弁護士業務のアウトソーシングが成立するためには、米印の弁護士の間に大きなフィーの格差が存在するからだ。ある米国の弁護士の時間当たりのフィーは395ドルに対し、インドでは60ドルほど。およそ6~7倍の開きがあるのだ。これほどの格差は先進国の間では考えられないため、一部業務をインドにアウトソースして、クライアントの負担を減らし競争力をつけようという弁護士事務所が出てきても不思議ではない。
【根強い抵抗も】
しかし、米国内の弁護士には根強い批判や抵抗もある。そのひとつが守秘義務や利益相反の認識といった弁護士のコンプライアンスの問題をインド側が理解しているかどうかということがある。
Outsourcing companies do not understand the scope of a lawyer's duty to confidentiality, nor are they familiar with conflict-of-interest rules.
何千キロも離れたインドでクライアントの秘密が漏れたら大変だという懸念があるというのだ。あるシカゴの弁護士事務所は、アウトソーシングはしないと明言しそれは「弁護士業務の質」に関わると公言する。
"We don't do, haven't done and don't plan on doing this. The name of the game for us is quality." says Gregg Kirchhoefer, a partner in the Chicago office of Kirkland & Ellis.
それにしても、「ああ、弁護士よ、お前もか。」とでも言いたくなるようなすさまじいばかりのアウトソーシングの広がりだ。
使用言語が英語だからといって日本の弁護士もうかうかとしてはいられなくなるだろう。良し悪しは別にして、あらゆる契約形態は金融にせよ、製造業にせよ、グローバル化が急速に進んでいるのだ。早晩、米国の弁護士費用の競争力強化が日本の弁護士業にも及んでくるだろう。国内弁護士の数の問題など内向きの議論ばかりしていたらいつの間にか国際的競争力を喪失して空洞化してしまうことになるのではないだろうか。みなさんはどう思われますか?
それともすでに国際的競争力などない?失礼しました。

それはコンピューターの2000年問題、いわゆるY2Kと呼ばれる二桁の日付のバグの問題だ。この問題を解決するために限られた時間で大量のコンピュータエンジニアを使って膨大なコンピュータの修正作業を迫られたアメリカが、大量の英語を話せる知能労働者を有するインドとの共同作業を行ったのがきっかけとなったのだ。
このインドとアメリカの共同作業を可能にしたのがインターネットであり、これがデジタル化できるあらゆるサービス、コールセンター、ビジネス支援、知識労働をインドのような最も安く、賢く、有能な供給者に割り当てることができると言う「海外へのアウトソーシング」-世界のフラット化の一要因となったのだ。
【そして弁護士業務も】
4月14日号のタイム誌のグローバル・ビジネス欄の記事「弁護士を呼んでくれ・・・・インドの」("Call My Lawyer.....in India")の中で、今そのアウトソーシングが米国とインドの間では、ついに弁護士業務にまで浸透しつつあるという事実を紹介している。
OUTSOURCING ----Call My Lawyer .....in India. Call-center jobs were first; now U.S.companies are looking offshore for their legal work too
もちろん弁護士業務のアウトソーシングが成立するためには、米印の弁護士の間に大きなフィーの格差が存在するからだ。ある米国の弁護士の時間当たりのフィーは395ドルに対し、インドでは60ドルほど。およそ6~7倍の開きがあるのだ。これほどの格差は先進国の間では考えられないため、一部業務をインドにアウトソースして、クライアントの負担を減らし競争力をつけようという弁護士事務所が出てきても不思議ではない。
【根強い抵抗も】
しかし、米国内の弁護士には根強い批判や抵抗もある。そのひとつが守秘義務や利益相反の認識といった弁護士のコンプライアンスの問題をインド側が理解しているかどうかということがある。
Outsourcing companies do not understand the scope of a lawyer's duty to confidentiality, nor are they familiar with conflict-of-interest rules.
何千キロも離れたインドでクライアントの秘密が漏れたら大変だという懸念があるというのだ。あるシカゴの弁護士事務所は、アウトソーシングはしないと明言しそれは「弁護士業務の質」に関わると公言する。
"We don't do, haven't done and don't plan on doing this. The name of the game for us is quality." says Gregg Kirchhoefer, a partner in the Chicago office of Kirkland & Ellis.
それにしても、「ああ、弁護士よ、お前もか。」とでも言いたくなるようなすさまじいばかりのアウトソーシングの広がりだ。
使用言語が英語だからといって日本の弁護士もうかうかとしてはいられなくなるだろう。良し悪しは別にして、あらゆる契約形態は金融にせよ、製造業にせよ、グローバル化が急速に進んでいるのだ。早晩、米国の弁護士費用の競争力強化が日本の弁護士業にも及んでくるだろう。国内弁護士の数の問題など内向きの議論ばかりしていたらいつの間にか国際的競争力を喪失して空洞化してしまうことになるのではないだろうか。みなさんはどう思われますか?
それともすでに国際的競争力などない?失礼しました。