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2008年04月17日

【地球温暖化と経済成長】

地球温暖化と経済成長について、国際通貨基金(IMF)が本格的な報告書を公表した。

『国際通貨基金(IMF)は3日、地球温暖化問題の経済的影響について初の本格的な報告書を公表した。同日公表した世界経済見通しの分析部分で触れた。炭素(環境)税導入などをした場合でも、2040年の世界経済は現在の2倍以上の規模に成長すると予想、「世界経済に大きな影響を与えずに対策を講じることは可能」と結論づけた。環境対策導入に慎重な国への有力な説得材料になるものと見られる。

 IMFは、2100年の温室効果ガス排出量を、02年実績の4割まで削減する目標を設定。13年から全世界で炭素税や排出量取引などの対策を導入した場合の経済的コストを試算した。

 それによると、世界の実質成長率は、13~40年の累計で約2%落ち込むものの、世界経済に与える影響は限定的で、40年の実質国内総生産(GDP)は07年の2・3倍に膨らむと予測した。』(4月4日付毎日新聞)


【途上国の懸念】

京都議定書に基づく温室効果ガス排出削減がスタートした今年、世界はさらなる地球温暖化防止に向けた統一的な行動指針を合意すべく喧々諤々の議論を続けている。しかし、今まで膨大なCO2を出し続けた先進国に対する途上国の不信感は根強く、なかなか合意への道のりは厳しいだろう。

その途上国の懸念というのは、これから経済成長をさらに加速させようと考えている途上国にとって、CO2削減という対策が成長の足かせになるのではないかということに尽きる。

その懸念に対するひとつの回答が今回のIMFの報告なのだ。報告書によれば政策の中身や国によって差異はあるものの、世界全体としては炭素(環境)税導入や排出権取引などを採用した場合でも、2040年の世界経済は現在の2倍以上の規模に成長すると予想、「世界経済に大きな影響を与えずに対策を講じることは可能」としている。

【先進国の責務】

この報告書だけで途上国が納得するわけではもちろんないが、日本を含む先進国が途上国の不信や懸念をできるだけ取り除いていくという決意を示し、それを確実に実行していかなければ実効性のある地球温暖化防止は不可能だろう。

 その際、IMFが「対策を講じる際には世界経済への影響を慎重に考慮することが重要」と指摘するように、バイオ燃料の導入が世界的な穀物価格高騰を招いたり、アマゾンに見られるようにCO2を吸収する熱帯雨林の大規模な消失につながったりしては元も子もないことも肝に銘じるべきだろう。

地球温暖化防止のためには、先進国の責務はどんなに重くても重すぎることはないのだ。日本政府も財界もそのことを念頭に置いて洞爺湖サミットに向けてリーダーシップを発揮してもらいたい。

《参考》

・"Climate Change and the Economy" by Natalia Tamirisa , a Deputy Division Chief in the IMF’s Research Department.
  




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